鈴木宗男

2016年01月22日

2016年1月22日・首相動静ウォッチ

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本ブログでは、時事通信社の首相動静について追加情報を加えながら首相の行動の意図を推測しています。少しでも皆様のお役に立つ情報が提供できれば幸いです。

<1月22日(金)>

・午前8時現在、東京・富ケ谷の私邸。朝の来客なし。
・午前8時43分、私邸発。
・午前8時59分、官邸着。
・午前9時7分から同18分まで、農林水産業・地域の活力創造本部。
・午前9時23分から同45分まで、閣議
・午前10時41分から同51分まで、原田親仁日ロ関係担当大使、外務省の杉山晋輔外務審議官、林肇欧州局長
・午前11時58分から午後0時6分まで、柴山昌彦首相補佐官
・午後1時14分から同29分まで、北村滋内閣情報官
・午後1時52分、官邸発。同54分、国会着。同55分、衆院議長応接室へ。同2時、同室を出て衆院本会議場へ。同2分、衆院本会議開会。施政方針演説。
・午後3時30分から同32分まで、麻生太郎副総理兼財務相。同34分、衆院本会議散会。同35分、衆院本会議場を出て、同36分、院内大臣室へ。同37分から同39分まで、「運転従事者の健康と安全を守るための脳MRI検診推進超党派議員連盟」の二階俊博会長による申し入れ。同40分、同室を出て、同42分、参院議長応接室へ。同43分、同室を出て参院本会議場へ。同46分、参院本会議開会。施政方針演説。同5時17分から同20分まで、麻生副総理兼財務相
・午後5時23分、参院本会議散会。同24分、同室を出て、同25分、国会発。同27分、官邸着。
・午後5時40分から同45分まで、財務省の田中一穂事務次官、浅川雅嗣財務官
・午後5時46分から同58分まで、木村太郎自民党広報本部長ら。同6時から同40分まで、ロシアのプーチン大統領と電話会談。
・午後6時46分、官邸発。同51分、東京・赤坂の日本料理店「口悦」着。二階自民党総務会長、林幹雄経済産業相ら二階派議員らと会食。
・午後8時31分、同所発。
・午後8時36分、公邸着。

<1月22日の見どころ>

本日は、安倍首相がプーチン大統領と電話会談を実施し、安倍首相が春ごろにロシアの地方都市に非公式訪問を行うことで合意しました。2月中に次官級協議を実施するとともに、交渉担当は原田親仁日ロ関係担当大使が就任することになりました。

原田親仁氏はロシアンスクールの中心人物であり、かつて鈴木宗男氏が外務省の裏金組織とされる「ルーブル委員会」に関与したのではないかと質問主意書で取り上げられた人物です。(もちろん、外務省は存在自体を否定しましたが・・・)杉山晋輔は国際協力畑の人物であり政務担当の外務審議官、林肇欧州局長は元領土・主権対策企画調整室長で第1次安倍政権で首相秘書官でした。

柴山昌彦首相補佐官は外務政務官を経験しており、外務政務官時代は中曽根大臣の下で沖縄・北方領土問題に取り組んだ経験があります。現在は補佐官として「国家安全保障に関する重要政策及び選挙制度担当」を所管しています。

日本側としては経済苦境に置かれているロシアに対して、最強の布陣かつ安倍首相の腹心が交渉にあたる形になります。安倍首相の対ロ外交・領土問題解決への本気度が垣間見られる一日でした。

そのほか、財務省の事務次官・財務官が面談しています。財務官は国際通貨マフィアの一人です。昨年末の米国の利上げ、欧州中央銀行や日銀の追加緩和観測、ダボス会議でのジャパンナイトの開催など、様々な国際経済に関する議論・イベントが目白押しな状況での面談となります。

夜の仕上げは、現在の自民党内で隠然たる影響力を発揮する二階総務会長ら二階派議員との懇親となりました。首相が自派閥である清和会以外でも特に二階派を頼っている様子を伺うことができます。お店の「口悦」は溜池山王にある老舗「料亭」であり、まさに自民党重鎮の会合としてイメージがぴったりのものとなりました。















外務省犯罪黒書
佐藤 優
株式会社講談社エディトリアル
2015-12-04



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yuyawatase at 22:48|PermalinkComments(0)

2015年12月29日

なぜ、新党大地は野党統一候補に協力しないのか?

鈴木宗男
Wikipediaより引用

北海道新聞が報道した安倍首相と新党大地・鈴木宗男氏の会談の意図

新党大地・鈴木代表、首相と意見交換 来年の選挙に向け(北海道新聞)という地味なニュースが報道されました。しかし、これは今後の政局だけでなく、日本の針路を決める決定的な会合の一つになるものと思います。報道内容は下記の通り。

「安倍晋三首相は28日、首相官邸で新党大地の鈴木宗男代表と約40分間会談し、来年4月の衆院道5区(札幌市厚別区、石狩管内)補欠選挙や来夏の参院選などについて意見交換した。関係者によると、首相は鈴木氏に「北海道では大地が影響力を持っている。鈴木氏はキーマンだ」と述べ、大地の動向を注視していく考えを示した。」

「これに対し鈴木氏は、共産党が加わる野党統一候補の擁立は支持しない考えを伝えた。日ロ関係やシリア情勢でも議論した。鈴木氏は会談後、記者団に「来年は参院選の年でもあり、首相は自身の考えを披露された。私は聞き役だった」と述べた。」

北海道衆議院小選挙第5区、新党大地の得票力は勝敗を左右する影響力あり

北海道衆議院小選挙第5区における新党大地の集票力は約24,000票と推定されます。この数字は新党大地が2013年参議院議員選挙で同選挙区から比例票を獲得した票を基に算出しています。

直近の小選挙区選挙の結果は、

町村信孝 (自由民主党)131,394票、勝部賢志(民主党)94,975票、鈴木龍次(日本共産党)31,523票であり、単純な票の出方で考えると、野党連合候補者にとっては新党大地24,000票は勝敗を左右するレベルのものだと言えるでしょう。

実際には与党側は町村氏が娘婿への代替わり、野党側は共産党との協力の是非という難しい問題を孕んでいるため、上記の数字の通りの結果にはならないでしょうが、それにしても新党大地の力は無視できないものでしょう。

北海道衆議院小選挙第5区、新党大地の得票力は勝敗を左右する影響力あり

ところで、野党連合候補者が来年予定されている補欠選挙で、反安保というピンとがずれた選挙争点を掲げることが予想されるため、安倍政権側にとっては新党大地が野党連合候補者に協力しないことは、最後の詰めの一手に過ぎないものと思います。また、従来までの新党大地の動向に鑑みるに、安倍政権と協力する理由も特に見当たりません。

新党大地に対して提示した安倍政権の真の狙いは北方領土問題の解決ということになるでしょう。それに伴い北海道経済は対ロ関係で大きなメリットを得るものと思います。安倍政権は「中国以外」の全ての周辺国との間で「手打ち」を行うことで、対中関係に関して強硬姿勢を取れる環境を構築しています。

米国には米国上下両院議会演説・安倍談話・安保法制、韓国には慰安婦問題への妥協、東南アジアは援助と引き換えとした南シナ海での東アジアサミットでの懸念表明、インド・中央アジア諸国への巨額の円借款などの援助など、安倍政権は中国包囲網を形成するための外交努力を行ってきました。その仕上げがロシアとの北方領土問題解決と平和条約の締結ということになります。

先日の記事(日中限定戦争への道、慰安婦合意の真意を探る)で安倍政権の慰安婦合意について筆者の推測を書きましたが、安倍政権の外交政策及び憲法改正への段取りは最後の詰めの段階に入ったと言えます。

安倍政権は良い意味でも悪い意味でも政局・内政・外交がリンクした優れた戦略的な政権運営を行っている強靭な政権です。従来までの日本の政権とは全く異なる政権であるという解釈を行った上で、その政権運営の是非を論じることが重要です。時代遅れの右派・左派の双方の論評は論壇の座を退くべきだと思います。




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yuyawatase at 21:00|PermalinkComments(0)