2018年01月21日

やっぱり政府閉鎖、その元凶は誰にあるのか?

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(CNN)

保守強硬派とされる共和党保守派が下院で妥協したことにより、連邦下院で暫定予算が通過した状況となっています。ただし、共和党が上院での暫定予算案に対する議事妨害を乗り越えるためには100票のうち60票が必要となります。そのため、共和党は民主党側から最低9人、共和党から3名の造反が予測される現状では民主党から12名の造反票を必要としています。

今回の暫定予算は国防費を除いた歳出削減を求める共和党保守派にとっては非常に屈辱的な内容であり、一連の交渉過程の中で民主党側が求める裁量的経費の大幅増加や児童医療保険プログラムの延長が盛り込まれてきました。その上で、共和党側は論争の的となっているドリーマーズとは切り離した交渉を行うことで政府閉鎖を回避しようと努力しています。3月第1週にドリーマーズへの就労許可が切れるために何らかの対処が必要とされており、予算とドリーマーズを結び付けた対応は事態を深刻化させるだけだからです。

しかし、最近の世論調査では民主党員はDACA(ドリーマーズに対する特例措置)が政府閉鎖回避よりも価値があると考えている人が多く、共和党員は政府閉鎖回避がDACAよりも重要と考えている人が多い状況です。共和党側のほうが政府機関閉鎖を回避するモチベーションが高く、民主党側はドリーマーズへの対応がなければ政府閉鎖も辞さない態度をとっています。

政府閉鎖が行われた場合、米国経済に一時的な影響があるものの、トランプ減税の影響も含めたプラス傾向が継続することで好景気を維持されることが想定されています。そのため、今回の政府閉鎖は中間選挙に向けた政治的な印象操作を狙って安全に実行することができる特殊なシチュエーションが生まれています。

具体的には米国主要メディアによって「実際には民主党による『何でも反対』によって政府閉鎖に陥ったとしても、その責任はトランプ大統領と共和党にある」という印象操作が実行されることになるでしょう。それらのメディアはリベラル派に著しく偏っており、民主党議員がトランプ発言を引用して必要以上に騒ぎ立てたことなども含めて、既に政府閉鎖に向けた世論形成の地ならしが始まっているとみなすべきです。(The Urban Folks読者には政府閉鎖が起きた場合の米国報道とそれを丸写した日本メディアの予定調和ぶりを生温かく見守ってほしいと思います。)

昨年の債務上限の引き上げ交渉の時のように、トランプ大統領には危機的状況下に陥る中で民主党側と直接交渉する可能性が残されていました。大統領が自ら大幅に譲歩した場合、民主党が申し出を袖にすることは国民からの同党の印象が悪化する可能性があるため、同党議員らは徹底した大統領へのネガティブキャンペーンを実施して距離を取っています。そのため、ほぼDACAに関する合意に至ろうとした会議でのトランプ大統領の非公式発言が「問題を解決することよりも問題を深刻化することを望んだ民主党議員」によってクローズアップされました。

米国民主党側はトランプ政権下での好調な経済状況を良いことに、政府閉鎖による社会的混乱をかえりみることなく政局上の危険なゲームを楽しんでいます。米国政界関係者の全ての言動は今年に予定されている「中間選挙のため」であり、米国で起きる政治的な出来事は選挙を理解しなくては読み解くことはできません。

政府閉鎖は東アジアや中東情勢における米国の活動にも支障が生じるために同盟国にとっても極めて迷惑な行為であり、米国民主党が良心をもって上院での暫定予算を通過させることに協力することを期待します。

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yuyawatase at 18:05│Comments(0)米国政治 

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