2015年12月18日
トランプNG、習近平OK、英国はダブルスタンダードなのか?
英国でトランプ入国拒否に36万人弱が署名する事態に
英スコットランド自治政府は共和党予備選挙で首位のドナルド・トランプ氏を「ビジネス大使」から解任しました。さらに、スコットランドの大学は同氏の名誉学位をはく奪。国民からもトランプ氏の入国禁止措置を求める署名が36万人筆集まる事態となっています。
トランプ氏のムスリム入国拒否は欧米・中東を中心に波紋を拡げましたが、英国のダブルスタンダードはここに極まれりということになるでしょう。たしかに、トランプ氏の提案は現実味及び政治的な正しさの観点から疑問符がつくものの、トランプ氏を批判する一方で英国は現役の独裁者と黄金時代を築いているからです。
現役の弾圧者である習近平国家主席は歓迎した英国人の二重基準
2015年10月英国に中国の習近平国家主席が公式訪問し、エリザベス女王やキャメロン首相らの要人が歓待したうえに、原子力発電所に対する巨額のディールを成功させました。習近平訪英の経済効果は約5兆円とも言われていますから、安倍首相がインドのモディ政権を訪問した時のように大歓待も受けるでしょう。
その際、様々な英国らしい皮肉を込めた対応が行われたと一部報道(ダライラマと親しいチャールズ皇太子の欠席など)されていましたが、独裁体制を敷く民主主義国でもない国、しかもトランプ氏と異なり現役で自国内のイスラム教徒を抑圧している人物を喜んで受け入れて見せたわけです。
国内でこういうダブルスタンダードを普通に通用させるところが、やっぱり欧州人というのは昔から変わらないものだなと思い、残念であると思うとともにその強かさは大したものだと思います。大きなお金を受け取りながら、外国向けの情報発信では「本意ではない」みたいな情報が伝わってくる情報コントロールぶりは見事です。
英国の本質、エスタブリッシュメント社会の重視という一点では筋が通っている
ただし、表面的にはダブルスタンダードなわけですが、英国がエスタブリッシュメント社会であるという点から見れば、トランプ氏はNG、習近平国家主席はOK、となるというのは分からないでもないです。
既に権力の座についている人物については多少気に入らなくても受け入れるものの、本気でエスタブリッシュメント社会を破壊する可能性がある人物は受け入れられない、という思想は、エリート社会の英国ではあり得るのかもしれません。
その意味では英国は一貫して筋が通っているのであり、王室や貴族が現存する英国らしい対外姿勢であり、英国社会を理解するためには貴重な出来事だったと思われます。
英国の外交力の高さ(要はダブルスタンダード能力)は大したものですが、それが今後の国際社会でも通用し続けるのか、今後も興味が尽きないところです。
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yuyawatase at 18:00│Comments(0)│米国政治
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