富裕層

2015年11月21日

大人の教科書(4)格差社会を正しく理解する

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格差社会の本質、「貧困」と「富裕」はどちらが先に存在していたのか

世界を1対99に分けるような頭がおかしい言説を無視して考えるとして、世界を貧困と富裕の2つに分けるとした場合、最初に存在していたものは「貧困」でした。

人類史は狩猟などの極貧困時代(その日の食べ物をその日に狩る)から始まり、その後、農耕化することを通じて富を築きあげて一定の生活水準を保つことができるようになりました。それは種もみなどを蓄積して計画的に運用できるようになったからです。

その後、技術革新・制度革新が繰り返されることによって、社会的な富が増大していくにつれて貧困から解放される人々が増えてきたのです。

つまり、既にある程度富裕になった先進国で最初から生まれてしまった私たちには認識困難ですが、社会は元々「全員が貧困」な状況から「富裕な人々が出て来た」のであって、「全員が富裕」な状況から「貧困な人が出て来た」わけではないのです。

バシッと言われれば当たり前に理解できる話ですが、現代社会においてはこの基本的な認識が欠けている人が多く散見されます。

権力者にとっては資本主義など「必要ない」ということを知る

格差社会の問題として、資本主義が問題になることがあります。一部の人々がドンドン富めるようになり、それ以外の人が貧困になっていくという理屈です。これも本末が転倒した議論であることを学習するべきです。

資本主義社会が発展する以前の世界は「王様による独裁」または「貴族による少数支配」が普通でした。彼らは社会的な富を武力を背景とした支配力で自分のために使わせることが出来ました。

つまり、権力者は資本主義など有ろうが無かろうか、絶対的な力で物事を実行することができたのです。現代社会においても資本主義がほとんど機能していない北朝鮮の状況を見れば理解できると思います。

権力者がまるで資本主義を必要としているかのような話をする人は世界史をやり直してほしいものです。

資本主義は貧困者のために存在してきたということを知る

資本主義は貧困な人々のために存在してきました。現在、資本主義社会が提供しているあらゆるサービスの大半は「富裕層は使わない」ものです。そのため、それらのサービスを消費するのは中間層以下の人々ということになり、多くの人々がその利便性から恩恵を受けています。(コンビニなどもその一つ)

資本主義によって次々と便利なサービスが提供されることで人々の暮らしは豊かなものとなりました。町中で自分で作ったわけではない食べ物が売られている、またはゴミで捨てられている現状を良く見てほしいと思います。

また、資本主義を通じてかつては権力者が好き勝手できた社会の富を各個人の財産として保護することができている点も重要です。それによって、権力者も普通の人々に対して無茶苦茶なことができず、多くの人々からの同意を得なければ政治的にも経済的にも重要な決定ができなくなったからです。

仮に、世界が資本主義社会ではなく、専制国家または共産国家だらけであれば、権力者同士の欲望のために第三次世界大戦が発生してとっくの昔に人類史は継続不能になっていたでしょう。

格差社会で語られるべきことは「貧困」ではなく「富裕」である

格差社会で「貧困」を問題にする人は、物事の本末が分からない人です。世界は元々貧困だったのであり、貧困については今更新たなテーマにするほどの価値もありません。(むしろ、どうしても「貧困」をテーマにしたいなら、現在の貧困と過去の貧困の質的・量的な暮らしの環境の変化についてテーマにすべきです。)

格差社会でテーマにするべきことは「どうすれば人々が更に速やかに豊かになれるのか」ということです。

途上国を見れば明らかですが、資本主義・自由市場を導入した国は総体として豊かになっていることは事実であり、それらが機能しやすい環境を作っていくことが求められています。

そして、これは先進国でも同様であって「貧困」を解消するために「富裕」を解消するということがバカげた議論であることは明白だと思います。貧困を解消するための方法は社会全体の富を増やしていくことしか無いからです。

選択の自由[新装版]―自立社会への挑戦
ミルトン・フリードマン
日本経済新聞出版社
2012-06-26





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yuyawatase at 18:00|PermalinkComments(0)