2016年02月28日

トランプを低評価するか否かは「情弱」のリトマス試験紙だ

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日本国内でトランプ氏を低評価する人々は「情報弱者」としての特徴を示している 

米国大統領選挙の共和党予備選挙において、ドナルド・トランプ氏が予備選挙序盤で圧倒的な好成績をおさめつつあります。2月に行われた党員集会・予備選挙で4分の3の勝利を記録することになりました。

ドナルド・トランプ氏は予備選挙に関する世論調査においてほぼ常に1位であるため、トランプ氏が予備選挙で着実に勝利を積み重ねるのは当然の結果です。敗れた初戦のアイオワ州党員集会は1位になったクルーズ氏と最終的な世論調査で競っていたので敗れることも予想の範囲内であったと言えます。

しかし、トランプ氏が日本に紹介される際に「暴言王」のようなバイアスがかかった情報が大量に流されたために、トランプ氏は日本ではすっかり低評価となりました。米国政治に興味がある人々から市井の人まで「トランプ=馬鹿=米国の終わり」という無根拠な思い込みが浸透しました。

筆者は「トランプ=低評価」は「常識」がある大人であるかどうかのリトマス試験紙だと思っています。その常識とは「バイアスがかかった情報を鵜呑みにしない、あるがままの情報を受け取る力」を持った人かということです。つまり、トランプ=低評価という図式を信じた人は加工された情報に対する耐性が無い「情弱」と言えます。以下、情弱の特徴も含めて解説していきたいと思います。

「情報弱者」は「情報が取れない人」「情報を信じ込まされやすい人」の2パターンに分かれる

一般的な意味での情報弱者とはデジタルディバイドによって、既存メディアからの情報を鵜呑みにせざるを得ない人々のことです。今回のトランプ=低評価という例でもメディアが垂れ流した大げさなデマに踊らされた人が沢山いたことは間違いありません。

筆者も国会議員や有識者らに会うなかで最初の頃は真面目に反論しましたが、最終的には面倒くさくなって「ああそうですか」という話しかしていません。日本の対米政策の現状はそんなもんだと思いますし、テレビや新聞を読んでいる市井の人とほとんど変わらないものと言えます。

二つ目は情報を信じ込まされやすい人です。人間は次々とそれらしい情報を追加で得るとそれらを信じ込みやすくなります。

たとえば、トランプ氏=低評価、という図式が流布されている状態で、トランプ氏の支持者は白人の低学歴ブルカラーだという言論が溢れかえりました。一部の支持者をピックアップすることでトランプ氏の政策もまともなわけがないという露骨な印象操作です。しかし、自分のことを有識者または米国に詳しいと思う人ほど、この情報に食いついてこれ見よがしにメディアなどで垂れ流してました。

上記の両方とも露骨な印象操作によって情報受領者の認識をコントロールしようとするものです。人間は自分が馬鹿だと思われることを嫌がります。そのため、〇〇を支持している人は馬鹿・人でなし、というプロパガンダは意外と効くわけです。米国のメディアで行われている中傷合戦をそのまま日本に輸入して真実かのように話すことが滑稽なことだと気が付くべきでしょう。

そもそもドナルド・トランプ氏はどのような人物なのか?ということを知らない

そもそもドナルド・トランプ氏がどのような人物かを知らない人々がトランプ氏を馬鹿だということ自体が非現実だと思います。

トランプ氏は不動産業を営む家庭で育ち、ペンシルべニア大学不動産学科を卒業。その後、1980年代のレーガン時代に不動産王として名を挙げて再開発、ホテル、カジノなどの数多くの事業を手掛けました。その後、1990年代に事業が破綻しかけた危機も乗り切ってフォーブスのトップ400社に返り咲く見事な経営手腕を示しました。近年、サブプライム問題などの苦境を克服した上で、現在の共和党の予備選挙に臨む状況となっています。総資産約2兆円を保有する稀代の事業家ということが言えるでしょう。

この人物が「馬鹿かどうか」はメディアがもたらす「余計な情報」が無ければだれでも分かると思います。トランプという固有名詞を伏せて、同じ人物への評価を聞いた場合に現在のトランプ氏に対する評価とは真逆の評価が返ってくるでしょう。

では、トランプ氏の選挙キャンペーンにおける政策面はどうでしょうか。トランプ氏が過激な発言を繰り返している理由は「選挙で勝つために他ならない」と思います。メキシコとの壁が云々、その他諸々の発言は常に彼の支持率向上に役立っており、トランプ氏は勝利に向けて極めて合理的な行動を行ってきました。

この際、重要なことは「トランプ氏を支持する人」と「トランプ氏」を同一視する人は「情弱」だということです。これは、吉野家(自分も好きですが・・・)を愛食する人と吉野家の経営者を同一視するようなものだからです。トランプ氏は集票上のマーケティングの問題で発言しているだけであり、それらの発言に反応する層とトランプ氏自身が同じことを考えているとは限りません。(むしろ、真逆である可能性すらあります。)

また、最近発表されたトランプ氏の外交ブレーンはマイケル・フリンという大物です。米国のスパイ機関である国防情報局(DIA、約1万7千人所属)のトップであり、CIAに匹敵する米国の安全保障を支える中枢機関です。フリン氏は外交政策で対立したオバマ大統領を激しく批判した人物として知られています。

同氏の政策の是非などはともかくとして、共和党の億万長者の候補者に外交面でも有力なアドバイザーがいることは当然でしょう。というよりも、トランプ氏の外交ブレーンがいないor脆弱であると想定すること自体が非現実な妄想だと思います。

実際、トランプ氏は早い段階でのディベートからフリン氏の主張する中東政策などと同一の趣旨コメントを行うことがありました。トランプ氏が外交下手という評価を下していた人々は、マイケル・フリン氏よりもまともなアドバイスができるのでしょうか?

人物評価を自分の確固たる視点で行うことで「情弱」から抜け出すことができる

「情弱」状況から抜け出すために、筆者がオススメしたいことは、少なくともリーダーとして人物を評価する際、

(1)過去に何人の規模の組織のトップ(代表取締役)に立ったことがある人物か
(2)過去に自分の裁量で幾らの資金を動かしたことがある人物か
(3)エスタブリッシュメントの言語を理解できる十分な学歴を持った人物であるか

という3点を見るべきだと言うことです。むしろ、この3つが満たされている場合、その人物の行動は極めて計算されたものである可能性が高く、表面的な発言などにイチイチ右往左往することが無意味なことであることが分かります。

人物評価の基準を他人の噂話(メディアでのコメンテーターの発言など)に依存しているようでは「情弱のまま」ということになります。トランプ=低評価という風潮を他山の石として、自分が情弱状態に陥っているかをチェックしていきたいものです。




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yuyawatase at 17:50│Comments(0)米国政治 

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