育休

2016年02月11日

「劣化議員問題」を育休・不倫に矮小化させるな

a1640_000326

国会議員の不倫育休問題は「根が深い問題」である

育休宣言を行ったと思ったら、子どもが生まれた傍から不倫疑惑を報道される国会議員。週刊誌が同議員に最初から目をつけていたことは良く知られていましたが、自分の貧困な想像力を三回り以上上回るスキャンダルが勃発したことにかなり驚かされました。

筆者は、この問題は最初から「議員育休」ではなく、単なる「国会議員の質の低下」を表す象徴であり、育休の是非について論じるまでもないことだと考えています。

現在、私たちが真剣に考えなくてはならないことは、国会議員の質の急速な劣化、つまり「劣化議員問題」なのです。まともに政策の勉強もせずに口先ばかりで愛国心を煽り立てるような議員が増えており、諸外国の政治家と比べて大いに見劣りする人材が国会の議席に座っています。議員の育休を語る以前に、この現状に背筋が寒い気分になるわけです。

昨今の若手議員が引き起こすくだらないスキャンダルは氷山の一角に過ぎません。なぜなら、このような下劣なスキャンダルが発生する原因は、議員個人の問題ではなく、有権者による選挙を通じた人材選抜が難しい選挙制度である小選挙区制度にあるからです。

小選挙区制度が作り出した「劣化議員問題」

小選挙区制度は当選者を実質的に政党が選ぶことができる制度です。政党の支持基盤が厚い地域で有力な政党の公認を得ることが出来れば、有権者が人材の質を実質的に問うことなく、公認された人物に国会の議席が用意されることになります。

つまり、当該選挙区の有権者の意向に関わらず、政党関係者の覚えがめでたければ国会議員になれるシステムが小選挙区制度です。ちなみに、小選挙区に比例代表制度が加わることによって、特定の選挙区の国会議員は有権者の投票結果に左右されずにほぼ確実に当選し続けることができます。

小選挙区制度では、世襲議員は公認を得ることが極めて容易であるとともに、他所から連れてきた軽い神輿である公募候補などが公認候補者に選ばれることも少なくありません。現行の小選挙区制度は政党公認までのプロセスが不透明すぎるため、小選挙区で重要となる公認選抜が適切に行われているとは言えません。

その結果として、社会人としての十分なキャリアもない人物が国政選挙の公認候補者として公認されるケースが増えており、一連の「劣化議員問題」が発生する温床となっています。

炎上目的の軽薄な有識者という知的言論の劣化

今回の不倫育休疑惑を通じて、もう一つ警鐘を鳴らしたいことは「炎上目的の軽薄な有識者」の言うことを真に受けるべきではないということです。

宮崎議員については、予算委員会委員という重責にありながら党内プロセスを経ずに「育休」を記者発表したこと、自分自身の政治活動・選挙活動と国会活動の区別がついていないこと、問題が大きくなった後の取って付けたような育休政策に関するブログへの書き込み、など、そもそも社会人失格であるエビデンスが盛り沢山でした。不倫疑惑自体はおまけみたいなものです。

それにも関わらず、有識者とされる人々が大人としての仕事手順について注意した自民党幹部をブログ上で激しく罵ってみたり、まるで子どものような言論が一部のインターネット上を賑わせていました。不倫疑惑発覚後には、キング牧師と不倫育休疑惑議員を並べて論じるものなど、有識者としての社会的な見識自体を疑うものすらあります。今回の問題は「議員育休」や「男性育休」の問題ではなく、国会議員だけでなく有識者の質の低さも露わにしたと思います。

炎上目的の記事は面白いわけですが、一時の感情を煽るポジショントークの言論に流されてはいけません。しっかりとしたプロセスを踏まえた行動ができる人を最初から支持するべきであり、目立たなくても淡々と仕事をこなしている国会議員や有識者を評価していくことが大事です。

有識者については公の立場がある人々の話ではないため、私たち自身が注意しながら有識者のポジショントークについて警戒していくことが重要です。

中選挙区制度による人材の質を問う選挙制度への回帰

筆者は人物重視の選挙制度に戻すべきであり、小選挙区制度から中選挙区制度への回帰を主張しています。もちろん人物重視の中には、候補者本人の品行から政策立案力まで当然に含んでいます。

小選挙区制度は中選挙区で常態化していた一部の利益団体による政治を排し、政党本位・政策本位の選挙制度に生まれ変わるための導入された制度でした。しかし、実際には政党助成金の大半は選挙活動に投入されており、政党の政策の質は向上しないどころか、国会議員の質が急速に劣化する事態を生み出しました。日本における小選挙区制度は根本的に見直す時期に来ていると言えるでしょう。

ただし、選挙制度を大幅に変更したものをもう一度元に戻すことは極めて難しいことは理解できます。そこで、自民党や民主党は「国会議員候補者の予備選挙」を行って公認候補者を選ぶべきようにすべきです。公認候補者の選考過程の透明性を高めることで自党の候補者の質を担保することが望まれます。

本件は、「育休」や「不倫」の問題に矮小化するのではなく、「劣化議員問題」について議論が始まるきっかけになれば良いと思います。

議員力検定 議員3級「基礎力」問題集(Kindle版)
議員力検定協会
議員力検定協会 検定委員会
2014-03-18



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
yuyawatase at 15:38|PermalinkComments(0)

2016年02月09日

国会議員の育休不倫、「意気地(育児)なし」 の一言で終わり

a0002_008225

国会議員の育休不倫、「意気地(育児)なし」 の一言で終わり

筆者は「国会議員の育休」について当初から辛口の評価を行ってきました。なぜなら、本件は「国会議員の単なるお休み」ではなく、近年下落の一途を辿っている国会議員の質の低下の象徴のように思えたからです。

国会議員としての職務上の感覚、党務をこなす組織人としての感覚、国会議員の職務と選挙活動をごった煮にした感覚など、自分が尊敬して師事した昔の自民党の国会議員の方々からは絶対に出ない「軽薄さ」を感じました。

まさに、国会議員としての矜持、不倫疑惑を追及されて走って逃げだすような「意気地」の無さに全てが現れたように感じます。自民党は今後の公認プロセスとして地方議員経験など時間をかけて人を見ることを見直すべきでしょう。

<国会議員の育休というフザケタ話への拙稿>
国会議員に「育児休暇」は本当に必要か?
切捨御免!男性国会議員の育児休暇は「学級崩壊」だ!

中堅国会議員も有識者も「常識」を持った擁護論を行うべきでしょう

今回の育休不倫に関しては、同議員の身内からも様々な擁護論が出てきましたが、ポジショントークを浅い知識と社会経験で正当化しようとした中堅議員や有識者にも猛省してほしいものです。

育休云々の政策的な効果も十分に立証していない中で、ぎゃーぎゃーと都合が良い数字を並べたてる有識者、憲法に出席義務がないから国会議員は国会を休んでも構わないというトンデモ理論など、本件を擁護した人々の理屈は目も当てられないものでした。

宮崎議員の一件は人を見る目もさることながら、ポジショントークもほどほどに、という良い教訓になったと思う次第。お友達を守るために日本の言論の質を落とす行為を行うことは望ましいことではありません。

<自民党や有識者の劣化も止まらない・・・>
駒崎弘樹さん・橋本岳さんら30代・40代リーダーは常識を持つべき
「自営に育休」という自民党議員は経営を何も知らない

宮崎謙介議員よりも金子恵美議員に注目したほうが有意義な考察が得られる

正直に申し上げて、出生率改善という政策目標を想定した場合、宮崎謙介議員のことは忘れて、妻である金子恵美議員に注目したほうが有意義です。金子議員は晩産化という現代社会の象徴であり、女性の高齢出産への対応という問題提起を行うに相応しい人物だからです。

今後の日本では、「子育て」ではなく「結婚・出産」への政策のパラダイムシフトが重要であり、「子どもを持った家庭」ではなく「子どもを持つ家庭をつくる」ことへの支援を重視する視点の転換が必要です。

スカスカの話題先行の議論や子育てタックスイーターのポジショントークではなく、出生率改善に向けた骨太の議論がもう少し行われるようになることを望みます。

<今後あるべき政策の方向性>
「子育て」から「結婚・出産」への政策のパラダイムシフトへ
金子恵美議員の「晩産」は男性議員の育休よりも重要だ






このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
yuyawatase at 19:59|PermalinkComments(0)

2016年01月09日

「自営に育休」という自民党議員は経営を何も知らない

a1640_000326

自民党が本当に変わったんだな、と思う出来事としての育休問題

橋本岳さん「宮崎謙介議員の国会議員育休宣言をめぐる議論について」 

という記事を読んでみて、前回は憲法と法律の都合が良い解釈について論理力の無さを検証してみましたが、自営業者の端くれ、または従業員20名程度の中小企業経営経験者として釈然としない気持ちになったので「どうしてなのか」をもう少し考えてみました。

そこで、気が付いたことは「ああ、この人は二世議員で大手企業のサラリーマン出身だった」ということ。そりゃ企業経営で十年以上も飯食ってきた人間とは感覚違うよなーと。

結局、この問題に関する様々な意見から「自民党の若手・中堅」が自営業や中小企業経営者なんてどうでも良い、と思っていることの証拠がボロボロ出てきて本当に残念だと思います。

自営業者にとって必要なものは「給料」ではないって知ってるの?と思う

自営業者や企業経営者にとって最も重要なものは、目の前の現金、であることは確かでしょう。しかし、たとえば1年間働かないで〇〇円上げます、と言われても、自営業者や企業経営者ならお金をもらいながら絶対に更に働きます。それは何故でしょうか?

それは彼らがご飯を食べるために必要なものが、「生きている人脈(ソーシャルキャピタル)」と「更新されるスキル(ナレッジ・ノウハウ)」だからです。だから、お金上げるから子育てだけして1年後に復帰してね、といって、仕事に戻れるのは「医者」などの資格職だけで、自営業者や経営者はかなり苦労することになります。それだけソーシャルキャピタルやナレッジ・ノウハウが毀損しているからです。

ほとんど社会経験がない状態で国会議員になってチヤホヤされると、上記のような自営業や中小企業経営者なら誰でも分かるような話が分からなくなるわけです。大半の自営業者や中小企業経営者にとって「休業」=「ほぼ即死」という環境であることをまるで知らないことが話から分かります。給料は会社がくれるもの、という意識がアリアリと伝わってきます。

自営業に育休取れば良いということは、「仕事はなくても育休取れば良いのよ」という現代版マリー・アントワネットの発言ですね。後援会の人々は二世議員への教育に責任を持ってください

自民党から経験豊富な大人が引退していくことが不安で仕方がない

現代の小選挙区議員や参議院選挙区議員として楽勝に当選してくる若手・中堅の国会議員にとってみれば、地域の自営業の兄ちゃん・おっさんや中小企業のおやじなんてものは、社会的に大して成功しなかった話を聞く対象の人々ではない、という思い上がりがあるんだろうなと思います。

彼らは確かに論理的に理路整然としゃべる人は多くないし、別に沢山お金を持っているわけでもなく、社会的な影響力も少ないでしょう。現代の政党ブランドで決定する選挙なら適当に話を聞いたふりをするだけで、目の前を通り過ぎていくチリのような有権者に過ぎません。だから、彼らがどうやって生きているのか、という、議員として最も必要なことに対する感性の欠落が生じているのです。

小選挙区比例代表制度は「有権者のことをほとんど知らなくても政党の公認があれば勝てる」可能性が高い選挙制度です。だから、本来は自民党の支持基盤である、自営業者や中小企業経営者から見て「寝言」のような話が展開されるのです。もはや自民党は役人と大企業のサラリーマンのための政党なんだなあと感じます。

自分は昔ながらの現役の重鎮議員がいなくなったあとの日本が心配で仕方がありません。少なくとも地方議員出身者や中選挙区出身の議員らは社会の現実をもう少し知っているからです。

小選挙区比例代表制度を廃止して中選挙区制度に、地方議員→国会議員を定番ルートにすべき

まずは選挙制度を小選挙区比例代表制度から中選挙区に戻して人物本位の選挙制度に戻すことが重要です。同制度には癒着や派閥などの問題が指摘されていましたが、現在の小選挙区比例代表制度よりは余程マシな制度だと思います。少なくとも有権者と本当に対話を積み重ねた人が国政の場に進むべきです。

また、自民党は国会議員として公認する前に、最低1期は地方議員を務めることを党の方針として決めるべきでしょう。そして、人々の暮らしに近い「民主主義の学校」である地方自治を学んだ人材を国政にリクルートするべきです。政策の施行現場である地方自治の現場を知っていることは、全ての国会議員にとって必要な素養だと思います。




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
yuyawatase at 18:00|PermalinkComments(0)

2015年12月28日

金子恵美議員の「晩産」は男性議員の育休よりも重要だ

a1640_000398

本当に重要なことは、宮崎謙介議員の「育休」よりも金子恵美議員の「晩産」である

宮崎謙介議員による育休宣言について色々と考えてきましたが、宮崎議員の無責任なパフォーマンスよりも奥様の金子恵美議員が妊娠されていることが少子化対策のシンボルとして重要だと思い直しました。

金子議員のコメントはメディア上には出てきませんが、本ブログが身重な金子議員の産休・育休に関して賛成していることは言うまでもありません。

そして、男性議員の育休よりも金子議員の37歳のいわゆる「晩産」の意義を取り上げるほうが日本の少子化問題という視点から極めて強いメッセージ効果があるものと思います。

直近の日本の出生率の改善は30代以上の出産増による寄与度が大きい

2006年から日本の合計特殊出生率は改善傾向にありましたが、その要因としては30代以上の出産が増えたこと、つまり日本の晩産化が進展したことによる寄与が大半を占めています。

2005年に1.26であった合計特殊出生率は2012年には1.4を上回るまでに回復していますが、30代女性の出産が増加したことが数字の変化の理由です。社会構造の変化を背景として、女性の価値観が変わったことで、20代での出産は減少しており、30代での出産が増加しているのです。

日本では昔から高齢出産はあたり前に行われてきた状況ですが、近年の20代出産の激減によって高齢出産の重要度が相対的に増しています。本件を通じて本来あるべき政策論議は、この女性の価値観の変化による晩産化への対応策に優先順位をつけて臨むことだと思います。

出生率を改善した先進国は「晩産化」と「移民」の増加が寄与している

ちなみに、先進国で日本よりも合計特殊出生率が改善している国は「晩産化」による出生率の改善が日本よりも大きく作用しています。30代以上での出産を安全・確実に実行できるようにしていくことが大事であり、価値観の変化による出産年齢の高年齢化への対応を進めていくことが望まれます。

その上で、出生率2以上を求める場合は、移民の増加による出生率の改善も見過ごすべきではありません。移民数及び移民本人・移民2世の出生数は年々増加しており、先進国における人口増加に大きな役割を果たしていることを真剣に考慮すべきです。

ちなみに、日本の子育て予算のGDP比で2倍を使っているドイツは日本よりも出生率よりも低く、他のOECD諸国についても予算の大量投下よりも晩産化や移民増加による出生率の改善の影響が大きいように感じます。子育て予算額の多寡よりも何が必要かという議論を行うべきでしょう。

安易な子育て支援よりも不妊治療などの産みたい年齢で生める医療の充実を

金子議員の妊娠はその晩産化のシンボリックな事例として取り上げられるべきであり、30代後半・40代前半でも安全な出産が可能となるように女性の晩産化に対応した医療サポートなどの充実が注目されるべきです。

近年の動向に鑑み、育児支援、待機児童対策、児童手当などの既に生まれた後のサポートよりも、経済的な余裕が多少ある30代・40代の出産向けの医療サポートに重点を移していくことが検討されるべきでしょう。

会計検査院の過去の検証結果で、待機児童対策や児童手当は政策効果が極めて限定的であることが検証されています。出産後のサポートに力を注ぐことは費用対効果の観点から疑問があります。同じ費用でも相当の改善を行うことが可能であるとともに、そもそもこれらの政策は生活補助や労働政策に属するものと捉えるべきでしょう。

それと比べて、未婚・未出産世帯を含む若い世代での所得を増やすことによって、20代での結婚や出産に踏み切る価値観を再形成することが望まれます。そのため、若年世代への所得税減税によって可処分所得を増やすことも重要です。やはり出産後のサポートよりも、子どもが生まれる前に手元にお金があることが結婚や子づくりを促すことにつながるものと推測します。

男性議員による育休は社会的な雰囲気づくりに寄与する可能性もゼロではありませんが、経済的に余裕がある家庭はベビーシッターを雇うことで育児段階の問題を解決してほしいものです。

結論として「若い世代にお金を残すこと」と「30代・40代での安全な出産」が大事ということ

結論としては、下記4点を確認したいと思います。

(1)男性国会議員の育児休暇よりも37歳の晩産を行っている女性国会議員のほうが社会的重要。したがって、30代・40代での出産を安全に行える医療サポートの在り方などが注目されるべき。

(2)国会議員夫婦が子どもを持てることは金銭的な問題が無いから。子育て支援よりも未婚・未出産の若者世代が子どもを作ろうと思える可処分所得を得られるように所得税減税などを行うべき。

(3)所得が十分にある家庭は育児休暇ではなく、ベビーシッターを雇うことなどを通じて社会的な雇用を積極的に作ることに貢献すべき。

(4)子どもの代わりに子育て予算の増額や規制強化を訴えるタックスイーターを安易に育てることはやめましょう。もちろん、高齢者に異常に偏った社会保障支出の削減は不可避です。



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
yuyawatase at 09:00|PermalinkComments(0)

2015年12月24日

国会議員に「育児休暇」は本当に必要か?

a0006_001002


国会議員の「育児休暇(育休)」は本当に必要なのか?

国会議員の宮崎けんすけさんが育児休暇を取るということが話題になっています。これについて宮崎さんを応援する方が多いと思うのですが、一般人の育休と同じように考えることは間違っています。

国会議員は通常の会社員とは全く異なる労働環境にあるため、国民としては「新しい流れ!」ということで単純に歓迎すれば良いという話ではありません。

国会議員の労働環境・福利厚生環境とはどのようなものか?

国会議員の世紀の労働環境・福利厚生環境は下記の通り。

・国会出席は週3日程度(国会開催は9:00~17:00)
・年間・約4000万円の現金支給(給料、期末手当、文書交通通信滞在費、立法事務費)
・公設秘書2名、政策秘書1名などのスタッフの支給
・JR特殊乗車券、国内定期航空券の交付
・東京の一等地に議員宿舎の提供

ということになります。つまり、正規の仕事は週3日9時5時ででスタッフ3名も税金で供給されるというのが国会議員です。正直に申し上げて、およそ「育児休暇」が必要なほど忙しい仕事ではありません。

再就職(再選)と出世のための個人の政治活動が大半を占めているのではないか?

国会議員の忙しいと主張する仕事の大半は、地元の声を聴くという名目の再選に向けた政治活動です。東京に選挙区を持たない議員は「金帰火来」という金曜日に地元に帰り火曜日に東京に戻る生活が一般的です。

さらに、自民党であれば、党内の部会などの勉強会や各種団体との対応など、自分の勉強&党内意思決定&出世のために必要な「党務」をこなすことが求められます。

しかし、これらは自らの再選や党内出世のためのプロセスであり、国会議員として給料が支払われている本来の職務とは異なるものです。地元活動であれば地元有権者、党務であれば政党の幹事長と話して個別に了承を得れば良いだけの話であり、国会への出席を休む理由にはなりません。

つまり、公務員としての国会議員の仕事をこなした上で、自営業者としての政治活動家としての地元活動を減らし、なおかつ同業組合である政党の党務を欠席すれば負担は激減します。国会議員の仕事と自分個人の仕事を混同して考えていることに問題があります。

育児休暇自体は否定しないが、「国会議員」の仕事環境ならば育児休暇は不要

以上のことから、「国会議員」に育休は不要であると思います。社会全体として育児休暇は必要な制度だと思いますが、育児休暇は無条件に認められるべきではなく、その職務との見合いで本当に必要かどうかで判断されるべきものだと思います。

宮崎さんは、ご自身のブログで、

「しかし、次世代の日本のあり方と、女性が輝く社会を実現するための男性の支援を促すためにも一石を投じたいと考えました。勇気を振り絞り、またこの一歩が大きな道に繋がることを信じて前に進もうと決心しました。」

「※私はただ単に休暇を取りたいのではなく、育児をするライフスタイルを作り出すことを目的にしています。当然ですが毎日、私の事務所とも電話やメールで連絡を取り合いますし、地元の皆様の要望などを承る体制は整えます。」

と述べられています。軽薄な有識者らは表面的な判断で応援するかもしれませんが、国民に対して上から目線で啓蒙するような話ではありません。

国会議員の責任を放棄して、自分の政治活動についてはしっかりやります、とはどういうことでしょうか?国民に対して「俺も育児休暇をやるからお前ら見習えよ、ただし俺はお前に雇われたこと以外の別の仕事はやるけどな」という話とほぼ同義だからです。

国会議員以前に大人として当たり前の対応を社会に見せることのほうが重要である

宮崎さんの場合は予算委員会に所属されていますが、国会議員として自覚があるなら、開催日数・重要性度の観点から予算委員会の委員を今期は辞退するなど、自ら職務内容の調整を申し出ることも大人としてのケジメだと思います。(本会議に欠席届を毎回出すと報道されていますが、国会審議を軽視し過ぎだと思います)

最後に、この流れが地方議会にまで波及する可能性があることは論外としか言いようがありません。彼らの年間の議会への出席日数は100日前後であり、他の日は基本的に地元活動と党務しかありません。そもそも育児休暇は取るべき人が取るべきであり、それを取る必要が無い人は取らなくて良いです。

今回の一件で各政党の育休に関する姿勢が問われるという点では「地元有権者」「政党幹部」の判断としては妥当ですが、国民全体の奉仕者である国会議員としての仕事に限定すればナンセンスな議論です。

国会議員にはご自身の本来の仕事を見つめ直してほしいと思います。皆さんは国会議員である前に大人として最低限のケジメをつける姿を社会に見せるべきです。





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
yuyawatase at 15:00|PermalinkComments(0)