何故、NHKの大統領選挙報道は視聴する価値がないのか?トランプ勝利はトランプ支持者に対する思想差別が産み出した

2016年05月04日

「トランプはヒラリー・クリントンに勝つ!」5つの理由

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wikipediaより引用

だから、昨年からトランプが指名獲得するって言ってきたでしょうに・・・

最近は日本国内でもトランプ指名獲得を受け入れる方向が出てきていますが、昨年段階では「トランプ勝つかも?」というと、国会議員や有識者の皆さんから「頭悪い子扱い」されてきましたが、実際にはどっちが馬鹿なのかがすっきりして良かったと思います。

何故、反イスラム発言でもトランプの支持率は落ちないのか(2015年12月11日)

筆者に対して、ニヤニヤしながら、スコットウォーカーが来るって言ってた国会議員や僕らのコミュニティではブッシュと言ってた有識者の皆さんは息してますか?彼らも仕事なので何事も無かったように今後はトランプについて語り始めるんだろうなと思いますが・・・。

自分は心情的にはクルーズを応援していたので彼の撤退は残念ではありますが、これで共和党側のトランプ指名は確実になったものと思います。そのため、今回は大統領選挙本選での予想を述べて行きたいと思います。

大統領選挙本選でトランプはヒラリーに勝利することになるだろう

日本の大半の人は、取材不足のメディアやピント外れの有識者のコメントに毒され過ぎていて、「トランプVSヒラリーならヒラリーが勝つでしょう」みたいな見解を持っていると思います。

そのような見解を持たされていることは恥じるべきことではなく、むしろ米国大統領選挙について積極的に情報を収集している証拠とも言えるでしょう。

しかし、残念ながら、ヒラリー・クリントンは大統領にはなりませんし、ドナルド・トランプ氏が大統領になることはほぼ確定しています。

断言しますが、「ヒラリー・クリントンが大統領になる」という予測をしている有識者は「麻雀で安パイを切り続ける思考と同じ」で、「自分自身への保身で大統領選挙への見解を述べている」だけの人々です。現状のまま大統領選挙が終わって流局することを願っていることでしょう、まあ彼らは選挙に関して素人さんなので仕方がありません。

「トランプがヒラリー・クリントンに勝つ」5つの理由とは・・・

現在、トランプVSヒラリーという世論調査を行った場合、現状では「ヒラリーがトランプに勝つ」という数字が出ています。では、そのような状況でトランプがヒラリーに勝つと言える根拠は何でしょうか?

<第一に、「トランプ氏はまだ大統領本選モードではない」ということです>

ヒラリーは昨年から民主党側の指名確実であったため、最初から大統領本選モードで予備選挙を戦ってきました。したがって、ヒラリーの伸びしろはほとんど残っていないと思われます。

一方、トランプ氏は名実ともに共和党予備選挙を戦ってきたわけです。そのため、中道寄りの発言は原則として難しいため、現在までの米国全体での支持率はヒラリーよりも劣っています。(トランプ自身は共和党内で最左派と言えるくらいにリベラルです。)

しかし、今後はトランプ氏も大統領本選モードのイメージ戦略に切り替えていくことになるため、共和党の主流派を取り込むことに成功することでしょう。さしあたって、副大統領候補者を誰にするのか、ということでイメージが大きく変わることになります。

その結果として、トランプVSヒラリーの支持率は拮抗していくことが予想されます。つまり、今までは違うレースをやっていた人同士を同じ尺度で比べることがそもそも間違っているということです。

<第二に、「トランプ氏は共和党の選挙リーソスにアクセスできるようになった」ということです>

米国では共和党・民主党の支持率は元々拮抗しており、足元の選挙マシーンの実力も同程度とみなして良いと思います。トランプ氏が指名を獲得する形になったことで、トランプ氏は従来まで不足していた選挙運動のための足腰を手に入れることになりました。

共和党の予備選挙において、トランプ氏は徒手空拳によるメディア・コントロールのみで勝ち残りました。他候補者が選挙のための組織・ネットワークを十全に固めていた中での快挙と言えるでしょう。

トランプ氏の指名が確実になったことで、トランプ氏の下に初めて真面に選挙を行うための体制が整備されることになります。したがって、今後は共和党から支援を受けつつ選挙戦を展開することになるため、極めて組織だった強力なキャンペーンが行われることになります。

既に組織がフル回転で選挙戦に臨んでいるヒラリーやサンダースと比べて、この点においても伸びしろがあるということができるでしょう。

<第三に、「米国民主党内の分裂は極めて深刻だ」ということです>

民主党内の反エスタブリッシュメント層であるサンダース支持者はヒラリーに対する強い嫌悪感を持っています。そして、ヒラリーにとってサンダースの存在は喉に刺さった魚の骨のような形になっています。

ヒラリーはサンダース支持層を取り込むため、予備選開始当初の大統領本選モードのイメージ戦略を微妙に修正して、米国内基準の左派寄りのスタンスを取るようになっています。これはトランプ氏とは逆の方向で選挙戦で展開していることを意味します。

現在、全米での予備選挙ではヒラリーとサンダースはヒラリーが微妙に優勢という状況で、ヒラリー氏が今後の予備選挙で下手を打つと、ヒラリーとサンダースの両者が分裂して本選に出てくることも十分にあり得ます。

ヒラリーはサンダースを取り込もうとすると中間層の票を失うことになり、中間層を取り込もうとすると反エスタブリッシュメント票の行方が怪しくなるというジレンマの中にいます。共和党以上に本当に分裂しているのは「民主党」なのです。

サンダース氏はギリギリまで予備選挙を継続するでしょうから、ヒラリーはトランプ氏と比べて極めて不利な状況で今後の選挙戦を継続することになるでしょう。

<第四に、「選挙争点は「ヒラリーの健康問題になる」ということです>

ヒラリーは様々なスキャンダルを抱えていますが、最も深刻な問題はメール問題やベンガジの対応ではなく、彼女自身の健康問題です。既にトランプ陣営は昨年段階からヒラリーの健康問題を攻撃し始めており、大統領選挙本選も容赦なく同問題を選挙争点にすることが予測されます。

トランプ氏は昨年末自らの健康診断書を公開して壮健ぶりをアピールしました。これは明らかに昨年末段階で対ヒラリーを意識したキャンペーンを始めようとしていた証左です。ヒラリーは公務の期間中に度々失神・転倒・会議キャンセルを繰り返しており、現実問題として大統領の激務が務まるかは極めて疑問です。

ただし、その後トランプ氏は調子に乗りすぎてアイオワ州を軽視したために同州でテッド・クルーズ氏に敗北したことで、しばらく共和党内の予備選挙にリソースを拘束されることになってしまいました。

しかし、共和党の指名を獲得したことで、ヒラリーにとって最も弁明が難しい健康問題に焦点が戻るものと思います。選挙は政策を選ぶわけではなく人物を選ぶものであり、その人物が健康が怪しいという一点突破で、ヒラリーは米国という軍事国家の指導者として相応しくないということになるでしょう。

<第五に、「ヒラリーはトランプ氏に反応せざるを得ない」ということです>

選挙戦の基本として、弱小な勢力が勝つためには有力な勢力に自らの名前を述べさせることが重要です。現状においては優勢であるヒラリーの口から「トランプ」という言葉が発せられる度にトランプの支持率は上がっていくことになるでしょう。

トランプ氏にとってはヒラリーと同じ土俵に乗ることが最初の作業ということになります。そのため、初期段階では徹底的にヒラリーを攻撃するとともに、ヒラリーは終わった人物である、というキャンペーンを行うことになります。前述の健康問題も含めてヒラリーは過去の人という印象を有権者に植え付けようとするでしょう。

本来であればヒラリーはトランプを無視し続けることが有効な戦略となります。共和党予備選挙で失脚した主流派のジェブ・ブッシュ氏やマルコ・ルビオ氏はいずれもトランプ氏の「口撃」に反応したことで支持を失っていったことからも明らかです。

しかし、ヒラリーは現在サンダースとの予備選挙の真っ最中であり、サンダースを事実上支援することになる今後のトランプの「口撃」にコメントせざるを得なくなるはずです。その結果としてトランプ氏が引きあがるとともに、ヒラリーは落ちていくことになるでしょう。


以上、5つの純選挙的な理由でトランプ氏はヒラリーに勝利することになります。今後、日本国内ではヒラリーがトランプに勝つ、という誤った言説が氾濫することでしょうが、それらは11月の大統領選挙が終わる頃には全て間違いであったことが証明されるでしょう。なんせ、それらの言説を垂れ流している人は「トランプが予備選挙に勝つこと」を予想できた人は一人もいなかったからです。

ヒラリーが勝つ可能性は、最近支持率が回復してきたオバマ大統領がサンダース支持層をうまく吸収してヒラリーのサポートに回ることができたとき、ということになります。果たして、オバマ大統領がそれだけのことを実行できる余力を残しているかいなか。トランプ氏の共和党指名確実ということで、米国大統領選挙の行方はますます面白くなってきました。

スーパーパワー ―Gゼロ時代のアメリカの選択
イアン・ブレマー
日本経済新聞出版社
2015-12-19


本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。



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yuyawatase at 12:00│Comments(0)米国政治 

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