2015年12月08日

2016米国共和党予備選挙、トランプ爆走を止めるのは誰か?

無題


2015年10月~11月の各候補者の支持率推移について振り返る
 
本ブログでは、2016年米国共和党予備選挙について、過去3回に渡って分析を行ってきました。

支持率の変化から見た共和党大統領選挙予備選挙(11月6日)
マルコ・ルビオ上院議員、米国共和党予備選挙で注目(11月16日)
ドナルド・トランプの強さの秘密を徹底分析(11月25日)

この中で予測として当たっていたことは、(1)ドナルド・トランプの支持率は落ちない、(2)ベン・カーソンの支持率は落ちる、(3)マルコ・ルビオの支持率は上がる&ブッシュは支持が低迷する、の3点です。これらはすべて的中したことになります。

上記の程度のことは米国側の政治情勢を理解して情報ルートを持っていれば当たり前のように分かることです。まあ、私が9月くらいに会った日本人の米国研究者・米国通の政治家らは「ブッシュが来る」「スコット・ウォーカーが来る」「トランプは落ちる」とかいい加減な話をしてましたが。。。

米国共和党大統領候補・予備選挙の主要なプレーヤーは来年1月中旬~末に確定する

とはいうものの、米国共和党の予備選挙の指名を最後まで争うプレーヤーは来年1月中旬~末に確定することになります。現時点ではトップを独走しているトランプはダントツなので1枠確定として、追加で2名程度1月下旬までに生き残りが確定することになるでしょう。

なぜなら、3月2日~5日に予定されている共和党保守派最大のイベントであるCPACにおける保守派運動員による模擬投票は実質的に共和党予備選挙に決着をつけることになるため、その1か月前までに各候補者は自分の指名の可能性に見切りをつけるからです。
 
そのため、12月末~1月初旬にかけて既存の候補者らが退陣することで、彼らが獲得していた票が他候補者に集約された時点で大きく票が動くことになるため、現時点ではかなり予測が困難な状況と言えます。

「ベン・カーソンとテッド・クルーズは生き残らない」と予想する

本ブログが過去でベン・カーソンが生き残らないと予想した理由は、彼の支持率が保守派の草の根運動に支えられたブームに乗ったものだからです。

共和党大統領候補・予備選挙では一時的に保守派の特定の候補者が人気を集めた後に支持率を急落させる傾向があります。そして、再び別の保守派の候補者が急落した候補者の支持を奪って上昇していく形となります。それが今回のスコット・ウォーカー、ベン・カーソン、テッド・クルーズの3氏の支持率の変化の要因です。

これらは保守派の候補者は共和党穏健派・民主党にシンパシーが強いメディアからの凄まじいバッシングに曝されるため、長期間の高い支持率を維持することは困難なことに起因します。逆に保守派は候補者を濫立させることで、保守派が一人潰されても直ぐに次の候補者に乗り換えるという対処策を取っているようにも見えます。

現段階で高い支持率にある、ベン・カーソン、テッド・クルーズの両氏は1月中旬まで高支持率を維持できるかは極めて疑問です。

最後に生き残る候補者を数字の足し算・引き算から予測してみる

現在、穏健派、保守派、トランプ、という3つのグルーピングで分けた場合の支持率合計は、12月7日発表のRCPアベレージの数字を用いて計算すると、

穏健派・・・合計23.6ポイント(ルビオ、ブッシュ、クリスティー、ケーシック、パタキ)
保守派・・・合計39ポイント(カーソン、クルーズ、フィオリーナ、ハッカビー、ポール)
トランプ・・・合計30.3ポイント

というポイントになるわけです。現段階で高い支持率がある保守派のカーソン及びクルーズがメディア・バッシングを受け続けて失速する可能性が高く、ハッカビー及びポールも伸び悩むであろう中で、フィオリーナに保守派の支持が集まる動きが出てくるでしょう。

保守派の候補者らが撤退していくと同時に、穏健派もブッシュ、クリスティー、ケーシックの撤退が予想されるため、マルコ・ルビオに支持が一元化していくことになると思います。(ルビオにスキャンダルがあればブッシュ)

トランプの弱点は他候補者との親和性が低いため、穏健派・保守派が脱落していく数字のうち10ポイント以上獲得できるかどうかが勝負の分かれ目になるでしょう。5ポイント前後の吸収率では最終的な穏健派・保守派の候補者の合同数字には敵わないことが予測されるからです。

注目すべき点は3月CPAC前にトランプが他候補を突き放せるか

CPACはAmerican Conservative Unionという全米最大の保守派団体が毎年開いている年次総会であり、上述の通りCPACで行われる模擬投票で事実上の候補者が内定します。

現在、穏健派だけでなく保守派からもトランプへの風当たりはかなり強い状況だと思います。

トランプは強力な草の根組織を持つ保守派からも独立した存在であり、穏健派候補者以上にアンコントロールだと考えられているとともに、民主党のヒラリーに勝てるかどうかが危ぶまれているからです。

そのため、CPACでの投票でトランプが勝利することは困難ではないかと予測します。トランプは保守派の年次総会であるCPACで模擬投票が行われる前に事実上の決着をつけることができなければ極めて苦しい立場に立つことになるでしょう。逆にトランプ以外の候補者はCPACまで粘り切れば逆転の芽があるということになります。

したがって、2016共和党大統領候補・予備選挙の勝負の見どころは1月~2月でトランプが他候補者を突き放すか否か、ということになります。ますます面白い展開になりそうです。

大富豪トランプのでっかく考えて、でっかく儲けろ
ドナルド・トランプ&ビル・ザンカー
徳間書店
2008-07-17



 

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yuyawatase at 07:00│Comments(0)米国政治 

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