2016年04月06日

米国大統領選挙本選はトランプVSサンダースの展開に

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しばらく体調不良で更新が滞っていたものの、その間に米国大統領選挙情勢が大きく変化してきたようです。今回は、久方ぶりに米国大統領選挙の予測について書いていきたいと思います。

世界の命運を決める米国大統領選挙の構図は・・・

筆者にとっては当然の結果ではあるものの、トランプVSサンダースという本選構図がおぼろげながら姿を現してきました。半年前だと何言ってんの?と多くの有識者の皆さんが言っていた構図がリアリティーを帯びてきています。

代議員数獲得数は4月5日時点でトランプ758・クルーズ499、クリントン1298・サンダース1089ということで、トランプ1位は不変の状況であり、クリントン・サンダースの差は猛烈に詰まっています。

ちなみに、筆者はかなり前からトランプVSサンダースがあり得ることを指摘してきました。そのため、今から書くことはいい加減な米国研究者の人々よりも信ぴょう性があると思ってもらって良いです。

<過去記事から一部抜粋>
何故、反イスラム発言でもトランプの支持率は落ちないのか(2015年12月)
米国大統領選挙、トランプVSサンダースの究極バトルがあり得る?(2016年1月頭)

共和党の指名はトランプでほぼ決まり、決選投票逆転説は無根拠である 

筆者はトランプ氏が党大会までに過半数取れなかった場合、決選投票で厳しいのではないかという見通しを持っていましたが、病床に臥せっている間に過去の見解は周回遅れのものになったように思います。

現在の筆者の見解では、トランプ氏の党大会での指名はほぼ確実だと思われます。たしかに、トランプ氏が党大会までに過半数の代議員を獲得することは困難であり、おそらく決選投票になる可能性は依然として高い状況にあります。しかし、ドナルド・トランプ氏が党大会で指名を受けれなかった場合に大人しく撤退する可能性はほとんど無くなりました。

理由は2つあります。

第一の根拠はお金です。大方のイメージと異なってトランプ氏は最近までほぼ自己資金を使わない選挙を行ってきました。しかし、直近では20億円以上の自己借入を実施して選挙キャンペーンを行うようになっています。つまり、今までトランプ氏は自己資金を使わない手抜き選挙をやってきたわけですが、勝利を意識し始めたために、お試し期間を終了して資金的なリスクを取り始めたと言えます。そのため、サンク・コストが発生して引くに引けない状況になっていくものと思います。

第二の根拠は本選です。たしかに、現状においてはトランプ氏は本選でヒラリー・サンダースの両氏に対して世論調査で不利な数字が出ています。しかし、共和党はトランプ氏が代議員数1位の状況で指名を受けられなかった場合、独自の第三の候補者として出馬する事態を恐れています。その時点で共和党側の負けが確定するからです。トランプ氏がその状況を理解していないわけがありません。

したがって、決選投票でのトランプ敗北説は周回遅れの議論になっており、今後の焦点は共和党との落としどころとして副大統領候補者を誰にするのか、ということが重要になるでしょう。私見では、副大統領候補者として有力な人物はクリスティー、ケーシック、ルビオなどの主流派の予備選候補者、または女性のイメージが良い人物ということになるかと思います。

蛇足ですが、日本の大部分の有識者やメディアは私から更に1周遅れており、最近になってトランプ有力説をやっと認める現状否定論者ばかりです。上記の決選投票でトランプ敗北説にやっとたどり着いたといったところでしょう。

最近では米国研究者があまりにも使い物にならないため、コミュニケーションコンサルタントによるトランプの話術に関するどうでも良い解説が増えてきたり、彼の選挙用の発言にイチイチ反応する選挙音痴の外交専門家の論評が発表されていたり、本当に日本の対米研究は末期だなあと感じる次第です。

WSJで安倍首相がトランプ氏に対して懸念を示したそうですが、無能な外交ブレーンに乗せられて「一国の首相が米国大統領に最も近い人物に無意味ないちゃもんをつける行為」はリスクが高いので勘弁してほしいです。

サンダースはヒラリーを倒すことができるのか?かなり面白いことになってきた 

トランプ優勢は当たり前のことですが、筆者は民主党側のサンダースの巻き返しには驚いています。

最近のサンダースの勝利の大半は党員集会なので、予備選挙で今後も勝利できるかどうかは疑わしいのですが、クリントンがここまで苦しめられるのは意外な展開だと思います。

全国的な世論調査ではヒラリーとサンダースの支持率差は僅差であり、なおかつ大統領選挙本選では「ヒラリーよりもサンダースのほうが共和党候補者に対して強い」という結果が出ています。つまり、民主党側では本選で勝利するならサンダースのほうが良いのでは?という共和党側のトランプ評価とは真逆の現象が起きています。

ヒラリー陣営は現在の獲得代議員数及び特別代議員数でサンダースを上回っている状況ですが、万が一NY州で敗北することがあればその後は雪崩を打って崩壊する可能性があります。同州の世論調査で今年初めの頃までは余裕で20ポイント以上(場合によっては48ポイント)引き離していましたが、現在は10ポイント前後まで詰められています。残り2週間程度で接戦になることは明らかであり、ヒラリーはここで終わる可能性が出てきています。

数字を見た議論が必要であり、大統領候補者の発言に右往左往するのは役人だけで十分だ

外務省はトランプ氏が勝つことを予測できていなかったので、急きょトランプ対策班を作ってレーガン大統領とトランプ氏を比較する資料を慌てて作ってみたりしているらしいですが、米国政治を知っている人々から見れば「意味不明な作業」をしているだけです。

政治家でもトランプ氏の発言に本気でコメントしている人がいますが、「選挙用の発言と外交用の発言は違う」ことくらい、普段から自分も選挙やっているのだから理解してコメントしてほしいものだと思います。

要は数字でモノを考えるという当たり前のことをやることからスタートするべきでしょう。トランプ優位は「トランプは1回しか予備選の支持率で負けたことがない」という当たり前のことを認識すれば「小学生でも分かる」ことでした。また、現在サンダースがヒラリーを逆転できる可能性が出てきたことは世論調査の数字を見れば誰でも分かります。

そして、トランプ・サンダースに共通することは「真面目に選挙マーケティングに取り組んでいる」ということだけです。米国大統領選挙の解説で頻繁に語られている「トランプ・サンダースの両者の支持者が格差を問題にしている」という主張は「何の数的根拠もない印象論」です。共和党と民主党の支持者を同じ尺度で考えることがナンセンスだと何故気づかないのでしょうか?

今回の米国大統領選挙では、日本人が不得意な「数字で選挙を考える」という当たり前の思考を訓練するには良いケーススタディになったと思います。今後の展開が益々楽しみな状況となってきました。





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yuyawatase at 23:25│Comments(0)米国政治 

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