北方領土

2015年12月29日

なぜ、新党大地は野党統一候補に協力しないのか?

鈴木宗男
Wikipediaより引用

北海道新聞が報道した安倍首相と新党大地・鈴木宗男氏の会談の意図

新党大地・鈴木代表、首相と意見交換 来年の選挙に向け(北海道新聞)という地味なニュースが報道されました。しかし、これは今後の政局だけでなく、日本の針路を決める決定的な会合の一つになるものと思います。報道内容は下記の通り。

「安倍晋三首相は28日、首相官邸で新党大地の鈴木宗男代表と約40分間会談し、来年4月の衆院道5区(札幌市厚別区、石狩管内)補欠選挙や来夏の参院選などについて意見交換した。関係者によると、首相は鈴木氏に「北海道では大地が影響力を持っている。鈴木氏はキーマンだ」と述べ、大地の動向を注視していく考えを示した。」

「これに対し鈴木氏は、共産党が加わる野党統一候補の擁立は支持しない考えを伝えた。日ロ関係やシリア情勢でも議論した。鈴木氏は会談後、記者団に「来年は参院選の年でもあり、首相は自身の考えを披露された。私は聞き役だった」と述べた。」

北海道衆議院小選挙第5区、新党大地の得票力は勝敗を左右する影響力あり

北海道衆議院小選挙第5区における新党大地の集票力は約24,000票と推定されます。この数字は新党大地が2013年参議院議員選挙で同選挙区から比例票を獲得した票を基に算出しています。

直近の小選挙区選挙の結果は、

町村信孝 (自由民主党)131,394票、勝部賢志(民主党)94,975票、鈴木龍次(日本共産党)31,523票であり、単純な票の出方で考えると、野党連合候補者にとっては新党大地24,000票は勝敗を左右するレベルのものだと言えるでしょう。

実際には与党側は町村氏が娘婿への代替わり、野党側は共産党との協力の是非という難しい問題を孕んでいるため、上記の数字の通りの結果にはならないでしょうが、それにしても新党大地の力は無視できないものでしょう。

北海道衆議院小選挙第5区、新党大地の得票力は勝敗を左右する影響力あり

ところで、野党連合候補者が来年予定されている補欠選挙で、反安保というピンとがずれた選挙争点を掲げることが予想されるため、安倍政権側にとっては新党大地が野党連合候補者に協力しないことは、最後の詰めの一手に過ぎないものと思います。また、従来までの新党大地の動向に鑑みるに、安倍政権と協力する理由も特に見当たりません。

新党大地に対して提示した安倍政権の真の狙いは北方領土問題の解決ということになるでしょう。それに伴い北海道経済は対ロ関係で大きなメリットを得るものと思います。安倍政権は「中国以外」の全ての周辺国との間で「手打ち」を行うことで、対中関係に関して強硬姿勢を取れる環境を構築しています。

米国には米国上下両院議会演説・安倍談話・安保法制、韓国には慰安婦問題への妥協、東南アジアは援助と引き換えとした南シナ海での東アジアサミットでの懸念表明、インド・中央アジア諸国への巨額の円借款などの援助など、安倍政権は中国包囲網を形成するための外交努力を行ってきました。その仕上げがロシアとの北方領土問題解決と平和条約の締結ということになります。

先日の記事(日中限定戦争への道、慰安婦合意の真意を探る)で安倍政権の慰安婦合意について筆者の推測を書きましたが、安倍政権の外交政策及び憲法改正への段取りは最後の詰めの段階に入ったと言えます。

安倍政権は良い意味でも悪い意味でも政局・内政・外交がリンクした優れた戦略的な政権運営を行っている強靭な政権です。従来までの日本の政権とは全く異なる政権であるという解釈を行った上で、その政権運営の是非を論じることが重要です。時代遅れの右派・左派の双方の論評は論壇の座を退くべきだと思います。




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yuyawatase at 21:00|PermalinkComments(0)