小さな政府

2018年02月09日

東京ばかりが遅れていく。東京の企業は東京のこと考えてますか?


東京丸の内の開発を主導している某企業の広告があまりにも時代遅れで驚かざるを得ません。こういうのってアジアなどの新興国の都市がほとんど発展していなかった1990年代の感覚じゃないのかと思います。


東京の企業は東京のことに責任を持つべきであり、地方の企業は自分の地域のことに責任を持つべきです。日本における地方の衰退は、東京による地方の過剰な統制・管理・保護によって産業構造が政府支出依存に陥ったことにあります。その結果として自助努力が衰退して若者にとって魅力的ではない街になってしまいました。


東京は東京、地方は地方で自らの自己決定に従って責任ある地域運営を行うべきであり、東京から地方への余計なお節介は不要です。たとえ東京から見て地方の歩みが遅々としたものであったとしても、東京は地方の取り組みが成功するまで黙って見守ることが必要です。


(都市戦略研究所から引用)


東京は世界中の都市との競争の真っ只中にあり、それらの都市との競争に勝ち抜くための努力を続けています。今、世界中に新しく生まれている新興都市に遠からず東京は追い抜かされる日が近づいており、東京の企業は「世界の中での東京」というブランドを維持・発展させる努力が求められています。

東京は世界最大の人口圏を持つ大都市であり、東京都、東京の企業、都民はその難しい運営に心血を注ぐだけで精一杯です。日本には首都を規定する法律は存在しませんが、ぽっと出の新興都市というわけでもなく、古くから続く歴史と老朽化した公共インフラを抱えた先進国ならではの問題が山積する課題先進モデル都市としての挑戦が続いています。


リベラルなキャッチフレーズを煽り立てる風潮によって、東京から送る資源を日本中で浪費する時代は1990年~2000年代初頭でいい加減に終わらせることが重要です。既に世界中で東京と伍する都市群が発達し、アジアにおける東京の地位も相対的に低下しつつあります。地方からの東京への過剰な期待は東京の企業の勘違いを生み出し、その没落スピードを速めるだけの結果になるでしょう。今、必要なことは東京の企業は東京のこと、地方の企業は地方のこと、自らのビジョンと努力をもって取り組んでいくことです。


件の三菱地所も東京のど真ん中で儲けている企業なのでそんなことは百も承知だと思います。東京のリーディングカンパニーとして、地方への過剰な優越心の裏返しのようなコピーではなく、世界の中での東京、という意識で最前線に立って戦う責務を果たしてほしいです。



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2018年02月08日

小池都政による都組織の実質的な民営化の検討へ


(東京都下水道局から引用)

小池都政下における象徴的な組織改革として下水道と都立病院の経営形態の見直しが進んでいます。両者ともに組織の効率化を促進し、東京都の中長期的な財政支出を抑えることを狙いとしています。


下水道施設についてはコンセッション方式を利用し、運営権を民間に売却する方式が検討されています。その目的は下水道の更新にかかる費用の膨張を抑制し、民間企業体による適切なコストコントロールを行うことにあります。下水道法によると完全な民営化が禁止されていることから、民間事業体に運営権を売却する形で経営形態の移行を実現することになります。東京都はコンセッション方式だけでなく包括民間委託も検討しており、いずれのケースであっても実現した場合には国内最大級の実質的な民営化事例となるでしょう。


都立病院については地方独立行政法人化が検討されています。東京の一般会計からの繰入金が年間約400億円に達しており、財政負担の圧縮策について議論が行われています。独立行政法人になると、定数・配置・給与などの裁量権の増加などの経営上のメリットがあるとともに、病院運営を都議会からの余計な干渉を受けることなく自律性を持った経営を実現していくことが可能となります。また、東京都の毎年の一般会計からの繰り入れではなく、病院側が作成する5か年中期計画に合わせて運営費負担金として公金が支出されることになります。


これらの改革は超高齢化社会を迎える東京都の将来的な財政運営の見通しを想定した場合、現段階から検討を加えた上で実現していくことが望ましいものです。


ただし、実質的な民営化を伴う構造改革は、都庁組織、職員組合、都議会からの抵抗が予測されるため、小池都政は今後の検討過程において抵抗勢力との間で熾烈な闘争を行うことになるものと想定されます。下水道と都立病院の組織改革は改革に後ろ向きな勢力によって慎重論が唱えられてきた経緯があり、議論の俎上に乗っただけで簡単に前に進むような案件ではありません。したがって、今後もこれらの検討状況について都民は継続して見守り続けていくことが必要です。


タックスイーターが恐れるものは民意による強力なリーダーシップの存在です。したがって、タックスイーターは都政改革本部や都立病院経営委員会などの改革を推進する機関を攻撃し、知事部局によるリーダーシップを削ぐ試みを継続するものと考えられます。特に連合の支援を都議選時に受けた都民ファーストの議員らが同改革に賛成するかは改革に向けた試金石となることでしょう。


東京都の納税者はこれらの改革が前進するように同改革の取り組みの状況を把握し、その取り組みが前進するようにタックスイーターの動きを監視する必要があります。小池都政については賛否両論分かれるところではあるものの、良い面・悪い面をしっかりと評価を加えていくべきでしょう。


 

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2018年02月07日

アイオワ州の地方公務員給与全公開を日本も導入すべき

アイオワ州実名入り地方公務員給与公開データベース

地方議会議員は「議員報酬及び費用弁償等に関する条例」によって幾らの月額報酬や期末手当等を受け取っているかは凡そ明らかになっています。これは税金から給与を受け取っている以上当然の情報公開と言えます。どの議員が幾らの金額を受け取っているかを納税者は知る権利があります。


一方、地方公務員は人事委員会勧告を踏まえて各地方自治体は給与改定を行って俸給表に従って給与が払われるものの、その実態は一般の納税者からは極めて分かりづらい状況です。そのため、各地方自治体の職員給与が、個人住民税総額と同じであったり、更には地方税収自体を上回っていたりする、実質上の人件費破綻を起こしている地方自治体の状況が長年放置された状況となっています。


たとえば、内閣府などで地方創生の成功事例と持て囃されている島根県海士町では、平成27年度決算カードを見る限り、地方税収は約2億、人件費が約5億円、一般会計歳出が約50億円であり、地方交付税や地方債が無ければ収支が全くバランスしない他人任せの財政状況となっています。筆者は地方交付税が地方固有の財源であるという詭弁は相手にしていないため、同町が身の丈に合わない自治体運営を実施していることは一目瞭然だと思います。


そして、海士町に限らず地方自治体が非現実な人件費を地方公務員に払い続けている状況は我が国に普遍的な現象であり、地方自治に関する基本的な倫理観が崩壊している証拠といっても過言ではありません。これらの悲惨な状況は納税者の地方自治体の財政運営に対するリアリティーの欠如から生まれており、そして地方公務員人件費に限って言えば公僕としての責任感の欠如そのものだと言えます。


一方、米国アイオワ州では地方公務員の年間給与が実名入りで全公開されています。つまり、公務員は公僕として働く限り、その給与は全て納税者の目にさらされていることになります。そのため、公務員給与が高い・安いは納税者にとって明らかであり、公務員側は財政状況に見合わない給与を受け取ることに対して自ら律するインセンティブが働くことになります。


最近、東京都が全ての公金支出について逐次公開する大規模な情報公開を実施しましたが、それであればアイオワ州のように公務員の実名での給与公開を行うことも「公金の支出」であることから検討するべきです。給与公開は恥ずかしいことや隠すべきことでもなく、公金で働くという名誉に伴うものであるから公開しても差し支えないと思います。


我が国の財政制度は完全に無責任の連鎖によって成り立っており、その根幹は税金の支出に関する分かりやすい情報公開が存在しないことにあります。まずは地方公務員の人件費の実名入り情報公開という極めてベーシックなところから始めることも一考に値するのではないでしょうか。

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2018年01月22日

政治家の「家業化」を禁止するTerm Limits(任期制限)

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(Term Limitsに署名した候補者署名)

最近の首長選挙では多選自粛条例や多選否定の公約を掲げながら平然とそれらを破って出馬する事例が存在しています。米国において多選は腐敗の温床と考えられており、多選を重ねる首長・議員を落選させるべく「Term Limits」(任期制限)をさせる活動が広く普及しています。


どのような人間であったとしても「権力は必ず腐敗する」という原則から逃れることは困難です。人間の通常の心理として長期政権の長に対しては、誰もが首を垂れるのは必然的なことと言えるでしょう。そして、権力者の指示に意見する人がいなくなるだけでなく、様々な忖度が自然と行われていくことになります。その結果として、政府が肥大化していくことになり、人々の監視が行き届く小さな政府から腐敗と隠ぺいが伴う大きな政府に変質していくのです。したがって、多選は民主主義を国民の手から手放す結果を実質的に生み出すことに繋がります。


日本の多くの多選自粛違反の「言うだけ番長」を生み出してしまう理由は、「首長や議員が自ら多選自粛を宣言するだけ」であり、「有権者が自ら候補者に対して課した約束」ではないからです。


米国には「The Term Limits(任期制限運動)」というものが普及しており、国民による政治家の多選自粛を求める運動が展開されています。地元に利益誘導を行って自らの富を蓄積する「政治屋」を排除するため、予め任期制限を自ら約束する候補者を応援するための署名運動です。政治家の任期を、下院3期(6年)、上院2期(12年)を基準とし、それ以上を多選と看做すという内容です。そして、州レベルでも同様の活動が実行されています。


議員たちは自らの選挙区に多選禁止を求める有権者がどの程度存在しているのかを知ることができるため、自らの政治行動に関する強烈なプレッシャーを感じることになります。そのため、自らTerm Limitsの趣旨に賛同して署名を公表する、更には任期制限を憲法に盛り込むために議員連盟を発足させる人々も存在しています。普通は苦労して権力を得た議員がこのような活動に積極的に賛同することはないため、主に利益誘導政治に反対する共和党保守派の小さな政府を求める議員が中心となって活動しています。


国会議員の家業化は日本では常態化していますが、それ以上に地方の首長・議会の多選状況は深刻なものとなっています。国会でも地方議会でも期数を重ねた人々、または親から地盤を引き継いだ人々が権力確立または容易に権力を手にしています。もしかしたら、当該選挙区の多選候補者の割合は政治腐敗の指数として見ることも妥当かもしれません。来年は統一地方選挙ですが、日本でも有権者が自ら政治を変えるための運動が起きてくることに期待します。

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2018年01月18日

それでも仮想通貨は終わらない

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(fotolia/rofotostock)


直近1週間ビットコイン及び主要なアルトコインの相場が崩壊し続け、「仮想通貨バブルも終わった」「本来価値は0円だからな」「バブル崩壊で価値は1000分の1になってもおかしくない」などの各種コメントがネット上を賑わせました。


一連の相場の崩壊は韓国、中国、ドイツなどの規制当局者や中央銀行関係者らが規制を匂わせる発言をしたことに起因しているようです。法定通貨の関係者にとっては仮想通貨のような自律分散型のシステムが無秩序に発展することはある種の脅威であり、「投資家保護のための規制を作るために投資家に大損させる規制を作る噂を流す」という暴挙に出るのも然もありなんという状況です。


これらの規制はおそらく全面的な禁止というよりも投機を煽る現状を諫め、決済手段として利用される可能性が高い通貨を事実上認定していく方向で動くものになると推測されます。つまり、政府としても仮想通貨の流れを止めることは非現実であり、現状を実質的に追認していくことになると思います。

人類史は政府や一部の独占に対して分散型ネットワークが挑戦し、その都度一時的な勝敗はあるものの、結果として「自由」を増進する勢力が勝利をおさめてきました。そのため、今回のブロックチェーン技術を応用した仮想通貨は法定通貨の相対化を促し、近い将来経済の形、つまり社会の形を根底から変えていくものと想定されます。


そして、それは政府の形すら大きく変えていくことになり、いまだ地球上に残っている全体主義国家・独裁国家らの基盤を揺るがせる存在として成長していくことになるでしょう。


したがって、東アジアという独裁国家が残る地域において、仮に日本政府が仮想通貨に対して過度な規制を行うにしても過度な規制が行われることは望ましくありません。むしろ、自律分散型の社会構造を積極的に推し進めることによって、アジア地域に新しい政治・経済・社会モデルを構築することによって、他国の政治制度に対して変更圧力を強化していくことが望まれます。


仮想通貨は一時的な投機や決済手段の転換というだけでなく、政治体制の選択を促す重要なパワーを秘めており、日本人はこの新たな力を存分に取り入れて東アジアに残置された20世紀型の政治パラダイムを大きく転換していくことを希望します。

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2018年01月15日

小池都政による「情報公開」はどこまで進んだか

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画像著作者:avaxhome.ws

小池都知事はその政治的意思決定に関して「ブラックボックス」と揶揄されることがありますが、改革の一丁目一番地と位置付けられた都政に関する情報公開はかなり進展している状況となっています。

都政新報によると、小池知事就任前の2016年4月以前は307存在していた審議会のうち公開されていた数は149、一部公開を合わせても66.1%に過ぎませんでした。しかし、それが338審議会のうち207、一部公開は69も含めて81.7%にまで公開されている審議会が増加しました。議事録に関しては公開が70.4%から85.5%にまで増加し、非公開となった審議会でも会議概要が公開する形となりました。また、公文書公開に必要であった手数料1枚10円も電子データの場合は無料となりました。


また、筆者が注目しているものは昨年9月から実行された公金支出情報(一般会計・特別会計)の公開である。実際には昨年7月から遡った数字が1件ごとに担当部署、支払日、件名、金額などが東京都会計管理局HP上に掲載されており、それらは60万件以上の件数に上る見込みとなっています。この改革はかなり驚異的な出来事であり、東京都民が税金の支出内容について調べたければ、その端緒となる膨大なデータがすべてさらされている状況となっています。小池知事による極限的なレベルでの情報公開の成果と言えるでしょう。


欲を言えば、東京都は仕事の基本単位である事務事業の評価結果を徹底して公開し、全政策の費用対効果に関する分析結果を報告するところまで実施してほしいものです。東京都の予算は膨大な規模に及んであり、一つひとつの事業を都民が精査することは現実的ではありませんが、どのように税金が使われてどのような効果が上がっているかを知りたいときに知ることができることは、都民の基本的な権利であると考えます。


むしろ、会派別の復活予算が存在していた都議会の異常な腐敗が払しょくされたことを契機に情報公開を前提とした議会改革を推し進めるべきでしょう。与党である都民ファーストの会も含めた都議会が知事部局に対して、まともな質問を行っていくためには事務事業評価を含めた政策評価の徹底・公開は前提条件です。現在のように都政の政権交代後に知事と最大会派が一致している稀有な状況を生かし、行政と議会の関係を健全な状況に戻すべきです。


既に東京都政に関して情報公開は相当行われた状況となっており、都議会やメディアの仕事は公開された情報を基にして価値ある議論を行っていくことでしょう。年末年始の時期は都議会議員の〇〇の忘年会・新年会に行きました、という活動報告が多いわけですが、それらの日常活動とともに「公開された情報」とにらみ合って価値ある質問をする準備もしっかりとして頂きたいと思います。

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2018年01月11日

野党は規制廃止による増税回避を検討するべきだ


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少子高齢化の影響を受けて日本の社会保障費は増大の一途を辿り続けています。安倍首相は消費税10%の利用使途を変更して2020年のPB黒字化は早々に放棄したようですが、バラマキに次ぐバラマキを続けているのですから当然の結果と言えます。

日本の社会保障支出の伸びをこのまま放置した場合、消費税を上げ続けたところで経済も冷え込む結果として、消費税だけでなくあらゆる税収が低下し続けることは間違いありません。そのことは消費増税を実施するたびに不況に突入してきた愚かな歴史を見るまでもなく誰でもわかります。


一方、消費税ではなく所得税・法人税を引き上げろ、という議論もありますが、こちらも経済にマイナスの打撃を与えることは明白であり、企業や富裕層を痛めつければ良いという発想は個人のつまらないルサンチマンを満たすだけで生産的な議論ではありません。


ただし、財政支出を小さくする以外にも増税回避または増税幅を小さくする方法はあります。それは「規制の廃止」です。日本には2017年3月段階で1970年代の約2倍となる1967本の法律を含む合計8307本以上の法令が施行しており、政府によって有り余る規制が国民に押し付けられています。これらの規制の中から不要不急・経済損失が大きいのものから撤廃し、その経済成長の果実によって増税の一部の財源を充てることを意図するべきです。


たとえば、2016年に発表された東京圏(東京都と神奈川県の全域、千葉県成田市)の国家戦略特区の経済波及効果が計2兆4500億円と試算されています。これは都市計画法の特例による再開発による効果が大半だと思いますが、ほんの一部の建設に関する規制緩和の経済効果ですら莫大な経済波及効果を生み出す良い事例だと思います。


日本では一部を除いて規制が与える経済損失の大きさについて検討されたことがありません。各省庁の政策評価表を見ればわかりますが、規制に関しても各政策の費用便益について文章による屁理屈が並んでおり、その経済効果が具体的に算出されていることは稀です。そのため、非効率・非生産的な規制(そして、予算)が多数放置されて手枷足枷がつけられた状況となっており、日本の潜在的な経済成長の機会が奪われています。


規制廃止に伴う経済波及効果はその規制の性質によって異なるものの、経済波及効果の10~30分の1程度だと仮定した場合でも、日本全国で規制を徹底して廃止した場合の累積増収効果は莫大なものになることは容易に想像がつきます。規制廃止はそれに従事する行政機関のコスト削減にもつながり一石二鳥の財政改善効果を生み出すでしょう。


現在、このやり方は新たな打ち出の小槌のような話で現在は机上の空論に過ぎません。しかし、本来、野党陣営はこのような議論を用いて消費税再増税に対して反論していくべきものと考えます。増税のための財源をどこから取るのか、というゼロサムゲームの発想しかできない野党は必要ありません。もちろん規制廃止で増えた税収をバラマキに使用する与党も要りません。


国民は経済成長と財政再建を両立する政策を必要としています。政府は毎年の規制改革による経済波及効果の目標値を設定して規制の見直しと進捗管理を推進するべきであり、また、各政党は受け取っている巨額の政党助成金の一部を規制廃止による経済波及効果と税収増に関する調査・研究に割くべきです。

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2017年06月10日

加計学園、獣医学部を1個作ることが国家戦略なのか?

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加計学園の話で何かと話題の国家戦略特区について考える

メディアは加計学園の話で忖度があったかどうかについて毎日報道を重ねていますが、筆者は「国家戦略特区」や「構造改革特区」などの既存の制度自体に疑問を持っています。

国家戦略特区は安倍政権時代に始まった国(≒首相)の主導権を強めた規制改革のための政策であり、国の岩盤規制を突破するという意味では非常に良い制度だと思います。ボトムアップ型の構造改革特区と比べて、中央省庁の抵抗を打破して規制緩和を進める上で、政治家が剛腕を振るうための制度だと言えるでしょう。

したがって、内閣府に設置される諮問会議が音頭を取って改革を断行するわけですから、その過程で政治主導で物事が実行されていくことは当たり前のことであり、本制度について忖度云々を騒ぎ立てることがそもそもおかしいと思います。

国家戦略特区の問題は「特区の内容がショボすぎる」ことではないか

むしろ、筆者は国家戦略特区の内容が政治家が剛腕を振るうという意味では、認定事業の内容がショボすぎることが問題ではないか、と思います。

「たかが獣医学部を持つ大学を一つ新設すること」が国家戦略だと言ってしまう感覚がナンセンスなのです。加計学園だろうが京都産業大学であろうが、このような無意味な規制は最初から必要なものではなく、「国家戦略」と呼ぶこと自体が恥ずかしい、この国の官主導の体質を明らかにしたものだと言えます。

獣医師免許の需給状況について、文科省や業界団体がアレコレ理屈をごねるかもしれませんが、そもそも獣医師の受給を政府がコントロールしようという発想自体がおかしな話であり、その程度の規制の緩和すら簡単に実行できない現状を問題視するべきでしょう。(政治的な意味でこの程度の岩盤を破れないというのは政治の怠慢と利権そのものではないでしょうか。)

「国家戦略」が「四国に獣医学部を持つ大学を一つ作ること」という大変残念な有り様について議論するべきであるし、国家戦略特区で認定されている事業内容は実験するまでもなく全国で認めるべきものが多数あります。

下記は国家戦略特区の認定事業の一覧ですが、そもそも規制していることが理解不能なものが多数並んでいます。当然、一つひとつは真面目に取り組んでいる事業者の方がいることは理解しますが、これを国家戦略と銘打つことについては「いい加減にしてほしい」というのが正直な感想です。農地にレストランを建てるだけのことを国家戦略って言ってみたり、そもそも国家戦略の意味が分かっていると思えない(笑)

国家戦略特区の認定事業一覧

各地域が自分の判断と責任で大学の設置の認可を判断すべきではないか
 
本件の問題は獣医学部を新設する際に国会議員や文部科学省の御意向を伺う必要がある現行体制に問題あるわけで、最初から中央政府で判断すべき性質の問題ではありません。

ある地域で獣医が足りないか否かは各地域で判断すれば良いだけの話であり、しかも本件については育成された人材は移動しますから地域的な要件自体も意味がないかもしれません。国の規制を廃止して地方が自己責任で意味がある大学を創設していけばよいと思います。

現在、忖度がどうのこうの、文書があったか否か、などのどうでも良い話題に議論が割かれていますが、政府は国会での質疑について真摯に回答すれば良いだけの話です。本来、国民が気が付くべきことは、この程度のことすら大仰な組織を作らないと実行できないという、この国のお役所体質を改革しなくてはいけないということです。

与党も野党も国家戦略特区や構造改革特区などではなく、もっとスマートに廃止すべき規制を全て公約として掲げて国民の信任を取り付けて、一気に改革を進めていくべきだと思います。

この程度の改革をチンタラと何年もかけてやっていて、「国家戦略特区」が目的として掲げる「産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点の形成を促進する」ことなど到底不可能でしょう。



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。



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2017年05月23日

経産省次官・若手ペーパーへの意見に対する考察に見る言論ガラパゴス

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リバタリアンとしてぶった切ったら、意外と盛り上がっているみたいなので一度だけ返事しようと思う


経済産業省の次官・若手プロジェクトが作ったペーパーについて、リバタリアンの視点から容赦なくぶ一刀両断してほしい、という要望を受けて下記のようなコメントを述べさせていただきました。

「時代遅れのエリートが作ったゴミ」発言者に訊く!若手経産官僚のペーパーに感じた違和感とは。 | 一般社団法人ユースデモクラシー推進機構

夜中に行われたインタビューだったので眠くてやや表現が過激になりました(笑)が、日本国内の左寄りの方々から下記のように議論を整理して頂いたので、筆者も一度だけ応答しようと思います。

経産省「次官・若手ペーパー」に対するある一つの「擬似的な批判」をめぐって – HIROKIM BLOG / 望月優大の日記
選択肢を理解する――経産省、若手・次官プロジェクト資料について
鈴木謙介氏の整理に沿ってーー経産省「次官・若手ペーパー」論(3)

筆者はこの手のダラダラとコメントするタイプの感想を述べるのは気が進まないのですが、自分自身の主張を他者のパースペクティブで全く異なる文脈で整理されることについては文句を言っておこうと思います(笑)

日本の言論空間の感覚はガラパゴス化によるイデオロギーの選択の幅が狭すぎる

さて、筆者が論評を頂いた内容で決定的に違和感を感じる点は、筆者の主張と経済産業省の若手の政策的な方向性が同一のものとして整理されていることです。

たしかに、経済産業省の若手の本音は、筆者と同じ新自由主義路線であると思います。それは現場第一線にいる彼らが政府の限界性を最も強く認識していると理解しているからです。(買いかぶりかもしれませんが。。。)

しかし、彼らの本音はともかく、筆者は経産省ペーパー自体を新自由主義路線だと解釈したことは一度もありません。むしろ、筆者は経産省ペーパーも望月氏もその程度の差は微々たるレベルの社民主義的な内容だと解釈しています。

望月氏の見解では、経産省ペーパーや筆者は同じように新自由主義路線に見えるのかもしれません。

しかし、筆者の視点から見ると、経産省ペーパーの上に示された内容はあくまでも彼らの立場による「小さな政府を目指すフリ」をするポジショントークであり、現実には他省庁の権益に切り込むための文章でしかないものと理解しています。

政府規模の拡大を事実上容認し続ける支出拡大の方向性すら含む同ペーパーの内容と望月氏が望んでいる社民主義的な政策の方向の本質は同じものです。

社民主義的な方向性が明らかである望月氏の主張から自由主義的な方向に一歩だけ足を踏み出したとしても、筆者にとっては同じ社民主義であって何も変わらないのです。

この程度の内容が新自由主義的な方向に見えてしまうこの手の政策理解の幅の狭さこそが日本の言論空間のガラパゴス化を象徴するものです。そして、この政策議論の振れ幅の少なさが現在の日本の政策の手詰まり感を産み出す原因だと思います。

正直に申し上げると、この程度の新自由主義的な方向性の主張を筆者が述べている政策の方向性と同じものとして扱われることは心外であり迷惑です。

日本が新自由主義化しているという誤り、日本はケインジアン的な縁故資本主義国に過ぎない

筆者、そして望月氏と鈴木氏の間では、現在の日本の政策の方向性が新自由主義的あるという理解すら違いがあります。

日本政府の一般会計の予算規模は、一時的に減少した年度もあるものの、基本的には増加傾向にあります。地方自治体の中には自主財源が数%しか存在せず、中央からの財政移転でほぼ全ての歳出を賄っている財政的自治を事実上放棄した自治体も少なくありません。

首相が企業に賃上げ要請を行うなど民間経済に公然と介入し、ベンチャーとして新規事業を行うにも様々な業法による縛りによって自由に事業を営むことすらできず、経済産業省なども含めた天下りが民間企業で幅を利かせています。

日銀による異次元緩和や年金の株式運用比率の上昇など、民間市場に中央銀行や政府機関が与えるインパクトも極めて増大してきました。日本の年金制度は政府が運用する世界最大級のネズミ講でもあります。

また、移民・難民政策という観点に立ったとしても、トランプは2017年は年間5万人の難民受け入れを発表していますが、日本の難民受け入れ数はトランプ政権の方針を遥かに下回るものです。

で、日本政府の政策の一体どこが新自由主義なのでしょうか。筆者には毎年のように日本政府が肥大化しているようにしか見えません。

筆者はハイエクが創設したモンペルランソサエティーなどの「本物の自由主義者が集まる国際会議」に参加する機会もありますが、日本経済や安倍政権を「新自由主義だと解釈する人は一人もいません」よ。そのような話をしても失笑されるだけです。日本の位置づけは完全なケインジアンです。

ちなみに、派遣労働が拡大した時期のように、経営側にレントシーキングを与える規制をそのままにして労働法制を中途半端に緩和した行為は、新自由主義ではなく縁故資本主義そのものです。経営の生産性を上げずに労働者の一部のみの法制を緩和した場合に所得が下がってしまうことは当然です。縁故資本主義が社会のあらゆるビジネスシーンに蔓延する日本でトリクルダウンが起きるとも思えません。

このような政府と企業幹部が癒着した腐敗した政治スタイルは縁故資本主義と呼ばれるものであり、新自由主義と同一のものとして語るべきではありません。縁故資本主義は倫理的にも正当化されるものではありません。

また、硬直化した教育行政などによって労働者への職業的教育が時代に対応したものにならず、教育の質が向上した途上国労働者との競争に敗れたことによる所得減少は政府の失敗ではないかと考えます。筆者の教育の考え方はこちらを参照ください。(「教育無償化」の憲法明記という思考停止を超えた改革を

日本の問題は言論のイデオロギーの幅の狭さ、役所関係者以外の言論空間への参加を希望

長くなってしまいましたが「何を言いたいか」というと、「新自由主義」でもないものが「新自由主義」だと見えてしまう現在の日本の有様は、言論空間に参加しているアクターが、

・左派系の大学研究者
・役人または元役人
・グローバルなリベラルエリート
・大企業お抱えの総研の人

というエスタブリッシュメントばかりであって、日本の言論空間の中央値が大きく左に寄り過ぎており、イデオロギーの方向性を議論するほどの自由度がないということです。米国で言うならサンダース支持者やヒラリー支持者の声ばかりということになります。

筆者は何度もベンチャー企業の立ち上げに関わってきましたが、毎回のように役所の規制(しかも不明瞭な)に悩まされます。自営業者、中小企業、ベンチャー企業、フリーランスの方は役所から目をつけられるのが嫌なので公の場で堂々と政治的な発言しません。(彼らを政策的に代弁するヘリテージ財団のようなシンクタンクもありません。)

それを良いことに日本では左派寄りの言論人が幅を利かせすぎており、政策議論のイデオロギーの振れ幅の健全性が完全に失われた状態となっています。そのため、欧米の基準で言論のイデオロギーを表面的に分類しているように見えても、本当は顕微鏡で見るような誤差の範囲に過ぎない違いを無理やり区分している状況となってしまいます。

一例を挙げるなら、新自由主義を支持している米国の共和党保守派の大統領予備選候補者であったテッド・クルーズは商務省廃止論者でした。(日本の経産省廃止に相当)経済産業省のペーパー程度の内容が「新自由主義的な要素が含まれている」と過大評価を受ける日本とは全く別次元です。

上記の日本の言論制約の中で作られた同ペーパーに明確なソリューションが無いことは当然だと言えます。なぜなら「そこ」には答えはないからです。

現在の言論空間の貧困状況を続けるならば、10年後にもほぼ同じ内容のペーパーを経済産業省は提出していると断言させて頂きます。そして、その頃には確実に政府は更なる肥大化を遂げていることでしょう。



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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2017年05月03日

ヘリテージ財団訪問、対日政策の担当者と面談

無題

ヘリテージ財団訪問を訪問、世界の自由化と対日政策担当者と面談

Heritage foundation(ヘリテージ財団)を訪問し、Bryan RileyシニアアナリストとRiley Walters リサーチアシスタントにお会いました。

ヘリテージ財団はトランプ政権を支えるシンクタンクであり、Bryanさんは自由貿易政策の専門家で、NAFTAを締結した際のグラスルーツキャンペーンの責任者でした。現在世界各国の経済自由度を測定するEconomic Freedom Indexを作成する責任者です。

Rileyさんは上智大学に留学していたこともある人物で、日本語ベラベラでした。やはり自由貿易の専門家であり、日本の政策に関しては紳士でいい人だけれどもかなり厳しめ(笑)そして、ペンス副大統領に近いポジションであり、対日政策のアドバイザーでもあります。

特にRileyさんからは「日本の保守と米国の保守は考え方が全く違いますよね。」と言われて、拙著「トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体」(祥伝社)を読まれているのかと思いました・・・冗談です(笑)

ヘリテージのIndex of Economic Freedomの日本語訳の許可を頂く

今回、ヘリテージ財団を訪れた理由は、Index of Economic Freedomという世界の経済自由度を評価するレポートの日本語版での翻訳に関して許可を頂くためです。ヘリテージ財団側からは快く快諾を頂きました。(協力して頂ける出版社は随時募集しています。)

Index of Economic Freedom

この指標は世界中の国々(一部は都市)の経済自由度を測定し、それらの状況をランキングしているものになります。各国の中長期の経済成長の可能性を知る上で非常に有益なものとなっています。

2017年版では日本は40位であり、ルーマニアやジャマイカの同じくらいとして評価されています。日本の場合は高い民間の競争力で稼いだ点数を非効率な政府部門の評価によって点数が著しく下げているという残念な結果になっています。

モンペルランソサイエティ―でエド・フルナー所長にもお会いする予定

今回、訪米している中で5月のモンペルランソサエティーに参加することが本格的に決定し、同会議でヘリテージ財団創設者のエド・フルナー氏に会うことになりました。エド・フルナー氏はヘリテージ財団の創設者であるとともに、トランプ政権の最高顧問でもあります。

訪米している最中にヘリテージ財団内での人事変更があり、ジム・デミント所長が辞職されることになり、エド・フルナー氏が再びヘリテージ財団の所長に就任されたことからホットな話が聞けるのではないかと期待しております。



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