2016年04月17日
世界で最も質素な大統領・ムヒカ氏が支持される本当の理由
ホセ・ムヒカ大統領がウルグアイで人気な本当の理由とは・・・
世界で最も質素な大統領として有名なホセ・ムヒカ大統領。もちろん、筆者もホセ・ムヒカ大統領の政治姿勢は一つの主張として理解できるところもあると思います。
しかし、日本で行われた「ホセ・ムヒカ大統領の言うことはなんでも素晴らしい」キャンペーンは思考停止の典型であり、ウルグアイでホセ・ムヒカ大統領が何故人気なのか、の一側面しか取り上げていないように感じます。
ウルグアイでホセ・ムヒカ大統領が人気の理由は、彼の在任期間中の経済実績のそれなりのパフォーマンスによるものであり、ウルグアイ国民が支持している理由は彼の発言内容だけではないのです。
リーマンショックからの景気の回復で好パフォーマンスだった在任期間
ホセ・ムヒカ大統領の経済成長を否定する発言からは想像できないほどに、ウルグアイは同大統領の在任期間中に経済成長の果実を得ることができました。
同大統領の在任期間は2010年3月1日~2015年2月末なので、彼の在任期間中は世界経済の回復に合わせた南米の途上国らしい経済成長率を記録しています。
つまり、ホセ・ムヒカ大統領の発言とは「うちの国は経済成長しちゃって仕方がない。でも、そこには幸せがないのだ」という無いものねだりの発言です。どこかの国ように「経済が第一」と言いながら、マイナス成長を記録している残念な国家の諦めの念とは真逆の趣旨であることを理解するべきです。
南米においてはウルグアイは着実に成長してきた歴史があり、一人当たりのGDPはアルゼンチンらを抜かして第3位の高さを誇っています。(2014年)そして、現在、同国はまさに三丁目の夕陽が失われるプロセスの中にあるわけで、経済改革が進まず低迷する日本が「これからは成熟社会だ」という敗戦の弁を述べるのとはわけが違います。
ただし、大統領の在任時の経済パフォーマンスは「運が良かっただけ」かもしれない
それでも、ホセ・ムヒカ大統領は「経済成長をさせた上に、本人も清廉で立派な人物だ」という人もいることでしょう。しかし、そういう人は上記の経済成長率の数字を良く見てほしいと思います。
ホセ・ムヒカ大統領が就任した2010年から2015年、ウルグアイ経済は2014年・2015年には5%を切る状況となっています。これはリーマンショックがあった2009年未満の数字です。一応数%のプラス成長ですが、近年のウルグアイの経済成長率からみると疑問符が付く数字です。
そして、政権についた直後の経済パフォーマンスは、タイムラグの関係から前政権の経済政策の結果が反映されるものであり、彼の政権後期及び退任直後の数字こそが彼の評価に値するものだと思います。
ホセ・ムヒカ大統領の闘争の人生に敬意は表するものの、やはり経済運営者としてはイマイチな感じがしますね。したがって、彼がもう1期大統領を務めていたらその評価は大きく変わったのではないかと推測します。
良い人なんだろうなーと思うものの、日本国内の適当な報道を見ていると、なんだかなーと思わざるを得ないものがありました。偶像はやはり偶像に過ぎず、我々は現実の日本と戦っていく必要があると思います。
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