自民

2016年04月26日

20世紀少年化した北海道5区・衆議院補欠選挙

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あの・・・、21世紀に戻ってきてもらっても良いでしょうか?

今回の北海道補欠選挙を総括するならば「21世紀に戻ってきてほしい」の一言に尽きます。

与党も野党も「王様の弔い合戦だ!」とか、「我々は戦争に反対する!」とか、一体いつの時代の人達なんですか、って素朴に感じるわけです。あなたたちは「20世紀初頭のロマノフ王朝末期」の時代にでも生きてるんですかと、まさに北の大地だし。

世襲の二世議員候補者と極左の運動家しかいない選挙、これは何て名前の罰ゲームでしたっけ?ああ、日本国の衆議院議員の補欠選挙は罰ゲームの別名だったんですね。

さながら20世紀少年化した国政選挙を見せられても、エンタメとしては楽しめるかもしれませんが、この人たちで国政のかじ取りをしていくことになると思うと幻滅しますね。

先祖返りの最中に悪いんですが、与党も野党も21世紀に戻ってきてもらっても良いでしょうか?それができないなら、20世紀にタイムスリップしてそのまま帰ってこないでください。

官僚にせせら笑われる政党、政治家、運動家たちの成れの果てとして

民主主義の程度の問題として、20世紀マインドの人々によって政治が運営されることは、官僚の皆さんにとっては実に都合が良いことだと思います。

政治家と話すときに意思の疎通に若干のタイムラグが生じるフラストレーションを我慢すれば、何も分からない政治家のままで居てもらった方が良いわけです。

北海道5区の有権者だって、自分たちの選挙区がいきなり20世紀少年化するなんて想像してなかったんじゃないでしょうか?気が付いたら映画の舞台のような古びた因習とイデオロギーの固まりが街を覆いつくしたわけですから。

今回の選挙で投票しなかった人たちはさぞ冷ややかな目で20世紀のコスプレを纏った政党らを眺めていたでしょうし、それでも投票した責任感の強い有権者の人も投票所に入るときにタイムスリップに伴う次元の歪みを感じたことでしょう。

政党は選挙に勝てる候補者を立てるとともに、有権者に対して自らの政党の理念を伝えてお互いに成長していく責務があります。国民を過去に退行させる行為は慎んでもらいたいと思います。

世間は21世紀なんで自民党も民進党もそろそろ退場してもらいたい

21世紀になってから既に16年も経過しているわけです。20世紀コスプレ政党である自民党も民進党もそろそろ退場してもらっても良いでしょうか。少なくとも現代を生きている人は21世紀の時代で暮らしていく必要があるわけですから。

とはいうものの、いきなり現在の二大政党とは違う政党が出てこないでしょうね。そのため、現実的には各地方でしっかりとした社会や政治を作っていくしかないと思うわけです。国民から遠い国会はこのまま20世紀かもしれませんが、人々に身近な地方の政治から21世紀を始めることはできるかもしれません。

世襲政党の派閥争いやマルクス主義政党の権力闘争なんて、国民にしてみたら全然関係ないわけで、自分の一票でまともな議員を作ることができる身近な場所からスタートするしかないですね。

そういう地道な取り組みの積み重ねが大きな流れになって、国政における時計の針が2020年頃までには現代と同期するようになっていることを願っています。


本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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2015年12月18日

自民党は高齢者、維新は子育て世代、参議院選挙圧勝の構図へ

橋下さん
(橋下徹氏のTwitterから引用)

2016年の参議院選挙を見据えた主要政党のバラマキ・マーケティング本格化へ

2015年12月中旬も過ぎて来年の政治日程が見えてくる中で、主要政党は自分たちのフォーカスする有権者層向けのバラマキ・マーケティングに大幅に舵を切ってきています。

選挙に勝つために各政党ともに自分たちの支持者を潤すことが基本的な戦略であり、臨時給付金の配布、児童扶養手当増額、教育無償化などのかなり突っ込んだ政策を実現または提示してきています。

本記事では現在話題となっている消費税増税見送りも含めて、主要政党のマーケティング戦略から来年の参議院議員選挙の展望を分析・予測していきます。

高齢者マーケティングに大幅に舵を切る自民党の戦略

自民党は高投票率の高齢者にシフトしたマーケティングに舵を切っており、消費増税に伴う子育て世帯への給付金を廃止しつつ、低所得の高齢者層1100万人に臨時給付金1人3万円・約3400億円を配布するというバラマキを実行することを決定しています。

相変わらず小泉進次郎氏などによる若年世代向けのガス抜きのコメントは出ていますが、露骨な選挙対策を実行する開き直り、選挙戦略上の割り切り感には感心させられます。

また、公共事業費について政権奪取以来の当初予算を増やす方針を踏襲し、伝統的な支持基盤である地方の土建層からの支持獲得に完全回帰しています。建設業従事者数は500万人程度、更に現場の高齢化は進んでいるため、自民党にとっては良いマーケティング対象であることは間違いありません。

自民党は参議院比例票で1800万~2100万票程度を確保すると例年通りの数字であるために既存の支持層を固める作業に入っていると言えるでしょう。

低所得者マーケティングに集中投下する公明党の戦略

公明党は消費増税への軽減税率の導入を自民党に大幅に飲ませたことで安保法制に妥協を繰り返した面目を躍如することになりました。参議院選挙だけでなく宜野湾市長選挙への推薦を含めた交渉力は大したものです。

ただし、現在の景気動向から消費増税自体が見送りになる可能性が高いため、軽減税率自体が意味を失う可能性もありますが、彼らのマーケティング対象である有権者から軽減税率という公約を履行したことで信頼感を回復するには意味があったことでしょう。

また、前述の通り、子育て世代全体への給付金は廃止となりますが、主に公明党のロビーイングによって低所得のひとり親家庭については2人目以降の児童扶養手当が倍増することになりました。

公明党は噂されるダブル選挙に備えて750万票~850万票の既存の組織票の取りこぼしを防止しつつ、共産党との低所得者市場の争奪戦に備えていると言えるでしょう。

子育て世代マーケティングに大きく賭ける橋下氏の大胆な発言

来年の参議院議員選挙では、おおさか維新の会の公約の予測として、橋下徹氏のTwitterの内容は要注目です。消費増税見送り、憲法改正、安保法制は当然の方針ですが、それでは選挙が戦えないので維新としての明確なマーケティングが必要になってきます。

そこで、注目されるのは「大学までの教育費無償化」ということになるでしょう。内容としては公務員人件費の削減などによって、子育て世代向けの5兆円の教育無償化(税負担化)資金をねん出するというものになります。

18歳未満がいる子育て世帯は1150万世帯弱であり、潜在的な層を含めると同政策の対象は拡がりがあると思われます。前回の参議院議員選挙における維新・みんなの得票合計数は約1100万人であり、世代間格差を訴えることで維新は子育て世代の得票を取り込めば大幅に得票を伸ばす可能性があります。

自民と維新、消費税増税見送り・シマのすみ分けで完全一致の選挙戦略

自民党とおおさか維新の会は、上記のようにお互いのシマをすみ分けてマーケティングを実施する展開になるものと推測されます。これが打ち合わせの上のものかどうかは分かりませんが、お互いに綺麗に支持層を分け合うことになるでしょう。

一方、民主党についてはそもそも消費税増税の三党合意の中心政党であり、その責を無視して消費税増税見送りに舵を切れるかどうかは非常に微妙な立場に置かれるものと思います。しかも、民主党=バラマキ=失敗のイメージが強くバラマキアピールも非常に苦しい状況です。

そのため、現在のように安保反対というテーマで選挙争点を形成することが予想されますが、それでは減少傾向にある比例票も共産党に食われて更に減少するとともに、都道府県選挙区も維新に敗北する選挙区が増えるでしょう。

自民党とおおさか維新が掲げようとしている選挙争点は、まさに民主党をスマートに崩壊させるマーケティングの上にデザインされており、秀逸な選挙戦略として準備されていることが分かります。
 
以上、来年の参議院議員選挙におけるバラマキ・マーケティングは自公維の圧勝という形になることが予想されますが、日本の未来はこれで良いのでしょうか。米国の大統領選挙における共和党のような自由経済を通じた力強い経済成長を掲げる政党が生まれて日本を変えることを願うばかりです。





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2015年11月30日

参議院選挙前に民主党崩壊を予言する「ある数字」とは

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民主党の解党論議が年末にかけて本格化していく状況となっていますが、民主党は「解党ではなく崩壊」する可能性が極めて高い状況となっています。それは「ある数字」が示しています

民主党の「解党ではなく崩壊」を示す「ある数字」とは何か


民主党崩壊の根拠となる数字は「参議院議員選挙の比例得票数」です。

参議院議員選挙は選挙区と比例区に分かれており、選挙区は少数の議席を争うために二大政党にとって有利な環境となっていますが、比例区は「政党の勢い」が重要であるため、毎回各政党の比例得票数は激しく上限しています。

民主党の過去の比例得票数は、2007年・2325万票⇒2010年・1845万票⇒2013年・713万票、という激減過程の中にあり、2016年の参議院議員選挙の比例得票数も支持率低迷の中で増加する見込みはありません。

そして、この参議院比例票の激減、そして比例代表の獲得議席数の減少こそが労働組合の組織に依存する民主党にとっては致命的な結果をもたらすことになります。

参議院比例票の激減で労組系組織内候補の大量落選が現実に

実際の得票数・議席数は投票率にも左右されることになりますが、推計で仮に民主党が前回同様の700万票前後であったと仮定した場合、民主党の比例獲得議席数は7議席程度になるでしょう。自民、維新、共産が得票数を伸ばしてくる中で民主党の得票が伸びる理由は特にありません。

獲得議席数を「7」とすると、かなりの数の労働組合の組織内候補者が落選することになります。実際に前回の2013年の参議院議員選挙ではゼンセン、JP、基幹労連、などの旧同盟系の労組の組織内候補が議席を得ることができませんでした。

同参議院議員選挙の票数の激減は予測を上回るものであり、各労働組合も対応しきれなかったものと思います。(その意味で候補者を1人に絞った立正佼成会の判断は見事でした。)

2016年参議院議員選挙比例区でも同様の得票と仮定した場合、自動車、電力、自治労、日教組、情報労連の5つ以外の労働組合は議席を確保することは極めて困難です。これらの有力労組に加えて当選可能な候補者は立正佼正会の組織内候補者1名と有田芳生氏だけであり、以上のメンバーで獲得見込みの7議席を消化することになります。

 つまり、参議院比例区で当選する民主党の候補者は既に全議席決定しており、2010年に獲得した議席を失う中堅の労働組合にとっては自分たちの影響力が激減することが明白な状況となっています。

同盟系労働組合は維新に流れることで議席を確保できる状況に

そのため、旧同盟系の中堅どころの労働組合にとっては民主党から抜け出て、「維新」(大阪)と組んだ方が自分たちの組織内候補者を当選させることができる状況が生まれています。(自動車・電力などの巨大労組も都市部に基盤があるため、維新との潜在的な親和性は高いと思います。)

2010年の維新の比例代表は30万票を獲得した候補者は猪木・中山の2名のみであり、その他の候補者は皆4万1千票以下の得票数でしかありません。これは維新(大阪)が全国的な基盤を持つ強力な団体の候補者を抱えていないことを意味しています。

維新の獲得議席数は前回のみんなと維新の合計(1000万前後)と仮定すると、10~12議席程度になる可能性が高いため、平均して10万票以上得票できる同盟系労組は維新に移ることで安定的に上位当選することが可能であることを同時に示唆しています。(自治労・日教組以外は維新と組めるはずです。)

また、公明と直接の関係を持たない維新は、20万票の組織票を持つ立正佼成会にとっても魅力的な連携相手であり、民主党では1名しか当選させられない組織候補を2名まで増やせる可能性があります。

共産党と選挙協力を打ち出す民主党の現執行部の方針では比例票は共産党に食われることが予想されます。そのような状況は共産党と犬猿の中にある同盟系の労働組合にとってはデメリットでしかなく、逆に政権入りが確実視される維新と組むメリットを大きくしています。

労働組合の運動力が半減した民主党は崩壊する

旧同盟系の中堅の労働組合が民主党から離反することが「比例票」の予測から確実視されるため、これらの労働組合が離反した場合の民主党の運動力は著しく落ちることになるでしょう。

そして、それらを吸収した維新勢力は全国の小選挙区での候補者の擁立が可能になるため、維新・民主の力関係は一気に逆転することになります。

民主党が崩壊を回避するためには、共産党との連携を拒否した上で民主党の支持率を上げることが必要になってくるわけですが、衆参ダブルの選挙戦が見込まれる中で、民主党内の衆議院・参議院の利害が対立することで両すくみ状態になることが想定されます。

共産党と組めば衆議院の小選挙区が有利、共産党と組まなければ衆参の比例区が有利という形になるわけで、自民側・維新側は衆参ダブルをちらつかせて民主党を揺さぶって内部分裂を待てば良いだけとなります。

民主党崩壊の運命を握る存在は公明党である

民主党崩壊のイレギュラー要素は公明党の存在です。民主党の崩壊が予測される中で、非常に近い距離にある自民党・維新が公明党をどのように扱っていくかは予測が困難です。

民主党の崩壊は自民党との連立先である公明党の利害に反すること、 衆参同時選挙は組織政党である公明党の利害に反すること、など、上記の民主党崩壊シナリオと公明党の立ち位置を相容れないものだからです。

過去の得票数だけを見た場合、民主党が唯一生き残る道は共産党ではなく公明党との連携しかあり得ず、民主独立路線で公明党との共闘関係を構築する道しかありません。民主党には旧新進党化という戦略オプション以外の選択肢は残されていないのです。

そのため、今後の展開としては、自民党が「維新を取り込みつつ」「公明党をグリップし続ける」ことが可能なのか、ということになります。いずれにせよ、本件はあくまでも得票数に基づく予測であるため、内外の要因で左右される複雑な政局動向の変化で今後大きく変わる可能性もあります。

本ブログでは政局動向を注目しながら、選挙の得票数字に基づく将来予測を行っていきたいと思います。

プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く
アンソニー プラトカニス
誠信書房
1998-11-01




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yuyawatase at 17:00|PermalinkComments(0)

2015年11月23日

2015年11月22日(日)は55年体制が終わった日になった

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2015年11月22日(日)は55年体制が終わった日となった

大阪維新の会の大阪ダブル選挙での勝利は、自民党に代わる新たな保守政党の台頭を決定づけたものであり、日本の政治構造の根底からの変革を促すものです。維新の台頭は戦後の基本的な政治構造である保革対立の原型としての55年体制に終止符を打つものだからです。

自民党・民主党という二大政党は、55年体制依頼のの歴史的な経緯による存在意義を全うし、今後解体過程に入る政党となりました。まずは基盤が脆弱な民主党が崩壊した上で、戦後政治を支えた自民党も政治的な岐路に立たされることになるでしょう。

崩れ落ちる自民党の保守政党としてのアイデンティティー

自民党への人々の支持の根幹には社会主義・共産主義と対立してきた55年体制が存在しています。そのため、現代社会においても保革対立の文脈から何も考えずに自民党に投票している支持者数もいまだに多い状況があります。

しかし、自民党自体は元々2つの政党が合併した路線対立が異なる政党同士の野合政党です。一方は元々オーストリア経済学を根幹に据えた軽武装・経済重視の自由党、もう一方は戦前の革新官僚・翼賛会の残党を中心とした日本民主党です。両党の野合は台頭する左派への対応として実行されたに過ぎず、民主党が瓦解して新たな保守政党が誕生する中で、政権欲以外に野合を継続する動機はほぼ無くなります。

大阪ダブル選挙での維新勝利、そして民主党が実質的に無くなった政局状況において、自民党という政党も現在の政権与党であるということ以外にアイデンティティーは無くなってしまったのです。

戦前の保守二大政党政治への回帰、歴史は何度でも繰り返すということ

戦前には政友会と民政党の保守二大政党の時代がありました。今後の日本政治は日本は戦前の二大保守政党の時代模様に回帰していくものと思います。55年体制のような保革対立はソ連の影響で左派の力が強まった一時的な現象であり、本来は保守二大政党政治が日本の政党政治の原型と言えます。

政友会の特徴は、原則として官僚と近い立場を取りながら、政府と一体化をして権力を侵食しようとする政党でした。つまり、自民党の基本的なスタンスと極めて近いものとなります。今後、自民党では戦前の政友会に近い性格を強めることになり、中央官僚、癒着系の大企業、農村部などの地主層などを中心とした支持基盤が形成されていくことになるでしょう。

民政党は、原則として議会主義に近い立場を取りながら、比較的自由主義的な政策をかかげていた政党でした。今後、大阪維新が求めるロールモデルになる政党となることが想定されます。今後の維新は、都市の資本家・中間層を中心とした支持基盤が形成されていくことになるでしょう。

民政党は都市政党の改進党をルーツとする政党でありそれらも都市知識層に支えられた政党でもあります。現在もマッキンゼーなどの知識層が支える大阪の行政改革などは維新の会の性質に近いものと言えます。

それ以外は戦前の社会大衆党のような弱小ながらも一定の支持を持つ政党として存続していくでしょう。55年体制の崩壊とはソ連の崩壊であり、日本にもソ連崩壊から遅れて20年、やっと左派系政党が没落する段階が訪れたということになります。

55年体制⇒2014年体制⇒2016年体制へ、日本の政局が本質的に変更するとき

2014年の衆議院選挙後の自民党一党支配(2014年体制)で55年体制の本格的な終わりが始まっていたわけですが、今回の大阪ダブル選挙での維新の勝利によって時計の針は大きく動くことになりました。2016年の参議院議員選挙は日本の針路を決めるものとになると思います。

1993年から始まった55年体制の軋みが2016年になって完全な形で顕在化することは、政治改革には20年程度の時間を要するものであることが証明された形になりました。このプロセスの中で多くのプレーヤーが様々な行動をしてきたわけですが、歴史はもう一度保守二大政党の時代を日本国民に与えてくれました。

このあとに、日本がどのような進路を辿っていくのか、戦前と同じような過ち、すなわち二大政党による憲政を放棄する方向に向かうのかは、21世紀を生きる我々が選んでいくことになります。先達に恥かしくない日本政治を私たちの手で創り出していくことが必要です。

日本近代史 (ちくま新書)
坂野 潤治
筑摩書房
2012-03






 

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大阪ダブル選挙勝利後、「橋下・維新」全国制覇戦略を予測

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大阪ダブル選挙は、おおさか維新の会が解消、全国制覇への始動開始へ

大阪ダブル選挙は、おおさか維新の党の圧勝、民主と対決する形での全国擁立へ、という流れになりました。ここまでは完全に予想した通りの結果であり、それほど驚いてはいません。非維新の全野党が敗北したことで時代の大きな流れが動き始めたことを確信しています。

ちなみに、過去の分析記事は下記の通り(全部当たっています)であり、維新が全国に躍進できる根拠はそちらをご覧ください。今回はそれらを前提として、今後の更なる維新の戦略を予測していきます。

大阪W選挙は野党第一党を実質的に決定する選挙(11月6日)
大阪W選挙、おおさか維新の会圧勝予測!新たな局面へ(11月16日)

民主党、最大の支持母体・連合の分裂不可避、民主党の壊滅カウントダウン

おおさか維新の会の戦略の主要な焦点は、民主党を壊滅させて野党第一党の座を確立し、自民党と政権交代可能な保守政党の地位を確立することです。その過程において、最初に邪魔になるのは民主党ということになります。(その他の弱小政党は全て自民・維新に吸収されていくでしょう。)

民主党を壊滅させる方法は一つであり、それは最大の支持母体である連合を分裂させることです。民主党という政党が存在している唯一の理由は、選挙の支持母体である連合の支援を受けられる、という一点のみであり、逆に連合からの統一的な支持が無くなれば民主党は一瞬で瓦解します。

連合は、旧同盟系は維新へ、旧総評系は民主党に残留(中道左派の三極化へ)

そのため、維新は連合を分裂させるためにアプローチを開始するでしょう。

具体的には、旧同盟系と旧総評系の労働組合の分裂を狙うものと思います。旧同盟系労働組合は、繊維、自動車、金属、重厚長大系などによって構成されており、日本共産党と対立する右派路線の組合によって構成されています。そのため、共産党との協調路線を進める現在の民主党執行部とは潜在的な路線対立の可能性を孕んでおり、政治的な刺激が与えられることで連合は内部分裂することが予想されます。

維新は総評系の自治労・日教組などの公務員系労組とは対立していますが、旧同盟系と対立関係にあるわけではなく、旧同盟系は十分に取り込むことができるでしょう。労組の強い影響下にある愛知県の河村市長が秋波を維新に送れる理由もここにあります。労働組合側も一度政権の味を知った以上、もはや政権に返り咲く可能性が限りなく0%の民主党と運命をともにする理由はありません。

連合が分裂した場合、民主党議員は雲散霧消化した上で、旧総評系は新左翼系とともに新・民主党として残ることになるでしょう。総評の組織規模から考えると、新・民主党は中道左派の第三極に転落することになります。衆参ダブル選挙の可能性がチラつく中で民主党の打ち手はほぼ無くなりつつあります。

自民党・おおさか維新の会の「毒を食らわば皿まで」のチキンレース

一方、自民党と維新は一旦は協調関係を取る形になるでしょう。民主党を野党第一党から引きずり降ろし、憲法改正に向けた保守勢力による大同団結を演出する必要があるからです。そのプロセスで橋下氏の入閣も協調関係を演出する上で有力な選択肢となります。

しかし、その結果として、両者は「毒を食らわば皿まで」というチキンレースに突入することになるでしょう。維新は以前から得票数においては近畿だけでなく東京・南北関東においても民主党に肉薄するだけの比例票を獲得する力があります。上記のように民主党が壊滅することを併せて考えると、自民党都市部の議席は相当数維新によって奪われることになります。

維新との協調を進める官邸の菅官房長官のお膝元である神奈川もその例外ではなく、国政全体のマターでは自民・維新は方向が一致するものの、具体的な選挙区のレベルでは「民主党打倒後」にかなり軋轢が生じるはずです。

ここからは全くの根拠もない予測となりますが、菅官房長官が将来的に維新に移籍して東日本側の顔となって首相を狙うということも十分にあり得る選択肢だと思います。都市部選出の国会議員にとっては、同じ保守政党ならば、地方中心の議員によって構成される自民党よりも都市部中心で構成される維新のほうが魅力的だからです。菅官房長官なら東日本側の代表として「格」と「実力」を十分に満たしています。

主要都市部の「維新化」という解放区の局地的な出現

橋下氏は今年12月からメディア露出を自由にできるようになるため、維新の支持率はうなぎ上りに上昇していくことは容易に想像できます。そして、来年の参議院議員選挙までに予定されている地方選挙で維新の連勝が続くことになるでしょう。(勝てる選挙で立てることで連勝をイメージさせて、衆参の選挙区候補者をリクルートするはずです。)

具体的には、大阪府内の首長・議会議員選挙においては維新の躍進はほぼ確定的であり、京都・滋賀・兵庫などの近畿圏の主要都市部にまで影響力が拡大することになるでしょう。それほど非維新全党を破った政治的なインパクトは大きいものと思います。

更に、西は福岡市で影響力が強まることが予測されるとともに、東については東京・神奈川・千葉・埼玉・栃木、中部で静岡・愛知では影響力が拡大することが見込まれます。これらの地域で大規模な変動が起きる梃はや連合の分裂と旧みんなの党残存戦力の吸収ということになります。

一部の都市では首長も取れる可能性があるため、それらの地域は維新による解放区として、国家戦略特区の実験地となって発展の芽が蒔かれることが予想されます。選挙が行われないエリアにおいても、維新との距離を縮めようという動きも活発化するため、全国の都市で維新の風が吹くでしょう。

「自民の存在意義」と「維新の外交戦略」に課題、保守二大政党政治の時代へ

現代は自民党と維新による二大政党政治に突入することはほぼ確定した状況ですが、新たな政治的な課題が出現することも予測されます。

まず、自民党については完全なアイデンティティー危機に陥るということです。自民党の存在意義は55年体制における社会党、そしてその実質的な後継政党である民主党との対決にありました。

そのため、自民党は現実的な政策の方向などは二の次となっており、諸外国における保守政党のような政策の立ち位置を取らずに、地方重視の理念なきバラマキ政党となってしまっています。

そのため、民主党が実質的に消滅することで、巨大な保守の都市型政党と向き合うことになり、自民党は存在意義を失ってしまうことになるでしょう。保守系の政権与党として絶対的な存在で無くなる以上、公明党との関係も見直しが迫られる状況となります。

一方の維新も政権を取り得る段階になると、「安全保障・外交政策の欠落」という課題に向き合う必要があります。特に、維新が拠点としている大阪は中国との経済的な関係が強いために、従来までの対米追従路線の日本外交とは外交関係に与える変数が異なることが想定されます。

そのため、民主党の左派路線とは異なるであろうアジア重視の安全保障・外交政策がどのような形で形成されていくのか、それらを担うブレーンをどのように揃えていくのかに注目が集まります。

来年
は台湾総統選挙から始まり、米国では大統領選挙が予定されています。いずれも保守系の民進党・共和党の勝利が予想されている中で、維新の政策は地域政党の枠を超えたビジョンが求められます。参議院議員選挙後、政権奪取が具体化したとき、維新の真価が問われることになるでしょう。





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