国境なき記者団
2015年12月26日
安田純平さんの話は半年前からのことなんですが・・・

海外メディアでは半年前に安田さんがシリアで消息不明になっていることは常識
日本のジャーナリストの安田順平さんがシリアで行方不明になった報道が直近2日間日本のメディアが報道していますが、この話は半年前から海外メディアでは普通に報道されているものです。
国境なき記者団も声明を発表しているため、日本のメディアが知らないわけがないのですが、日本の主要メディアは完全に沈黙してきた話題です。
安田さんは以前にイラクなどでも拘束されていた方であり、「またか」という思いもあるのかもしれませんが、シリアで日本のジャーナリストが行方不明になったことを無視してきた事実はメディアとして信頼性の観点から問題です。
Japanese journalist Jumpei Yasuda feared missing in Syria(CNN 2015年7月)
メディアは「外信が正しい」という情けない状況になって本当に良いのだろうか
国内の報道は政府の統制を受けるため、真実を知るためには外国メディアの情報を見る必要がある、というのは極めて情けない状況であり、権威主義的な政治体制の国にはありがちなことです。
韓国では独裁政権時代には「真実が知りたければ外信を見ろ」という共通認識があったそうです。そのため、今回の産経新聞に対する不当な訴訟に関しては、現在でも同慣習の影響で外信の影響力を恐れている韓国政府の焦りが影響したものと言われています。
日本でも陸山会事件、ライブドア事件、東芝事件などに鑑みるに、重要な内容の報道になると報道機関はまともに事実報道を行うことが難しい状況があると思います。そのため、遠からず国民の認識として外信が正しいという認識が広く定着することになるでしょう。
「報道の自由度ランキング」で日本は、韓国よりも下、香港と肩を並べる日が近づく
日本は一応先進国として自他ともに認識されているのですが、上記の国境なき記者団が毎年公開している「報道の自由度ランキング」(Press Freedom Ranking)では、2015年で61位という情報統制ぶりが如何なく評価されています。
ランキング61位とは、おおよそ旧東欧諸国と同じ程度であり、正直言ってまともな取材環境ではないということを意味しています。特に今年は韓国(60位)よりも下であり、あと少しで中国共産党の影響下にある香港(70位)とも肩を並べそうな勢いです。
この深刻な状況についてもう少し日本人は真剣に考えたほうが良いと思います。先進国としてあまり恥ずかしい国には成りたくないものです。
yuyawatase at 23:00|Permalink│Comments(0)