2015年12月22日

書籍紹介(2)「当確師」真山仁、選挙版・ハゲタカ!

当確師
真山 仁
中央公論新社
2015-12-18



「選挙版ハゲタカ」、全580回話の連載、市長選挙を描いた選挙小説の決定版


真山仁さんと言えば、NHKドラマとして大ヒットを記録した「ハゲタカ」の著者として知られています。ハゲタカは経済小説として緻密さ、アッと驚く展開、そして濃いキャラクターという3拍子揃った作品でした。

その真山氏が経済小説ではなく選挙小説の領域に「タカ」のごとく挑戦した作品が「当確師」です。選挙では一般的に「当確」とは選挙報道で開票直後に目にする「当選確実」報道のことを指しますが、その当確が確実に出るように選挙の帰趨を決めてしまう選挙プランナー「当確師」聖達磨が主人公の物語です。

「政治家が主人公ではない」という独特のキャラクター設定の政治小説

米国では選挙のプランニングは一般的に行われているものであり、世論調査、争点設計、組織整備、広報担当、WEB担当、その他諸々の専門家が協力して一つの選挙を組み上げていくことが一般的です。

日本では公職選挙法の不毛な壁によって民主主義が未成熟な段階にあるため、従来までは元秘書などの経験則によるインフォーマルな助言などが細々と行われている状態でした。しかし、現在では選挙プランナーの第一人者として有名な三浦博さんや若い腕利きのプランナーである松田馨さんのような方々も増えてきており、政治業界自体に新風が吹きこまれている環境にあります。

法整備の不足などから難しい問題があるため、実際の動きは限定的にならざるを得ないものの、政治活動に科学的な手法が浸透してきていることを喜ばしいことです。そして、そのような選挙プランナーの様々な側面をエンターテイメントとして描いた作品が本作となります。

テレビドラマ化される可能性もあるのでは?、「ハゲタカ」のスリリングな展開は健在

本作はテレビドラマ化される可能性もありそうと睨んでおります。それは読み物として非常にスリリングかつ「濃い」キャラクターの面々が登場するからです。「この役は誰がやるのかな」と思うとこも多々あり、配役を考えながら読み進めてみるのも面白いかもしれません。

個人的には「デモで民主主義は守れない」の売り文句に大いに賛意を示したいと思っています。民主主義とは投票してナンボの世界なので、その現実を真正面から描いた本作は、真山仁さんから国民への「民主主義とは何か」という問題提起とも言えるでしょう。

本作以降のシリーズ連載に向けて是非ともヒットしてほしい作品です。アマゾンや本屋さんで見かけたらぜひ手に取ってみてください。インパクトがある表紙が目印なので分かりやすいと思います。

当確師
真山 仁
中央公論新社
2015-12-18



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yuyawatase at 21:37│Comments(0)書籍紹介 

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