保育所

2016年02月19日

保育士の給料が低い理由、保育の方法を根本から変えるべき

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最近、やたらと騒がれている保育士の給料が低いという不毛な議論

「保育士の給料が低くて保育士が集まらない、その結果として保育所の基準が満たせないため、保育所による子どもの受け入れ体制が十分に整備されていない、それが待機児童が解消しない原因だ!」という不毛な議論が喧しく騒がれる世の中になりました。

たしかに、保育士給与はかなり低いことは事実です。

しかし、その理由の要因として、業界の年齢構成が20代~30代前半中心であること、平均勤続年数が僅か7.6年であること、したがって業界の半公務員的な状況に鑑みて給与基準を引くと、保育士の給与は低い水準にとどまらざるを得ないことが分かります。

そして、規制によって小規模経営が基本となっている保育所は、経営陣による同族経営が普通であるために保育士として将来的なキャリアパスはほぼありません。

政府の給与基準や規制を前提とした議論は不毛な結論になることは明らかであり、本当に保育士の給料を上げたいならば、馬鹿の一つ覚えのように政府に給与アップを訴えるタックスイーター的な態度では、せいぜい雀の涙程度の果実しか手にすることはできないでしょう。

そもそも保育所で働いて生計を立てるという発想は正しいのか?

根本的な視点に立つと、保育所における保育士の仕事だけで生計を立てる必要があるのか、というところから考え直す必要があります。

保育所勤務だけで生計を立てるという発想は、「保育士という資格が存在し、保育所という勤務地が存在して、そこで決まった時間で子どもを預かる」という政府の作った仕組みが前提となっています。そして、このような勤務を強制されるため、保育所で安月給でこき使われてモンスターペアレントの相手をしなくてはならないのです。

しかし、元々家庭で行われていた子育てサービスをより高度な形で身に付けた保育士というスキルは本来もっと高く評価されるべきであり、時間単価もより高い水準で受け取ってもおかしくありません。

しかし、現状では保育士は勤務地・勤務方法に規制を受けているため、公務員と保育所経営者らに中抜きされた後の安月給しか受け取ることができない不遇な環境に置かれてます。

社会全体が子育てに参加する仕組みを効率的に構築することが必要

仮にUberのように子育てサービスの提供者と需要者を直接リンケージする仕組みができあがり、お互いがソーシャルレーティングを受けて自由にマッチングする仕組みができれば、公務員や保育所経営者らによる中抜きは消滅します。

そして、子育てを経験した親御さんも自らの経験を生かした形で子育てサービス市場に参入できるとともに、保育士資格を持つ人々は専門家として高単価でサービスを販売することができるようになるでしょう。

子どもを持つ家庭にはヴァウチャーを支給することで低所得問題と子育て市場の育成を同時に解決するとともに、高付加価値サービスを使いたい家庭は追加料金を払ってサービスを受ければ良いのです。また、付加価値を上げるために提供者側に対する研修も充実していくことが予想されるとともに、参加者全員が加入する保険システムなどを整えることでリスクマネジメントを行うことが望まれます。

つまり、政府(公務員)が指定した特定事業者だけが子育てサービスを提供する時代から社会全体で子育てを行う時代に移行していくことが必要なのです。その過程で専門性を持った保育士給与の時間当たり単価も高まっていくことが想定されます。

公務員と保育所経営者らによる保育士の囲い込みという社会システムを変える

現在の日本の子育て環境の問題は、政府と保育所経営者らの既得権化であり、本来はテクノロジーの進化によって淘汰されるべき旧来型の保育所サービスがいまだに幅を利かせていることにあります。

少子化が進展していく中で、新たに保育所を作り続けることは盲目的な社会保障のバラマキであり、世代間格差による対立によって保育所設立・保育士給与アップを煽り立てることは無見識そのものと言えます。

保育士は専門性を持った人材であり、現状の政府(公務員)と保育所経営者に囲い込まれた環境で、安月給で暮らすような人々ではありません。彼らは市場によって適切な評価を受けて、個々人のサービススキルに見合った報酬を受け取るべきなのです。

保育士給与をアップしながら誰もが子育てサービスを受ける体制を作るためには、現状の仕組みを止めて根本的な社会システムの変革を行うことが必要です。高度経済成長期の残滓としての社会システムを一掃し、現代社会にふさわしい仕組みを構築することが望まれます。










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yuyawatase at 12:33|PermalinkComments(0)

2016年02月17日

「保育園落ちた日本死ね」、保育所=保育サービスの思考停止を止めよう

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保育園落ちた日本死ね!!!

というエントリーがあり、若い有識者や議員さんらがコメントされているようです。まあ、そもそも現在となっては、このエントリー自体がマッチポンプくさいことは否めませんが・・・。

保育所の需要が超過するのは「利用者にとってコスパが良すぎる」から

さて、それはともかく、この問題については、保育所以外の方法で解決していくか、保育所自体が経営を改善していくか、ということになるかと思います。

現在、日本の保育所は増え続けているわけですが、それに伴い潜在的待機児童も掘り起こされており、保育所を作ったところで需要に追い付いていない状況が生まれています。

需要が供給を大幅に上回る理由は色々あるわけですが、主な理由は「保育園が税金で運営されているから」ということでしょう。つまり、職員給与から何から何まで税負担で行っているため、本来のコスパ以上の利益が得られるから皆が使おうということになっているわけです。

しかし、子育て分野に対する税支出には限界があること、中長期的には少子化が進むことが分かっている中で、保育所を無暗に増設して税金を垂れ流しにすることを良しとしないことは妥当だと思います。

一度箱物を作ってしまえば中長期的に見た場合、時代環境の変化についていけなくなることは過去の歴史を見れば明らかなことであり、それらの状況を繰り返すような思考停止を止めるべきでしょう。

それよりも、保育サービスの多様化とソーシャルレーティングを進めて、Uberのような保育システムを構築することが未来を見据えた保育システムであるように思います。

保育士の給料を上げたいなら税金を通じた政府と保育園経営者の中抜きを止めるべきだ

ちなみに、保育士の給料が低いから保育園が作れないので税金をもっとよこせ、という意見は論外です。

保育士の年齢構成は非常に若く、なおかつ入退職が容易であることから半公務員的な支出基準から行くと給料が安くなるのは当然です。そして、上述のように行政がまともな感覚であれば保育所も増やさず保育士の給与も上げるわけがありません。

仮に保育士の給料を上げたいのであれば、税金によって運営される保育所という箱とその経営者による搾取から抜け出して、ソーシャルなプラットフォームを利用した中抜きの少ない、民間の保育システムをデザインしていくことが必要です。

そして、良い保育サービスを提供している人には高給が支払われるようにしていくことが大事です。現在のようにお客様の評価に関係なく給料が設定されている状況こそが問題なのです。

その状況に触れずにひたすら保育士の給料値上げを訴え続ける、ご都合主義のタックスイーターの声を退けて新しい社会システムの構築を行っていくことが必要です。

政府や経営陣による中抜きが吹っ飛ぶことで、保育サービス提供者の時間当たり単価は改善していくことになるとともに、社会全体の保育士資格を持っている方の活躍の場も広がるものと思います。

保育サービスの全面的な規制緩和を通じた「保育園不要」のサービス供給体制

既に行政が税金で保育園というサービスを提供する、というビジネスモデル自体が時代遅れになってきているのではないかと思います。

そもそも何でもかんでも行政にお任せにする時代は終わって久しいわけで、自分の会社の社員の給料を役所に上げてもらわないと給料アップもできないような経営者は退陣すべきです。まあ、そういうヒトって意外と多そうですが。

重要なことは高度経済成長時代に作りこまれた保育サービスの在り方自体を見直すことであり、保育所不要のサービス供給体制についての議論を進めていくべきでしょう。

低所得者向けの保育サービスが必要であれば、保育所経営者のような供給サイドの立場ではなく、保育サービス利用者ら需要サイドの立場に立って子育てヴァウチャーなどの発行によって賄うことを考えていくべきでしょう。

現状の保育園システムでは1億総活躍社会という政策を実現していくことは極めて困難であり、根本的な発想を変革していくことが大事です。








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yuyawatase at 11:52|PermalinkComments(0)