中国

2016年01月03日

ヘリテージ財団から見た2015年アジア情勢の客観的評価(1)

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自分たちの国を取り巻く内外の情勢というものは自分たちの目から分かりづらいものです。そこで、米国有数のシンクタンクであるヘリテージ財団が2015年12月31日大晦日にアジア情勢についての客観的なレポートを出していたので引用しながら解説していきたいと思います。(本レポートはこちら、*グラフも全て引用)

ちなみに、本文解説中で日本に文章で触れた個所は

「Japan, while underperforming for many years in terms of economic growth, also invests heavily both in the government services the U.S. provides its citizens and the private American economy.」(日本は経済成長が長年全然ダメだけれども、それでも米国の政府や民間経済に非常に投資してくれています)

しかないため、他の部分についてはグラフや地図に本ブログが注釈を入れながら「米国から見るとこう見える」ということを補足説明していきます。

日本は「ドルに対するデノミでGDP(ドルベース)は激減し、実質的な成長は貧血レベルである」という評価

まず初っ端から非常に辛口の評価を日本は頂いています。世界で最も経済成長が速いアジアにおいて、「日本はドルに対するデノミを実施した結果ドルベースのGDPは激減し、実質経済成長はしているが依然として貧血レベル」という米国から見れば当たり前の結果となりました。完全に一人負け状態です。

日本の経済失政に比べて中国の経済成長は異常なスピードで進んでおり、中国の台頭が顕著である旨が報告されています。域内大国としての中国の存在を意識せざるを得ないという米国の認識が強く現われたグラフです。

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経済的な自由度に関しては「アジアで中位程度」の評価を受けている日本

ヘリテージ財団はThe Index of Economic Freedom (経済自由度ランキング)を毎年発表しており、世界中の全ての国の経済自由度について公表しています。アジアはシンガポールや香港が圧倒的なトップを形成しており、ニュージーランド、オーストラリアが続き、台湾・日本・韓国などは第3グループに位置しています。一人当たりGDPが非常に高い国と経済自由度が高い国はほぼ一致しており、人口減少が続く日本では経済自由度を高めて高付加価値化を図っていくことが望まれます。(ちなみに、経済自由度ランキングの詳細を参照すると、日本の低位の理由は政府部門のダントツの非効率さにあり、肥大化した政府が成長の足かせになっています。)

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アジアの中で突出した日本の対米投資額、米国における日本企業の投資額の大きさに注目

次にアジア企業の対米投資の状況について解説されています。グラフを見ると、アジアからの対米投資の大半が日本企業からであることが分かります。特に直近10年間で1.5倍にまで投資額が増加しており、円安・円高に関係なく日本企業による買収が積極的に実施されていることが分かります。金融、IT、エネルギーなどの投資も大きくなものがありますが、人口が伸びて市場が成長している&カントリーリスクが低い米国は日本の内需系産業の進出先としても有望視されているということでしょう。

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中国が世界中に投資を実行して影響力を強めつつあることへの注目

一方、アジアのもう一つの雄である中国についてはグローバルな投資戦略、その分散的な構造が注目されています。おひざ元であるASEANだけでなく、米国・ロシア・ナイジェリア・イギリス・ブラジル・サウジなどのポイントに合わせて、世界各地にまんべんなく投資を実行しています。主に道路やプラントなどのインフラ建設に向けた投資であり、国策的な投資が盛んである印象を受けます。

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米国債保有残高で米国への影響度を競い合う日本と中国

米国債の保有残高は中国が日本を追い越してアジア第一位となっています。香港、台湾、シンガポールなどの華僑系の国債保有額も含めると日本は大幅に引き離された状況です。特にアジアにおける米国債保有割合シェアを中国が直近10年間で2倍にしたことは、米中関係が切っても切れないものであることを如実に示しています。

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東アジア各国の合計特殊出生率の低さが際立つ状況に

日本だけではなく中国(香港&マカオ)、韓国、シンガポール、タイ、ベトナムの合計特殊出生率が低いということが一目瞭然となっています。

特に中国と韓国の合計特殊出生率の低下は著しく、今後の経済成長や財政問題などが深刻化していくことが目に見えている状況です。(ちなみに、日本は晩産化の影響で直近10年で合計特殊出生率が微増している状況です。)

上記以外の国々でも東南アジア各国では出生率が2を割っている国もあり、アジア全体としても出生率が低下している傾向があることから、「アジアの老い」は中長期的に問題になっていくことになると想定されます。

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顕著な従属人口指数の増加を見せる日本の異常な状況について

(年少人口+高齢人口)/生産年齢人口で算出する従属人口比率について、日本だけが顕著な右肩上がりの状況になってきたことが分かります。これは価値観の変化や低成長による雇用の不安定化、団塊の世代の引退によって大幅な従属人口比率の増加が起きたことを示しています。

その他のアジア各国は直近10年が生産年齢人口が増加するボーナスステージであったことを示していますが、上記の合計特殊出生率の低下の観点から中長期的には「アジアの老い」による問題に日本と同じように直面していくものと思われます。

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以上、本日はレポート前半部分の経済と人口に関する部分を取り上げました。明日(1月4日)は後半部分の、圧制、移民、軍事情勢、テロなどの政治状況に関する認識を取り上げていきます。

ランド 世界を支配した研究所 (文春文庫)
アレックス アベラ
文藝春秋
2011-06-10














 

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2015年12月29日

なぜ、新党大地は野党統一候補に協力しないのか?

鈴木宗男
Wikipediaより引用

北海道新聞が報道した安倍首相と新党大地・鈴木宗男氏の会談の意図

新党大地・鈴木代表、首相と意見交換 来年の選挙に向け(北海道新聞)という地味なニュースが報道されました。しかし、これは今後の政局だけでなく、日本の針路を決める決定的な会合の一つになるものと思います。報道内容は下記の通り。

「安倍晋三首相は28日、首相官邸で新党大地の鈴木宗男代表と約40分間会談し、来年4月の衆院道5区(札幌市厚別区、石狩管内)補欠選挙や来夏の参院選などについて意見交換した。関係者によると、首相は鈴木氏に「北海道では大地が影響力を持っている。鈴木氏はキーマンだ」と述べ、大地の動向を注視していく考えを示した。」

「これに対し鈴木氏は、共産党が加わる野党統一候補の擁立は支持しない考えを伝えた。日ロ関係やシリア情勢でも議論した。鈴木氏は会談後、記者団に「来年は参院選の年でもあり、首相は自身の考えを披露された。私は聞き役だった」と述べた。」

北海道衆議院小選挙第5区、新党大地の得票力は勝敗を左右する影響力あり

北海道衆議院小選挙第5区における新党大地の集票力は約24,000票と推定されます。この数字は新党大地が2013年参議院議員選挙で同選挙区から比例票を獲得した票を基に算出しています。

直近の小選挙区選挙の結果は、

町村信孝 (自由民主党)131,394票、勝部賢志(民主党)94,975票、鈴木龍次(日本共産党)31,523票であり、単純な票の出方で考えると、野党連合候補者にとっては新党大地24,000票は勝敗を左右するレベルのものだと言えるでしょう。

実際には与党側は町村氏が娘婿への代替わり、野党側は共産党との協力の是非という難しい問題を孕んでいるため、上記の数字の通りの結果にはならないでしょうが、それにしても新党大地の力は無視できないものでしょう。

北海道衆議院小選挙第5区、新党大地の得票力は勝敗を左右する影響力あり

ところで、野党連合候補者が来年予定されている補欠選挙で、反安保というピンとがずれた選挙争点を掲げることが予想されるため、安倍政権側にとっては新党大地が野党連合候補者に協力しないことは、最後の詰めの一手に過ぎないものと思います。また、従来までの新党大地の動向に鑑みるに、安倍政権と協力する理由も特に見当たりません。

新党大地に対して提示した安倍政権の真の狙いは北方領土問題の解決ということになるでしょう。それに伴い北海道経済は対ロ関係で大きなメリットを得るものと思います。安倍政権は「中国以外」の全ての周辺国との間で「手打ち」を行うことで、対中関係に関して強硬姿勢を取れる環境を構築しています。

米国には米国上下両院議会演説・安倍談話・安保法制、韓国には慰安婦問題への妥協、東南アジアは援助と引き換えとした南シナ海での東アジアサミットでの懸念表明、インド・中央アジア諸国への巨額の円借款などの援助など、安倍政権は中国包囲網を形成するための外交努力を行ってきました。その仕上げがロシアとの北方領土問題解決と平和条約の締結ということになります。

先日の記事(日中限定戦争への道、慰安婦合意の真意を探る)で安倍政権の慰安婦合意について筆者の推測を書きましたが、安倍政権の外交政策及び憲法改正への段取りは最後の詰めの段階に入ったと言えます。

安倍政権は良い意味でも悪い意味でも政局・内政・外交がリンクした優れた戦略的な政権運営を行っている強靭な政権です。従来までの日本の政権とは全く異なる政権であるという解釈を行った上で、その政権運営の是非を論じることが重要です。時代遅れの右派・左派の双方の論評は論壇の座を退くべきだと思います。




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yuyawatase at 21:00|PermalinkComments(0)

2015年12月10日

国連安保理・全常任理事国と衝突するイスラム国

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イスラム国(IS)が中国での活動を本格化することを宣言

2015年12月9日”Take Up Weapons(武器を手に取れ!)というイスラム国のプロパガンダが中国国内のIS戦闘員及び潜在的な戦闘員候補者に呼びかけられました。

中国は国外では過去に人質をISに殺害されており、国内でのテロ対策を強化するなどの対応に追われています。宗教的な動乱が中国の過去の王朝を終わらせてきた歴史的な経緯を踏まえると、ISが中国に対して全面的な戦闘状況に突入することの意味は大きいと思います。

中央アジアに拡大するイスラム国(IS)、新たな戦乱の火種が拡大する可能性

タジキスタンでは失踪していた治安当局の司令官がイスラム国(IS)の一員として、現職のタジキスタン大統領を打倒する声明を発表しているなど、旧ソ連に属する中央アジア諸国における活動を拡大しています。

タリバンなどの旧来のイスラム勢力に代わって、勢いがある新興勢力としてイスラム国(IS)への求心力が高まっており、シリアなどの激しい戦闘が展開されている地域から、イスラム国(IS)が戦線を中央アジア及び中国西部に移す可能性が高まっています。

中央アジア地域では事実上の独裁制が敷かれており、イスラム系住民のフラストレーションが溜まっていることから過激思想に共感する人々が生まれやすい環境があります。

中国で高まるホームグランドテロの危険性と人権弾圧の激化の可能性

新疆ウイグル自治区からISに参加していた戦闘員が既に中国に戻ってホームグラウンドテロを仕掛ける可能性も高まっており、中国の対テロにおける著しい治安の悪化が起きるとともに、対テロを名目とした中国当局による人権弾圧の激しさも増すものと推測されます。

イスラム地域と国境が隣接する大国は常にイスラム過激派との間で緊張関係を抱えており、対イスラム・テロという文脈になると、通常は対立関係にある欧米と中露の利害が一致する現象が発生します。今後中国が新疆ウイグル自治区を始めとした治安強化策を行うことに対して、欧米がどのような反応を示すか、ということが問われています。

全ての国連安保理・全常任理事国と戦争状態に突入するイスラム国(IS)

以前の記事(対イスラム国、安保理常任理事国・中国に責任を果たさせよ)でも書きましたが、中国は対イスラム国(IS)に関して常任理事国として積極的に関与すべきです。

前述の中国人とノルウェー人がイスラム国に殺害された際の、国連の説明に対し、中国は

「。安保理は中国人の人質が殺害された後、即時に反応し、テロ組織による人質殺害という暴行を最も強烈な表現で非難し、各国が中国政府などと力を合わせて協力するように勧告した。これは安保理のメンバー国、さらには国連加盟国全体の共通認識を反映し、国際社会があらゆる形式のテロリズムを共同で取り締まる固い決意を表現した。」(新華網)

としていますが、国内での取り締まり以外に、国際社会の秩序を守るために積極的な役割を果たす存在が国連安保理の常任理事国です。中国は国内対策を強化するだけで国際秩序の問題から自らを蚊帳の外に置いてきましたが、もはや途上国ではない同国が国連の大国としての義務を果たすべきときが来たと言えます。

イスラム国(IS)が中国に対して戦闘状態であることを発表したことで、同組織は全常任理事国と戦闘状態に突入したことになるため、国連安保理の正式な決議によって各国バラバラに介入しているシリアを統一的な方針の下に平定するべきです。

国際社会全体の大義を掲げた闘いこそが対テロ戦争には相応しいものであり、近年低下している国連の安全保障機能を取り戻すことが望ましいものと思います。

「Gゼロ」後の世界―主導国なき時代の勝者はだれか
イアン・ブレマー
日本経済新聞出版社
2012-06-23



 

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yuyawatase at 18:00|PermalinkComments(0)

2015年12月05日

100億円・日中緑化交流基金を調べたら運営が不透明すぎた話

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日本政府が中国の緑化事業に100億円追加で出すことを約束して非難の嵐

日本政府は、2015年度補正予算案に中国の緑化事業を支援する「日中緑化交流基金」に対し、100億円弱を追加で支出することを決めました。

同基金は、小渕恵三首相時代に日本政府が全額拠出して創設したものであり、日本の民間団体などへの助成を実施して、毎年約1000万本程度の植林を実施しています。

同基金からの支援を受けた団体は、(特)日中友好技術人材交流協会、(一社)日本アジア青年交流協会、海外林業コンサルタンツ協会など、日本国内の多岐にわたる団体への支出が行われています。

しかし、同基金は残り10億円弱となっており、今回は追加の資金拠出が行われることになったのですが、その資金拠出についてネット上で非難が巻き起こっています。

透明性が全く担保されていない「日中緑化交流基金」の運営状況について

私自身は中国の環境破壊は深刻であり、日本にも甚大な被害が生じる問題として認識しています。

本件に関しては、そもそも中国政府は経済大国として自ら環境対策と植林事業に取り組むべきであり、中国政府は日本側に有害物質の排出による健康被害に関する健康補償金を支払うべきです。また、日本の民間団体が自己資金で中国の緑化に取り組むことは良いことなので大いに取り組むべきだとも思います。

そのため、日本側が100億円も税金を支出して支援するのであれば、それなりの理屈が担保されるべきであり、資金使途も適切に公開されることが当たり前です。

しかし、100億円の資金拠出先の「日中緑化交流基金」のHPを見ても、役員構成などの代表者はそもそも公開されておらず、極めて不透明な組織運営がなされています。

また、同基金は助成事業について「厳正な審査」を行うと謳っていますが、「日中民間緑化協力委員会の委員会資金による助成事業募集案内」の内容も極めていい加減なように見えます。

同基金を所管している外務省も適当な情報公開をHPで実施しており、同事業についてなるべく触れたくなさそうな雰囲気を漂わせています。

日中緑化交流基金(代表者名・役員構成記載無し)
日中民間緑化協力委員会の委員会資金による助成事業募集案内(簡素すぎる募集案内)
日中民間緑化協力委員会の設置とその活動(外務省の無意味な事業報告)

会計検査院の監査対象として「同基金」を徹底的に調査・検証するべきだ

上記のように極めて情報公開への姿勢が疑問である同基金について、会計検査院による監査対象として徹底的に調査することが望まれます。同基金の納税者に対する姿勢があまりに不誠実すぎので仕方がありません。

外務省・日中緑化交流基金自体には上記の結果から自浄作用はほとんど無いことが推測されるため、会計検査院による監査がガッチリと入るに相応しい案件ではないかと想定されます。

同事業については基本的に見直し・廃止することが妥当だと思いますが、既に設立から10年以上も経っていることから過去の支出についての検証を実施し、今後の対中支援の是非も含めた議論の参考材料にすることが良いでしょう。



 

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yuyawatase at 09:00|PermalinkComments(0)

2015年11月20日

翁長雄志・沖縄県知事が相手にされない本当の理由


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沖縄の辺野古基地移転に関する問題で賛否が分かれる状況となっていますが、大半の本土の人間はこの問題を「どうでも良い・相手にする必要もない」と感じていると思います。これは沖縄が日本の端に位置しているからという理由だけではありません。仮に沖縄の人達が本土の人々に真剣に取り合ってほしいとしたらどのようなことを行うべきでしょうか。

何故、沖縄の人々の主張は相手にされないのか?

基地反対運動が本土の左翼によって煽られている等の様々な原因がある面も否定しませんが、そんなマニアックな左右の政治闘争の内容などは、ほとんどの本土住民は関心も無ければ関係もありません。

沖縄県知事の主張を本土の人間が相手にしない理由は全く別のところにあります。その理由は沖縄県民が自立の意志を一切見せていないということです。財政的に本土に依存しながら、沖縄県民が何を言っても彼ら自身の本気度が見えないので、本土の人間は相手にするはずがないのです。

ニートの息子が親に何を言ったところで、親が本気にしない理屈と全く一緒といえるでしょう。人間はまず自立することによって、はじめて他者に意見を真剣に聞かせることができるのです。

沖縄県の異常な本土への財政依存の惨状

平成25年度の沖縄県全体への国庫支出金3,737億円(全国11位)、地方交付税は3,593億円(全国15位)、 両者の合計は7,330億円(全国14位)です。これだけ見ると全国敵に比べてもどちらかというと貰ってる方かなという程度の印象です。

しかし、人口一人あたりで見た場合は、国庫支出金は264千円(全国1位)、地方交付税は254千円(全国17位) 、両者の合計は518千円(全国 6位)となっています。沖縄県の平均世帯人数は2.5人程度であるため、1世帯につき「年間約・130万」を国から受け取っていることになります。

何もせずに、毎月1世帯10万円のお小遣いが貰えるわけです。「生活保護の軽度版のような暮らしを他人の金で実現できる」環境がある場所が沖縄県です。全世帯がそれだけで暮らすことは難しいと仮定して半数に国からのお金が渡っているとした場合、1世帯20万円なので沖縄の物価も考慮した場合50%世帯が十分暮らせます。

米軍基地関連の経済効果を除いたとしても、このような暮らしをしている人々が何を言っても本土の人間が相手にしなくて当然だと思います。

「沖縄」が真剣に話をするために最初にやるべきこと

これは沖縄に限ったことではないのですが、地方自治体が真剣に国にモノを申したいなら、「全ての補助金・交付税を拒否する」ことは当然のことだと思います。

交渉相手に自分の生活のための財布の中身を握られたまま、交渉事に臨むような愚かな話が成り立つわけがありません。一時的に苦しくとも交渉相手から最低限の自立をしていることが条件になります。

従って、現状では沖縄県民の本気度は本土の人間には全く理解されないでしょう。仮に理解されるとしたら、それは単なる同情であって、それ以上でもそれ以下でもありません。同情から生まれる対応では、現状と同じかそれ以下の対応しかなされないでしょう。

まずは「働いて自立してから自分の意見を述べるべき」というのは、大人の世界の共通のルールです。左や右よりもまずは「上」を向いて堂々と自分の足で歩けるようになるべきです。

翁長知事は基地問題を本気で解決したいなら沖縄県民に経済的な自立心を与えることから始めることが望まれます。





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yuyawatase at 12:00|PermalinkComments(0)

2015年11月19日

対イスラム国、安保理常任理事国・中国に責任を果たさせよ


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(ノルウェーでIS(イスラム国)によって誘拐された中国人、拘束されて身代金を要求されている)

シリアに蔓延るISの暴挙に対して、既に国連安保理常任理事国のうち、米国、フランス、ロシア(英も参加予定)が大規模な空爆を実施するようになっています。ISのテロ行為は世界中に拡大しており、世界全体の秩序にとって脅威となっています。 そのような中で常任理事国である中国はISに対して何ら対応を示そうとしておらず、極めて無責任な対応を行っています。

ISを世界の脅威として国連の多国籍軍が殲滅するべきである

欧州連合はブリュッセルで開催した国防相理事会でフランス政府が求めたEU基本条約に基づく集団的自衛権の行使について全会一致で支援を表明しました。フランスがISによるテロ行為の対象となった以上、当面の対応としては妥当であると思います。

しかし、ISは既に世界の脅威となっている以上、本来は集団的自衛権の対象としてではなく、国連による集団的安全保障の対象とし、国際社会が連合してISの殲滅に取り組むべきです。各国バラバラの空爆は必ずしもIS殲滅という目的を果たすことに繋がらず、全体の目標を定めた一致団結が必要です。

そのため、特定の国による対応ではなく全世界的な枠組みの中でISを殲滅することを宣言し、国際社会全体の大義を持ってISをシリア・イラクから殲滅することが望ましいものと思います。ISの蛮行は国連安保理に付託して決議を得るために十分な内容を伴っています。

国連安保理常任理事国としての「中国」の責任を問うべきである

既に中国以外の安保理常任理事国はISに対する戦闘に突入しており、中華人民共和国も現在の国際秩序の維持を担う国連の常任理事国としてISへの軍事行動を起こすべきです。

中国も2015年9月にISによって自国民が拘束された状況にあり、現実にISによる蛮行の被害が発生しています。そのため、直接的に軍事力を行使することも出来ると思いますが、責任ある大国として是非国連安保理常任理事国の全会一致の決議を出すことに賛同してほしいと思います。

今年9月に行っていた軍事パレードが世界の平和を維持するためのものであり、第二次世界大戦の戦勝国として世界の秩序を維持する責任を持つと自認するなら、中国は自ら安保理でISに対する集団的安全保障の行使の決議を発議するべきです。

その際には、200万人を超える中国人民解放軍が有する屈強な地上兵力を投入し、非欧米唯一の安保理常任理事国としてアジアの安定に貢献することが望まれます。中国は常任理事国として国際社会に対する義務と責任があります。

中国は安保理常任理事国の責任を果たさないなら地位を退くべき

日本は国連安保理の非常任理事国として、常任理事国・非常任理事国の調整を図り、国際社会全体での対ISに関する決議が採択されるように努力するべきです。

特にISに対する態度が煮え切らない中国が断固たる対応を実行するよう、アジアから選出されている非常任理事国として強くプッシュすることが望まれます。仮に中国がISに対する決議に拒否権を行使するようであれば、その場で中国の国連安保理の常任理事国からの追放を提起するべきです。

国際連合憲章には、

第24条

1 国際連合の迅速且つ有効な行動を確保するために、国際連合加盟国は、国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任を安全保障理事会に負わせるものとし、且つ、安全保障理事会がこの責任に基く義務を果すに当って加盟国に代って行動することに同意する。
 
2 前記の義務を果すに当たっては、安全保障理事会は、国際連合の目的及び原則に従って行動しなければならない。この義務を果たすために安全保障理事会に与えられる特定の権限は、第6章、第7章、第8章及び第12章で定める。

と定められています。中国には「国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任」が存在し、他の常任理事国がシリアでISと戦っている姿を横で眺めているわけにはいかないはずです。

今こそ、中国は国連安保理常任理事国に籍を置く真価が問われるときです。

イスラム国 テロリストが国家をつくる時
ロレッタ ナポリオーニ
文藝春秋
2015-01-07




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yuyawatase at 07:00|PermalinkComments(0)

2015年11月04日

朴槿恵大統領・反日の韓国に伝えるべきこととは何か

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まず初めに申し上げますが、私は韓国政府が産経新聞の支局長を起訴した件などについて文明国として論外だと思っています。ただし、本件からも韓国は極めて危険な政治的な状況に突入していることも同時に分かります。

韓国の自由主義・民主主義は衰退しつつあるということ

上記の産経新聞支局長への言論弾圧的な起訴や親日派の先祖を持つ人々に対する財産没収などの野蛮な法律について日本側は厳重に抗議すべきです。

そして、自由主義や民主主義を標榜しているはずの韓国国内においても、道理として言論の自由や生命・財産の自由の観点から韓国政府への非難が当然にして起こるべきだと思います。

しかし、韓国国内でそのような声が大きくなっているということは無いようです。この状況は韓国が反日化しているのではなく、韓国の自由主義・民主主義自体が衰退していることを暗示しています。そもそも、彼らが反日的なのは昔からです。

東アジア・東南アジアで起きつつある「中国化」という新たな脅威

筆者は東アジアや東南アジアで「中国化」という新たな脅威が拡大しつつあると危惧しています。

「中国化」とは、自由、人権、法の支配などの近代国家としての基本的な価値観の衰退を表現したものです。全体主義国家である中国の影響力拡大と自由主義国である米国の影響力後退によって「中国化」がアジア各国で進展しつつあります。

「中国化」は明確に中国支持を表明するのではなく、中国の直接的・間接的な影響を受けて、自由主義・民主主義の価値観が後退することによって達成されます。上記の韓国の事例は歴史問題を背景としつつも、韓国が自由と民主主義を失った「中国化」の途上であると見なすことができます。

そして、その恐ろしさは「反中」を叫ぶ政治勢力が、結局は「中国化」を推進しているケースもあるということです。

たとえば、南アジアにおける中国の人工島問題は大きな注目を集めていますが、実は中国と領土問題を抱えている各国も中国と同様に岩礁への軍事施設の設置を小規模ながら実施しています。これは米政府も中国に対してあくまでも「やりすぎ」と指摘していることからも明らかです。

これらの行為は中国への対抗措置として取られたものですが、反中姿勢の各国の表向きの「法の支配」からは逸脱した競争に入りつつあります。

日本は「中国化」の脅威に対抗する自由主義の防波堤

東アジア・東南アジアにおいて日本に求められる役割は「中国化」の脅威に対する自由主義の防波堤です。

日本は同地域において、最初に議会を開設した自由主義国であり、普通選挙制度などの導入に関してもいち早く実現された国でした。そして、それらの政治制度を導入した結果として、日本はアジア随一の経済発展を実現することになりました。一方の中国は清国時代に日本よりも早く西洋化に取り組みましたが、清国の腐敗した政治制度が足かせとなり、日本の後塵を拝すことになりました。
 
明治時代への突入と同時に西洋の優れた政治システム自体を取り入れた日本に軍配があがった形であり、戦後においても共産主義・全体主義に傾いた中国を置き去りにして、日本は西側陣営として政治的・経済的な繁栄を維持・発展させることに成功しました。

日本は東アジア・東南アジアにおいて最も長い「自由主義」「民主主義」の歴史を有する国として、その重要性についてメッセージを発信していくべきです。

「中国化」への誤った処方箋を投じる人々

一方、プレッシャーを強める中国に対して、日本国内の中国に対する危機感も高まりつつあります。しかし、危機感の高まりは必ずしも適切な処方箋とセットになっているとは限りません。

中国や韓国の未熟な点を挙げて、相手国の国民自体を罵倒するようなレベルの低い行為は、日本国内の排外主義的な空気をつくりあげていくことになります。まして、政権与党の「自由民主」党が、自由主義・民主主義・人権に逆行する改憲草案のような代物を堂々と掲げていることには唖然とします。

さらに、中国の市場経済の発展を国家資本主義によるものと誤解し、日本国内で政府の経済的・社会的な役割を増加させていこう動きも「中国化」の最たるものでしょう。日本は自由市場を更に発展させることで繁栄を実現するべきです。

日本が東アジアや東南アジアに発するべき自由のメッセージ

現在、日本から発信されているメッセージは、最近の安倍外交では若干の改善が見られるものの、日本の修正主義者による歴史観の見直し、そして高齢化・福祉国家化による衰退ばかりとなっています。

日本から発信すべきメッセージは、社会の健全な発展のためには自由主義・民主主義が重要であるということ、国際社会のルールとして法の支配は重要であるということ、政府の規模拡大が招く経済衰退を回避する必要があること、など、日本が歴史の中で学んできたことを率直に伝えていくことです。

そして、その言葉を相手政府の人間だけでなく、相手国の国民に届くように地に足の着いた情報発信を心掛けていくこと大事です。そのようにしていくことで反日と「中国化」著しい韓国の中でも心ある人たちとの連帯が生まれていくものと思います。

米中 世紀の競争 ―アメリカは中国の挑戦に打ち勝てるか
ジェフ・ダイヤー
日本経済新聞出版社
2015-06-25


 



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yuyawatase at 17:00|PermalinkComments(0)