石原伸晃

2016年07月14日

石原伸晃氏「偉い人が推薦してるから増田寛也は偉い」?

右を向く石原氏
(増田寛也氏の第一声で、全員で右を向いて演説を行っている模様)

石原伸晃氏「偉い人が推薦しているんだからお前らも応援しろ」ってか?

東京都知事選挙初日。増田寛也氏の第一声、与党幹部・首長のボスなどがズラズラと並んだものですね。

その中で自民党都連会長・石原伸晃氏は

「23区長会の皆様、市長会の皆様、町村会の皆様が、増田さんにかじ取りを頑張ってもらいたい、と言っていた。」(【東京都知事選】増田寛也 街頭第一声はこちら


というフレーズで、都民に対して増田寛也氏への支持を求めていました。

第一声に臨む陣容を見ると、「俺たち上級国民が推薦しているんだからお前らも支持しろ」と言わんばかりの態度で辟易します。

政治家の応援演説に大物議員を集めて応援させることは、余程の人気者でもない限り、都市部の一般有権者には逆効果だと感じています。偉い人が「右へ倣えしろ」と言っても東京都民は必ずそうなるとは限りません。

今回の選挙で支持者の統制に躍起になっている自民党としては、第一声に上級国民の皆様を雛壇に上げる踏み絵の意味合いもあるのでしょうが、オリンピック問題などで蚊帳の外に置かれ続けている下級国民としては気持ちが良い構図ではないと思います。

「出たい人より、出したい人!」、石原伸晃氏の日本史への無理解

ところで、石原伸晃氏の応援演説を聞いていて、筆者は一瞬耳を疑う言葉が使用されてることに気が付きました。それは応援演説の最後に言い放った「出たい人より、出したい人!」というフレーズです。

石原伸晃氏は「日本史に関する知識が無い」から同フレーズを使用されているのでしょう。なぜなら、「出たい人より、出したい人!」という言葉は、戦前の日本で「選挙粛正運動」という政治キャンペーンの中で生まれて、1942年の東条内閣の翼賛選挙のスローガンとなったものだからです。

「選挙粛正運動」は元々は選挙で腐敗した政党政治の刷新を望む人々によって始められましたが、残念なことに最終的には革新官僚の手に利用されて政党政治を事実上終わらせるために一役買うことになりました。要は翼賛化していく政治の流れに抵抗した気骨ある政党人を弾圧することに繋がった運動なんですね。

つまり、石原伸晃氏が堂々と述べた言葉は、「出たい人=腐敗している政党人」、「出したい人=政府が支持する清い人物」という位置づけで、選挙時の弾圧目的で使用されてきたセリフということになります。このような言葉を何も考えずに使用する段階で政党人としての見識を疑わざるを得ません。

上記で支持団体として紹介した「市長会」「町村長会」も大政翼賛会の一部を構成していた団体です。日本史の勉強くらいしてから応援演説を行うべきだと思いますし、仮に知っていたなら尚のこと歴史認識を疑います。

また、自民党議員の親族等にまで及ぶ締め付け文書が話題になりましたが、戦前にも家族ぐるみの動員体制の構築に利用された選挙粛正婦人聯合会という組織が選挙粛正運動の過程で作られたことも併せて指摘しておきます。(ちなみに、石原良純氏が事実上鳥越氏を支持していますので伸晃氏も除名対象?笑)

初日だよ!上級国民全員集合!で良いと思っているのか?


増田寛也氏は、第一声の中で「99%の中小企業の人たちの話に耳を傾ける」「働く現場で汗を流している一人ひとりに耳を傾ける」と述べています。

しかし、報道されている通りであれば、増田寛也氏は東京都知事選挙にあたって「区長会・市長会・町村長会と面談し」「都議会自民党の推薦を受けて」「公明党に推薦を受けた」だけです。

自民党の谷垣禎一幹事長、公明党の井上義久幹事長、石原伸晃経済再生担当相、丸川珠代環境相ら国会議員約40人や都議会議員らが集結した第一声はいったい誰のためのものでしょうか。

猪瀬・舛添と2代続けて不祥事で退陣した自公推薦候補者。失われた信頼の回復に本気で取り組むつもりがあるのでしょうか。現在、東京都知事選挙で問われていることは何か、もう一度見つめ直してほしいと思います。






本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。



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yuyawatase at 22:12|PermalinkComments(0)

2016年01月29日

甘利後任、石原伸晃氏、正直かなり意外でしたが・・・

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Wikipedia

甘利大臣の後任に、まさかの石原伸晃氏という安倍政権の一手

甘利大臣の辞任によって後任に石原伸晃衆議院議員が新大臣として任命されました。そして、週刊文春の年明けからの無双が続く展開となっています。

それにしても、石原氏の入閣には驚かされました。2014年以降、石原派は石原氏本人も含めて派閥所属議員全員が安倍政権によって「干されてきた」経緯があり、安倍政権にとって最重要閣僚に石原氏を任命したことは意外な展開といえるでしょう。

政治とカネの問題、党内不満分子の吸収、オリンピック利権の3つの要素をクリア

石原伸晃氏は直近まで本人が環境相を務めていたため、緊急を要する閣僚人事にとって最も重要な政治とカネの問題が発生しない、という重要な要素をクリアしています。週刊誌メディアは政治とカネで辞任した大臣の後釜に関しては、血眼になって金銭スキャンダルを探すでしょうから手堅い人事です。

また、重要閣僚辞任によって発生する安倍政権に対する潜在的な不満の噴出を封じる効果も大きいものでしょう。石原氏を政権に取り込んだことで、安倍政権に対して批判的な旧山崎派の領袖を政権に組み込んだことになります。自らのスキャンダルで辞任した旧山崎派の双頭である甘利派はともかく、安倍政権としては夏の参議院議員選挙に向けて挙党体制を構築したと言えるでしょう。

さらに、本人事は東京都の自民党との関係を良好にする狙いもあると捉えるべきです。自民党の党本部と東京都連は伝統的に緊張関連にあり、都内には有力な自民党国会議員が何名もいますが重用されない傾向があります。しかし、東京都の自民党で中心的な役割を果たしている石原氏を取り込むことによって、オリンピックなどの重要イベントを抱える東京都連を抱え込む意味合いがあるものと推測されます。

驚きの人事ではありましたが、政局運営という点ではバランスの取れた人事であり、安倍政権が参議院議員選挙に向けて博打ではなく安牌を打ってきたということになります。

野党の追及は、国土交通大臣とURにシフトしてく難しい局面に

甘利大臣の早々の辞任によって、野党の追及は国土交通省とURに向いていくことになるでしょう。甘利事務所との密接なやり取りの記録が明らかになったことで、同事件は甘利事務所の問題ではなく国土交通省全体を巡る疑獄事件に発展する可能性があります。

特に甘利事務所が仲介した告発業者の背景に関する問題はいまだ解決されておらず、国土交通省が適切な処理をしたと強弁したところで、同省とURが如何わしい筋の関係に多額の金銭を支払ったことが発覚した場合、国土交通大臣の首も危ういことになるかもしれません。

国土交通大臣は公明党の指定席となっているため、国土交通省の問題が深刻化した場合、自公連立政権の屋台骨を揺るがす事態が発生することになるでしょう。野党にとっては甘利大臣という標的がいなくなっても、更に大きなポイントを稼ぐチャンス到来ということになります。

国会の追及がいずれの方向に向かっていくのか、野党の次の一手が政局を大きく左右することとなることは間違いありません。夏の参議院議員選挙に向けて甘利氏の問題以上に面白い局面となってきました。

公明党の深層 (イースト新書)
大下英治
イースト・プレス
2014-06-08


公明党vs.創価学会
島田裕巳
朝日新聞出版
2013-12-20


 

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yuyawatase at 12:25|PermalinkComments(0)