テッド・クルーズ

2016年01月31日

日本の政治にも「和製のテッド・クルーズ」の誕生を!

Ted_Cruz,_official_portrait,_113th_Congress

共和党大統領予備選挙候補者「テッド・クルーズ」とは何者なのか?

今回の記事は米国大統領選挙の選挙戦略の話ではなく、現在共和党予備選挙で議論されている視点が「なぜ、日本の政治にとっても大事なのか」という政策的な観点から内容をまとめてみました。そのため、今回の記事はトランプ氏ではなく、現在2位のテッド・クルーズ氏のビジョンと主張について触れていきます。

2012年テキサス州ダラス、筆者はFREEPACという全米の保守派集会に日本からの来賓として招待されました。同イベントには全米から10万人近い保守派運動家が結集しており、テキサスの大地が米国保守派の聖地と化した瞬間でした。

その際、尋常ではない数の共和党保守派運動員がプラカードを掲げて支援していた人物がテッド・クルーズ氏です。数万人の支持者が密集する会場の中でテッド・クルーズ氏は大歓声で迎えられていました。そのため、彼は筆者のテキサス訪問時において最も印象に残っていた人物となりました。

テッド・クルーズ氏は、キューバ移民の父と米国人の母を持つ人物であるとともに、茶会系の保守派議員として知られています。そして、小さな政府と社会的保守派の価値観を持ちながら、ウィンストン大学やハーバードロースクールで優秀な成績を修めたピカピカのエリート法曹でもあります。(奥さんはGSの管理職を務めているセレブな家庭です。)

米国の大衆と同一の価値観を持ちながら煌びやかな経歴を持つテッド・クルーズ氏。現在、彼はトランプ氏に対抗する2位候補者として激しい首位争いのデッドヒートを繰り広げている状態です。

<過去記事>*トランプ・サンダース台頭、ブッシュ・カーソン失速、マルコルビオ台頭を予測解説
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第7回共和党候補者討論会で見せた「知見」と「能力」について

ドナルド・トランプ氏が欠席戦術に出た1月28日の第7回候補者討論会において、テッド・クルーズ氏はトランプ氏に対して選挙の構図上の不利を背負ったものの、非常に見事なディベートを展開することに成功しました。

実際の支持率の変化については別の要因が働くことになると思いますが、日本に必要な「政策的視点」をテッド・クルーズ氏が提供していたために紹介したいと思います。

テッド・クルーズ氏は「エタノールに対する補助金の廃止」を主張しており、トランプ氏によって同主張がテキサスの石油産業の傀儡だからであると叩かれてきていました。

共和党保守派は伝統的に補助金などの政府支出に懐疑的であるため、テッド・クルーズ氏の主張自体はおかしなものではありません。しかし、初戦のアイオワ州は農業が盛んであることからエタノール利権も多いために、政治的に難しい立場に立たされている状況でした。

テッド・クルーズ氏は自身の見解への批判に対して「エタノールへの補助金を廃止する代わりに、エタノールの燃料への上限規制を取り払うことなどの規制緩和を通じて、エタノール市場を60%増加させることができる」と反論しました。

上記の発言をアイオワ州民が信じたかどうかは別として、テッド・クルーズ氏が行ったことは政治的な信念と勇気が必要なことです。同発言を通じて、補助金ではなく規制緩和による産業活性化を目指す、という彼の政治姿勢が更に鮮明になったと言えるでしょう。

日本の政治家に求められる「和製のテッド・クルーズ」の誕生

日本の政治家に「特定産業の補助金を廃止&規制緩和による成長ビジョン・具体策」を堂々と有権者に対して語ることができる知見と能力を持った人物がいるでしょうか。おそらく存在していないと思います。

したがって、日本では旧態依然とした既得権が蔓延り、新産業の芽が摘まれ続けている状況が発生しています。「民泊の解禁」という名称の既存の業界団体に配慮した実質的な規制強化など、その最たる事例として挙げることができると思います。

現在、日本に求められている政治家は「和製のテッド・クルーズ」である、ということができるでしょう。ドナルド・トランプ氏の政策は過激なように見えて、現状維持的な保護主義的な政策も意外と含まれており、実はテッド・クルーズ氏が大統領候補者に選ばれるほうが「日本に新たな政策的視点をもたらす」という意味ではインパクトが大きいものと思います。

ちなみに、日本のメディアでテッド・クルーズ氏がほとんど紹介されない理由は、上記のような思想が日本に持ち込まれると困る人々が米国通として蔓延っている日本の病巣を端的に象徴しているものと言えるでしょう。

共和党大統領予備選挙はいよいよ2月1日に最初の党員集会を迎えますが、日本の政治家には「テッド・クルーズ氏のビジョン・政策」にもぜひ注目してほしいものです。



 

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yuyawatase at 08:00|PermalinkComments(0)