支持率の変化から見た共和党大統領選挙予備選挙日本で「小さな政府論」が起きないのは司馬史観が原因

2015年11月07日

大阪W選挙は野党第一党を実質的に決定する選挙


おおさか維新

大阪府知事選挙・大阪市長選挙のW選挙が持つ国政選挙上の意味について、政界関係者を含めて理解していない人があまりに多すぎる状況です。大阪W選挙は自民党に対する国政上の野党第一党を実質的に決める選挙であると理解すべきです。

大阪W選挙の前提、「民主不在」の大阪市政という特殊環境

橋下氏の「おおさか維新の会」について考察する際に重要なことは、大阪市内の政局状況は国政とは決定的に異なるということです。最大の特徴は「民主党」の議席が大阪市会議員選挙では「0」だったということです。(現在は無所属で当選した現職2名が民主系会派に属するものの僅か2議席のみ)

大阪市会議員選挙の結果は2014年衆議院議員選挙で維新に配慮して民主党が衆議院候補者を大阪市内で一人も立てなかったことも影響しています。つまり、大阪市内においては民主党は実質的に影響力を持たない状況であると言えます。

代表選挙などの様々な要素があったと思いますが、おおさか維新の会が国政において民主党と連携することを否定した背景には、民主不在という大阪市内の特殊な政治環境も強く影響しています。

既存政党の単独の組織力では維新の足元にも及ばないということ

大阪W選挙は自民・民主・公明・共産などの既存の組織政党の組織力が束になって、大阪維新の会という新興勢力と向き合っているという構図です。その上で府知事選挙においては維新勝利が確定、市長選挙においてはほぼ互角の戦いという状況になっています。

重要なことは既存の組織政党は「単独の組織力では維新の足元にも及ばない」ということです。つまり、自公ならまだしも、たとえば民主党のみであれば維新に一蹴されて終わるレベルです。

このような現象は大阪特有の状況として発生していますが、大阪W選挙の両方で維新が勝利がした場合、大阪市長を引退した橋下氏の全国的なメディア露出が始まることで全国に維新の影響力が波及していくことになるでしょう。

全小選挙区に維新の候補者が立てば「民主党はほぼ全滅する」ということ

衆議院小選挙区は1人しか当選できないため、浮動票依存割合の高い民主党は「維新」の候補者が同一選挙区に立つことによってほぼ全員落選することになります。ほぼ全ての小選挙区で「自公の公認候補」が勝利するはずです。

また、比例票に関しては、橋下氏のメディア露出を通じて2012年衆議院議員選挙の第三極ブームまで得票数が回復する可能性があります。2012年衆議院議員選挙において、みんなの党は524万票、日本維新の党は1226万票を獲得して第三極の合計として1750万票を獲得しています。同選挙において自民党1662万票、民主党962万票、共産党368万票という状況であり、民主党を大きく上回って自民党の比例票に肉薄する可能性があります。

衆議院小選挙区の全てに支部長を配置して橋下氏がメディア露出を繰り返しながら選挙戦を展開した場合、民主党の国政候補者の大半は比例でも復活することはできず野党第二党に転落するでしょう。事態の深刻さに気が付いた民主党の保守系の転向も相次ぐはずで完全に終わりです。

また、参議院議員選挙でも前回のみんなの党の獲得議席が維新となり、比例においても大量票を獲得して民主党と議席数で並ぶか上回る可能性があります。現在の通常の予測でると比例で3~4議席程度だと思いますが、民主党が共産党と組んで左傾化を強めれば「維新」の得票数は飛躍的に伸びます。

仮に衆参同時の選挙となって「維新」が無理やりにでも300小選挙区に全て擁立すれば、民主党は崩壊して「維新」が確実に野党第一党になるでしょう。

民主党国会議員の「維新」躍進に対する危機感の無さは異常

民主党は現在国政において共産党と共闘するか否かということで党内が揉めていますが、大阪W選挙の意味するところについて危機感が無さすぎると思います。

これは「従来までの第三極が全国的に組織力が無い弱小政党であり、連合に依拠した民主党が小選挙区で候補者を擁立出来てきた状況」が「運が良かっただけ」ということを認識していないからです。

そのため、共産党と共闘するか否かというくだらない話に目が向いており、自分たちが全滅する危機が近づいていることを認識できていないのです。

従来までの「おおさか維新の会」が全国に候補者を擁立できなかった理由は「橋下氏が大阪から出られなかったから」という一点に尽きます。

橋下氏が大阪から出られなかったので、立ち上がれ、みんな、結などとの協力関係が必要になっただけの話であり、大阪という地域から離れて橋下氏が自由に行動できるようになれば、全国的に候補者を擁立していくことも十分視野に入ってくるでしょう。

おおさか維新の会が民主党と連携を推進した「維新の党」と決裂したことは得票の数字の上でも十分説明できることです。

大阪W選挙は野党第一党を実質的に決定する選挙になる

上記の分析から大阪W選挙は大阪府・大阪市だけの話ではなく、国政レベルでの野党第一党を実質的に決める選挙であることが分かります。

民主党が実質的に全滅して「維新」が勢力を伸ばすことは、保守的な議員数を増やしたい自民党にとっても望ましいことであるため、維新を後押しする意味も込めて2016年の参議院議員選挙は衆参ダブル選挙になる可能性も十分にあり得ます。

おおさか維新の会が大阪W選挙で勝利した場合、中長期的には自民と維新の二大政党政治が訪れる未来が来ることになり、大阪市長選挙でおおさか維新の会が敗北すれば民主党を中心に野党再編が進むことになるでしょう。

大阪という地方都市の選挙ではありますが、日本の国政上の進路も決める重要な選挙であり、選挙結果には大いに注目することが望まれます。






スポンサードリンク
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
yuyawatase at 12:00│Comments(0)国内政治 

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

支持率の変化から見た共和党大統領選挙予備選挙日本で「小さな政府論」が起きないのは司馬史観が原因