甘利

2016年01月29日

甘利後任、石原伸晃氏、正直かなり意外でしたが・・・

250px-Ishihara_Nobuteru_-_Wakaba_Station_-_20100703
Wikipedia

甘利大臣の後任に、まさかの石原伸晃氏という安倍政権の一手

甘利大臣の辞任によって後任に石原伸晃衆議院議員が新大臣として任命されました。そして、週刊文春の年明けからの無双が続く展開となっています。

それにしても、石原氏の入閣には驚かされました。2014年以降、石原派は石原氏本人も含めて派閥所属議員全員が安倍政権によって「干されてきた」経緯があり、安倍政権にとって最重要閣僚に石原氏を任命したことは意外な展開といえるでしょう。

政治とカネの問題、党内不満分子の吸収、オリンピック利権の3つの要素をクリア

石原伸晃氏は直近まで本人が環境相を務めていたため、緊急を要する閣僚人事にとって最も重要な政治とカネの問題が発生しない、という重要な要素をクリアしています。週刊誌メディアは政治とカネで辞任した大臣の後釜に関しては、血眼になって金銭スキャンダルを探すでしょうから手堅い人事です。

また、重要閣僚辞任によって発生する安倍政権に対する潜在的な不満の噴出を封じる効果も大きいものでしょう。石原氏を政権に取り込んだことで、安倍政権に対して批判的な旧山崎派の領袖を政権に組み込んだことになります。自らのスキャンダルで辞任した旧山崎派の双頭である甘利派はともかく、安倍政権としては夏の参議院議員選挙に向けて挙党体制を構築したと言えるでしょう。

さらに、本人事は東京都の自民党との関係を良好にする狙いもあると捉えるべきです。自民党の党本部と東京都連は伝統的に緊張関連にあり、都内には有力な自民党国会議員が何名もいますが重用されない傾向があります。しかし、東京都の自民党で中心的な役割を果たしている石原氏を取り込むことによって、オリンピックなどの重要イベントを抱える東京都連を抱え込む意味合いがあるものと推測されます。

驚きの人事ではありましたが、政局運営という点ではバランスの取れた人事であり、安倍政権が参議院議員選挙に向けて博打ではなく安牌を打ってきたということになります。

野党の追及は、国土交通大臣とURにシフトしてく難しい局面に

甘利大臣の早々の辞任によって、野党の追及は国土交通省とURに向いていくことになるでしょう。甘利事務所との密接なやり取りの記録が明らかになったことで、同事件は甘利事務所の問題ではなく国土交通省全体を巡る疑獄事件に発展する可能性があります。

特に甘利事務所が仲介した告発業者の背景に関する問題はいまだ解決されておらず、国土交通省が適切な処理をしたと強弁したところで、同省とURが如何わしい筋の関係に多額の金銭を支払ったことが発覚した場合、国土交通大臣の首も危ういことになるかもしれません。

国土交通大臣は公明党の指定席となっているため、国土交通省の問題が深刻化した場合、自公連立政権の屋台骨を揺るがす事態が発生することになるでしょう。野党にとっては甘利大臣という標的がいなくなっても、更に大きなポイントを稼ぐチャンス到来ということになります。

国会の追及がいずれの方向に向かっていくのか、野党の次の一手が政局を大きく左右することとなることは間違いありません。夏の参議院議員選挙に向けて甘利氏の問題以上に面白い局面となってきました。

公明党の深層 (イースト新書)
大下英治
イースト・プレス
2014-06-08


公明党vs.創価学会
島田裕巳
朝日新聞出版
2013-12-20


 

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
yuyawatase at 12:25|PermalinkComments(0)

2016年1月28日・首相動静ウォッチ

a0001_013134

本ブログでは、時事通信社の首相動静について追加情報を加えながら首相の行動の意図を推測しています。少しでも皆様のお役に立つ情報が提供できれば幸いです。

<1月28日(木)>

・午前8時現在、東京・富ケ谷の私邸。朝の来客なし。
・午前8時12分、私邸発。
・午前8時25分、官邸着。
・午前8時41分から同9時18分まで、世耕弘成官房副長官
・午前9時53分、官邸発。同54分、国会着。同56分、参院議長応接室へ。同57分、同室を出て、参院本会議場へ。同10時1分、参院本会議開会。
・午前11時43分、参院本会議休憩。同44分、参院本会議場を出て、同45分、国会発。同47分、官邸着。
・午後0時8分から同22分まで、岸田文雄外相、中谷元防衛相
・午後0時33分から同49分まで、国家安全保障会議。同52分、官邸発。同54分、国会着。同55分、参院議長応接室へ。同57分、同室を出て、参院本会議場へ。同58分から同59分まで、麻生太郎副総理兼財務相。同1時1分、参院本会議再開。
・午後3時36分、参院本会議を途中退席し、同37分、国会発。同40分、官邸着。
・午後3時50分から同4時20分まで、外務省の斎木昭隆事務次官、杉山晋輔外務審議官、林肇欧州局長
・午後4時21分から同38分まで、TPP政府対策本部の宮内豊国内調整総括官、鶴岡公二首席交渉官
・午後6時19分、甘利明経済再生担当相が入った。
・午後6時30分、甘利氏が出た。
・午後6時41分から同49分まで、石原伸晃自民党衆院議員。同56分から同7時まで、報道各社のインタビュー。「甘利氏が辞任したが」に「任命責任は私にある。こうした事態になったことについて、国民に深くおわびしたい」。
・午後7時16分、官邸発。同25分、皇居着。石原氏の閣僚認証式。
・午後7時58分、皇居発。
・午後8時6分、官邸着。
・午後8時15分から同17分まで、石原氏に経済再生担当相の補職辞令交付。記念撮影。同18分から同19分まで、菅義偉官房長官。同24分、官邸発。
・午後8時30分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ着。同ホテル内の宴会場「LAPIS L」で礒崎陽輔前首相補佐官、江島潔自民党参院議員らと会食。世耕官房副長官同席
・午後9時43分、同ホテル発。同10時、私邸着。

<1月28日の見どころ>

外務省の斎木事務次官、杉山外務審議官、林欧州局長の直近の日程で良く見かける三人メンバーでの面会。
昨日、ロシア外相から強いメッセージによる牽制があった中での三者の首相面会ということになります。
 
その後、甘利大臣の辞任会見前に、TPP政府対策本部の宮内国内調整総括官、鶴岡首席交渉官と面会。甘利大臣の辞任前の挨拶、石原伸晃衆議院議員の認証式などをこなしました。

首相動静データによると、石原伸晃議員とは25日月曜日夜に塩崎厚生労働大臣などと一緒に会合をもっていたことが思い出されます。

夜は安倍首相の側近である磯崎陽輔・前首相補佐官(創生日本事務局次長、会長・安倍晋三)、江島潔・参議院議員(前下関市長)などによる会食に参加しています。

本日は内閣を支える重要人物の辞任というイレギュラーな状況が発生したため、午後はバタバタした日程となってしまいました。そのため、夜は気心の知れたメンバーとの食事をともにしたいといったところでしょう。




リーダーの掟 ― プーチン絶賛の仕事術
飯島 勲(いいじま いさお)
プレジデント社
2012-02-28






 


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
yuyawatase at 00:10|PermalinkComments(0)

2016年01月20日

甘利大臣、1200万円賄賂受け取り、ゲスの極み疑惑?

1024px-Akira_Amari_World_Economic_Forum_2013

週刊文春のスクープ報道、甘利大臣1200万円贈賄疑惑が発覚

やはり文春は最強だなーと思わせるスクープです。公開されたプレスリリースによると、株価が爆下がりしている中で安倍政権の支持率を爆下がりさせる一撃を加える模様です。

千葉県内の建設会社総務担当者が甘利氏の秘書に「とらやの羊羹」を送っていたことが報じられています。50万円の現ナマを渡した話や接待などで総計1200万円の証拠が揃っているそうです。

真偽のほどはまだ分かりませんが、菅官房長官が一報を受けた記者会見で「いろいろな噂はあるが、一般論として政治資金の取り扱いに疑問があれば政治家自らが説明することが必要だ。政治家は真摯に説明する必要がある」とコメントしており、事態は急転直下の風雲急を告げています。

マイナンバーを推進していた甘利大臣、ゲスの極みスキャンダルになってしまうのか

2015年5月26日に甘利大臣は記者会見で替え歌を披露して話題になりました。

「私以外私じゃないの あたりまえだけどね だから マイナンバーカード」

という最近不倫スキャンダルが発覚した「下衆の極み乙女。」の替え歌を突然歌い始めて、マイナンバー推進をPRしたわけです。

今回の一見は図らずも議員本人ではなく「秘書の金銭授受」疑惑が発覚し、事務所の中核である秘書を「私以外私じゃない」の論理で切り捨てるのか、ということが問われています。もちろん、安倍首相も同様の判断が迫られることになるでしょう。

ちなみに、マイナンバーは資金決済の流れの不透明性をクリアにするものですが、現金流通や現物給付の利用方法をカミングアウトしてしまったことで信用もがた落ちというところでしょう。

TPPの国会承認へのハードルが上がる、対米交渉などで不利な立場に立つ可能性も

甘利大臣はTPPを所管しているわけですが、既に年明け通常国会でTPP関連を含む補正予算が成立している状態であり、TPPに加盟する日米など12か国は2月4日に協定案に署名する予定されています。安倍政権としてダメージコントロールを行うにしてもスケジュールは非常に厳しい状況です。(4月以降に予定されている国内での承認にも影響が出る可能性もあります。)

今後、続報がどこまで継続するかによる状況ではありますが、国会審議には確実に影響を与えることになるでしょう。年明けからの世界経済の混乱の中で経済財政担当大臣に起きた不祥事は日本経済にとってもリスクマネジメントの観点から問題です。

年始早々安倍政権としては非常に厳しい立場に立つこととなりました。週刊文春の調査能力には脱帽するばかりであり、週刊誌のメディアとしてのバリューは上がるばかりということになりそうです。





現金に手を出すな HDマスター [DVD]
ジャン・ギャバン
IVC,Ltd.(VC)(D)
2013-01-25




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
yuyawatase at 18:32|PermalinkComments(0)

2015年11月13日

徳永エリ参院議員は勉強していると思う、ただしTPP陰謀論の。

3953128

民主党、参院でも論戦不発 TPP追及も勉強不足露呈臨時国会やる気なし?
http://www.sankei.com/politics/news/151111/plt1511110044-n1.html

という記事を発見して、ついに恐れていたことが常態化してきたか・・・、とかなり残念な気持ちです。TPPに関しては、懐かしの「サルでも分かるTPP」のような典型的な陰謀論が跋扈している状況でしたが、ついに国会論戦にまで本格的な脳内汚染が拡がっているようです。

徳永エリ参院議員は「勉強」している、ただしTPP陰謀論の。

産経新聞は遠慮して徳永議員が勉強不足で甘利大臣に論破されたという記事の書き方していますが、産経の論評は明らかに遠慮しすぎです。

徳永議員はしっかりTPPについて勉強してきています。ただし、TPP陰謀論の勉強についてですが・・・。

TPPについては当初話題になり始めたときから国内では陰謀論の丁度良いネタになっており、中野剛志氏らの愛国者きどりの似非有識者によるネタ話が一世を風靡したような気がします。

まともな感覚を持っている人には空耳にしか聞こえなかったと思いますが、多くの信じ込みやすい善良な国民はTPPについて「米国の陰謀だー!」ということで良い燃料になったものです。

私自身は当初からTPPは先進国が海外投資で安全に投資を行うためのルールであり、中国に対抗していくためには絶対に必要ということを述べ続けていましたので、時々受けていた講演・取材などで持論を述べさせていただいたものです。

国会議員の異常な知的劣化について真剣に心配している

TPPは考え方によっては非常に厳しいものであるかもしれません。日本という国が、腐敗した政治、強権的な政府、未発達な産業、モラルの低い人々によって構成されていると想定した場合、透明で合理的な制度運用を求めるTPPは極めてラディカルなものとなるでしょう。

しかし、このブログを読んでいる人は当然理解できると思いますが、日本は「世界有数の先進国の一つ」であり、TPPに加入することで幅広い意味での恩恵を受けます。(むしろ、TPPの理念に反するような農業の輸入枠の設定などのほうが余程日本の国益にとっては問題です。)

TPPがどれだけ経済的・政治的に重要な役割を果たすかは、TPPから取り残されて孤立した韓国の狼狽ぶりを見れば明らかです。巨大なアジア市場において日本が米国とともに重要な地位を占めたことの功績は計り知れないものがあります。

一方、日本の国会議員には以前からTPPに関して腐敗した途上国を代表したような質問をする国会議員が存在しており、国会議事録に恥ずかしい発言が末代まで残る事態が発生してきました。

私は国会議員が陰謀論を信じている異常な知的劣化について真剣に心配しています。

安保法制もTPPもせめて政府が公開している資料くらい見ろよ、と言いたい

安保法制のときもそうでしたが、TPPについても政府は実に様々な資料を公開しています。

一つ一つ読みこなしていければ、世界有数の先進国であり、自由主義・民主主義の国にとって必要なものであることが理解できると思います。

そうは言っても、有権者一人ひとりに公開書類を読めというのは無理ですし、陰謀論を垂れ流す似非有識者らについては確信犯なので最初から完全に諦めています。

丁度先日も私の知りあいから「渡瀬さんこれどう思いますか!」というメッセージとともに陰謀論のHPが送られてきました。私からのアドバイスは「脳味噌が壊れたと思われて、奥さんに心配されるからやめておけ」と伝えました。

そういうわけで、せめて「国会議員」なら公開されている資料くらい読んでから質問の場に立てよ、と思うわけです。国会議員が国会で糞真面目に陰謀論を垂れ流していると、真面目な国民の心と頭に影響が出るから本当にやめてほしい、と切に願います。

国会でプラカード持って遊んでいたり、習ったばかりの陰謀論を嬉しそうに開陳しているのではなく、まずは文字を読むところから始めてほしいと思います。

米国の研究者が書いたTPPがよくわかる本
ジェフリー・J・ショット
日本経済新聞出版社
2013-10-26








このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
yuyawatase at 12:00|PermalinkComments(0)