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2015年12月01日
日本に求められるハイレベルな選挙訓練学校
米国には民主主義を実践するために選挙技術を学ぶための訓練学校が存在している
米国では自由主義系の保守派の運動員を育てるための学校としてThe Leadership Instituteという訓練学校が存在しています。全米から集まった志ある運動員候補者たちが、米国のワシントン郊外に設置された同組織の施設の中で日々選挙技術や政治活動技術を伝播し、強力な草の根組織を創るための教育が行われています。
私自身もThe Leadership InstititeのCampaign Management Schoolを受講し、所謂選対の事務局長として知っておかねばならない基礎知識を学習できるプログラムを体験しました。本日は同メニューで受講できる内容、そして選挙の訓練学校が存在している意義について触れていきたいと思います。
米国の共和党保守派ではCampaign Management Schoolを修了したことは一つのステータスであり、同プログラム修了後には政治活動のスタッフとして様々な道が開かれることになります。
キャンペーン、資金調達、世論調査、WEBコミュニケーション、団体対策、ネガキャンなど多数のプログラム
受講者は施設が提供する地下ドミトリーで5日間寝起きする合宿環境の中に置かれて、朝9時~夕方5時までびっしり詰まった一日6プログラム程度を受講します。
まず、朝食から簡単なベーグルとリンゴを食べつつ、FOXニュースがつけっぱなしの環境という保守っぷり抜群な環境で過ごすことになります。ドミトリーではバスティアの「法」を読む人が多くイデオロギーの徹底ぶりが半端ではないです。
その後、1限が開始するのですが、初っ端の授業からネガキャンの打ち方からスタート、その後、スケジュール、個別訪問、電話作戦、資金調達、名簿管理、世論調査、WEB、団体対策、組織構築、選挙不正対策、予備選挙の戦い方、その他諸々の内容について1時間~1時間30分のコースを5日間ぶっ続けで受講します。
濃密な5日間を過ごすだけで、ちょっとした選挙マニアになることが可能です。内容としては、日本でも通用する内容であり、選挙に関する万国共通のノウハウであることが分かると思います。日本で現場で徒弟制度で叩き込まれる内容が洗練された教育コンテンツとして整理されているイメージです。
日本の各政党などが実施している偉い国会議員や有識者が出てきて自分の知っていることをしゃべるだけの内容とは異なる、そのまま実践に使うための知識が徹底的に詰め込まれることになります。
ちなみに、私の目の前に座っていた受講者同士でいつの間にかカップルが成立していたので、これだけのプログラムをこなしながら凄い猛者もいるものだと思った記憶があります。
自由主義を実現するためのハイレベルな選挙訓練学校の存在
日本の選挙事務所の徒弟制度では10年程度かかって覚える内容を僅か5日間に凝縮したプログラムは、日本の自由主義運動の担い手を短期で集中的に育てるために効率的な仕組みであり、民主主義の健全な発展のためにも意義があるものです。
日本の選挙教育のシステムは、政治活動や選挙活動の部外者による表面的なノウハウ提供がほとんどであり、本格的な教育を行う手法というものは十分に存在していません。そのため、本当に能力がある政治活動や選挙活動のスタッフを調達することが困難な環境があります。
また、日本には公職選挙法という馬鹿げた法律があるために、米国ほど民主主義への参加が容易ではなく、一般の有権者が選挙に関わる際には万が一の時のリスク教育をしっかりする必要があります。(それでもこの法律を廃止しない限りは冤罪が限りなく生まれ続けていくことになると思います)
政治活動と選挙に関わる人々の登竜門として、The Leadership Instutiteのような訓練学校への日本の社会的ニーズは明確に存在しています。志ある選挙コンサルタントの皆さまは自らの知識を体系化し、日本にこれらの学校を展開していく社会貢献の道を歩まれることを祈念します。
yuyawatase at 23:20|Permalink│Comments(0)