安倍

2016年11月29日

なぜ、安倍首相はヒラリーのみと会談したのか?

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<The Japan Times から引用>

逢坂誠二・衆議院議員から提出された「9月に行われた安倍・ヒラリー会談に関する質問主意書」に対する政府からの回答がありました。質問主意書への回答は政府の公式見解ということになりますが、その内容は極めて問題の根が深いものとなっていることが分かります。


衆議院議員逢坂誠二君提出ヒラリー・クリントン候補重視の日本外交の問題意識に関する質問に対する答弁書


<逢坂議員の質問>

一 安倍総理が、九月の訪米時にドナルド・トランプ氏とは面談せず、ヒラリー・クリントン氏とだけ面談した理由は何か。政府の見解を示されたい。
 
四 政府は、ヒラリー・クリントン氏の当選が濃厚だとの見通しを持っていなかったのだとすれば、なぜ首相の九月の訪米時に、ヒラリー・クリントン氏とだけ面談したのか。政府の見解を示されたい。

<政府の回答>

一及び四について

平成二十八年九月十九日(現地時間)に行われた、ヒラリー・クリントン前米国国務長官による安倍内閣総理大臣への表敬は、同前米国国務長官側の発意を受け、調整し、実現したものである。ドナルド・トランプ氏からは安倍内閣総理大臣への表敬に関する提案はなされなかったため、同氏の表敬は実施されなかったところである。

<解説>
政府は安倍・ヒラリー会談はヒラリー側からの申し出があったために調整したとしています。そして、トランプ側からは表敬の申し入れがなかったとしています。つまり、同面談が受動的なものであったことが明示されています。


<逢坂議員の質問の続き>

二 九月の安倍総理の訪米時、ドナルド・トランプ氏と面談することを意図し、政府はトランプ陣営への働
きかけを行った事実はあるか。政府の見解を示されたい。

三 政府は、ヒラリー・クリントン氏の当選が濃厚だとの見通しを持っていたのか。見解を示されたい。

<政府の回答>

二及び三について

御指摘のような事実はない。


<解説>
ヒラリーに会うために米国を訪問するにあたって、バランスを取るためにトランプ陣営に働きかけた事実はない、と回答しています。

しかし、11月11日産経新聞によると「実は日本政府はこのとき、トランプ氏側にも会談を申し入れていた。結果的に本人は出てこなかったが、安倍首相はトランプ氏のアドバイザーの一人で投資家のウィルバー・ロス「ジャパン・ソサエティー」会長と会談している。ロス氏はこのとき、こう話したという。」とされています。

政府答弁が嘘をついているのか、産経新聞が飛ばし記事を書いたのか。両方が正しいとした場合、トランプ氏に元々会うつもりも無かったが、トランプ陣営の一人でジャパン・ソサエティーの会長であるウィルバー・ロス氏には個人的に会っておこうと考えたということだろうか。

<逢坂議員の質問の続き>

五 次期米国大統領にはドナルド・トランプ氏が就任するが、この間のヒラリー・クリントン氏だけを重視した日本外交は誤った見通しに基づいていたのではないか。政府の見解を示されたい。

六 米国大統領選挙の結果が出るまでは、ヒラリー・クリントン氏だけを重視する結果となったことは、情報収集と分析能力に課題があると思われる。米国における在外公館の情報収集活動や分析、さらには日本外交の前提となる政府内での情報収集や分析能力には課題があるのではないか。政府の見解を示されたい。

七 米ソ冷戦期および冷戦終結後という時代のレーガン政権からG・H・W・ブッシュ政権の終わった一九九三年以後、米国では二大政党による政権交代が繰り返され、民主党あるいは共和党の政権が連続して三期以上続いたことはないと承知している。その事実を踏まえれば、民主党のオバマ政権の次には共和党政権が誕生する可能性は低くないということは容易に推測できる。日米外交に携わる専門家であれば、当然踏まえておくべき認識であろう。それにもかかわらず、オバマ政権の次にヒラリー・クリントン政権が誕生すると推測し、ヒラリー・クリントン候補重視の日本外交の基本姿勢には、基本的な問題意識の欠如があるのではないか。政府の見解を示されたい。

<政府の回答>

五から七までについて

政府としては、ドナルド・トランプ陣営及びヒラリー・クリントン陣営双方との関係を早い時期から構築してきたところであり、「ヒラリー・クリントン氏だけを重視」したとの事実及び「オバマ政権の次にヒラリー・クリントン政権が誕生すると推測」したとの事実はなく「情報収集や分析能力には課題がある」及び「日本外交の基本姿勢には、基本的な問題意識の欠如がある」といった御指摘は当たらない。

<解説>
両陣営に人脈も持っており、ヒラリーを重視した事実はなく、情報収集や分析能力に課題はない、基本的な問題意識の欠如もないとの回答。

上記の回答を総合して考察すると「政府としては情報収集と分析能力は万全で、ヒラリーから打診が会ったから会っただけで、トランプ陣営には何も打診せず、元々繋がりがあったウィルバー・ロス氏だけは個人的に面談した。ヒラリーを重視していたわけではない。したがって、日本外交の基本姿勢に問題はない」ということになります。

<同時期に米国を訪問したイスラエルのネタニヤフ首相はヒラリー・トランプ両方に会っている>

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比較事例として米国に安倍首相と同時期に訪問したイスラエルのネタニヤフ首相はヒラリー・トランプ両氏に会っていることも紹介しておきます。

ユダヤ人国家という特殊な条件はあるものと思いますが、大統領選挙期間中に候補者の両方に会うことが当然の対応であることが分かります。

イスラエルはイラン核合意などで米国と関係が冷え込む中で、今年3月にオバマ大統領との面会することを取りやめるとともに、大統領予備選挙に干渉する印象を与えることを避けるため、ネタニヤフ首相の訪米日程を一旦キャンセルしていた経緯があります。

しかし、大統領選挙の最終盤に機を見て敏に共和・民主両候補者に面談する機会を持ったこと、そして両候補者からイスラエル寄りのコメントを引き出したことで、同国の卓越した外交力は示されたことになります。

自らの主張を通すために米国相手に駆け引きを行い、そして見事に果実を得る外交だと言えるでしょう。

<日本政府の問題点は「判断力」の欠如だった>

イスラエル政府が情報収集・分析能力に長けており、ネタニヤフ首相の判断力が極めて優れたものだったことは明らかです。

ウィルバー・ロス氏に個人的に面談したから「手を打っていた」という言い訳のリーク記事を新聞社に書かせて国民世論を誤魔化しつつ、正式な政府答弁で答えられない程度の対応しかしていなかった国とは違います。

逢坂議員の質問主意書に対する日本政府の答弁には大きな問題があります。

仮に政府の答弁通り、トランプ・ヒラリー両陣営との人脈を構築し、ヒラリーを重視した事実もなく、情報収集や分析能力に問題が無かったなら、「まともな対応を行ったイスラエルとの差」はどこから生まれたのでしょうか。

両者の差は「判断力」の差であったということが言えるでしょう。

つまり、この問題は「ヒラリーが会いたいと言ったから会いに行った」という受動的な姿勢、自分で外交的な意思決定を判断できない、という外交姿勢以前の根本的な問題だということです。

そして、米国大統領に就任する可能性がある前国務長官に呼びつけられたら、一国の首相が慌てて訪米するような「判断力の欠如した従属外交に問題が無い」という政府答弁に日本人の誇りはあるのでしょうか。

私は一人の日本人として、今回の政府答弁の内容に驚きを覚えました。同内容を公開すること自体に疑問を持たない現政権は日本人の代表としての誇りを問い直されるべきでしょう。



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。



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2016年11月18日

トランプ氏に「借り」を作った安倍・トランプ会談

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<首相官邸HPから引用>

外務省が己の失敗をリカバリーするために行われた会談

安倍首相・トランプ氏のニューヨークにおける会談は穏やかな形で終わった模様です。現段階では両者が話す内容も特に無いでしょうから予定通りといったところでしょう。

筆者は大統領選最中の9月にヒラリーにだけ会った外交上の失策で面目を失った外務省が自らの立場を挽回するためにセッティングしたものと推測しています。安倍首相としてもヒラリーとだけ面談した稚拙な外交について世論の批判が噴出する前に火消しを図りたかったことでしょう。

評価としては「とりあえず、「早めにトランプ氏に会っておくべき」という場当たり的な対応ではあるものの、同会談は行わないよりはマシというぐらいでしょうか。

しかし、トランプ氏側から見ると、この会談は特に行う必要は無いので「日本側はトランプ氏に対して借りを一つ作った」ことになります。したがって、「取引」を重視するトランプ氏に早くも一つ得点を取られた形になりました。

外務省の誤った判断によるツケを払う結果になったと言えるでしょう。

国務省長官が決まる前に訪米して面談することは意味があるのか?

面談時間は約1時間半だったということですが、事前にアジェンダが詰まっていたわけではないと思われます。したがって、会談内容は本当に挨拶程度のものだったと捉えるべきでしょう。

国務長官すらまだ内定していない状況の中で外交的な話が進められるわけがありません。

一方、同会談にはトランプ氏の娘婿夫婦が同席されていたことばかりが注目されていますが、トランプ氏が信頼する外交アドバイザーであるフリン氏も参加していました模様です。

この事からフリン氏は今秋に来日して日本の対米外交関係者と懇親した経緯もあり、今後もトランプ政権における対日政策のキーマンとなることが分かります。今年春に書いた記事にもフリン氏に関しては簡単に触れさせてもらいました。同氏は腕利きの情報機関出身者です。

トランプを低評価するか否かは「情弱」のリトマス試験紙だ(2016年2月28日)

同氏はネオコン及びオバマ政権の中東政策と鋭く批判した人物であり、選挙が終了した後もトランプ氏の外交政策面で重要なアドバイザーとして留任していることになります。安倍・トランプ会談自体というよりもフリン氏が参加していたことはトランプ政権の外交方針を推し量る意味で重要だったと思います。

今回はほとんど意見を交わすこともない挨拶程度の参加だったと思いますが、大駒の意図というものは周辺の動向から自然と悟ることができるものです。

安倍首相とメルケル首相を比べる愚説は何の意味もない

一部にはドイツのメルケル首相の発言などと比較し、安倍首相の行動を批判する声もありますが、それらは失笑ものの勘違いだと思います。批判のための批判は建設的なものとは思えません。

欧州諸国も渋々ではあるものの、トランプ大統領就任後は自らの発言を顧みる必要が出て来ることになるでしょう。他国が大統領選挙を行っている最中に、各国首脳が片方の候補者を批判する外交的な非礼を繰り返してきたのは欧州諸国のほうです。

ロシアの脅威を目の前に抱える欧州諸国(特にドイツ)と中国の脅威を目の前に抱える日本では外交的な立場も全く異なるものです。その意味で安倍首相は下手をうったので早急にリカバリーを行うことは日本の国益を考えるなら当然の行為です。

また、トランプ氏は民主主義の手続きで選ばれた人物であり、しかも経済的には自由主義的傾向が強い共和党大統領です。そのトランプ氏と会談することは何らおかしなことではありません。左翼運動家には不快かもしれませんが、単なる民主主義国同士の実質的なトップ会談です。

むしろ、欧州諸国は自国の中で台頭するファシズム勢力を責任を持って抑える責任があり、他国の大統領に対して論評している場合ではありません。欧州の人々には是非頑張ってほしいものだと思います。

安倍・トランプ会談に関する総括、トランプ氏に借りができてしまった日本政府

筆者の見解は下記の通りです。

・今回の会談はヒラリー単独会見の失敗から外務省の面子をリカバリーするためのものだ
・安倍首相も単独会見の国内からの批判を回避するために迅速な行動を行う必要があった
・トランプ氏側には同会談を行うインセンティブは無いので、日本はトランプ氏に「借り」を作る形になった
・フリン氏が同席していたことは今後の対日政策の方向性を推察できる情報であった
・日本とドイツは立場が全く異なるので、両首相の発言・行動を比較することは無意味な行為

今後、日本政府は余計な「借り」を他国に作らないようにインテリジェンス能力を高めてほしいです。









本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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2016年06月01日

安倍演説から読み解く「衆議院解散総選挙」の可能性

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安倍首相の会期末演説から「衆議院解散」の可能性を読み解く

「本日、通常国会が閉会いたしました。」の一文で始めった安倍首相の会期末演説。(全文はこちら

非常に良く計算された文章によって構成されており、しっかりとしたスピーチライターと練りに練った内容だったように思われます。直前まで世論動向を踏まえて修正を繰り返したものであることも伝わってきました。そして、安倍首相の質疑への流暢な答弁から記者とのやり取りも事前の仕込みは万端であったことからも明らかです。

つまり、本演説は計算され尽した内容であるからこそ、筆者はその内容から「衆議院解散」の可能性を探ることができると考えています。

ちなみに、衆議院解散自体は参議院選挙の1か月前程度に臨時国会を召集して解散すれば良いだけなので、まだ十分に解散総選挙に至る道は留保された状態にあります。したがって、筆者は解散がある場合を想定し、以下安倍演説の読み解きをしていきます。

安倍首相が設定した「参議院議員選挙の争点」について

「1年半前、衆議院を解散するに当たって、まさにこの場所で、私は消費税率の10%への引き上げについて「再び延期することはない」とはっきりと断言いたしました」

「新しい判断(増税再延期)について、国政選挙であるこの参議院選挙を通して国民の信を問いたいと思います。 」

安倍首相は今回の参議院議員選挙の争点を上記のように設定しました。つまり、「消費税増税再延期の是非」「アベノミクスをもっと加速するのか、それとも後戻りするのか」の2点ということになります。

前回の衆議院議員選挙で「消費税増税延期」については争点として問うていますので、同じ争点で衆議院を再解散することはできません。そのため、「消費税増税再延期を参議院で問う」という形式になるわけです。

つまり、あくまで消費税増税再延期は「参議院議員選挙の争点」であることが強調されています。ここは大きなポイントであり、仮に臨時国会を開いて衆議院解散を実行するなら「消費税増税再延期」は「衆議院議員選挙」の争点ではないということです。

すっぽりと抜け落ちたサミットで主張した「財政出動の具体策」の存在

「今こそ、アベノミクスのエンジンを最大に噴かし、こうしたリスクを振り払う、一気呵成に抜け出すためには脱出速度を最大限まで上げなければなりません。アベノミクスをもっと加速するのか、それとも後戻りするのか。これが、来る参議院選挙の最大の争点であります。」

「しかしこの選挙で、しっかりと自民党、公明党の与党で過半数という国民の信任を得た上で、関連法案を秋の臨時国会に提出し、アベノミクスを一層加速させていく、その決意であります。 」

上記のように 安倍首相は演説と質疑応答で上記のように回答して「消費税増税再延期」とともに、アベノミクスの加速、そして財政出動を含めた関連法案の提出に言及しています。

つまり、サミットでも散々主張した財政出動については今回の演説では「まったく具体策が示されなかった」わけです。経済学者ヒアリング、サミット、会期末演説など消費税増税再延期に向けて周到な準備をしてきた政権としては些か拍子抜けの感があります。

あくまで上記は参議院議員選挙の文脈で語られていますが、本来は「財政出動の具体策」がここで示されて選挙に突入するのが当たり前の流れであるように思われます。しかし、消費税増税再延期=参議院議員選挙を印象付けることが狙いだと思うのですが、あえて何ら具体策への言及はありませんでした。


衆議院解散で問われるのは「アベノミクスを加速させる財政出動」ではないか

筆者が「衆議院解散の可能性が残っている」と思う理由は、まさに「財政出動の具体策が言及されていない」という一点に尽きます。

現状のままでは野党が設定した「アベノミクスは失敗した」という選挙争点が主流となる可能性が高く、安倍首相が主張する「アベノミクスを加速させるか否か」という争点に落ち着く可能性は低いと思われます。

これから選挙に突入するにも関わらず、財政政策の目玉となる具体策を何も打ち出さない、ことは考えれず、与党側が意図的に発表を留保しているのではないでしょうか。

筆者は与党が直近1週間程度で消費税増税再延期に伴なうネガティブなイメージを払拭するためのキャンペーンを実行した上で、「衆議院議員選挙の争点」として「財政出動の具体策」を打ち出す可能性があると想定しています。

このような流れを経ることで選挙争点を「アベノミクスは失敗したのか?」から「アベノミクスを加速させるか」に切り替えることが可能になるからです。

そして、野党は相変わらず批判するばかりで目を引く対案が無く、「巨額の財政出動」という餌がぶら下げられればひたすら「反対」を繰り返すばかりということになるのが目に浮かびます。

そう考えると、安倍首相が今回の演説で再三に渡ってアベノミクスの期間中の税収増に触れている点も怪しく、税収増の果実を巨額の財政出動に転用する、というロジック形成のための下準備ではないかと訝しくなります。

参議院議員選挙と衆議院議員選挙の「争点を切り分ける」というロジック

上記のように参議院議員選挙は「消費税増税再延期の是非」、衆議院議員選挙は「巨額の財政出動の是非」という形で切り分けることで、衆議院解散総選挙の大義を整えることが可能となります。

安倍首相は、質疑応答の中で、

「しかし、熊本地震の被災地ではいまだ多くの方々が避難生活を強いられている中において、参議院選挙を行うだけにおいても、その準備でも大変なご苦労をおかけをしているという状況であります。こうしたことなどを考慮いたしまして、同じく国政選挙である参議院選挙において、「国民の信を問いたい」と、このように判断したわけであります。」

「そして、私の任期は、18年の12月でなく9月まででありまして、この任期の間に、選挙をやるかどうか。今の段階では、解散の「か」の字もないということであります。」

ということで、熊本地震を理由としながら解散しないことを述べていますが、あくまで任期中の解散については同じセリフ「解散の「か」の字もない」を繰り返しているだけです。

しかし、重要な仕掛けをする際に表現がぶれることは最も避けるべきことであり、安倍首相の「同じセリフ」を繰り返す行為は官邸にとって重要な決め事だということが逆に伺い知ることができます。

一方、安倍首相は熊本震災については、

「世界経済は今大きなリスクに直面しています。しかし率直に申し上げて、現時点でリーマンショック級の事態は発生していない。それが事実であります。熊本地震を大震災級だとして、再延期の理由にするつもりももちろんありません。そうした政治利用は、ひたすら復興に向かって頑張っておられる皆さんに、大変失礼だと思います。 」

「こうした諸改革と合わせて、今なお地震が続く、熊本地震の被災者の皆さんの不安な気持ちに寄り添いながら、被災地のニーズをしっかりと踏まえつつ、本格的な復興対策を実施致します。」

と述べており、消費税増税再延期の理由にはしないが、本格的な復興対策のための予算を講じる旨が述べられており、イザとなれば「熊本復興に向けた巨額予算」を組み込む形で財政出動した場合に衆議院解散の大義は立つわけです。

上記のような観点から衆議院解散の可能性は十分に残されていると思いますが、現実はどのように推移していくでしょうか。まだまだ衆議院解散が無くなったと最終判断するには早計な状況と言えるでしょう。

自省録
中曽根 康弘
新潮社
2004-06-26


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2016年05月31日

選挙争点は「三党合意を行った政党への不信任」である

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他人事のような民進党(元民主党)の人々の言葉

「消費税増税できないアベノミクスは失敗だ!」と民進党が意気揚々としています。しかし、直近の景気低迷はアベノミクスが失敗したからではなく、「三党合意によって決まった消費税増税」が経済不況を招いたことにある点は明白です。

自民・公明・民主の三党合意した消費税増税が失敗であったことを棚に上げて、鬼の首を取ったかのようにはしゃぐ民進党議員らには国民として疑問を持たざるを得ません。

小選挙区制度を採用している我が国では与党と野党第一党が選挙前に談合した場合、国民から事実上選挙における選択肢を奪うことができます。

民進党議員は国民から増税以外の選択肢を無くしておいて、その増税による経済失政が実際に発生させた上で、その経済失政を槍玉に挙げて批判する姿を見て、国民が白けた目線を注いでいることに気が付くべきでしょう。

アベノミクスは「そもそも意味が無かった」という正しい認識

そもそもアベノミクスが盛んに叫ばれていた時期は「リーマンショックからの回復期」でしかありません。各種経済指標の改善はリーマン以前の状況に徐々に戻ってきただけのことです。ドルベースの株価の上昇率も米国と比べても特別高いわけでもありません。

そして、安倍政権が誇る雇用増の大半も、民主党時代から変わらない「社会保障費の垂れ流し額」が更に増加し、福祉職の雇用が毎年膨れ上がっているだけのことでしかありません。御用アナリスト・経済学者は言わないと思いますが、数字を確かめれば普通に分かることです。

つまり、アベノミクスなどというものは最初から効果が希薄であり、民主党政権末期から兆しがあった円安が安倍政権になってから進展したことで為替差益が増加し、大企業の帳簿上の収支が改善しただけです。

したがって、経済政策の本質は民主党政権の頃と大差ないのではないかと思います。アベノミクスによる変化とは、日銀による国債ファイナンスによって日本円の信用が大きく毀損したことくらいです。

そのため、仮に民進党が政権を担っていたとしても、消費税3%増を上回る効果がある経済政策を実行できていたようには全く思えませんし、そのような政策が実行できると本気で思っているなら民進党の経済センスを疑わざるを得ません。

「三党合意を行った政党への不信任」、国会議員の選民主義から民主主義を守る

今回の国政選挙においても「三党合意」よろしく、与党と野党第一党が消費税増税の先送りで一致しています。
彼らは選挙の度に与野党で「増税で一致」「見送りで一致」という行為を繰り返すつもりでしょうか?

口では何とでも言えますが、所詮大企業・大労組に支えられた似たより寄ったりの政党なので、重要な経済政策の問題では行動が常に一致しているわけです。

完全に「民主主義を舐めている」わけであり、「国民は寝ててね。あとは国会議員、官僚、タックスイーターで決めるから」と言っているに等しい行いです。これで立憲主義やら何やらを語るなど馬鹿にするにも程があります。

民主主義の根幹である「税金」の問題から国民を蚊帳の外に置く政治が許されるべきではありません。今回の選挙は「現在進行形」で「民主主義を破壊している」与党と野党第一党への不信任になるべきです。

国民はエスタブリッシュメント政党である自民党・公明党・民進党の三党以外に投票することが望まれます。この3つの政党は確固たる組織票があるため、あなたが一票投じなかった程度で動じるような政党ではありません。したがって、積極的に上記3党以外の政党に投票すべきです。

選挙争点は「日本の民主主義を国会議員の選民主義から守ること」です。現状の選挙制度では難しいことは確かですが、自公民の3党を過半数割れにすることができれば日本の政治は確実に変わります。そして、それは一人ひとりの投票で可能なことなのです。

1940年体制(増補版) ―さらば戦時経済
野口 悠紀雄
東洋経済新報社
2010-12-10


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2016年02月20日

大人の教科書(24)「議員定数削減」で権力者の都合が良い政治に

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野田佳彦元首相が議員定数削減の履行を安倍首相に求めたため、安倍首相も渋々議員定数削減に向けた重い腰を上げる形になったようです。

議員定数削減は「国民に痛みを強いるなら、国会議員から身を切るべき」という理屈で正当化されることが多い主張です。しかし、本当に議員定数の削減は国民のためになる政策でしょうか?今回は議員定数削減の本質について説明していきます。

議員定数削減によって「国会議員が有権者よりも有利な立場になる」ことを知ってますか?

国会議員と国民の間の関係には一種の緊張関係が働いています。国会議員は民意に沿わない政治を行った場合、有権者である国民の一票の行方によって落選する可能性があるからです。

たとえば、現在、衆議院議員が一人当選するために必要な票数を小選挙区・約10万票程度と仮定します。この際、一人の有権者が持つ力は国会議員が当選するために必要な投票量の10万分の1ということになります。

現状の295小選挙区を148小選挙区まで半減、つまり小選挙区の議員定数を半分にした場合、衆議院議員が一人当選するためには約20万票の得票が必要になります。したがって、一人の有権者が持つ力は現在の半分、20万分の1にまで減少することになります。

逆に、中選挙区制度を導入して5万票程度で衆議院議員が当選できる仕組みに変更した場合、一人の有権者が力は現在の2倍になることになり、国会議員に対して強い影響力を持つことが可能となります。

つまり、議員定数が多い(または少ない有権者数で当選できる)ならば、国会議員に対する有権者の力が強まり、議員定数が少なければ国会議員に対する有権者の力が弱まるのです。議員定数を削減すればするほど、国会議員は有権者の投票による縛りから自由に行動できるようになるのです。これは単純な算数の問題であって議論の余地すらないことです。

議員定数を削減すると「議員一人のあたりの国家予算」は幾ら増加するのか?

現在の衆議院議員総数は475人から10人議員定数を削減した場合、衆議院議員数は約2.1%減少することになります。

日本の一般会計予算だけで平成27年度96.7兆円という巨額なものです。現在の衆議院議員475名は頭割り1人につき2035億円の予算を審議していることになります。仮に10名の衆議院議員を削減すると、頭割りで1人つき2079億円に審議する予算額が増加することになります。つまり、国会議員一人当たり44億円分の権力が単純計算で強まることになるのです。

甘利事務所の口利き問題が依然として国会でも問題となっていますが、議員一人当たりの権力を増やす議員定数削減は、政治家による腐敗を是正するどころか、問題をより深刻化させるだけのことに過ぎません。議員定数の削減とは、国会議員の権力増大の手段であって身を切る改革とは真逆の方向にかけ離れたものです。

国会議員に対する有権者一人当たりの影響力を下げた上に、国会議員一人当たりの予算の差配権を強化することは、国民にとって何ら益するところがないものです。究極的には国会議員が一人なら独裁制、複数人なら寡頭制と呼ぶことも可能であり、逆に国会議員数が多ければ多いほど国会議員一人当たりの権力は制限されます。

国会議員が議員定数削減のようなバカげた政策を国民に提案してくること自体がナンセンスなことです。

正しい議員定数改革は「議員定数を増やして政党助成金を減らすこと」である

国民から見て正しい政策は「議員定数を増やして歳費を減らすこと」です。議員定数を増やすことで国会議員に対する有権者の一人当たりの影響力を強化し、国会議員一人当たりの権力を低下させることが望ましいのです。

国会の場に多様な意見を持った国会議員が存在することにより、従来までは埋没していたような政治的ニーズが議論される余地が生まれることにもなり、日本の議会制民主主義の発展にも大いに寄与することでしょう。

その上で、議員一人当たりの歳費を削減することでコスト削減を行うこともできます。そもそも現状の国会議員数を10名削減したところで10億円程度、国全体の予算にとって雀の涙程度の予算削減しかできません。国会の運営費用は1日約3億円であり、このような不毛な議論に時間を費やすこと自体が無駄です。

それほどまでに国会議員に関する費用を削減したいのであれば、約320億円の政党助成金を3%削減すれば10億円捻出できます。この方法であれば議員定数を減らすことなく、国会議員に関する費用を削減することができます。しかし、政党助成金は各政党幹部が持つ利権と化しているため、政党助成金を減らそうという議論にはなりません。

現在、国会で行われている議員定数削減の議論の本質は「有権者の影響力を引き下げて、国会議員一人当たりの権力を強化し、なおかつ政党幹部の利権は維持する」という趣旨のものに過ぎません。国民は自分の頭で考えることが必要であり、無意味かつ有害な議員定数削減議論に与するべきではありません。

独裁者になるために
イニャツィオ シローネ
岩波書店
2002-12-20

 

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2016年02月07日

2016年2月5日・首相動静ウォッチ

本ブログでは、時事通信社の首相動静について追加情報を加えながら首相の行動の意図を推測しています。少しでも皆様のお役に立つ情報が提供できれば幸いです。

<2月5日(金)>

・午前7時2分、東京・富ケ谷の私邸発。同14分、官邸着。
・午前7時15分から同8時20分まで、萩生田光一官房副長官。同28分から同39分まで、閣議。
・午前8時44分から同49分まで、高鳥修一内閣府副大臣。同53分、官邸発。同55分、国会着。同57分、衆院第1委員室へ。同9時、衆院予算委員会開会。
・午後0時5分、衆院予算委休憩。同6分、同室を出て、同8分、国会発。同9分、官邸着。
・午後0時55分、官邸発。同56分、国会着。同58分、衆院第1委員室へ。同1時、衆院予算委再開。
・午後5時1分、衆院予算委散会。同2分、同室を出て、同4分、国会発。同5分、官邸着。
・午後5時11分から同36分まで、北村滋内閣情報官
・午後6時3分から同25分まで、国家戦略特区諮問会議。
・午後6時27分から同49分まで、国際保健に関する「GGG+フォーラム2016」参加者の表敬。同51分、官邸発。
・午後7時1分、東京・赤坂のふぐ料理店「い津み」着。ニトリホールディングスの似鳥昭雄社長、白井俊之副社長北海道商工会議所連合会の長内順一特別補佐と会食。
・午後8時41分、同所発。
・午後8時49分、公邸着。
・6日午前0時現在、公邸。来客なし。

<2月5日の見どころ>

2月5日は和服でTPP署名式に参加した高鳥内閣副大臣と朝市の面談。国家戦略特区諮問会議をこなしつつ、GGG+フォーラムへの表敬などをこなしました。
 
夜は樺太出身・北海道経済界の重鎮である似鳥社長らと北海道商工会議所連合会の長内特別補佐と会食でした。北海道の衆議院補選やロシアとの領土交渉が近づきつつある中で、安倍首相がフグ料理を食べるというのは何とも興味深い趣向です。

運は創るもの ―私の履歴書
似鳥 昭雄
日本経済新聞出版社
2015-08-26



 


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2016年02月02日

2016年2月1日・首相動静ウォッチ

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本ブログでは、時事通信社の首相動静について追加情報を加えながら首相の行動の意図を推測しています。少しでも皆様のお役に立つ情報が提供できれば幸いです。

<2月1日(月)>

・午前8時現在、東京・富ケ谷の私邸。朝の来客なし。
・午前9時40分、私邸発。
・午前9時53分、官邸着。
・午前11時46分から午後0時1分まで、「無電柱化を推進する市区町村長の会」会長の山下和弥奈良県葛城市長ら。萩生田光一官房副長官同席。
・午後1時55分から同2時43分まで、茂木敏充自民党選対委員長
・午後2時44分から同3時15分まで、河村建夫衆院議院運営委員長
・午後4時57分、官邸発。同59分、国会着。同5時、自民党総裁室へ。
・午後5時1分から同18分まで、自民党役員会。同21分、同室を出て、同22分、同党幹事長会議室へ。同23分から同26分まで、衆院北海道5区補選の立候補予定者に公認証を手渡し。同28分、同室を出て、同30分、国会発。同31分、官邸着。
・午後6時27分、官邸発。同28分、公邸着。

<2月1日の見どころ>

本日は、茂木敏允自民党選対委員長との面会後、衆院北海道5区補選の候補者である 和田義明氏への自民党からの公認証が渡されました。和田氏は自公だけでなく新党大地も推薦を出しており、与党側の選挙手腕の巧みさが際立つ展開となっております。

無電柱化の推進は、景観や防災面などの観点から自民党が現在推進している公共事業政策です。大型の公共事業は批判を浴びやすい環境があるため、様々な観点から公共性を訴えられる同政策は比較的妥当性が高い政策と言えます。

明日から国会論戦が再開されることから、河村健夫議員運営委員長とも打ち合わせを行い、与党側の政局運営は甘利大臣辞任を受けても手堅い形で行われていることを印象付ける一日でした。

電柱のないまちづくり―電線類地中化の実現方法
電線のない街づくり支援ネットワーク
学芸出版社
2010-06-25




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2016年01月22日

2016年1月22日・首相動静ウォッチ

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本ブログでは、時事通信社の首相動静について追加情報を加えながら首相の行動の意図を推測しています。少しでも皆様のお役に立つ情報が提供できれば幸いです。

<1月22日(金)>

・午前8時現在、東京・富ケ谷の私邸。朝の来客なし。
・午前8時43分、私邸発。
・午前8時59分、官邸着。
・午前9時7分から同18分まで、農林水産業・地域の活力創造本部。
・午前9時23分から同45分まで、閣議
・午前10時41分から同51分まで、原田親仁日ロ関係担当大使、外務省の杉山晋輔外務審議官、林肇欧州局長
・午前11時58分から午後0時6分まで、柴山昌彦首相補佐官
・午後1時14分から同29分まで、北村滋内閣情報官
・午後1時52分、官邸発。同54分、国会着。同55分、衆院議長応接室へ。同2時、同室を出て衆院本会議場へ。同2分、衆院本会議開会。施政方針演説。
・午後3時30分から同32分まで、麻生太郎副総理兼財務相。同34分、衆院本会議散会。同35分、衆院本会議場を出て、同36分、院内大臣室へ。同37分から同39分まで、「運転従事者の健康と安全を守るための脳MRI検診推進超党派議員連盟」の二階俊博会長による申し入れ。同40分、同室を出て、同42分、参院議長応接室へ。同43分、同室を出て参院本会議場へ。同46分、参院本会議開会。施政方針演説。同5時17分から同20分まで、麻生副総理兼財務相
・午後5時23分、参院本会議散会。同24分、同室を出て、同25分、国会発。同27分、官邸着。
・午後5時40分から同45分まで、財務省の田中一穂事務次官、浅川雅嗣財務官
・午後5時46分から同58分まで、木村太郎自民党広報本部長ら。同6時から同40分まで、ロシアのプーチン大統領と電話会談。
・午後6時46分、官邸発。同51分、東京・赤坂の日本料理店「口悦」着。二階自民党総務会長、林幹雄経済産業相ら二階派議員らと会食。
・午後8時31分、同所発。
・午後8時36分、公邸着。

<1月22日の見どころ>

本日は、安倍首相がプーチン大統領と電話会談を実施し、安倍首相が春ごろにロシアの地方都市に非公式訪問を行うことで合意しました。2月中に次官級協議を実施するとともに、交渉担当は原田親仁日ロ関係担当大使が就任することになりました。

原田親仁氏はロシアンスクールの中心人物であり、かつて鈴木宗男氏が外務省の裏金組織とされる「ルーブル委員会」に関与したのではないかと質問主意書で取り上げられた人物です。(もちろん、外務省は存在自体を否定しましたが・・・)杉山晋輔は国際協力畑の人物であり政務担当の外務審議官、林肇欧州局長は元領土・主権対策企画調整室長で第1次安倍政権で首相秘書官でした。

柴山昌彦首相補佐官は外務政務官を経験しており、外務政務官時代は中曽根大臣の下で沖縄・北方領土問題に取り組んだ経験があります。現在は補佐官として「国家安全保障に関する重要政策及び選挙制度担当」を所管しています。

日本側としては経済苦境に置かれているロシアに対して、最強の布陣かつ安倍首相の腹心が交渉にあたる形になります。安倍首相の対ロ外交・領土問題解決への本気度が垣間見られる一日でした。

そのほか、財務省の事務次官・財務官が面談しています。財務官は国際通貨マフィアの一人です。昨年末の米国の利上げ、欧州中央銀行や日銀の追加緩和観測、ダボス会議でのジャパンナイトの開催など、様々な国際経済に関する議論・イベントが目白押しな状況での面談となります。

夜の仕上げは、現在の自民党内で隠然たる影響力を発揮する二階総務会長ら二階派議員との懇親となりました。首相が自派閥である清和会以外でも特に二階派を頼っている様子を伺うことができます。お店の「口悦」は溜池山王にある老舗「料亭」であり、まさに自民党重鎮の会合としてイメージがぴったりのものとなりました。















外務省犯罪黒書
佐藤 優
株式会社講談社エディトリアル
2015-12-04



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yuyawatase at 22:48|PermalinkComments(0)

橋下徹・経済財政担当大臣?甘利氏の後任を巡る動き活発化

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甘利大臣の贈賄スキャンダルが政権運営に与える影響は大きい

甘利大臣は菅官房長官とともに安倍政権を支えてきた二枚看板の1人であり、内閣府を牛耳る自民党神奈川県連のメンバーでもあります。その甘利大臣に発生した週刊文春による金銭スキャンダル報道は安倍政権に深刻な影響を与えることになるでしょう。

既にTPPに関する補正予算は成立しているため、2月4日に予定されているニュージーランドでのTPP署名式が予定されています。そのため、甘利大臣が述べているように1週間以内に何らかの説明責任を果たして同署名式に参加するものになると推測されます。

しかし、本件では事務所と業者のやり取りに関する録音テープの存在が示唆されており、甘利大臣が留任できるかどうかは非常に微妙な状況ということは言えるでしょう。安倍政権としてはダメージコントロールの観点から甘利大臣の更迭・入替を含めて検討を開始しているものと思います。

自民党内のコップの中での後任争いでは支持率下落の可能性も

上記の甘利大臣のスキャンダルを受けて既に関係者の間では経産族の議員や官邸に近い参議院議員などの名前が上がり始めているようです。しかし、甘利大臣の存在は余人をもっては代えがたい状況になっていることは事実です。また、参議院議員選挙半年前のタイムスケジュールの中で、自民党のコップの中での後任争いで有権者からの信頼が回復できるかは微妙です。

しかも、後任大臣の身体検査を行うための時間も十分ではない中で、火中の栗を拾う議員が出てくるかどうかは極めて問題だと思います。後任大臣がその後も何らかの集中砲火にさらされることはほぼ間違いありません。

スキャンダル耐性を持ちながら経済財政担当大臣として国会の厳しい質疑をこなせる能力を持った議員は自民党内には見当たらないということが実際のところではないでしょうか。

橋下徹・経済財政担当大臣というアイディアは浮上するか?

そこで、筆者の全くの妄想ではありますが、橋下徹・経済財政担当大臣というプランはどうかと思っています。甘利大臣のスキャンダルが一気に消し飛ぶ人事であり、メディア報道の関心は橋下新大臣の動向に注目が集まっていくことになるでしょう。

今国会で予定さているTPPに関する国内批准に向けた質疑応答なども、橋下氏の日本有数の経済都市である大阪府・大阪市の首長を務めた法曹というキャリアは最適だと思われます。

夏の参議院議員選挙における実質的な与党陣営の躍進、という観点から選挙対策としても極めて有効な一手です。甘利大臣はニュージーランドでの署名式を花道として、橋下氏に国内の難局を乗り切る役目を任せるということは人事案としては一考に値するのではないかと思います。(といっても、現段階では筆者の妄想に過ぎませんが・・・)

週刊文春が安倍政権に逆に追い詰められるシナリオも・・・

ところで、筆者は今回の甘利大臣の金銭スキャンダルは「出来が良すぎる」かと思っています。コテコテの贈賄劇場が実際に行われていたとしても、贈賄側が最初から「甘利大臣をはめることが見え見え」であることは間違いありません。

そのため、週刊文春側が本来掴んではならないネタを掴んでしまっている可能性もゼロではなく、今後の動向次第では政権側からの反撃で文春側が詰められることもあり得ます。年明けからベッキー不倫報道などによって「文春やりすぎ」という声も市井の一部に存在していることから社会的にも手痛い打撃を食らわせられることも想定されます。

いずれにしても安倍政権にとっては年明け早々に訪れたピンチをどのように切り抜けていくのか、今回のスキャンダルは参議院議員選挙に向けた「政権の強さ」を占う試金石とも言うべき難題として面白い展開になってきました。





プロパガンダ教本
エドワード バーネイズ
成甲書房
2007-07-03






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yuyawatase at 18:39|PermalinkComments(0)

2016年01月20日

甘利大臣、1200万円賄賂受け取り、ゲスの極み疑惑?

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週刊文春のスクープ報道、甘利大臣1200万円贈賄疑惑が発覚

やはり文春は最強だなーと思わせるスクープです。公開されたプレスリリースによると、株価が爆下がりしている中で安倍政権の支持率を爆下がりさせる一撃を加える模様です。

千葉県内の建設会社総務担当者が甘利氏の秘書に「とらやの羊羹」を送っていたことが報じられています。50万円の現ナマを渡した話や接待などで総計1200万円の証拠が揃っているそうです。

真偽のほどはまだ分かりませんが、菅官房長官が一報を受けた記者会見で「いろいろな噂はあるが、一般論として政治資金の取り扱いに疑問があれば政治家自らが説明することが必要だ。政治家は真摯に説明する必要がある」とコメントしており、事態は急転直下の風雲急を告げています。

マイナンバーを推進していた甘利大臣、ゲスの極みスキャンダルになってしまうのか

2015年5月26日に甘利大臣は記者会見で替え歌を披露して話題になりました。

「私以外私じゃないの あたりまえだけどね だから マイナンバーカード」

という最近不倫スキャンダルが発覚した「下衆の極み乙女。」の替え歌を突然歌い始めて、マイナンバー推進をPRしたわけです。

今回の一見は図らずも議員本人ではなく「秘書の金銭授受」疑惑が発覚し、事務所の中核である秘書を「私以外私じゃない」の論理で切り捨てるのか、ということが問われています。もちろん、安倍首相も同様の判断が迫られることになるでしょう。

ちなみに、マイナンバーは資金決済の流れの不透明性をクリアにするものですが、現金流通や現物給付の利用方法をカミングアウトしてしまったことで信用もがた落ちというところでしょう。

TPPの国会承認へのハードルが上がる、対米交渉などで不利な立場に立つ可能性も

甘利大臣はTPPを所管しているわけですが、既に年明け通常国会でTPP関連を含む補正予算が成立している状態であり、TPPに加盟する日米など12か国は2月4日に協定案に署名する予定されています。安倍政権としてダメージコントロールを行うにしてもスケジュールは非常に厳しい状況です。(4月以降に予定されている国内での承認にも影響が出る可能性もあります。)

今後、続報がどこまで継続するかによる状況ではありますが、国会審議には確実に影響を与えることになるでしょう。年明けからの世界経済の混乱の中で経済財政担当大臣に起きた不祥事は日本経済にとってもリスクマネジメントの観点から問題です。

年始早々安倍政権としては非常に厳しい立場に立つこととなりました。週刊文春の調査能力には脱帽するばかりであり、週刊誌のメディアとしてのバリューは上がるばかりということになりそうです。





現金に手を出すな HDマスター [DVD]
ジャン・ギャバン
IVC,Ltd.(VC)(D)
2013-01-25




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