独立

2015年12月31日

東京都が自立した都市国家を目指すべき理由

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2015年も年末なので東京の経済的な戦闘力についてまとめてみました。このように考えてみると、東京及び首都圏は一国並みの力があるため、日本政府からの政治的・経済的な自立を果たしていくことは自然なことだと思います。(統計データは主に「東京の産業と雇用就業2015」から引用)

一国に匹敵する人口規模・経済規模を有する巨大都市

東京の人口は約1320万人であり、首都圏まで入れると約3600万人の世界最大の都市圏です。巨大な人口と事業所の集中からもたらされる経済活動の厚みが東京経済の最大の特徴と言えます。

GDPについてもメキシコ、トルコ、韓国などに並ぶ水準であり、一人当たりGDPも国内の他都市を大きく引き離した水準に到達しています。日本全体の一人当たりGDPはOECD参加34か国中20位ですが、東京単独の一人当たりGDPであればルクセンブルク、ノルウェー、スイスに続いて34か国中上位4位にランクします。東京に関しては日本全体という括りから分けて考えることが妥当です。

東京には日本の金融機能・情報通信機能が集中しており経済をけん引しています。金融機能については日本の預金33.1%、貸出金41.8、手形交換高71.7%が集中し、世界最大規模の証券取引所も存在しています。また、情報通信業の32.4%が集積し、同産業の付加価値額54.9%が産み出されています。

近年は情報通信業の専門分化が進むとともにライフサイエンスなどへの投資額が増加しており、日本50%以上も集中する弁理士などを活用して国際特許数も増加し続けるなど、膨大な知的付加価値が産み出され続けています。

つまり、日本の中長期的な経済的な競争力を生み出す機能は東京にほぼ大半が存在しているのです。巨大な国土を持つ先進国は、比較的経済の中心となる地域が分散している傾向がありますが、日本は東京都という先端地域で資源が集中して運用されています。

成熟した金融基盤をベンチャー投資に振り向けて産業構造の転換を

VCに関しては圧倒的なプレゼンスを持つ米国以外としては純金額ベースでは一定額が行われています。しかし、対GDP比などの観点から考えると投資額が圧倒的に不足している状況です。強みである情報通信業の集積はあるものの、それらは受託事業を中心としたビジネスが多く、新たな市場を形成する自社コンテンツへのクリエイティブな投資が十分ではありません。

従って、上記の問題を解決し、東京都が持つ潜在力を最大限に解き放つことが重要です。具体的には、東京都への全国一律の規制適用などを廃止し、新事業が創造しやすい環境を積極的に構築していくことは必須です。その上で、時代の変化に対応してリスクが取れる若手世代への投資の促進が行われることが望ましく、東京都独自のエンジェル税制などの税制優遇策を設けることが望まれます。規制緩和や減税などのやらなければならないことが山積みです。

日本の他地域と東京は金融産業・情報通信産業の集積力がまるで異なるため、日本全体の産業構造を変えていくような事業は東京からしかほぼ生まれてこないと言っても過言ではありません。世界を相手にビジネスをやるなら日本国内では東京を選択することは必然です。

そのため、東京都は単なる地方自治体ではなく、新規事業の創出に関する様々な障壁を取り除き、中央政府に対する防波堤として、新産業を創造する積極的な政策提言や中央省庁の新事業への干渉の排除に死力を尽くすことが望まれます。

毎年7兆円以上が東京都から流出するという「金の卵」を割る政策を停止せよ

最後に、東京都は地方への巨額の財政移転という足枷を背負った状況にあります。たとえば、東京よりも人口規模が少ないスウェーデンは高福祉または中福祉国の見本とされることが多いと思いますが、それはスウェーデンが独立した国家であり、EUの他地域への強制的な財政移転が限定的なものに留まっているから実現されているものです。(スウェーデンはODA・約6000億円、EU拠出金・約5000億円が域外への資金流出です。)

東京都は毎年の15兆円以上の地方交付税の相当分を負担していますが、地方交付税総額の根拠となる基準財政需要額は合理性を偽装したバラマキに過ぎません。その上、人口等の財政需要を計る指標に上限が設けられるなど、都は需要の不合理な割落としを受けています。つまり、地方交付税とは東京からお金をむしり取ることを見かけ上合理化した制度に過ぎず、東京都民はそもそも算出根拠すら疑わしい請求書に黙って盲目的に資金拠出を行わされ続けているのです。

さらに、本来は東京都に入るはずの地方税についても不当な扱いを受けています。法人事業税に地方法人特別税という不公平な税制度が導入されて東京都に入るはずの税収のうち平成20年から毎年2000億円前後、累計1兆2300億円、地方交付税の交付財源原資化によって900億円が不当に召し上げられている状況です。そして、平成28年からは毎年3800億円が中央政府に奪われていく見込みであり、消費税10%になると没収額が5000億円以上となる可能性があります。

また、近年では都内から企業を流出させるために、各種地方への優遇税制(東京23区から地方に移転した場合の追加税制優遇など)が創設されており、東京都を衰退させるべく東京からの企業流出を仕掛ける中央政府によって狙い撃ちにされている状況です。

オリンピック予算が2兆円程度の増額云々という話がありましたが、上記の東京都への異常な迫害ともいえる不当な扱いを止めれば簡単に資金捻出が可能なのです。

東京都を都市国家として「日本から自立した存在」に昇華させる段階に来ている

上記のように、「東京」に敵対的な日本の中央政府による税を通じた不当な収奪によって、東京都は「金の卵」としての高い潜在力を生かし切れていない状況になっています。

仮に、東京都が日本の中央政府から経済的・政治的自由度を手に入れることができれば、経済成長と高福祉を両立した高度な能力を有する都市国家に生まれ変わることは明らかです。

毎年10兆円以上の財源(つまり、ほぼ都庁一個分の運営費)が東京都民の手に戻ってきた場合、現在でも世界最高水準の都市インフラを更に拡充し、都内企業及び都民への大幅な減税政策を実行することで経済成長を実現していくことができます。所得は大幅に増加して豊かな生活ができる、世界に冠たる都市・東京が創生されます。

そして、日本全体では巨額の積み立て不足で破綻必死の公的年金や医療制度などの社会保障制度も、東京都に限定すれば維持していくことが可能です。また、都市からの福祉財源の流出によって疎外された、若い都市部住民にも不妊治療や保育環境などの子どもを持つことの権利が守られる環境が作られます。

東京都は実質的な税負担に対する十分な議席数を国政において与えられていません。そのため、国政の場において上記のような極めて不当な扱いを受けています。まさに「代表無くして課税なし」の原則に照らし合わせれば、「代表少なくして搾取あり」の状況に置かれています。

従って、東京都が日本から自立していくことは自然な流れであり、東京都民は自らの置かれた不当な立場への怒りを形にして表明するべきです。私は「東京都」が日本から自立した都市国家になっていくことは、東京都民の当たり前の権利であると考えます。

リー・クアンユー、未来への提言
ハン・フッククワン
日本経済新聞出版社
2014-01-24



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