岡田

2016年07月17日

鳥越俊太郎氏「1%資産家一族の華麗なるファミリーヒストリー」を語れ


鳥越ファミリーヒストリー
<NHKファミリーヒストリーで紹介された「華麗なる鳥越一族」の歴史>

NHK「ファミリーヒストリー」での家系図ねつ造疑惑・・・、しかし問題はそこではない

鳥越俊太郎氏は、2015年7月10日放送のNHKのバラエティ番組「ファミリーヒストリー」で家系図のねつ造疑惑が週刊新潮に指摘されて問題視されたことがあります。

番組内では、祖先は「戦国大名・大友宗麟の家臣、鳥越興膳」と紹介されたこともあり、鳥越氏自身も「関ヶ原の戦いで敗れた側、昔から権力側にはつかなかったんだな」と述べたものの、番組終了後に鳥越家18代当主(鳥越俊太郎氏と家系の繋がり無し)の鳥越光が番組内容はねつ造であると指摘し、番組内容の信憑性を問われる結果となりました。

その後、朝日新聞でも同様の内容が報道されたことについて、鳥越俊太郎氏は週刊新潮の取材に対し「朝日新聞記者の作文でしょう」「私は家系図については全く関与していません。家系図が間違っていると言われても、『へぇ』と驚くしかないね」とコメントしました。これらを事実とした場合、ねつ造報道問題に巻き込まれた鳥越氏についてはお気の毒なことだったと思います。

しかし、現在、東京都知事選挙に際し、鳥越俊太郎氏が語るべき「ファミリーヒストリー」はそこではありません。鳥越氏が問われるべきは鳥越氏の掲げている政策と自分自身の人生の整合性について、ということになります。

1%の資産家「華麗なる一族」鳥越俊太郎氏が訴える貧困・格差の是正

鳥越俊太郎氏は「貧困・格差の是正に向けて、若者への投資を増やすなど、効果的な対策に取り組みます。」と東京都知事選挙の政策として掲げています。

しかし、鳥越俊太郎氏の家系は「福岡県」でも資産家として知られる「鳥越製粉」(東証一部)の創業家一族です。

実際、鳥越氏は2016年2月16日朝日新聞の取材に「福岡県浮羽郡吉井町(現うきは市)です。町には白壁の土蔵が多いんですよ。かつて酒や油などで富を得た商家の名残だね。穀倉地帯で、祖父は大きな製粉会社の創業者。僕の父親の俊雄は、名家の次男として生まれたんです。」と回答しています。

父・俊雄氏は、京大経済学部卒、病気を患いながらも生家の鳥越製粉の専務を務められた大企業の経営陣の一人であり、慈善活動にも取り組まれた立派な方で、鳥越俊太郎氏は日本有数の資産家の嫡男として生まれたことになります。お母様も東京や大阪にも店を持つ京都の呉服問屋に生まれ、何不自由なく暮らしていた方として、NHK「ファミリーヒストリー」では紹介されていました。

そして、鳥越俊太郎氏自身も高収入の大手マスメディア入社、エリート街道を歩んできた人物です。サンデー毎日編集長を務められた上、テレビ朝日「ザ・スクープ」司会者を務め、退職後は関西大学社会学部教授に就任しています。

朝日新聞取材「私の半生」の中で、お見合い結婚された奥様は「早稲田大学商学部教授で、彼女は5人姉妹の末っ子。姉たち4人は医師やエリート会社員に嫁いでいる名家の方」であることが語られています。お嬢様も清泉女子大学英文学科卒、フランス国立高等演劇院教授のワダ・ユタカに師事し、フランス・イタリア留学の経歴を持つ才女です。現在、お嬢様はタレント活動等を営んでおり、俊太郎氏と一緒にイベントなどにも出演。

筆者は、個人がどのような人生を送って、どのような政治的主張を持っても構わないと思っています。むしろ、生まれてくる家庭は選べませんし、努力の結果として生まれる格差は認められるべきでしょう。

しかし、鳥越俊太郎氏は、東京都知事選挙候補者として「貧困・格差の是正」を訴えるには、ご自身とご家族を含めた人生の履歴書との剥離が激しすぎるように思われます。筆者は「1%の華麗なる一族」の人間が自ら格差を再生産する人生を謳歌し、自分の人生を棚に上げて他人に対して「格差の是正」を訴えることに強い違和感を持っています。

民進党は「貧乏人のこころが分かる大金持ち」の政党?

鳥越俊太郎氏は民進党の推薦を受けていますが、その民進党党首はイオングループ創業家の岡田克也氏です。

岡田氏自身は経済産業省に入省し、国費で派遣されて米国ハーバード大学で学ばれた後、自由民主党から立候補し、その後新生党結成時に自民民主党を離党し、様々な政局を経て、現在は野党第一党である民進党の党首を務められています。

2015年5月26日朝日新聞の報道によると、衆議院議員の資産公開に際し、岡田氏はゴルフクラブ会員権のほか、イオン株12万3000株を保有していることが明らかになった、とされています。同株式の時価総額はおよそ「2億円」程度であると思われます。

参議院議員選挙に際し、民進党も「人への投資、公正な分配、格差の是正によって、一人ひとりの可能性が発揮できる環境を整え、暮らしを豊かにする経済を実現します。」と謳っていましたが、党首自体が格差の固まりのような人物ではないか、と思った国民は筆者だけはないはずです。

東証一部上場会社・創業家の野党第一党党首が推薦する「東証一部上場会社・創業家のエリートジャーナリスト」が「格差の是正」を公約に掲げるというのは何の冗談でしょうか。

ちなみに、民進党・山尾志桜里政調会長は参議院議員選挙に際し、自由民主党の公約に対して「参院選対策のパフォーマンスに走る与党と一線を画し、共生社会の実現に向けた具体策の実現に取り組んでいく」と述べていました。

東京都知事選挙に際し、民進党は「都政の素人・パフォーマー」を連れてくるのは良いですか?大金持ちの候補者を貧乏な人間が担ぐことが彼らの言う「共生社会」ですか?格差問題に関心が高い運動家や共産党の方々が鳥越氏を応援させられることが可哀想だし、大金持ちの選挙をボランティアで手伝う心の葛藤もあるのではないかと思います。

筆者は公開討論会・共同記者会見などを見る限りでは、綿密に準備をされていた宇都宮健児氏のほうがまだ筋が通っていたのではないか、と思います。左派系の候補者としては近年稀にみる論客として興味深い人だったので残念です。7月17日現在、宇都宮氏のTwitterは撤退表明のツイート以来停止したまま、党の都合で不出馬に追い込まれた宇都宮氏の心中をお察しします。

鳥越俊太郎氏は東京都知事候補者として「資産公開」をするべきだ

鳥越氏は公示日直前の出馬記者会見で「公約はまだできていない」という驚くべき発言を行い、7月17日「新報道2001」による公開討論をドタキャン、政策的な議論を避けたと揶揄されています。

今回の東京都知事選挙は舛添氏の突然の辞任とともに、参議院議員選挙直後という特殊条件も重なり、十分な政策議論と人物評がなされないまま突入した選挙戦です。鳥越氏の議論を避ける姿勢は東京都民として非常に残念です。

そして、今回の東京都知事選挙は舛添氏の人物への信頼が失われたことに端を発したものであり、東京都知事選挙の候補者には言行の一致に通常以上に求められるべきです。

そのため、イオン株を大量に保有する創業家の人物が野党第一党の党首として格差の是正を訴えた参議院議員選挙の茶番の焼き直しは容認されるべきではありません。筆者も自民党改憲案には賛同しませんが、東京都知事選挙は大金持ち老人の憲法9条を守りたいという趣味を東京都民に押し付ける場でもありません。

鳥越俊太郎氏は不動産・金融資産、そしてこれまでの所得を含めて東京都民に対して情報公開することを検討されたら良いと思います。米国でも大統領選挙の前に主要候補者は資産公開を行うことが慣例となっています。

小池氏も増田氏も豪邸問題ですっぱ抜かれているため、反権力のスタンスで市民のための取り組まれたジャーナリスト&現在は格差の是正を公約に掲げられている候補者として極めて良いパフォーマンスになることでしょう。





本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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yuyawatase at 11:10|PermalinkComments(0)

2016年05月31日

選挙争点は「三党合意を行った政党への不信任」である

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他人事のような民進党(元民主党)の人々の言葉

「消費税増税できないアベノミクスは失敗だ!」と民進党が意気揚々としています。しかし、直近の景気低迷はアベノミクスが失敗したからではなく、「三党合意によって決まった消費税増税」が経済不況を招いたことにある点は明白です。

自民・公明・民主の三党合意した消費税増税が失敗であったことを棚に上げて、鬼の首を取ったかのようにはしゃぐ民進党議員らには国民として疑問を持たざるを得ません。

小選挙区制度を採用している我が国では与党と野党第一党が選挙前に談合した場合、国民から事実上選挙における選択肢を奪うことができます。

民進党議員は国民から増税以外の選択肢を無くしておいて、その増税による経済失政が実際に発生させた上で、その経済失政を槍玉に挙げて批判する姿を見て、国民が白けた目線を注いでいることに気が付くべきでしょう。

アベノミクスは「そもそも意味が無かった」という正しい認識

そもそもアベノミクスが盛んに叫ばれていた時期は「リーマンショックからの回復期」でしかありません。各種経済指標の改善はリーマン以前の状況に徐々に戻ってきただけのことです。ドルベースの株価の上昇率も米国と比べても特別高いわけでもありません。

そして、安倍政権が誇る雇用増の大半も、民主党時代から変わらない「社会保障費の垂れ流し額」が更に増加し、福祉職の雇用が毎年膨れ上がっているだけのことでしかありません。御用アナリスト・経済学者は言わないと思いますが、数字を確かめれば普通に分かることです。

つまり、アベノミクスなどというものは最初から効果が希薄であり、民主党政権末期から兆しがあった円安が安倍政権になってから進展したことで為替差益が増加し、大企業の帳簿上の収支が改善しただけです。

したがって、経済政策の本質は民主党政権の頃と大差ないのではないかと思います。アベノミクスによる変化とは、日銀による国債ファイナンスによって日本円の信用が大きく毀損したことくらいです。

そのため、仮に民進党が政権を担っていたとしても、消費税3%増を上回る効果がある経済政策を実行できていたようには全く思えませんし、そのような政策が実行できると本気で思っているなら民進党の経済センスを疑わざるを得ません。

「三党合意を行った政党への不信任」、国会議員の選民主義から民主主義を守る

今回の国政選挙においても「三党合意」よろしく、与党と野党第一党が消費税増税の先送りで一致しています。
彼らは選挙の度に与野党で「増税で一致」「見送りで一致」という行為を繰り返すつもりでしょうか?

口では何とでも言えますが、所詮大企業・大労組に支えられた似たより寄ったりの政党なので、重要な経済政策の問題では行動が常に一致しているわけです。

完全に「民主主義を舐めている」わけであり、「国民は寝ててね。あとは国会議員、官僚、タックスイーターで決めるから」と言っているに等しい行いです。これで立憲主義やら何やらを語るなど馬鹿にするにも程があります。

民主主義の根幹である「税金」の問題から国民を蚊帳の外に置く政治が許されるべきではありません。今回の選挙は「現在進行形」で「民主主義を破壊している」与党と野党第一党への不信任になるべきです。

国民はエスタブリッシュメント政党である自民党・公明党・民進党の三党以外に投票することが望まれます。この3つの政党は確固たる組織票があるため、あなたが一票投じなかった程度で動じるような政党ではありません。したがって、積極的に上記3党以外の政党に投票すべきです。

選挙争点は「日本の民主主義を国会議員の選民主義から守ること」です。現状の選挙制度では難しいことは確かですが、自公民の3党を過半数割れにすることができれば日本の政治は確実に変わります。そして、それは一人ひとりの投票で可能なことなのです。

1940年体制(増補版) ―さらば戦時経済
野口 悠紀雄
東洋経済新報社
2010-12-10


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