政治資金規正法
2016年05月14日
舛添知事の温泉旅行を合法にする方法
東映アニメーションから引用
舛添知事の「家族との温泉旅行」を合法的な活動にする方法
「政治資金規正法」の目的は、「政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与すること」と定められています。しかし、実際のところ、「政治活動とは何か」ということ、については、何ら明らかにされているわけではなく、極めて恣意的な解釈が可能になっています。
今回の温泉問題は「家族との温泉旅行」を「会議費」としていたことが追及されていますが、実際のところ「会議費」の定義すら曖昧なわけですから、「殺ろうと思えば何でも殺れる」法律が政治資金規正法だということです。
たとえば、今回のケースで言えば記載内容を「親族懇談会」にすれば政治資金規正法上はOKなわけです。後援会の幹部などは家族や親族が務めているケースも多く、それらの人々と正月早々出かけた場合はどうなるのか?など、この法律の運用について議論することが不毛極まりないと思います。
「もう次の東京都知事は一休さんで良いよ」と思う記者会見
上記の通り、政治資金規正法とは「トンチ」のゲームみたいなものなので、「政治資金規正法」に強いことが東京都知事の条件になるなら「一休さん」を都知事にしたら良いと思います。
舛添知事の子どもとの温泉旅行は「自分は大臣経験者・現職東京都知事の貴族階級であるから、子どもに世襲させるために正月早々温泉で帝王学のレクチャーを行ったのである」的な話なら普通に政治活動になるわけです。道義上の責任はともかく、家族だけの旅行であったとしても十分に会議として成立しています
舛添知事の政治団体の政治活動なので、「何が政治活動なのか」を決める人物は舛添知事しかいないわけですから、世間に迎合せずに貴族として堂々と振舞えばそれで良かったわけです。下手にお茶の間について配慮するから「会議には家族と別の人もいた」みたいな言い訳になるのです。
政治資金規正法上の違法性の責任を問われるのか、それとも政治家としての道義上の責任を問われるのか、はともかく、一休さんなら政治資金規正法上の違法性の責任は確実に免れるでしょう。
政治資金規正法の「虚偽記載」という民主主義の自殺装置について
さて、上記の通り、政治資金規正法の「虚偽記載」の罪がくだらないものだと分かったと思います。
どれほど有力な政治家であったとしても、陸山会事件のように「ほぼ何もないところから罪を作る」ことを可能にする同罪は、まさに民主主義の自殺装置であると言えるでしょう。
なんせ政治家を葬りたいと思ったら、政治活動の解釈が問われる項目を見つけて難癖をつければ良いだけにですから簡単です。選挙という事前審査で敗北した陣営は当選した人物の政治資金報告書を調べ直すだけで選挙を無かったことにできるのです。
元々は今回のようにくだらないことに税金を使っていたら、何かの拍子で疑惑が発覚した場合、その政治団体に資金が集まらなくなるだけの話でした。舛添知事のようなケースは、本来であれば政治資金マーケットという市場が淘汰するべきものだと思います。
しかし、国民の血税である政党助成金が政治団体の運用に使用されていることで、本来の簡単な話の筋が違ってきてしまっています。要は本来は「恣意的にしか決めることができない」政治活動の定義に「社会的な制裁」を加えることができるようになっています。これは民主主義を継続するにあたって由々しき問題だと言えます。
「何が政治活動か」ということは定義がないため、今後も「虚偽記載が問題になる」事例が頻発するでしょうから、それによって民主主義は「小さな善意」の積み重ねで自殺していくことになるでしょう。
筆者は「政党助成金を廃止して」「ダメな政治家は」「政治資金マーケットで」「自然淘汰されるべき」だと思います。
本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。
yuyawatase at 16:33|Permalink│Comments(0)