移民

2016年06月27日

英国EU離脱・トランプ現象は「インテリンチ(Intelynch)」が原因

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エコノミスト、大学研究者、ジャーナリストの言葉は分析ではなく大衆への侮辱ばかり

英国国民投票や共和党予備選挙に際し、「インテリ」からEU離脱派・トランプ支持者は数え切れないほどの侮辱の言葉を浴びせられてきました。そして、それらの侮辱は国民投票で離脱派勝利・予備選挙でトランプ勝利に終わった現在も続いており、依然としてメディア各紙の紙面に新規に掲載され続けています。

インテリは「大衆」を「低所得・低学歴のポピュリズムに毒された人々」と定義して、勿体ぶった表現を駆使して社会分析に見せかけた大衆への罵倒・侮辱を楽しんでいます。

インテリに罵倒の限りを尽くされた低所得・低学歴とされた大衆は、反論する言葉を持たず、反論する媒体を持っていません。必然的に言論空間はインテリにとって大衆への容赦のない罵倒の言葉を吐き続けることが可能な安全圏となっています。

安全圏からの大衆への容赦のない罵倒は「インテリによる大衆への言論的なリンチ」(インテリンチ:筆者が作った完全な造語ですが・・・。)であり、絶対に反論できない対象をいたぶる虐待行為のようなものです。

「インテリンチ」は逆効果、インテリと大衆の断絶は決定的なものに

インテリは快適な執務室や研究室から実際の生産活動に従事している大衆を小馬鹿にし、離脱派・トランプ支持者を「嘘に騙された・金が無い・頭が悪い」と述べるだけで仕事になりました。(ちなみに筆者は片方が一方的にデマを述べており、もう片方が全て正しいことを述べていると思うほど政治的に初心な思考は持っていません。)

大衆の知性に対する罵倒行為である「インテリンチ」は、インテリを自称する人々による低所得・低学歴者への人権侵害行為であり、これらの無配慮なリンチに曝された人々が投票行動という言葉を用いない手段でインテリどもに一矢報いたことは当然のことでしょう。大衆はインテリに対して自らの尊厳を守る行動を行っただけです。

ちなみに、当然のことですが、トランプ支持者や離脱派の中にも高所得高学歴高リテラシーの人達は存在しています。しかし、彼らに原稿執筆の機会は与えられず、その機会が与えられたとしてもポピュリズムを煽る扇動者という評価がインテリンチによって同時に与えられることは明白でした。

したがって、インテリンチを良しとしない知識人も、その知識があるがゆえに声を上げることはありませんでした。その結果として、言論空間に表層的に現われる評論は「インテリンチ」しかなくなり、それを真に受けた「インテリ仲間」がひたすら「インテリンチ」を増幅させてきました。

「インテリンチ」はまさに弱いものを虐める学校のイジメのような構造を持っています。腕力の代わりに言語表現力と媒体紙面を持つインテリが言論的な弱者を寄って集って言葉で暴力を振るっているわけです。 彼らの言葉が大衆に届くわけがありません、政治的な体裁を整えただけのただの人権侵害行為なのだから。

深刻な問題は「大衆の無知」ではなく「インテリの言論のレベルの低さ」にある

現実に民主主義的手続きを経て下された結論は「インテリンチ」による虐待で悦に浸った「インテリ」の望みとは違うものとなりました。

そして、実際には思考停止した不毛な文章を生産し続けたインテリの知的劣化こそが問題なのです。インテリたちはそもそも政治的・社会的エリートとして、様々な言論発信を通じて大衆の意見を代弁してきました。いや、どちらかというと代弁するフリを続けてきたと言っても良いでしょう。

しかし、現在の彼らの姿はどうでしょうか。インテリたちは大衆への自らの言論の押しつけすら放棄し、大衆を罵倒するだけの無様な存在になり下がりました。それは彼らが社会を描く能力と意志を元々持っていなかったor失ったことの証左です。

トランプ現象・英国EU離脱派は陳腐化したインテリの知性に対する大衆の知性の反逆であり、インテリによる大衆への私刑の場と化した言論空間への拒否反応です。

インテリを自称するor自覚している勘違いしたエリートは「インテリンチ」への参加は程々にして、未来の姿を描く言葉を身に付けるためにもう一度大衆の中に入ってみたらどうでしょうか。なぜなら、インテリの無知による言論レベルの低さこそが問われるべき真の問題だからです。

アメリカの反知性主義
リチャード・ホーフスタッター
みすず書房
2003-12-19


本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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yuyawatase at 21:05|PermalinkComments(0)

2015年12月27日

大人の教科書(23)欧州の出生率向上は「移民」が原因?

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少子化対策と人口問題を結びつける「愚かな発想」は止めましょう

本日は永江一石さんという「超激馬鹿」な有識者もどきを切り捨てたいと思います。本人が、

「国会議員の男性が育児休暇取ると宣言したことで、「税金で給料ははらってるんだから」とか「国会議員やめてからやれ」とか「重要な審議はどうすんだ」とかいろいろアホなことを言ってるじーさんとかばーさん(蓮舫もその口)がいますが、まじで激馬鹿だと思います。日本の現状を分かっていってるのかと思う。まずこういうことを平気で言う人には国会議員はやってほしくない。日本という国の現状認識がないからだ。」

と述べているので、私も彼を超激馬鹿と表現しても良いでしょう。

イクメンだめとか、このままだと45年後の日本の人口はどうなるか、分かってて言ってんの?(永井江石さん)


欧米先進国の人口増加は、移民増によるインパクトと移民による出生率の改善が要因

「日本人が育児休暇を取得する」と「日本の急激な人口減少を解決できる」という論理的な飛躍が蔓延していることは極めて深刻です。感情論としては理解できますが、「現実をしっかりと見てほしいものだ」と思います。

厚生労働省は、主要な先進国の出生率の比較として下記のデータを公開しています。スウェーデン、フランス、アメリカの出生率が高く、日本の出生率が低いという結果が出ています。

各国の出生率
*厚生労働省「平成26年少子化社会対策白書」より抜粋


もう一つ見てほしいのは、先進国出身女性と外国籍・移民女性の出生率の差です。こちらを見れば分かるように先進国出身女性の出生率は1.2~1.8前後の範囲で収まっていることが分かります。特にフランスの場合はフランス国籍の場合でも国籍取得した移民1世・2世に出生率増への寄与率は高いものと推測されます。

移民と出生率

社会実情データ実録から引用

各国の移民の増加割合を見てみると、各国で移民が増加していることが分かります。これらの移民増加国では人口が上昇し続けています。また、英国などでは2011年の出生数の4分の1以上が移民による子どもたちという状況にもなっています。

一方、ドイツは移民割合が横ばいであるために人口増加はほとんどしていません。また、GDP比で日本の2倍の子育て予算を投下していますが、出生率は日本より微妙に高いだけの状態です。


各国の移民割合の推移
社会実情データ実録から引用

子育て政策は「労働環境改善」であり、「出生率改善への影響」を過大評価されている

日本の人口は既に少子化対策で維持・逆転できる状態ではないことは明らかだと思います。先進各国では移民による若年人口の受け入れと出生率のかさ上げを行っていることを認識するべきです。日本出身者だけでは既に1億人を維持するための出生率2以上に引き上げることも困難です。

日本の将来人口の推計
平成25年版高齢社会白書より引用

育児休暇などが出生率の改善に結びつく影響は極めて少ないものとして認識し、その政策の影響力を過大評価するべきではありません。現状の子育て政策は「人口増加」ではなく「労働環境の改善」にこそ効果が発揮されるものだと認識するべきです。

従って、子育て政策と少子化問題を結びつけて議論する人は、その影響が限定的なものであることを前提に議論を行うべきだと思います。少なくとも、育児休暇=人口増、のような短絡志向で「日本の人口問題を語るな」と思うわけです。

また、上記は移民の数字を扱ってきましたが、元々の自国民の価値観の変化による出産年齢の遅れも直近の先進各国の出生率改善の大きな要因です。これは政策とは関係なく文化レベルの発展による価値変化によるものです。従って、20代女性に出産圧力をかけるような政策よりも晩産化に対応した医療技術の高度化のほうが重要です。

日本の人口減少が問題だと思っている人は、先進各国が行っている移民の受け入れの議論を始めるべきでしょう。子育て政策によって日本の人口が維持できるかのような有識者もどきや子育てタックスイーターが述べているプロパガンダを信じず、日本人は本当に必要なことを淡々と議論する段階に入っています。





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yuyawatase at 13:52|PermalinkComments(0)

2015年11月21日

TPPと移民、どうして必要なの?という疑問に答える

経済自由度ランキング

人口減少下で経済衰退の道に向かう日本の未来

安倍首相が出生率の目標を「1.8」に設定しましたが、その出生率目標では人口が減少していくことに何ら変わりがなく、なおかつ現状の政策の延長線上では目標にも到達しないことは明白となっています。

日本のGDPの減少を継続し続けることになり、内需に支えられてきた日本経済は根幹から揺らぐことになるでしょう。経済力の衰退は、資源を持たない日本にとっては死活問題であるとともに、国民の豊かな生活の継続が可能であるかどうかも疑わしくなってきます。

日本の人口問題を抜本的に解消するための解決策が求められており、TPPと移民という二つの選択肢が私たちの前に提示されています。

活路は「外に打って出るか」または「内を栄えさせるか」という2択

日本の活路は、成長する新興国市場での成功を目指すのか、それとも日本国内に移民を入れて経済成長を目指すのか、という2つに1つということになります。ところが、このような選択も簡単に実行できるわけではありあせん。

上の地図はThe Heritage Foundationが毎年発表している経済自由度ランキングです。経済自由度とは簡単に言うと、まともな商売がどこの国の人でも自由にできるか、というランキングだと考えてもらっても良いです。
緑が正常なところ、赤が困難なところ、黒くなっているところはマッドマックスの世界だと考えてください。

日本人は黄緑レベルの環境で普段暮らしています。私たちが暮らしている世界の商慣行は世界の中では少数派であり、日本と同じ感覚で海外で商売すれば身ぐるみ剥がされることは間違いありません。

特に戦後復興期も終えた後に生まれたような生ぬるい人々では大半生きていけないことは間違いなく、新興国で自分探しをしたい人は、自分を探すどころか路頭に迷うことは必然と言えるでしょう。

TPPは新興国に先進国と同じルールを守ることを求める方法

日本人が「成長する新興市場で成功を目指す」ためには、日本と同程度の商売上のルールが守られる環境を新興国に求めていくというやり方があります。これが「TPP」などの貿易・投資のためのルールづくりです。

国外に市場を求める前提として、既に生ぬるくなってしまった先進国民が生きていける環境を整備する必要があります。治安上の問題などの根本的な部分も当然ありますが、最低限商慣行の部分を是正することが重要です。

ちなみに、TPPに対して過剰に反応している人々は世界の現状(上の地図)を知らない人々であり、緑の地域のルールを新興国に適用するということを理解できていない人か、日本国内で赤い色の国の人のようにまともにビジネスをせずに腐敗した商慣行の環境にいる人です。

移民は新興国民に日本で同じルールを守ることを求める方法

一方、「日本国内に移民を入れて経済成長を目指す」という手法を選択することもできます。これは日本国内というある程度ルールが出来上がった環境の中で、新興国を含めた外国からの移民に仕事を行ってもらうというやり方です。

日本で既に構築された商慣行を移民にも守らせること、既存の日本国民の慣れ親しんだ環境でのビジネスを行うことができることなど、国外に進出するよりも比較的容易に成長への道を選ぶことが可能です。また、自分たちよりも優秀な移住者も多く訪れることになりますが、彼らに仕事を作ってもらって財政負担をお願いすることも重要です。

海外からの移住者を招き入れていく中で、様々な文化軋轢が生じるでしょうが、それは経済成長と引き換えとして得られる代償であり、それらの十字架を背負う覚悟も必要です。

TPPと移民の両方を推進するべきであるという結論

世界の環境は既に日本人にとっては生きていくには過酷な状況となっており、現状のままでは火星に移住する状態と大差ないものと思います。既に海外で活躍している日本の倭僑の皆さまの生命力に感服するばかりです。

そのため、人口減少社会の中で日本人が現状の暮らしを維持・向上しようと思うなら、TPPまたは移民、できれば両方を推進していくことが望ましいでしょう。世界の日本化こそがTPPと移民の本質だからです。

日本の同胞にはTPPと移民についての理解を深めて頂き、日本人の生存戦略・成長戦略を実行に移してほしいものです。

米国の研究者が書いたTPPがよくわかる本
ジェフリー・J・ショット
日本経済新聞出版社
2013-10-26




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yuyawatase at 22:00|PermalinkComments(0)