選挙

2016年09月13日

そろそろトランプ大統領誕生を真剣に考えたら?

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ヒラリー・クリントンの健康問題を一貫して指摘してきたが・・・

筆者は予備選挙におけるトランプ勝利を予備選開始段階で予測し、予備選挙終了後はヒラリー・クリントンの健康問題が選挙焦点になる旨を明言してきました。

トランプがヒラリー・クリントンに勝つ5つの理由
http://agora-web.jp/archives/2019010.html

その後、米国大統領選挙に関する報道についてコメントすることは暫く静観してきましたが、相も変わらずトランプへのバッシングとヒラリー擁護が繰り返されるメディアと識者の解説に辟易していました。

たしかに、ムスリムの米国兵士の両親に対するトランプ氏の批判が行われたときの一時的な支持率の落ち込みは心配ではありましたが、それ以外の時の世論調査の数字はトランプ・ヒラリーはほぼ拮抗している状態が続いてきました。

大統領選挙に関する世論調査はこちら(接戦州はほぼ互角)
http://www.realclearpolitics.com/epolls/latest_polls/

現在も接戦州ではほぼ互角の戦いが展開されており、ヒラリー・クリントンの健康問題がクローズアップされていくことで、トランプの優勢が確立することになるのではないかと予測しております。

ヒラリー・クリントンの健康問題発生を予め想定していたトランプ陣営

そもそもトランプ氏はヒラリー・クリントンとの対決の中で健康問題が焦点になるということを予測していたように思われます。それは昨年の予備選挙の途中段階で共和党内で圧倒的な優位を確立した際に早々に自らの健康診断書を提出しています。

ドナルド・トランプ共和党予備選勝利宣言としての「健康診断書」
http://yuyawatase.blog.jp/archives/667277.html

その後、共和党予備選挙でテッド・クルーズにやや苦戦したことから、この一手は注目されることがありませんでしたが、対ヒラリーの観点から大統領選挙序盤の好手が利いていく形になることでしょう。

トランプ陣営はミスを犯すこともあるものの、中核的なメッセージ発信に関しては総じて成功しており、現在も米国民の約半数から厚い支持を得ている事実にもう少し注目しても良いと思います。

トランプが孤立しているかのような印象は完全な誤りであり、トランプ陣営の言動は確実に米国民の心を捉えるものになっています。

ヒラリー有利という根拠薄弱な主張を妄信せず、トランプ大統領誕生を真剣に捉えるべき

メディアや識者と呼ばれる人々が流す情報は「ヒラリー・クリントン大統領誕生は既定路線」という演出が行われていますが、現実の世論調査の数字はそれらを反映したものになっていません。むしろ、それは彼らの願望を反映しただけのミスリードであるとすら言っても良いでしょう。

現実はトランプ氏とヒラリー・クリントンどちらになってもおかしくない状況です。そして、ヒラリー・クリントンの健康問題が取り上げられていく場合、今後はトランプ優勢に形勢が傾いていくことになるでしょう。9.11の追悼式典で体調不良を起こしたことの印象は最悪です。

既存のメディアと識者が垂れ流す情報はそれなりに聞き流して、賢明な読者諸氏には大統領選挙の動向については上述の世論調査サイトの数字を参考にして頂ければ幸いです。

筆者が昨年から指摘し続けているように、トランプ大統領誕生を見据えた議論を真面目に行うべきであり、これ以上バカげたトランプ・バッシングに日本の世論が付き合うことが無いようにしてほしいものです。

そろそろ筆者の主張を信じてもらっても良いのではないかと思います(笑)

プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く
アンソニー プラトカニス
誠信書房
1998-11-01


本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。



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2016年07月19日

鳥越俊太郎氏は今すぐ認知症及びがん検診診断書を提出せよ


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(鳥越氏は他人の「がん検診100%ではなく、自分の診断書を提示すべきだった)

鳥越俊太郎氏及び民進党は「都民に健康問題騒動を謝罪をするべき」だ

鳥越俊太郎氏の健康問題がリアル・ネットを問わず都知事選挙の議論の対象となっています。

筆者は担当医ではない人が他者に対して認知症・末期がんであると断定することは避けるべきだと思っています。ただし、そのための大前提として「本人が本当に健康であること」が証明されることが重要です。

東京都庁は約13兆円の予算を扱う巨大組織です。経営者のヘッドハンティングを行う場合でも常識ですが、この規模の経営者を調達する場合、医師の診断書を確認することは必須と言えるでしょう。

鳥越氏の健康問題は立候補以前から周知の事実であり、鳥越氏の推薦政党である民進党等は都民に対して鳥越氏の健康状態について良好であることを証明する重要性を認識するべきでした。

鳥越氏が共同記者会見で提示すべきものは「がん検診100%」ではなく「医師の診断書」だったことは間違いありません。

東京都政の担い手を選択する都知事選挙において、特定の候補者の健康問題が重要な争点になって徒に議論の時間が費やされている不毛な状況を生み出していること自体が失態です。

「病み上がり」「がんサバイバーへの侮辱」と罵り合うのは勝手ですが、自分のプライドのために都知事選挙の貴重な時間を費やすのを止めていただきたいものです。鳥越氏及び民進党ら推薦政党は低レベルの騒動が起きていること自体について陳謝することが当然だと思います。

超高齢化社会「ポスターに並ぶ高齢候補者たち」は本当に大丈夫なのか?

米国でも大統領職を争うヒラリー・クリントンは健康問題が懸念されており、対抗馬であるドナルド・トランプは自らの健康診断書をメディアに対して公開しました。外国でも高齢の政治家の立候補に伴う健康問題は投票に際して重要な判断要素になると思います。

選挙と言えば「掲示板のポスター」ですが、鳥越氏に限らず高齢者の顔ばかりが並んでいる現状があります。超高齢化社会においては必然的に立候補者の年齢も上がっていくものです。

つまり、今回の鳥越氏の健康問題のような事例は珍しいことではなくなる可能性が高く、有権者が立候補者の健康状態について事前に知ることの重要性は増していくものと思われます。

たとえ健康状態に問題があったとしても、それでも投票したい人物がいるなら有権者がその人物を選択することは構わないと思いますが、自分自身の深刻な健康状態を公開することなく投票させる行為は善意の有権者を騙すことと同様だと考えられます。

政党は「医師診断書」の提出を義務化し、有権者に対して品質保証してください

政党は自分たちが推薦する候補者の健康問題という非常に低レベルな議論が起きる状況を回避するべきです。推薦候補者という有権者に提示する商品の品質保証を当たり前にクリアしてから立候補させることが常識でしょう。

今後、超高齢化社会における選挙で政党として候補者を推薦する場合、候補者自らが有権者に対して認知症・がん検診などの一通りの診断書を提示するか、政党の公認・推薦段階でそれらの書類を揃えて事前チェックすることを義務化することが重要です。

鳥越氏に関しては一日の演説回数なども少ない状態であり、テレビ番組などをキャンセルされているケースもあるようですから、明日にでも医師の診断を受けてください。そして、有権者に対して医師の診断書を提示して「健康であること」を証明するのはいかがでしょうか。






本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。



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2016年07月11日

増田寛也氏「ファーストクラス使いながら、他人の使用は批判」

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(NNNから引用)

増田寛也氏、岩手県知事時代は「ファーストクラス」を愛用していた

本日は出馬記者会見ということで、報道各社の記者の皆様に是非とも質問してほしいネタをまとめました。その質問ネタとは「増田さんは岩手県知事時代はファーストクラスをご利用されていたんですか?」というものです。

今回の一連の舛添辞任劇の発端は舛添さんのファーストクラスを利用した豪華海外視察が都議会で追及されたことでした。そのため、東京都よりも何倍も規模が小さい岩手県知事にもかかわらず、知事時代にファーストクラスを利用している人物を都議会自民党が都知事に推薦しようとしていたらシュールな冗談ですよね。では、実際のところはどうだったのかを検証してみましょう。

下記の「岩手日報(2016年5月17日朝刊)」にそのまま回答が載ってました(笑)

<岩手日報>
「ファーストクラス 達増知事が自粛へ 海外出張で見直し」
 達増知事は16日の記者会見で、海外出張の渡航について「ファーストクラスを使わない方向で見直したい」と述べた。欧米出張時に飛行機のファーストクラスを過去5回利用したが、他県の事例も参考に今後は自粛する考えを示した。
 
達増知事は任期中に計23回の海外出張を行い、うち復路で1回、往復で2回ファーストクラスを利用。出張費が最も高かったのは、復路でファーストクラスを利用した2013年8月の南北アメリカ訪問で、16日間の渡航と宿泊費が383万円だった。
 
 達増知事は「旅程の策定は規則に従い、その都度判断し決めている」とし、「全国の多くの知事がファーストクラスを使わず節約しているのは参考にしなければならない」と述べた。

旅費法を準用した県の特別職給与条例は、知事のファーストクラス利用を認めている。政治家の海外出張を巡っては、東京都の舛添要一知事がファーストクラスやスイートルームを使用し「高額過ぎる」と批判が集まっている。増田寛也前知事も海外出張の際にファーストクラスを利用していた。

以上、引用終わり。

筆者自身も一瞬目の錯覚かなと思いましたが、増田寛也氏も「岩手県知事はトップリーダーだと思い込んでファーストクラスを使っていた」ようです。ちなみに、上記の記事は日経テレコンで検索すると出てくるのですが、何故か現在の岩手日報のネットで無料で読める記事では「増田前知事のことは触れていない」記事になっています(笑)

さて、こうなってくると、都議会自民党の候補者選定はいよいよ「頭と目は大丈夫か?」というレベルに突入してきましたね。記者の皆さんは本日の記者会見で「岩手県知事時代にファーストクラス利用してましたか?」という質問をしてほしいものです。前知事の首を取ったメディアの皆様にはその質問を行う義務があると思います。

増田寛也氏、他人のファーストクラスの利用については徹底批判

ところで、東京都知事に立候補する以上、増田寛也氏には更なる説明責任を果たしてもらう必要があります。それは自分自身はファーストクラスを使った過去を持ちながら「改革派のふり」をして「他人のファーストクラスを糾弾してきたこと」についてです。

(増田寛也の目)自治体の事業仕分け地方分権を迫る武器に(朝日新聞2009年12月22日)

「増田 国の事業仕分けの評価=「光と影」の「光」から言えば、今まで密室でやっていた予算編成の一過程が、公開されたことだ。予算は多様な観点から見なくてはいけないことが国民に伝わった。民主党政権が標榜(ひょうぼう)する政治スタイルを見せた。天下りの問題に象徴されるように、役人同士でやっていた時代には削減できなかった限界を乗り越えた。ノーベル賞科学者が反論したが、必ずしも賛同を受けなかった。JICA(国際協力機構)予算や外務省職員の給料、ファーストクラスを使っていることまで洗いざらい出てきた。

「増田 今までは、農業や建設業などの力の強い圧力団体とこれに結び付いている族議員=「影」の世界に通じる言葉さえ発していれば、予算は獲得できた。「隠語」で通じた。これからは、国民に対して語りかけないと予算の正当性が説明できない。訴える相手が内輪から国民に変わった。

以上引用終わり。

もはや自分の目を疑うことをやめて「人生を賭けたギャグなのではないかとすら疑う状況」ですね。舛添さんは少なくとも「ファーストクラスを使用する意義」について語っていましたが、増田寛也氏は自分を棚に上げて他人を糾弾する「舛添を上回るセコさ」を発揮しています。それとも、岩手県知事はトップリーダーだから良いんでしょうか(笑)

しかも、今回の東京都知事選挙立候補までの「都民に全く説明責任が果たされない」プロセスなんて、完全に内輪の隠語ではないですか?この点についても是非出馬会見で記者の皆様には追及してほしいものです。

「自分に甘く他人に厳しい」性格の増田寛也氏は舛添以下の可能性

ちなみに、直近では増田寛也氏は舛添さんが湯河原に帰って東京都内にいなかったことを批判していました。

「舛添都知事 集まる批判 高額な海外出張費 毎週末の別荘通い」(読売新聞2016年5月9日)

■都庁から100キロ
 舛添知事が、ほぼ毎週末、都庁から約100キロ離れた神奈川県湯河原町の別荘で過ごすことへの批判も集まる。舛添知事は、「翌週の準備や資料整理などをして過ごす。緊急連絡体制が整っており、危機管理上も問題ない」と説明する。
 公務後に別荘に行く場合や、別荘から直接公務先に向かう場合は公用車を使い、4月11日までの1年間に計48回、使用した。知事の公用車使用を巡っては、石原氏が知事時代、別荘への移動で使用したことの是非が訴訟で争われ「交通手段、連絡体制の確保などの観点から妥当」との司法判断が出ている。
 しかし、舛添知事は頻度が高く、元岩手県知事の増田寛也氏は「毎週末は多すぎる。公私をきちんと峻別(しゅんべつ)し、公用車の使用も控えるべきだ」と指摘。危機管理の点も「知事がすぐに登庁できない確率が高まる」と問題視している。

・・・立派な発言ですね。では、実際の増田寛也氏の岩手県知事時代のトラックレコードはどうだったのでしょうか?以下、平成16年3月9日の岩手県議会議事録を参照し、県外への視察日数が多すぎる旨を追及された証拠を提示しておきます。

<以下会議録から引用>
斎藤信議員
「知事の県外出張について、実態について聞きます。県外、県内、海外と、その状況はどうでしょうか。」

増田寛也
「私の出張の日数の問い合わせでございますけれども、今年度の数字で申し上げますと、2月末現在まででございますけれども、この中で県外出張が81日、県内出張が66日、それから海外出張が24日という数字になっております。」

斎藤信議員
「実際、結局171日出張していることになるんですね。私は、東京に行っているより、児童虐待とか県内の本当に深刻な問題をしっかり知事の目で見ていただきたい、そういう仕事をしていただきたい。終わります。」

県外出張と海外出張の合計が105日という状況だったわけですが、たしか舛添さんのことを「危機管理の点から問題で知事がすぐに登庁できない確率が高まる」と批判していた人の名前も増田寛也氏だったように思います。同姓同名の別の誰かでしょうか?増田氏の任期中に東北大震災が起きなかっただけのことであり、彼の海外出張中に震災が発生していたなら史上最悪の知事として名前を残したと思います。

「できる人間(改革派)に見られるためには、できる人間(改革派)としてふるまうことが大事」

上記の通り、増田寛也氏は「自分自身がやってきたこと」を「他人もやることは許せない」ようです。ただし、改革派のような発言は繰り返して他人を批判していますが、物凄いブーメランぶりで驚きを禁じ得ません。

まさに「できる人間に見られるためにはできる人間としてふるまうことが大事」という格言を地で行く有様であります。自分と周囲のお友達で「実務派・改革派」と言い続ければ、実務や改革の実際のトラックレコードとは関係なく、「実務派・改革派」になれてしまう「お友だち政治の象徴」のような存在だと言えるでしょう。

増田寛也氏については少し調べただけでも湯水の如く様々な問題が出てきますが、今回はこの辺りにしておきたいと思います。最期になりますが、大事なことなのでもう一回だけ、この場で述べさせてもらいます。

本日は出馬記者会見なのでメディアの皆様は下記の点について増田寛也氏の政見をしっかりと糺してください。

①増田寛也氏は岩手県知事時代にファーストクラスを利用していたのか
②増田寛也氏は岩手県知事時代の県外出張の多さについて問題だと思っているのか
③増田寛也氏は今回の擁立プロセスを自らが批判していた「内輪の隠語」だと思わないのか

以上です。増田寛也氏に関する現在までの疑問点をまとめた拙稿は下記の通り。興味がある人はそちらも参照してみてください。きっと有権者を心の底から舐めてるんだろうなと感じますから。

(1)増田寛也「公共事業で借金倍増1兆円の過去」
(2)増田寛也は岩手県知事時代に「外国人地方参政権OK」
(3)増田寛也・岩手県知事時代の後援会はどんな人達だったのか






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2016年07月03日

増田寛也「公共事業で借金倍増1兆円の過去」

無題
<平成25年9月岩手県「公債費負担適正化計画」より引用>
「岩手県知事時代、借金を倍増させた無能な元建設官僚だった」

<質問者>
「改革派の知事として知られた増田さんは十二年間の在任中に一兆四千億円と、岩手県の借金の残高を二倍にしてしまったというお話をいたしました。なぜそのようになってしまったのか。増田さんのリーダーシップの問題なのか、国の制度の問題なのか、あるいは悔しくなかったのか、お答えください。」

<総務大臣>
「この地方財政、岩手の場合に、今お話ございましたとおり、就任時に比べて大体借入金残高が二倍になったわけですが、その大きな理由、私は、一つは地方での、地方税の収入がなかなか伸びない、あるいは途中では随分落ち込んだ時期もございまして、やはり地方経済がうまく立ち行かないということが一つ。それから、あと社会保障関係費はずっとこの間増えてきていまして、そういう義務的な経費が増えてきているということも一つあります。」

「ただ、一番大きな原因でございますけれども、これは、やはり平成四年以降だったかと思いますが、国、地方併せまして公共事業を大分景気対策ということで行ったわけでございます。この公共事業を随分量的に拡大をして実施をしました。これは借金で実施をするものでございまして、その後、今申し上げましたような地域経済がなかなかうまくいかなかったということによって、その償還費の負担が非常に厳しかったということもあると思います。」

上記のやり取りは、2008年1月31日の参議院予算委員会にて、質問者・田中康夫氏からの総務大臣・増田寛也氏への手厳しい質問とそれに対する増田氏の回答です。

自らの知事としての手腕の無さを国のせい・社会のせいとし、国の成すがまま・言われるがままに公共事業を実施し、岩手県の借金を「倍増」させてきたことを自分自身の答弁で認めました。

彼が在任した1995年度から2006年度の12年間で県債は7029億円から1兆3922円に爆発的に増えています。知事就任直後が県債発行額が最高額に達しており、赤字を垂れ流して自らの政治基盤を確立した姿も数字から伺えます。たしかに、任期後期は急激な予算縮小を断行しましたが、自分でわざわざ公共事業で借金を増やし、その後に自分で歳出改革して辞める前にプライマリーバランスの帳尻を合わせただけです。

国の施策がアクセル全開のうちに思いっきりアクセルを踏んで借金をさせて、その後に国の方針転換に合わせて急ブレーキ。初期に借金が積み重なるのも承知の上であり、このような経済運営で多くの県民・県内企業が振り回されたのではないかと推察します。

その上、増田氏は公共事業を通じて岩手県内産業に寄与したと主張するも、県内総生産・県民所得の推移などを見ても顕著な伸びを示したとは言えず、必ずしも経済運営手腕が優れていたわけでもありません。

ちなみに、田中康夫氏は増田氏と同じ時期に知事を務めて、「僅か6年」で起債残高・借金を減らし、プライマリーバランスを黒字化し、基金を積み増しまで行ったと同じ質疑の中で述べています。

田中氏と同時期の知事として計画的な財政運営ができず、自らの政治基盤を固めるために元建設官僚として膨大な無駄な公共事業を繰り返してきた、と言っても過言ではありません。

増田寛也氏の「総務大臣時代」の驚くべき「東京蔑視」発言

「景気が回復して地方税収全体が上がるときにそういった、特に東京ですが、東京に金が集まりやすいような税体系はやはり切り替えていかなければならないと、こういう大前提がございます。」(平成20年4月24日総務委員会)

「経済活動、我が国全体の総体の経済活動が大都市というよりも東京に一極集中していると、これが今日、我々として早急に対応していかなければならない格差の問題の主要なターゲットになっている、相手方になっていると、こういうふうに考えております。」(平成20年4月20日総務委員会)

「これは結局、そのことを通じて地域に雇用の場があったり、若い人たちがそこにきちんと根拠を置いて、みんな都会あるいは東京などに出ていってしまうということを防ぐためにも、一番、やはりそこに基盤を置かなければいけないんではないかというふうに思っております。」(平成20年3月26日内閣委員会)

「そうしたことを防ぐ意味で、あえて私は税源移譲のことは申し上げませんけれども、その税源移譲をするにしても、例えば法人事業税の分割基準を見直しするといったようなことを行って三位一体改革を進めてきた、こういうことでございます。例えば、東京都からそういったことによって一千億ほどのお金が地方に移るといったようなことをやってまいりました。それで税源の偏りを緩和してきたわけでございますが、しかし、それが不十分だった。そのことは、事実として数字が出ている。」(平成20年2月8日衆議院予算委員会)

など、増田氏の総務大臣としての見解ですが、彼は総務大臣時代に東京都を目の敵として「東京に金を回さない」ということをやってきています。まさに、東京を蔑視して地方に金を回すことを正義としてきたような発言ばかり、「地方で地域の雇用を」というのは聞こえが良いですが、それを「東京のお金で」というのが彼の考え方です。

東京都も高齢化社会を迎える中で介護施設・介護人材などが不足している状況ですが、それは彼ら地方の利権を優先してきた人々が東京都のインフラを蔑ろにしてきたからに他ならず、東京都に不足する子育て施設も含めて東京への資源配分を蔑ろにしてきた増田氏の愚策がその遠因にあるのです。

増田寛也では東京を愛していない人物が公共事業によるバラマキで借金を作るだけ

以上のように、今回は増田氏の総務大臣時代の答弁を見てきましたが、自らの失敗に対する責任は中央省庁や社会環境に押しつけ、そして東京を蔑視する(東京から地方にお金を回したことを誇る)という有様でした。

増田氏の政治姿勢は一つの考え方として必ずしも否定しませんが、今更「東京都知事」として名乗りを上げるにはあまりに「厚顔無恥」なのではないかと思います。

彼が日本創生会議座長として行った「消滅自治体」の提言が基になって行われた「地方創生事業」というガラクタの山が積み上がりつつある中で、自分だけが地方の惨状から足抜けして東京都知事になろうとすることは虫が良すぎるのではないでしょうか?自らが如何に東京都を犠牲にして地方の人気取りのような政策を実行してきたのか、まずはその誤りを都民に謝罪することから始めるべきでしょう。

現在の増田氏に対する評価は「東京を愛していない人物が公共事業によるバラマキで借金を作るだけ」というものです。彼を推薦しようとする都議会自民党の政治的な見識を疑うとともに、一人の東京都民として「東京都民を馬鹿にするのも大概にしろ」とはっきりと申し上げておきます。





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2016年07月02日

「首都消滅か?」、増田寛也推薦という東京都民への背信行為

無題

都議会自民党の「増田寛也」氏推薦は東京都民に対する背信行為だ

東京都知事選挙の都議会自民党推薦プロセスが大詰めを迎えつつあります。既に小池百合子元防衛相が立候補を表明していますが、都議会自民党は小池氏ではなく増田寛也元岩手県知事を推薦しようとしています。

しかし、東京都民にとっては増田寛也氏は「不倶戴天の敵」であり、彼を都知事に推薦しようとしている都議会自民党は東京都民に対する背信行為を働いていると言えます。

その理由は増田寛也氏がまとめた報告書、そしてそれをベースにした書籍が「東京都から税金を吸い上げて全国に大量のバラマキを行った「地方創生」の根拠になった」からです。彼を都知事に頂くことは東京都民がこれらの不毛なバラマキを認めることになり、全国で更なる無駄な事業が行われるとともに、東京都民の血税が無駄に使われることを意味します。

「地方消滅」から「首都消滅」へ、増田寛也氏は東京都民に謝罪するべきだ

全国知事会のHPには「地方創生の背景と論点」として、 「第2次安倍内閣の発足以来、政権が「地方の問題」に寄せる関心は必ずしも髙くなかった。軌道修正の転機となったのが日本生産性本部の日本創成会議・人口減少問題検討分科会(座長・増田寛也元総務相)による「消滅自治体リスト」及び提言「ストップ少子化・地方元気戦略」の公表だった。」とされています。

増田氏が発表した「消滅自治体リスト」をベースとし、地方創生論議が巻き起こった結果として、日本全国で愚にもつかない人口維持・人口増加のための地方創生計画が作成されて、そして地方創生の名を冠する膨大な無駄遣いが行われてきました。地方創生は東京のコンサル屋と地方の利権屋の懐に入っただけのものであり、完全に大失敗している状況です。(増田氏が顧問を務める野村総研はそれで良いかもしれないですが・・・)

地方創生、加速する前に先行組がいて、彼らのほうがモノスゴイことになってたよー!

このような不毛な政策に大量の資金を拠出させられた結果、東京都の国際都市としての競争力が上がるわけもなく、むしろ東京都民は貴重な資源を浪費したことで世界の都市間競争に不利な立場に追い込まれています。まさに増田氏によって東京都民は「首都消滅」への一里塚を築かされたと言えるでしょう。

増田寛也氏がそれらの失敗を意にも介さずに都議会自民党からの推薦を受けて東京都知事に立候補しようなど、東京都民を馬鹿にするのもいい加減にしろ、ということです。

都議会自民党は「売郷奴」なのか?、東京都民のための政治が出来ないなら辞職すべき

増田氏を東京都知事にしようということは、岩手県民が「東京のために税金を使いましょう」と言っている人物を岩手県民に担ごうとすることとほぼ同義です。このような意味不明なことはあり得ません。

都議会自民党は東京都民の利益を無視して、権威と知名度に屈服した売郷奴なのでしょうか?

少なくとも筆者は東京出身者として、この人物を東京都知事に推薦する行為を受け入れることはできません。都議会自民党の見識を疑うとともに、そんなことなら「舛添のほうが遥かにマシだった」と付け加えておきたいと思います。

東京都内に保育園や介護施設が足りなくなっている理由は、東京都から地方への不当なバラマキの積み重ねの結果であり、地方に出来上がってしまった誰も使わなくなった施設を東京都民が利用しなければならないなど本末転倒甚だしいのです。現在、最も必要なことは東京都から地方への税流出を止めて、東京都民の税金を東京都内に使っていくことなのだから。

増田寛也氏に自民・民進も相乗りするらしいですが、両党の国会議員たちは地方選出の国会議員ばかり。したがって、地方創生を生み出した増田氏を都知事にして更に都民を搾取しようという魂胆。植民地総督のような知事を担いで都議会自民党は本当にそれで良いのでしょうか?

首都消滅を回避するためには「地方創生」ではなく「東京税の廃止」を実現すべき

東京都民は毎年のように膨大な税金を納税しており、地方交付税などを通じて非東京圏に多額の財政移転を容認させられています。

東京都からの流出総額は7兆2233億1200万円という数字になり、東京都の平成27年度一般会計予算(当初)6兆9520億円を上回る「もう一つ東京都庁が運営できる」(特別会計・公営事業会計除く)ことができる「東京税」が課されているのです。

具体的には、東京都民は子どもから老人まで一人・毎月45,482円という大金を払っています。東京都内から納められている税金が東京都民のために使われる当たり前のことが行われるだけで、多くの課題を解決することが可能になるのです。

 東京都民に課される毎月45,482円「東京税」を知ってますか?

東京知事に相応しい人物とは「TOKYO FIRST」(東京第一主義)を掲げて東京都民のために働く人物です。都議会自民党が推薦しようとしている増田寛也氏は東京都民の不倶戴天の敵であり、求められる真逆の人物像だと言えるでしょう。



東京一極集中が日本を救う (ディスカヴァー携書)
市川 宏雄
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015-10-22


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2016年05月07日

数字で分かる!トランプの大統領選挙・勝利の方程式とは

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トランプの予備選挙勝利を予測することができない理由は「数字」を見ないから

さて、筆者は前回の記事ではトランプ氏がヒラリーに勝てる定性的な根拠を示しました。

「トランプはヒラリー・クリントンに勝つ!」5つの理由

しかし、筆者が「トランプ勝つかもよ?」と述べても、メディアや知識人などの既存の権威を信じる頑迷な人たちはクリントン勝利を漠然と信じていることでしょう。

でも、よく考えてみてください。みなさんが信じているメディアや知識人はトランプの予備選挙勝利を何ら予測することができなかった人たちです。なぜ、彼らは「専門家」であるにも関わらず予測を外してしまったのでしょうか?

その理由は簡単です。なぜなら、彼ら自身が既存の思い込みから抜け出ることができず、数字的な根拠もなく思い込みを述べていたからに他ならないからです。昨年中のテレビの大統領選挙の解説などで「ブッシュが本命」って何度も聞きましたよね?今となっては公共の電波で根拠が何もない素人以下の見解が垂れ流されていたわけです。

また、大統領選挙について解説する有識者らのトランプ氏を批判することを目的とした「分析の体裁を取った罵倒」に何の意味があるのか、今でもさっぱり理解できません。そこにあるのは知性ではなく冷笑・嘲りなどの知的傲慢そのものだと思います。

そこで、今回はトランプ氏がヒラリーに勝てる根拠を数字で示していくことで、メディアと有識者の皆さんによる米国政治に対するミスリードから読者の皆さんの意識を修正していきます。

トランプがヒラリーに勝てることは数字で予測することができる

アメリカ大統領選挙では各州に割り当てられた選挙人団の過半数を獲得することで勝利することができます。全部で538人の選挙人団が存在しており、そのうち270人以上の選挙人団を確保すればゲーム終了ということになります。

前回のオバマVSロムニーの選挙人獲得数では、オバマ332名とロムニー206名ということで大差でロムニーが敗北しています。実際の得票数はオバマ・約6591万票VSロムニー・約6093万票なので得票割合は極めて競っていましたが、一部を除いて各州勝者総取り方式なので両者の獲得数に大きく差が出た形です。

ロムニーは共和党内では必ずしも良く思われていないモルモン教の信者であり、人気が特別高かったわけでもないので、今回の分析ではトランプ氏の最低獲得選挙人数を基礎票としてカウントするものとします。

ロムニーの選挙人獲得数は206名なので、トランプ氏の獲得選挙人数が過半数の270人に達するためにはトランプ氏は幾つの州で追加の勝利をする必要があるかを考えていきます。

まず、オバマに取られていた選挙区で共和党が取り戻す可能性が高い州は、

・オハイオ州(ケーシックの地盤)18人
・ウィンスコンシン州(スコットウォーカーの地盤)10人

だと推測されます。これで206+28人=234人です

ケーシック氏は大統領候補者になった場合ヒラリーに勝てるという世論調査結果があり、彼が副大統領または要職で迎え入れられた場合、同州での勝利は比較的手堅いものになるでしょう。ウィンスコンシン州は最近の大統領選挙では民主党支持層が厚い状況ですが、予備選挙にも出馬していたスコットウォーカー氏が州知事であり、なおかつ最近では上下両院選挙でも共和党が優勢な状況となっています。

続いて、他のスイングステート(共和・民主の勝敗が入れ替わる州)の状況を見ていきます。それらの州のうち、現在、共和党知事在職&勝率がそれなりに高い州は、

・フロリダ州29人(トランプ予備選圧勝
・ネバダ州6人(トランプ予備選圧勝)
・アイオワ州6人(トランプ僅差負)
・ニューメキシコ州5人(5月7日現在・予備選未実施)

ということになります。これらを合計すると46名になるため、この時点でトランプ氏の獲得選挙人数は280名に到達します。その上で、通常運転では民主党有利&共和党知事がいる下記の州で万が一勝利できた場合、

・ミシガン州16人
・ニュージャージー州14人
・メリーランド州10人
・メイン州4人
 
がトランプ氏の獲得選挙人数に加わることになります。これに加えて、民主党知事が存在する、ペンシルベニア州20名、コロラド州9名、ニューハンプシャー州4人などのスイングステートでの勝ち負けを考慮に入れるなら、トランプ氏が十分に大統領選挙に勝利する可能性があると言えるでしょう。

共和党が渋々トランプ氏名を認めた理由は「予備選挙参加者数の激増」にある

上記のように、大統領選挙のルールを概観した場合、トランプ氏が大統領選挙に勝利できる可能性が当たり前に存在することが理解できたと思います。その上で、読者の疑問はそれらの諸州でトランプ氏は勝利することができるのか?ということに尽きるでしょう。

その疑問に回答する数的根拠は「共和党予備選挙参加者数の激増」を取り上げたいと思います。

実は、2016年の共和党予備選挙は2012年時よりも圧倒的に多くの米国民が参加しています。2012年時の参加者総数は18,973,624名でしたが、今回は5月3日のインディアナ州での予備選挙が終わった段階で参加者総数26,639,737名に激増している状態となっています。理由は言うまでも無く、トランプ氏が新たな共和党支持者を発掘したからです。

上述の通り、米国大統領選挙に当選するための人数は6500~7000万人程度です。したがって、トランプ氏の加入によって共和党予備選挙参加者及び見込み残だけで約45~50%近い人々が今回の大統領選挙で共和党に一定のコミットを行ったことになります。

たとえば、スイングステートであるフロリダ州では、2016年の大統領選挙本選ではオバマ424万票、ロムニー416万票の僅差で共和党は敗北することになりました。

そして、今回のフロリダ州の共和党予備選挙では2012年・167万人から2016年・236万人まで増加しています。一方、民主党は2008年・175万人⇒2016年・171万人と予備選挙参加人数が減っている状況です。共和党は盛り上がっているけれども民主党はそんなでもない、ということを数字が語っています。

前回の大統領選挙本選でオバマ・ロムニーの差が約8万票しかなかったことを考えると、トランプ氏の加入による共和党予備選挙による支持者掘り起し効果が大統領選挙本選に与える影響の大きさが分かりますよね。

もちろんトランプ氏を毛嫌いする層からの得票が逃げ出すことも予想されますが、それを補って余りある数字をトランプ氏が叩き出している状況が現実なのです。

トランプ氏が負けるとする人々はトランプ加入による得票増よりも忌避票が多いと考えています。しかし、トランプ氏による得票増は数字で証明されていますが、トランプ氏に忌避票が実際にどの程度になるかは分からない状況があります。

共和党指導部は当然に上記の状況を理解しているため、トランプ氏を無下に共和党から追い出すこともでき無い状況です。上記の分析から、既存の共和党支持層が我慢してトランプ氏に投票することで共和党の勝利は極めて濃厚だということが言えるでしょう。

日本の米国政治に関する分析は「木を見て森を見ず」の典型だ

筆者はトランプ氏の発言などに一喜一憂するメディアや知識人の様子は、まさに「木を見て森を見ず」の典型みたいなものだと思っています。

米国要人の重要なコメントも価値の低いコメントもごちゃ混ぜ、なおかつ数字もろくに見ない米国通とされるコメンテーターに無根拠な見解を語らせるテレビや新聞の酷さは見るに耐えかねるものがあります。

冒頭にも申し上げた通り、予備選挙で「ブッシュが本命」という誤った無根拠な情報を述べていた人々は何の責任も取らず、いまだに米国政治の専門家然としています。一体何なんでしょうか。

少なくとも今回の大統領選挙がトランプVSヒラリーになった場合、トランプ氏が勝てる可能性は極めて高い、ということは数字で証明できることです。ヒラリー勝利の根拠として援用できる数字は、現在の全米支持率のマッチアップでヒラリーがトランプ氏よりも優位に立っていることのみだと思います。(それはそれで有力な証拠ではありますが。)

以上の通り、今回の記事では数字でトランプ氏がヒラリーに勝てる可能性は十分にあることを論証してきました。トランプ氏は既に共和党の指名候補になることが確定した状況においては、候補者個人のパーソナリティーはもちろん、共和党・民主党の党勢の推移についても注目していくべきでしょう。

スーパーパワー ―Gゼロ時代のアメリカの選択
イアン・ブレマー
日本経済新聞出版社
2015-12-19


本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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2016年01月11日

議員の行動は「次の選挙」で判断すれば良いという勘違い

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「議員の行動」は「次の選挙」で判断すれば良いという「頓珍漢」な発言

おかしな行動を行っている議員の評価について「次の選挙で選ばれるかどうかで判断すれば良い」という言説が巷に溢れています。しかし、このような勘違いした言説は議員への盲目的な依存症状であり、民主主義を適切に機能させる弊害となります。

「次回の選挙」は「次回の任期の議員を選ぶもの」です。「前期間の議員の評価」を行うという要素は、その判断のための一部要素に過ぎません。従って、選挙で選ばれた任期中におかしな行動を行っている議員は「任期中」に有権者や国民によって正される必要があります。

「選挙」で約束されることは「任期中」に実行される約束事である

選挙とは、有権者が立候補した人物の人柄や約束を総合的に評価し、「予め定められた任期中に議員としての身分を保障」して「政治上の意思決定に関する付託」を行うものです。従って、議員は選挙の時に約束した内容について実行する道義上の義務があります。

そのため、当該議員の任期中の活動は、任期満了時に行われる選挙ではなく、任期中の行動に対してその都度行われることが当然であり、議員の行動に対して徹底的に説明責任を求めることが重要です。彼が責任を負っていることは「次の任期中の約束事」ではなく「本任期中の約束事」だからです。

民主主義を機能させるための「約束事」の「執行状況」についての監視が必要

冒頭のような勘違いは、議員という身分が「家業」になっていることによって生まれています。その背景には「今回も選挙に出たのだから、次回も継続して選挙に出る」という暗黙の了解があります。

しかし、本来は議員の身分は「各任期中に限定されたもの」であり、その任期中に成果を出すことが問われています。次の選挙に出馬するか否かなどということは本来は約束事の範囲外の話であり、当選時に約束した内容について尽力しきることが重要なのです。

「ある議員の評価を次の選挙で問えば良い」ということは「議員の家業化」と「有権者の勘違い」でしかなく、民主主義を適切に機能させるには、当選時の約束事と任期中の行動について、常に徹底的にレビューする以外に方法はありません。

選挙はレビューの前提になる「約束事」を選ぶためのものであり、その「約束事の執行」はあくまでも任期中に行われるべきです。

議員が「家業」になっているから「選挙に出馬するたびに評価を受ければ良い」という傲慢な思想が生まれるわけであり、有権者はそのような傲慢な思想自体を拒否するべきでしょう。

帝国以後 〔アメリカ・システムの崩壊〕
エマニュエル トッド
藤原書店
2003-04-30



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yuyawatase at 16:30|PermalinkComments(0)

2016年01月01日

2016年・世界的な選挙の年がスタート!

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今年予定されている世界の選挙一覧です。特に重要だと思われる選挙は、台湾総統選挙、フィリピン大統領選挙、日本・参議院議員選挙、米国大統領選挙、そして場合によって英国のEU離脱国民投票も行われる可能性があります。一年間様々な選挙があり、選挙ウォッチャーとしては非常に満足度が高い一年になりそうです。

<1月>
台湾総統・副総統および立法委員(国会議員)選挙

<2月>
イラン国会議員選挙・イラン専門家会議選挙
ウガンダ大統領・国民議会選挙
ニジェール大統領・国民議会選挙
カボベルデ国民議会選挙

<3月>
米国・スーパーチューズデー
ラオス・第8期国民議会議員選挙
ベニン大統領選

 <4月>
韓国・第20代国会議員総選挙および補欠選挙
日本・衆議院議員補欠選挙(北海道小選挙区第5区)
ペルー大統領選挙
オーストリア大統領選挙
ジブチ大統領選挙
チャド大統領・国民議会選挙
アイルランド総選挙 

<5月>
フィリピン大統領・副大統領・上院議員選挙
ドミニカ共和国総選挙
スコットランド議会選挙

<6月>
メキシコ地方選挙

<7月>
日本・参議院議員選挙(&衆議院議員選挙)
赤道ギニア大統領選挙
サントメプリンシペ大統領選挙

<8月>
カボベルデ大統領選挙
 
<9月>
ロシア議会選挙
ザンビア大統領・国民議会選挙
香港立法会選挙

<10月>
ルーマニア上下両院議会選挙
ジョージア議会選挙
リトアニア総選挙

<11月>
米国大統領選挙一般投票、議会・州知事選挙
スイス国民議会議長、全州議会議長選挙
ニカラグア総選挙
ガーナ大統領・国民議会選挙
コンゴ民主共和国大統領選挙

<12月>
スイス連邦大統領・副大統領選挙
ガンビア大統領選挙
ガボン大統領・国民議会選挙
ルーマニア総選挙


 


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yuyawatase at 22:55|PermalinkComments(0)

2015年12月27日

大人の教科書(22)政治家はロボットで代替可能か?

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議員の能力の大半は「有権者」の顔と会話の内容を記憶すること

議員の仕事の大半は選挙に受かるための肉体・精神ともにすり減らしながら行う「営業系」の仕事です。有権者の顔を記憶し、誰の紹介で、何の会話をしたのかを正確に覚える仕事といっても過言ではありません。

政治家の名簿記録には、名前、顔写真、住所、家族構成、出身校、所属企業、所属団体、その他諸々、あらゆる情報が記録・整理されており、有権者との円滑なコミュニケーションを実現することに全力が注がれています。そして、最後にあった時から時間が経ち過ぎないよう、地元回りで票田のメンテナンスが実行されています。

現在の人間に投票するしかない仕組みであれば仕方がないですが、この仕事は「人工知能搭載型のロボット」でも十分に可能です。むしろ、瞳紋記録などで全ての情報を紐づけたほうが正確な会話もできますし、陳情処理なども面倒くさがらずに確実にこなすことができます。もうそういう仕事は、それで良くないですか、としみじみ思います。

議会での質疑応答もロボットが行ったほうが正確な対応が可能


更に議会質問についても質問する側も答える側も完全にコンピューターで何の問題もありません。むしろ、事前の質問取りなどの無駄な作業も消滅し、最新のデータを両者がオープンデータとして接続して、タイムリーに正確な情報でやり取りすることが可能です。

「その質問は事前の通告になかったので答えられません」というような不毛なやり取りも消滅し、なおかつ財政データなどについてもイチイチ議員が勉強する必要もなく、確実な将来予測のシミュレーションを基に合理的な政策が立案できます。正直言って、普通の議員よりもIBMが開発したワトソンのほうが遥かに優秀です。
 
中途半端に立法事務費や政務活動費などを支出するくらいなら、まとめて人工知能の開発に費用を注いだほうが余程クオリティーの高い議会運営が可能となるでしょう。

人間にしかできない「議員」としての仕事とは何か

そこで、人間にしかできない仕事について話したいと思うのですが、それは「自由を守る」こと以外には存在しません。

ロボットに任せた場合は最初に設定した幸福の定義に基づく目標を達成するために、人間はロボットが設計した人生を正確に歩むことが求められるようになります。全ての社会システムはロボットによって設計されたものになり、人間は主体ではなく客体としてそれらを受容するだけの存在になるのです。

政府が合理的に社会を設計するとはそういうことを意味しており、政府による人間の家畜化こそがその本質と言えるでしょう。そして、これはロボットがシミュレーションしなくてもロボットよりも質が劣る人間が運営する政府も同一の方向性を有しています。

両親が子どもを生むための環境、生まれた子供が育てられるプロセス、その後結婚して子どもを生みつつ、老齢を迎えたら介護と医療を受けて死んでいく、ところまで、人生のほぼ全てが事前に制度として設計されています。自分の人生の在り方を客観的にみれば、自分が置かれている状況について気が付くと思います。

そして、ロボットよりも能力が低い人間が担う政府の下にあるからこそ人々に一定の自由が残っているに過ぎないことを知るべきです。従って、政府の仕組みが合理的でないから充実・強化して合理的にしようというのは、上記のロボットが決める社会制度に近づけようという議論でしかなく、人生に自由があることを大事だと思うならば決定的な愚かな行為であることが明らかです。

そのため、私は政府に力を与える増税・規制強化を求める人々を倒し、人間の自由を確保していくことが大事であると主張しています。上記のたとえ話で、政治家に必要なことは何か、ということについて、文章を読んだ方に少しでも伝われば幸いです。

銀河鉄道999 [Blu-ray]
野沢雅子
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
2009-09-09



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2015年12月22日

書籍紹介(2)「当確師」真山仁、選挙版・ハゲタカ!

当確師
真山 仁
中央公論新社
2015-12-18



「選挙版ハゲタカ」、全580回話の連載、市長選挙を描いた選挙小説の決定版


真山仁さんと言えば、NHKドラマとして大ヒットを記録した「ハゲタカ」の著者として知られています。ハゲタカは経済小説として緻密さ、アッと驚く展開、そして濃いキャラクターという3拍子揃った作品でした。

その真山氏が経済小説ではなく選挙小説の領域に「タカ」のごとく挑戦した作品が「当確師」です。選挙では一般的に「当確」とは選挙報道で開票直後に目にする「当選確実」報道のことを指しますが、その当確が確実に出るように選挙の帰趨を決めてしまう選挙プランナー「当確師」聖達磨が主人公の物語です。

「政治家が主人公ではない」という独特のキャラクター設定の政治小説

米国では選挙のプランニングは一般的に行われているものであり、世論調査、争点設計、組織整備、広報担当、WEB担当、その他諸々の専門家が協力して一つの選挙を組み上げていくことが一般的です。

日本では公職選挙法の不毛な壁によって民主主義が未成熟な段階にあるため、従来までは元秘書などの経験則によるインフォーマルな助言などが細々と行われている状態でした。しかし、現在では選挙プランナーの第一人者として有名な三浦博さんや若い腕利きのプランナーである松田馨さんのような方々も増えてきており、政治業界自体に新風が吹きこまれている環境にあります。

法整備の不足などから難しい問題があるため、実際の動きは限定的にならざるを得ないものの、政治活動に科学的な手法が浸透してきていることを喜ばしいことです。そして、そのような選挙プランナーの様々な側面をエンターテイメントとして描いた作品が本作となります。

テレビドラマ化される可能性もあるのでは?、「ハゲタカ」のスリリングな展開は健在

本作はテレビドラマ化される可能性もありそうと睨んでおります。それは読み物として非常にスリリングかつ「濃い」キャラクターの面々が登場するからです。「この役は誰がやるのかな」と思うとこも多々あり、配役を考えながら読み進めてみるのも面白いかもしれません。

個人的には「デモで民主主義は守れない」の売り文句に大いに賛意を示したいと思っています。民主主義とは投票してナンボの世界なので、その現実を真正面から描いた本作は、真山仁さんから国民への「民主主義とは何か」という問題提起とも言えるでしょう。

本作以降のシリーズ連載に向けて是非ともヒットしてほしい作品です。アマゾンや本屋さんで見かけたらぜひ手に取ってみてください。インパクトがある表紙が目印なので分かりやすいと思います。

当確師
真山 仁
中央公論新社
2015-12-18



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