小さな政府

2016年02月19日

TPPを平成の不平等条約と信じている人達への手紙

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現在、筆者は東南アジアで行われている自由経済に関するシンポジウムに参加しています。同会議ではTPPは非常に好意的にとらえられており、日本のTPP反対派の皆さんに、陰謀論への反論を含めて東南アジアからお手紙を出したいと思い筆を執りました。

TPPを「平成の不平等条約」として信じている人達へ

TPPはしばしば反対派の陰謀論者の識者?から平成の不平等条約であるという指摘がなされています。幕末時代に日本が諸外国と結んだ不平等条約の再来であり、TPPを結ぶとまるで日本が滅ぶかのような言論が実しやかに語られています。

しかし、このような言論は日本・アジア太平洋の経済的な現状についての理解が乏しく、まるで幕末日本の中で騒いでいた「攘夷論者」のような現実感覚が欠落したものと同類のものです。明治政府も政権奪取後には無意味な攘夷論から開国論に一気に舵を切って、日本を資本主義国化させることでアジアの強国に育て上げました。

当時も開国派は売国奴扱いされたものですが、歴史はどちらが正しかったかを証明していると思いますし、日本の歴史と現在の状況を正しくとらえれば何が必要かは自ずと理解できると思います。

現在の日本の問題は一部の陰謀論者によって愛国心を持った方々が煽られて、TPPを平成の不平等条約だと思い込まされていることにあります。

そもそも不平等条約はどうして結ばれることになるのか

幕末に不平等条約が結ばれた理由として、欧米列強のエゴが無かったということは言い過ぎだと思いますが、その主たる理由は日本の政治体制が前近代的な田舎国家だったことがあります。

欧米人から見た当時の日本は、立法・行政・司法のシステムも滅茶苦茶、当然に三権も分立しておらず、刀を持った侍に突然襲われて切り殺される国でした。日本との貿易修好関係を構築するに際して、欧米が治外法権や関税権に対して厳しい条件を日本に求めることは道理にかなったものでした。

欧米から見れば極東の300年間も一家系(徳川家)の独裁者が支配する島国・日本であり、最低限の身体と事業の安全を確保するための取引は妥当であったと思います。たとえば、現代日本人で、北朝鮮、トルクメニスタン、エリトリアなどで治外法権などが無く居住・滞在や仕事をしたい人などいないでしょう。

したがって、明治時代となって、日本の政治行政の近代的な仕組みが整備されるとともに列強の一員となることで、それらの不平等条約は改正されていくことになります。このような取り組みを真摯に行ってきた明治時代の先達の努力は素晴らしいものがありました。

ISD条項で訴えられることが意味することについて

TPPについて陰謀論者が引き合いに出す事例としてISD条項が取り上げられることが多い印象を受けています。

しかし、そもそもISD条項とは政府による民間投資への不当な接収行為に対する司法手段です。

政府による接収行為に対する司法紛争となるため、当然のことして同行為を実施する政府が存在する地域での司法システムに任せるわけにはいきません。したがって、ISD条項を設けることによって、条約締結国間での投資を安全に行うことができるようになるわけです。

つまり、日本のような先発資本主義国にとって、海外の低・中開発国に対して投資を安全に行うためには、ISD条項が担保として必要となります。そのため、日本が海外と結んでいるFTAやEPAもISD条項は当然に含まれるものとなっています。ISD条項で訴訟対象になるものは、主に資源投資などの政治問題化しやすい案件となります。

仮にISD条項で日本政府が訴えられる場合、それは日本政府が近代国家として問題がある不当な接収を海外からの投資に行ったことになるため、先進国として極めて不名誉なことであると認識するべきです。最終的には全てのTPP参加国にISD条項を適用しなくても済むことが理想ですが、政治の現実問題としては難しいものでしょう。

そのため、最初からISD条項で訴えられることを前提にした議論とは、日本の国際的な地位を自ら貶める言論であり、誇りある日本人として受け入れるべきものではありません。まして、日本の国会議員がそのような発言を行うことは先進国・日本を未開国扱いするものであって真面目に聞くに値しないものです。

ということで、日本でTPPに参加することは当然のことであり、この流れに参加せずに行きたい人はベトナムあたりに日系企業が投資をして共産党独裁政権下の裁判で投資を全て接収されたときに目が覚めると思います。

東南アジアの国々にとってのTPPの捉え方とは

東南アジアの国にとってのTPPについての議論を聞いていると、TPPに加入することは、腐敗の抑制、癒着の改善、政府の説明責任と予見性の向上、政府調達の透明性と説明責任の向上、などの開発国における深刻な政治問題を解決する契機となるという見方をされているようです。

自国の腐敗状況については当事者が最も良く理解しているわけであり、それらを改善する契機としてTPPによる外圧は絶好の機会の一つとして認識されているようです。まあ、そもそもTPP自体は東南アジアの国々で始まった話なので外圧というのも若干語弊がありますが・・・。

せっかくアジア・大洋州諸国が先進国ルールに合わせた取り組みを実施しようとしてくれているのに、それに乗っからない理由は全く理解できず、むしろ日本はTPPを積極的に推進する立場を取り続けるべきでしょう。現代では昔のように軍事力を背景とした開国・条約締結は不可能であり、これだけ広範囲の国が合意した取り組みは日本にとっては千載一遇のチャンス到来といったところです。

今後はTPPによるアジア経済の健全な成長に歩調を合わせて、日本もそれら国々の成長を取り込む施策を充実させていくことが重要です。



TPPで日本は世界一の農業大国になる
浅川 芳裕
ベストセラーズ
2012-03-16





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2016年01月13日

安倍政権の年金運用は「中長期で見ても大失敗中」である

マネキン

馬鹿丸出しの国会議員の質問と安倍首相の「ゴマカシ答弁」、年金破綻へまっしぐら

まずは、下記の山井和則・民主党議員と安倍首相の答弁について読んでみてほしいと思います。

これは簡単に言うと、年金運用基金について、山井氏は「最近4日間で株が下がった分どうしてくれるのか?」と聞いたことに対して、安倍首相は「短期ではなく長期で考えることが大事であり、中長期では利益が出ている」と答弁しているわけです。まずは発言の引用を掲載して、その後二人の発言がどれだけ的外れなものかを解説していきます。

〇山井和則氏

「ペラペラペラペラと聞いていないことを話し続けて、同じ話を何回もして、時間稼ぎをして、総理大臣としてもうちょっと落ち着いてください。」

 「7月から9月のときに14パーセント下がって、約8兆円年金の運用損が出ております。その約半分がこの4日間で下がったわけですから。これ、質問通告もしておりますが、ということは約4兆円くらいの年金がこの4日間で運用損になっているという可能性があるということですか。」

〇安倍晋三氏

「短期的な結果でありまして、株式市場はその国の経済の実態を表している場合もありますし、ただいまの下落については中国市場の先行き、あるいは中東の状況、サウジとイランの状況等もあります。」

「しかしながらですね、こういうことを申し上げたくはないんですが、民主党政権下であった平成21年9月ですね。」

「平成21年9月までの累積収益額は、事実だから申し上げておきたいと思います。累積収益額は4.1兆円だったはずでありますが、それ以降の累積収益は、今回のマイナスを含めても33兆円プラスになっているということであります。」

「ここを押さえておくことが大切であろうと、こう思います。また、自主運用開始以降の平成13年度から平成27年度、2.4四半期までの収益額の累積は約45.5兆円となっているわけであります。」
 
「お尋ねの2015年の2.4四半期の収益額は過去のいずれの収益額の中でもマイナスが大きいことは事実ではありますが、年金積立金の運用は、長期的な観点から、安定、安全かつ効率的な運用を行っていくことが、重要だと考えているわけであります。」

「短期的なことについて、いちいちこういう話をしても、これは意味のないことでありますから。正確に、年金というものはどのように運用していくかということについて、ご説明させていただいたところでございます。」

安倍政権の年金運用方法は「安倍政権での運用方針変更後の成果」で判断すべき

まず、山井氏の4日間で運用益を判断するという発想は完全におかしな発想であり、資産運用は中長期的なパフォーマンスで考えることが妥当です。したがって、この点については安倍首相の方針は正しいということになります。

しかし、真の問題は安倍首相の株式の運用方針は「中長期的に見て間違っている」ということです。

安倍政権は2014年10月に国内外の株式運用割合を50%まで増やすことを明言し、GPIFは2014年12月に年金運用基金の運用方針を見直して、それまでの債券中心の運用から株式での運用へ割合を大きくシフトさせています。

安倍政権による運用方針を問題にする場合、この株式割合を高めた方針の評価を問うということが問題になるわけです。

山井議員は「そもそも自分が何を質問しているかを理解していない」というトンデモない人物であり、なおかつ「安倍首相は滅茶苦茶な質問に対して適当に回答した」ということになります。

安倍政権の年金運用基金の方針変更後1年間のパフォーマンスはマイナスである

2009年での運用利益、は33兆円として安倍首相は誇っていますが、その大半は上記の方針変更が行われる前の債券中心の運用がなされていた時代に生み出されたものです。

平成13年からの累積収益額は、平成21年度11兆6893億円、平成26年度第3四半期までで47兆9093億円ということになります。2009年度から2014年12月までの主に債券を中心に運用した利益であり、その総額が約36兆2000億円となっています。

前述の安倍政権方針変更後の累積利益額は平成26年度累積額50兆7338億円、平成27年度第1四半期53兆3826億円となり、ここまでは株式運用益が出ていたことになります。

しかし、平成27年度第2四半期で45兆4927億円にまで減少したことで、安倍政権による運用方針切り替え後に2015年1月~9月まで約2兆4000億円の損害を出していることになります。

年金運用基金の運用状況(平成27年第2四半期まで)

そして、現在の急激な株価下落の状況に鑑み、第3四半期・第4四半期を含めたパフォーマンスはより下がることが考えられます。つまり、平成20年度以来のマイナス運用の年度ということになるはずです。

安倍首相に真剣な答弁を引き出す「能力がある」国会議員が必要

以上のように、安倍政権の年金運用のパフォーマンスは、直近1年間のパフォーマンスで判断することが適切であり、国会議員は2009年からの運用利益の累積利益額でごまかされてしまうようでは困ります。まして、最近4日間の話しかできないということではお話になりません。

上記に書いた程度の情報は、全てGPIFのHP上に記載されているため、民主党は安倍政権に対してしっかりとした質問ができる質問者を予算委員会の質問者として立てるべきです。

また、質問に先立って、過去の運用基準で運用した場合とのパフォーマンスの比較などのデータを揃えておくべきでしょう。国民が何のために政党助成金や立法事務費を支払っているのか猛省を促したいと思います。

野党の支持率が低い理由は、国会議員の質が低下したことで、安倍政権が回答に詰まるような鋭い質問ができる国会議員がいなくなり、国会で政治的な争点を創り出すことが出来ていないからです。

本件は国会議員の資質が向上することで、日本国民の資産が適切に運用されるようになる、最も端的な事例として反面教師としての適切な事例としての質問及び答弁の教科書のような事例となりました。


 

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2016年01月03日

ヘリテージ財団から見た2015年アジア情勢の客観的評価(1)

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自分たちの国を取り巻く内外の情勢というものは自分たちの目から分かりづらいものです。そこで、米国有数のシンクタンクであるヘリテージ財団が2015年12月31日大晦日にアジア情勢についての客観的なレポートを出していたので引用しながら解説していきたいと思います。(本レポートはこちら、*グラフも全て引用)

ちなみに、本文解説中で日本に文章で触れた個所は

「Japan, while underperforming for many years in terms of economic growth, also invests heavily both in the government services the U.S. provides its citizens and the private American economy.」(日本は経済成長が長年全然ダメだけれども、それでも米国の政府や民間経済に非常に投資してくれています)

しかないため、他の部分についてはグラフや地図に本ブログが注釈を入れながら「米国から見るとこう見える」ということを補足説明していきます。

日本は「ドルに対するデノミでGDP(ドルベース)は激減し、実質的な成長は貧血レベルである」という評価

まず初っ端から非常に辛口の評価を日本は頂いています。世界で最も経済成長が速いアジアにおいて、「日本はドルに対するデノミを実施した結果ドルベースのGDPは激減し、実質経済成長はしているが依然として貧血レベル」という米国から見れば当たり前の結果となりました。完全に一人負け状態です。

日本の経済失政に比べて中国の経済成長は異常なスピードで進んでおり、中国の台頭が顕著である旨が報告されています。域内大国としての中国の存在を意識せざるを得ないという米国の認識が強く現われたグラフです。

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経済的な自由度に関しては「アジアで中位程度」の評価を受けている日本

ヘリテージ財団はThe Index of Economic Freedom (経済自由度ランキング)を毎年発表しており、世界中の全ての国の経済自由度について公表しています。アジアはシンガポールや香港が圧倒的なトップを形成しており、ニュージーランド、オーストラリアが続き、台湾・日本・韓国などは第3グループに位置しています。一人当たりGDPが非常に高い国と経済自由度が高い国はほぼ一致しており、人口減少が続く日本では経済自由度を高めて高付加価値化を図っていくことが望まれます。(ちなみに、経済自由度ランキングの詳細を参照すると、日本の低位の理由は政府部門のダントツの非効率さにあり、肥大化した政府が成長の足かせになっています。)

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アジアの中で突出した日本の対米投資額、米国における日本企業の投資額の大きさに注目

次にアジア企業の対米投資の状況について解説されています。グラフを見ると、アジアからの対米投資の大半が日本企業からであることが分かります。特に直近10年間で1.5倍にまで投資額が増加しており、円安・円高に関係なく日本企業による買収が積極的に実施されていることが分かります。金融、IT、エネルギーなどの投資も大きくなものがありますが、人口が伸びて市場が成長している&カントリーリスクが低い米国は日本の内需系産業の進出先としても有望視されているということでしょう。

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中国が世界中に投資を実行して影響力を強めつつあることへの注目

一方、アジアのもう一つの雄である中国についてはグローバルな投資戦略、その分散的な構造が注目されています。おひざ元であるASEANだけでなく、米国・ロシア・ナイジェリア・イギリス・ブラジル・サウジなどのポイントに合わせて、世界各地にまんべんなく投資を実行しています。主に道路やプラントなどのインフラ建設に向けた投資であり、国策的な投資が盛んである印象を受けます。

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米国債保有残高で米国への影響度を競い合う日本と中国

米国債の保有残高は中国が日本を追い越してアジア第一位となっています。香港、台湾、シンガポールなどの華僑系の国債保有額も含めると日本は大幅に引き離された状況です。特にアジアにおける米国債保有割合シェアを中国が直近10年間で2倍にしたことは、米中関係が切っても切れないものであることを如実に示しています。

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東アジア各国の合計特殊出生率の低さが際立つ状況に

日本だけではなく中国(香港&マカオ)、韓国、シンガポール、タイ、ベトナムの合計特殊出生率が低いということが一目瞭然となっています。

特に中国と韓国の合計特殊出生率の低下は著しく、今後の経済成長や財政問題などが深刻化していくことが目に見えている状況です。(ちなみに、日本は晩産化の影響で直近10年で合計特殊出生率が微増している状況です。)

上記以外の国々でも東南アジア各国では出生率が2を割っている国もあり、アジア全体としても出生率が低下している傾向があることから、「アジアの老い」は中長期的に問題になっていくことになると想定されます。

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顕著な従属人口指数の増加を見せる日本の異常な状況について

(年少人口+高齢人口)/生産年齢人口で算出する従属人口比率について、日本だけが顕著な右肩上がりの状況になってきたことが分かります。これは価値観の変化や低成長による雇用の不安定化、団塊の世代の引退によって大幅な従属人口比率の増加が起きたことを示しています。

その他のアジア各国は直近10年が生産年齢人口が増加するボーナスステージであったことを示していますが、上記の合計特殊出生率の低下の観点から中長期的には「アジアの老い」による問題に日本と同じように直面していくものと思われます。

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以上、本日はレポート前半部分の経済と人口に関する部分を取り上げました。明日(1月4日)は後半部分の、圧制、移民、軍事情勢、テロなどの政治状況に関する認識を取り上げていきます。

ランド 世界を支配した研究所 (文春文庫)
アレックス アベラ
文藝春秋
2011-06-10














 

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2015年12月25日

放たれたアベノミクス第3の矢!菅官房長官の日本を変える一手

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アベノミクスの第3の矢を放った菅義偉官房長官の慧眼

私はアベノミクスに関してかなり辛い評価を行ってきました。しかし、今回の菅官房長官の一手を見せられてアベノミクスへの評価を大幅に修正する必要を感じています。

アベノミクスは、金融緩和、財政出動、規制改革の3つの矢で構成されており、第1の矢・金融緩和と第2の矢・財政出動については成功したと評価するには成果が乏しい状態です。

なぜなら、第1矢と第2矢ともに日本経済の改革を遅らせる行為であり、旧態依然とした産業構造の延命措置に過ぎないからです。そして、進まない第3の矢である「規制改革」について業を煮やしてきました。

しかし、本日付けで発表された官房長官大臣補佐官の人事は、アベノミクス「第3の矢そのもの」であり、同人事を実行した菅官房長官の慧眼に大いに感服した次第です。

公共インフラのPPPがアベノミクスの成否を決めることに

菅義偉官房長官の大臣補佐官に抜擢された福田隆之氏は国内における公共サービスの改革の第一人者であり、インフラ関連のPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)については国内で右に出る者はいない人物です。

現在は、新日本有限責任監査法人エグゼクティブディレクター・インフラPPP支援室長を務められており、菅官房長官も記者会見で同氏の知見について厚い信頼を寄せている旨を述べられていました。

真の改革である第3の矢が実行されることになったアベノミクスは、まさに最終局面として真の成果が問われる段階に入ったと言えます。

今回の人事でアベノミクス「第3の矢」が空港などのインフラの民営化・PPPの推進であることが明らかになった意味は非常に価値があることです。

日本が大きく生まれ変わる方向に舵を切った歴史的な日に

公共インフラの民営化・PPPは経済的なインパクトが大きいものであり、同時に国や地方自治体の財政再建にもつながる画期的な手法です。
 
同改革によって日本経済のボトルネックが解消されることで、民間市場・資本市場が大いに活性化し、新たな経済成長の軌道に乗ることが期待されます。

今回の抜擢人事は安倍政権における最大の成果であり、2015年12月25日は日本が生まれ変わる方向に舵を切った歴史的な日となりました。

消費増税などで景気に暗雲が立ち込める日本経済にとって、菅官房長官による国民に向けた最大級のクリスマスプレゼントが送られたことに謝辞を申し述べたいと思います。

入門インフラファンド
野村総合研究所公共経営戦略コンサルティング部
東洋経済新報社
2010-09-17






改正PFI法解説―法改正でこう変わる
福田 隆之
東洋経済新報社
2011-09




 

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2015年12月14日

自治体シンクタンクが担うべき「真の役割」とは何か

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地方自治体が政策立案力を高めるために「自治体シンクタンク」を作ってみたが・・・

現代社会では、地方自治体は様々な環境変化(都市間競争、財政難、少子高齢化、分権改革、市町村合併、その他諸々)のプレッシャーを受けており、それらの課題解決のための政策形成を実行することが課題となっています。

それらを解決するための方法論を見出すために、地方自治体独自の公共政策を立案・提言し、当該地方自治体の政策形成能力の質の向上などに資することを目的として、地方自治体が自治体シンクタンクを設立し始めて長い月日が経ちました。(○○研究所みたいな名前のものです)

自治体シンクタンクで一生懸命取り組まれている研究員の方がいることは存じていますが、私見では本来は企画課が実行すべき事業を外部にアウトソーシングしただけのように見えるものが多いことも実情です。

優れた外部研究者や知見ある住民を登用するための仕組みとしては有効な面もあると思いますが、そもそも本来のシンクタンクの設立目的が漠然としているために、今後の方向を思案しているのが現状といったところではないでしょうか。

そもそも「シンクタンクが何を研究すべきか」を分かっていないという課題

私は元々ブームのような形で設立された自治体シンクタンクが多かったと推測しています。そのため、自治体シンクタンクの研究内容も極めてバラバラの傾向があります。強いて言うならば、上述のとおり、本来は企画課が担っていたような計画・行革に関する研究領域のものが多い傾向にあります。

なぜなら、地方分権が叫ばれて久しい状況となりますが、実際には権限・財源などが中央に集まったままの状態が続いているため、地方自治体が自ら何をやるべきかを考えたところで大きなインパクトをもたらすことができないからです。自治体関係者は大きな声では言えないと思いますが、自治体シンクタンクが「何を研究すべきか」ということが最大の課題となっていても過言ではないでしょう。

これらの状況は我が国の地方分権が幻想のものであったことを反省することによって正していくことが可能です。そして、重要な権限・財源についてはほとんど分権化されていないという認識を持つことで、自らが何を世の中に問うていくべきかを自覚することができると思います。

自治体シンクタンクは「規制の隙間に存在するグレーな領域を合法化すること」が仕事だ

自治体シンクタンクが活躍すべきであった対象として、最大の好例は大田区で制定された民泊条例を挙げることができると思います。

民泊条例が制定される以前、既に日本国内ではネット仲介のAirbnbや単なる個人民家の貸出などを通じて、ホームシェア(民泊)は定着しつつありました。これらが旅館業法から見れば、違反スレスレのグレーな領域のビジネスではあるものの、新経済連盟の提言によると、日本全国で自由化・合法化した場合は10兆円の経済効果があるものと推計されており、ビジネスとして非常に裾野が広いものになるはずでした。

民泊を正式に法的に認める特区が制定されたとき、メディは「民泊解禁!」と大々的に報道しましたが、民泊の最低条件は6泊7日以上に限定されてしまったことで、従来までのネット仲介・個人運営の民泊は法的に禁止されることになり、むしろ新産業の芽が摘まれる結果が生まれました。

仮に自分が東京23区のシンクタンクを持つ区長であれば、当該自治体は大田区よりも短い1泊2日からの宿泊などを解禁する特区案を策定し、大田区と比べた経済効果・治安推移などを図ることを提案したと思います。そうすることで、区内に確立し始めた新たなビジネスの芽を守り、区民の経済・雇用を発展させていくための施策を実行することができるからです。

つまり、未だ地方分権が不十分な日本において、中央政府に対して政策の論理性で勝利し、経済的な自由を勝ち取ることが自治体シンクタンクの役割ということになります。

自治体シンクタンクを活性化するためには法人税・所得税の地方税化が不可欠

地方自治体が規制緩和などの構造改革に積極的に取り組まない問題は、経済成長に連動する法人税・所得税の大半が国税に入ってしまう現在の税構造に理由があります。

現状の税財政の構造は依然として地方自治体は国に多くの財源を依存しており、増大し続ける社会保障費に押しつぶされそうになっているだけです。そのため、自治体シンクタンクの研究内容は前向きで具体的なものではなく、いかにも企画課から生まれてきそうな抽象的で漠然とした即効性が薄いものばかりになるのです。

税財政の構造を変えて地域経済の成長と地方自治体の栄枯盛衰を連動させることで、初めて自治体シンクタンクが研究するべき内容が具体性を帯びたインパクトがあるものに変わっていきます。

真の地方分権・規制改革のためには、法人税・所得税の地方税化は不可欠であり、この方法でしか日本の都市経済が再活性化する方法はありません。日本の経済成長が停滞している理由は、中央政府が経済・雇用に関する権限を手放さずに、日本全体に画一的で無意味な経済規制を維持し続けていることにあります。

地方自治体の仕事は、国民に強いている規制の穴を見つけて拡大することであり、むしろ積極的に拡大していくための理論的な根拠を整備することです。民間人だけでは強力な規制権限を有する中央政府に太刀打ちすることは困難だからです。

社会保障に関する問題は中央政府によるものとして明確に切り分け、地方自治体は各地域の経済と雇用に関して責任を持つものとして再定義することが望まれます。







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2015年12月13日

地域経済経営論としての地方公務員給与の引き下げ

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田舎の地方公務員給与は地域の民間企業の給与と比較して高すぎる

田舎の地方自治体の職員給与は経済状態を勘案しながら、当該地域における規模が大きい事業所(50人以上の事業所)の給与と比較して決定することになります。

しかし、地方に行けば行くほど規模が大きい企業が存在するわけがないので、地方公務員給与は地域の民間企業水準と比べて明らかな高額になる傾向があります。その結果として、一部の過疎地域を除いて地方公務員の給与は全国の大企業の給与と比較して作成される国家公務員給与と際立った差がない状況となっています。

そして、地方自治体が地域におけるIQが比較的高い人材を吸収しており、本来であれば民間企業の成長に寄与すべき人材が供給されていない状況が生まれているのです。

地域経済の総務・コンプライアンス部門を強化したところで成長するわけがない

地域経済全体を企業に例えるならば、商品開発や営業のための人材を削って、総務・コンプライアンス部門を肥大化させた上で人材を集中させている状況が現在の地方自治体の有様です。

当該地域でIQが高い人材から、官僚→県庁→地銀→市役所→民間企業、のような構図で人材供給がなされていく状態から抜け出る必要があります。このような人材供給の順序で地域経済が成長するビジョンはありません。地域のエースを非生産部門から割り当てる意味が分かりません。

ちなみに、経営者をやってみようという向こう見ずな人は地方にも一定数存在していますが、実際の課題として経営を補佐してくれる優れた従業員が不足しているという状態が地域経済の実態でしょう。

まずは、売上・利益を上げる部門に人材を集中させる抜本的な改革を断行することで、地方経済が蘇ることになります。売上・利益もほとんど上がらずに赤字を垂れ流し、本社からの手当(地方交付税・国庫支出金)に頼り切った現状から脱却する意志と行動が重要です。

田舎の地方公務員給与引き下げこそが「経済成長」のための真の切り札になる

自分は地方公務員の能力が低いとは思っておらず、世間相場よりも相対的に真面目な人材が多く配置されているものと考えています。それは地方公務員の給与が良いために人材を惹きつけているからに他なりません。

もちろん公務に魅力を感じる人もいるでしょうが、民間企業の仕事も社会の役に立つことによって成長していくものであり、民間企業で働いたことがある人なら当たり前に共有できる前提だと思います。

地方公務員の給与引き下げによって、優れた人材が政府部門から民間部門に移動することになり、非生産部門から生産部門に人材配置が切り替わることで経済成長が促されることになるでしょう。

地方公務員の給与を見て民間給与を決まるというバカげた主張は論外であり、まともな企業は自分たちの経営状況に応じて給与を決めています。仮に地方公務員の給与を見て給与を決めているなら、大半の中小企業は倒産することになるでしょう。(地方公務員の給与は実態として地域の人々がほぼ負担していない地方交付税で支払っているのだから当然です。)

百歩譲って地方公務員給与を引き下げると地域に落ちる金が減るという愚かな主張を真に受けるならば、公務員給与引き下げ分を地域振興券としてバラまけば経済に与える影響は等価となります。むしろ地方公務員が貯蓄して東京に投資することを防止できるので地域経済にとってはプラスでしょう。

日本の経済成長は地方自治体が抱え込んでいる人材の解放から始まる

いずれにせよ、地方経済が持続的に成長していくためには、生産部門である民間企業に良い人材を配置することが重要であるため、現状の相対的に高い地方公務員給与は地域経済の人材調達にとってのボトルネックとなっています。

経済成長の基本は優れた人材の適正配置にあります。そのため、地方自治体が抱えている人材を民間市場に解放することが経済の活性化には必要不可欠なことです。

地方公務員給与引き下げによって、地方公務員の金銭的な魅力を低下させることで、地域経済における人材の適正配置を促進することが日本の再生につながることになるでしょう。









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2015年12月07日

「東京圏に住んでいる人の〇%が地元出身者」から見る政治

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地元ナショナリズムは東京圏在住者でも通用するのか

東京に住んでいる人は地方出身者が多いという話もありますが、それも今は昔という状況になってきています。現在は、地方から東京へ、という人口移動は過去に比べて相対的に減少気味であり、その結果として東京出身者の比率が高まりつつあります。

一票の格差による参政権への人権侵害と戦後の地元出身者比率の低さから、東京圏出身者は自らが生み出した富を地方への非合理的な財政支出などによって強制移転させられてきました。

しかし、現在の人口減少社会を迎えて地方の過剰人口の東京圏への流入が減速していくことで、東京圏には自立した人口構成を取り戻して都市型経済を実現するための民主主義的な基盤が整備されることになります。

東京圏人口の63.3%が東京圏出身者という意外と高い地元率

特に「東京圏」というカテゴリーで見た場合、東京圏出身者の割合は63.3%という意外と高い状況にあります。(「第7回人口移動調査」国立社会保障・人口問題研究所)

もちろん、東京だけに限定した場合は、東京出身者の比率は下がるものと思いますが、それでも東京圏全体でみた場合2人に1人以上が東京圏出身ということになります。

非東京圏出身の在住者で大きなボリュームを占める層は北海道や東北だろうと推測されます。東日本には西日本と違って、東京以外の中心となる大都市の力が弱いため「大都市に行く=東京に行く」という構図になりやすいからです。

しかし、今後は東北地方の現役世代の余剰人口が低下していくことで、東京圏への人口流入のスピードは低下していくことが予想されるため、東京圏出身者の比率は一層増加していくことになると思います。

若年世代で高まり続ける東京圏出身者比率

東京圏出身者の年代別に見ていくと、年代が上がるにつれて東京圏出身者の比率は下がっていく傾向があります。20代では約70%の東京圏出身者比率は50代・60代では約50~60%にまで減少しています。高齢者ほど投票率が高い傾向と合わせて考えると、東京圏出身の国会議員が地方へのバラマキに優しい理由が見えてきます。

現在も東京圏への人口流入は続いていますが、地方から過剰人口の流出が解消されつつあること、東京圏在住者の他地域への転居率が低いこと、から考えると、年代が進むにつれて東京圏在住者の比率は高まり続けることになるでしょう。

若年世代の投票率が上がると東京圏ナショナリズムが強まることが予想されるため、若年世代への投票啓発は東京圏在住者にとっては、地方への不当な財政移転を止める効果があるのではないかと推測されます。

「東京圏」という枠組みにナショナリズムを昇華できるか

「東京人は他人に冷たい」と揶揄されることもありますが、それは東京に地方から来た人々の間だけの話であり、元々東京在住の人々には地域コミュニティも普通に存在しています。つまり、昔は「地方から出てきたばかりで仕事以外の知り合いがいない人が多かった」の間違いです。

東京であったとしても数世代を過ごした人々にはコミュニティが形成されており、十分に東京圏ナショナリズムが形成される可能性があります。

課題は今までは「東京」「神奈川」「千葉」「埼玉」「栃木」「群馬」などの都道府県単位、場合によっては市区町村単位で形成されてきた地元意識を「東京圏」という広域の帰属意識へと統合できるかどうかです。

東京圏在住者にとっては東京圏から地方への富の流出は深刻なものであり、本来は都市圏で整備されるはずだった介護施設などの社会インフラが地方に立地している極めて不合理な状況などが生まれることになりました。

現在、箱モノ立地に合わせて高齢者の地方移住を促進する政策も叫ばれていますが、愚かな政策の顛末として人間が建物に合わせて生活する、という事態が起きてしまったということです。

東京圏のイデオロギーの確立、高度経済成長期と同じ失敗を繰り返さないために

私は東京圏の経済活力を維持・発展させていたくために、東京圏への国内外からの人口移住は更に必要だと思っています。しかし、それは高度経済成長期に発生した政策的な失敗を反省した上で行うべきだと思います。

その失敗とは「東京圏独自のイデオロギー(価値観)」を確立させずに、物質的な豊かさなどを押し出すばかりで、地方からの流入人口に「東京人」「東京圏在住者」としてアイデンティティーを付与できなかったこと、です。

その失敗のツケが「地方への巨額の財政移転」として政策的に固定化する結果となり、日本経済の成長・繁栄にブレーキをかける要因となっています。

そのため、東京圏出身者の比率が高まり続ける傾向を伸ばしていくとともに、地方出身者に対して「東京・東京圏で生きる」ということの価値観を明確に付与するための取り組みを強化するべきです。

日本国内の地方に目を向けるのではなく、「世界都市としての東京・東京圏」としてのアイデンティティーであり、元々の東京・東京圏在住者も含めた意識改革が必要です。日本という枠組みを超えた意識を持つことが今後の東京圏の発展の運命を決めることになるでしょう。

<渡瀬裕哉(ワタセユウヤ)の最新著作のご紹介>

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yuyawatase at 17:00|PermalinkComments(0)

2015年12月04日

「ラウンドアバウト」と「信号機が無い世界」


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(写真はWikipediaから)

環状交差点「ラウンドアバウト」が日本に導入されつつある

日本でも重大事故の減少や遅れの解消などを目的に環状交差点である「ラウンドアバウト」が導入されつつあります。平成26年の9月から導入開始して15都府県49カ所に設置し、その後は1回も死亡事故が起きていないという成果を挙げています。

ラウンドアバウトは元々は1600年代に英国で辻馬車がしてスムーズな移動を行うことからロータリーとして導入され、その後は街並みの景観整備などの観点から普及した交差点の形状であり、美観の観点とともに交通安全面などの効果が広く認められています。

「信号があればあるほど社会主義なんだ」という言葉を思い出した

日本でラウンドアバウトの導入の成果に関する報道に触れて、私の友人が述べた言葉を思い出しました。それは「街中に信号があればあるほど社会主義化が進んだ国である」というものです。

たしかに、移動に関する政府の規制が町の至る所で徹底されることで、人間は自然と政府のルールに従う存在になっていきます。車が全く走っていない場所の赤信号で立ち止まっていることなど、道徳の問題ではなく社会主義の問題だなあと関心したものです。

日本の信号機の数は20万台を超えて設置されている状態

日本の信号機・第1号は、米国製で昭和5年3月に東京の日比谷交差点に設置されたものです。第一号機設置以来、多くの信号機が設置されてきた結果、平成24年度末年現在で204,713台(警察庁調べ)となっています。

街づくりはそこで暮らす人々の深層心理に影響を与えるものであり、人々の行動に設計者の思想が根深く入り込んでいくものです。新興国では信号が少ない印象があり、発展していく資本主義の息吹のようなものはゴタゴタして交通法規からも感じられるものです。

今後は、もちろん必要な信号機もあると思いますが、増えすぎた無用な信号機の数を減らしていくことが重要です。既に設置された信号機の老朽化などが問題となりつつあり、現場の実情に合わせた創意工夫を発揮して不必要な信号機を廃棄していくべきでしょう。







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yuyawatase at 15:28|PermalinkComments(0)

2015年12月02日

森林環境税でCO2が減少するたった1つの理由

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現在、地方自治体では森林整備のためという名目で35県が環境税を導入してます。県民1人あたりの500~1000円を徴収し、単なる広報費用や県職員への研修代など森林保護に繋がるか効果が疑わしい事業への支出が繰り返されており、その税金の利用使途の在り方について疑問が投げかけられています。

全国規模で更なる森林環境税を上乗せしようとする政府の無神経さに唖然

政府は、温暖化対策の名目で、税制改正の中で新たに全国民の個人住民税に一人500~1000円の増税を実施する「国版・森林環境税」を導入する方向で調整しています。

そもそも全国の個人「住民税」に一律で上乗せするという、国税・地方税の区分を取り違えたトンデモ増税であることは間違いなく、なおかつ地球温暖化についても科学的是非は意見が分かれるところであり、全国の35県が導入している環境税の利用使途に疑問が投げかけられている中での無神経な増税行為について唖然とせざるを得ません。

さらには、環境省も独自の環境税構想を打ち出しており、お役所の縦割り構造で二重三重の課税が実行されてバラバラに増税を打ち出すという各行政機関の利権獲得モードに辟易します。

大量の環境税を作りまくることで確実にCO2排出量が減少する理由

しかし、単純にCO2の削減を実施したいということであれば、森林環境税などの環境税を大量・複雑に構築することは理にかなっています。それらの行為によって日本の経済成長は確実に阻害されるため、経済成長の停滞によってCO2の排出量は減少していくことになるでしょう。

要はCO2の排出量を削減したいのであれば、ワザワザ環境税などではなく、所得税・法人税・消費税などの税金の税率を増税すれば良く、コソコソと温暖化対策・森林保全などの目的を掲げて微量の増税を繰り返す必要などないということです。

現在、県が環境税として徴収している税収は280億円程度になるそうですが、環境税が存在している県とそうでない県でびっくりするほど何かが変わったでしょうか。ビックリするほど新しい利権が億円単位で生まれたことを除いて、それほどの違いは無いのではないかと思います。

必要なものは「環境減税」、安易な増税から賢い減税へ

各都道府県のCO2排出量は各都道府県のGDPとほぼ相関関係があるため、単純にCO2を減らしたいなら主要都市部に大量の増税を実施することで達成できます。国全体で見た場合では、既に都市部への過重な税負担を課していることで経済成長を抑制しており、このような政策は実行されていると見做すこともできます。

しかし、国民はお人良しではあっても馬鹿ではないので、経済成長を犠牲にしてまで増税を実行し、なおかつそれが何の役にも立たないことを許容することはありません。

だからこそ、森林などの環境を本当に守りたいならば、自然環境を保全することに対して実質的に意味があることに企業・個人が資金を投じた際に環境「減税」を実行することが望まれます。「安易な増税」ではなく「賢い減税」を実行していくことに知恵を使うべきです。





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yuyawatase at 17:13|PermalinkComments(0)

2015年12月01日

日本に求められるハイレベルな選挙訓練学校

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米国には民主主義を実践するために選挙技術を学ぶための訓練学校が存在している

米国では自由主義系の保守派の運動員を育てるための学校としてThe Leadership Instituteという訓練学校が存在しています。全米から集まった志ある運動員候補者たちが、米国のワシントン郊外に設置された同組織の施設の中で日々選挙技術や政治活動技術を伝播し、強力な草の根組織を創るための教育が行われています。

私自身もThe Leadership InstititeのCampaign Management Schoolを受講し、所謂選対の事務局長として知っておかねばならない基礎知識を学習できるプログラムを体験しました。本日は同メニューで受講できる内容、そして選挙の訓練学校が存在している意義について触れていきたいと思います。

米国の共和党保守派ではCampaign Management Schoolを修了したことは一つのステータスであり、同プログラム修了後には政治活動のスタッフとして様々な道が開かれることになります。

キャンペーン、資金調達、世論調査、WEBコミュニケーション、団体対策、ネガキャンなど多数のプログラム

受講者は施設が提供する地下ドミトリーで5日間寝起きする合宿環境の中に置かれて、朝9時~夕方5時までびっしり詰まった一日6プログラム程度を受講します。

まず、朝食から簡単なベーグルとリンゴを食べつつ、FOXニュースがつけっぱなしの環境という保守っぷり抜群な環境で過ごすことになります。ドミトリーではバスティアの「法」を読む人が多くイデオロギーの徹底ぶりが半端ではないです。

その後、1限が開始するのですが、初っ端の授業からネガキャンの打ち方からスタート、その後、スケジュール、個別訪問、電話作戦、資金調達、名簿管理、世論調査、WEB、団体対策、組織構築、選挙不正対策、予備選挙の戦い方、その他諸々の内容について1時間~1時間30分のコースを5日間ぶっ続けで受講します。

濃密な5日間を過ごすだけで、ちょっとした選挙マニアになることが可能です。内容としては、日本でも通用する内容であり、選挙に関する万国共通のノウハウであることが分かると思います。日本で現場で徒弟制度で叩き込まれる内容が洗練された教育コンテンツとして整理されているイメージです。

日本の各政党などが実施している偉い国会議員や有識者が出てきて自分の知っていることをしゃべるだけの内容とは異なる、そのまま実践に使うための知識が徹底的に詰め込まれることになります。

ちなみに、私の目の前に座っていた受講者同士でいつの間にかカップルが成立していたので、これだけのプログラムをこなしながら凄い猛者もいるものだと思った記憶があります。

自由主義を実現するためのハイレベルな選挙訓練学校の存在

日本の選挙事務所の徒弟制度では10年程度かかって覚える内容を僅か5日間に凝縮したプログラムは、日本の自由主義運動の担い手を短期で集中的に育てるために効率的な仕組みであり、民主主義の健全な発展のためにも意義があるものです。

日本の選挙教育のシステムは、政治活動や選挙活動の部外者による表面的なノウハウ提供がほとんどであり、本格的な教育を行う手法というものは十分に存在していません。そのため、本当に能力がある政治活動や選挙活動のスタッフを調達することが困難な環境があります。

また、日本には公職選挙法という馬鹿げた法律があるために、米国ほど民主主義への参加が容易ではなく、一般の有権者が選挙に関わる際には万が一の時のリスク教育をしっかりする必要があります。(それでもこの法律を廃止しない限りは冤罪が限りなく生まれ続けていくことになると思います)

政治活動と選挙に関わる人々の登竜門として、The Leadership Instutiteのような訓練学校への日本の社会的ニーズは明確に存在しています。志ある選挙コンサルタントの皆さまは自らの知識を体系化し、日本にこれらの学校を展開していく社会貢献の道を歩まれることを祈念します。

当確師
真山 仁
中央公論新社
2015-12-18




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yuyawatase at 23:20|PermalinkComments(0)