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2015年12月14日

日本を元気にする会の安保法制付帯決議が機能しない理由

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日本を元気にする会が実現した安保法制の運用時のチェック機能の追加

今夏の安全保障法制は日本を元気にする会によって安保法制の運用時に議会によるチェックが実施されるという付帯決議が盛り込まれて法案が可決することになりました。

実質的な集団的自衛権の行使について、附帯決議により例外なき国会の事前承認が必要となり、全ての事態で、180日ごとに国会への報告がなされること、国会での中止の決議により自衛隊を海外から撤退させることができることなど、多くの点でチェック機能が働く可能性が生まれたことは良かったと思います。

この点について少数政党である日本を元気にする会は仕事をしたということが言えるでしょう。また、私自身も安保法制を廃案にする必要はなく、むしろ憲法改正が必要だと思っているので妥当な判断だったと思います。

議会によるチェック機能は働かないということを自ら証明した井上議員の離党

しかし、12月に入ってからの井上議員の離党騒ぎは、議会による政権のチェックということが如何に困難であるかということを証明することになりました。

井上議員の離党は政権による引き抜き工作の結果だと思いますが、選挙や利権によって左右される国会議員らは対政権という立場で極めて脆弱な存在であり、彼らの自発的な意思でチェック機能を働かすことは至難だということです。

戦前も国家総動員法などでは事前チェックなどが行われる仕組みがありましたが、政権・軍部からの圧力や国際動向の変化に屈した議会は無力なまま、日本国民の生活への統制を承諾し続ける結果となりました。

もちろん、安保法制は国家総動員法と比べれば内容的には妥当なもので一概に比べることはできませんが、「国会議員の意思という脆弱な要素に頼れば議会によるチェックの形骸化が生じる」という意味では反省すべき先例ということができるでしょう。

議会によるチェック機能は働かせるには、国民による議会への常時チェックは必要不可欠

議会によるチェック機能を働かせるには、国民による議会への常時チェックが必要不可欠ということになります。各議員が個別の案件についてどのような態度を取ったかということ、それらに対する国民の意見表明が同議員の選挙の当落に直結するような結果を生み出すことにつながることが大事です。

日本を元気にする会はこの点について決定的な失敗をしたと感じています。

それは所属国会議員らが今回の付帯決議を通すために、自らが導入した割合投票(党員の投票結果の賛否に従って国会議員が賛成・反対票を投じる)を行わなかったことです。つまり、議会によるチェック機能を政権に付帯決議として追加するために、自らに対する国民の議会に対するチェック機能を捨てた、ということが言えると思います。

上記のとおり、国民による議会チェックシステムすら機能させる気がないのですから、所属議員が突然離党して最大与党入りする、つまり議会によるチェック機能を放棄しても何らおかしくありません。

結局、重要なことは国会議員の当落を左右する力を政権が持つのではなく、有権者が積極的に利益集団を形成して力を持っていく必要があるということです。既存の無党派層は舐められて当たり前なので、政治に対して意見を言える集団を作り上げていくことが重要です。






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yuyawatase at 12:00│Comments(0)国内政治 

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