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2018年01月14日

東京都の真の改革は前年よりも予算を減らすことだ


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東京都の2018年度予算編成に向けて関係各局からの予算要求を査定する「知事査定」が正月明けの1月4日からスタートしています。

都税収入は景気が好調なことから法人関連の税収が前年比で1千億円超増加し、新年度の予算は前年当初予算の7兆110億円に迫る見通しとなっています。これは政策的経費が増加したことに原因があり、オリンピック関連予算や無電柱化などの予算要求が行われた結果です。


一方、都債は16年度決算の都債残高5兆4342億円が増加しないように調整し、将来世代に過度な負債を残さないための配慮も行われています。そのため、流行のエビデンス・ベースの事業費の見直しや事業へのサンセット条項の適用などを実施して870億円程度の予算の見直しが行われることになりました。


東京都の予算見直し努力は着実に進展しつつあり、都債残高の抑制や事業費見直しは一定の評価をすべきものと考えます。ただし、税収増やオリンピックなどが背景として存在するものの、今後の予算査定の中で東京都の一般会計予算が前年を上回る規模に膨らむ可能性があることは極めて遺憾です。


従来型の政治は「〇〇に予算をつけた!」ことばかりが「政策的な成果」として強調されることが多いのですが、そのような過去の時代感覚を終わらせていくことが大事です。


東京都の予算が膨れ上がるということは、企業による自発的な設備投資や個人による消費活動、それに伴うイノベーションの原資を奪っていることになります。本来、地方交付税を受け取っていない東京都には減税政策の実施という更なる景気浮揚策を実行できる可能性もあります。(ちなみに、野党都議会自民党の公約は個人住民税10%削減でした。)


たとえ減税政策を実行することは難しくとも、東京都も中長期的には高齢化問題を避けることは困難であり、社会保障費の支出を抑制しつつも将来的な財政難に備えて都債返済や基金の積み立てを行うことも重視されるべきです。


小池都知事は「高齢社会が東京が直面するテーマである」としてメディア取材に対して繰り返し述べていますが、単なるバラマキ政策の実施というよりも生涯現役の発想に立ったシニア世代の頑張りを生かすこと、つまり予算よりも考え方の転換を主張されています。


筆者も徒に予算をつけることを推進するよりも「更なる支出を抑制するために何ができるのか」ということを真剣に向き合うべきという考え方に賛成します。


そのためには「予算を増加させること(≒新しい政策を始めること)」が政治家の仕事であるという古い思考を捨て去る必要があり、メディアも「予算抑制や将来への備えをどれだけ実施しているのか」という観点から都市経営の在り方を見直した報道を行うことが重要です。


残念ながら、高度経済成長期の残滓をいまだに引きずる日本政治は「〇〇に予算をつけました!」ということが話題になる文化が残っています。そして、地方からこのような発想転換を主導することはほぼ不可能でしょう。


小池知事・都民ファーストの会(知事・与党)がこのような古い政治を捨て去って、責任ある政治、そして都市経営を行っていくことを望みます。



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