2017年06月23日

都議選のポイント、ドンとは何だったのか

内田茂
(都議会のドンと呼ばれた内田茂氏(引退))

小池劇場の第一幕、都議会のドンとの対決はまだ終わっていない

昨年の夏に行われた東京都知事選挙において、小池百合子氏は都議会のドンと呼ばれた内田茂氏と激しく対立、自公の傀儡であった増田寛也・元総務大臣を破って知事の座を手に入れました。

その後、小池知事は都議会において圧倒的少数与党であった都民ファースト(旧かがやけTokyo)では都政運営は不可能と判断し、この夏の選挙戦のため、公明党、連合、生活者ネット、共産党などの非自民全ての勢力を取り込んでの戦争に挑んでいます。

そして、元ドン・内田茂氏のお膝元である千代田区では、小池知事の刺客である樋口高顕氏がドンの後継候補者である中村あや氏との一騎打ちという情勢になっており、この1人区の勝敗は小池氏VS内田氏の因縁の対決に一定の決着をつけることになるでしょう。

今回の都議選は都民ファーストが公認・推薦候補者及び公明党で過半数の議席を得ることができるかどうかが焦点となっていますが、シンボリックな選挙区と言えば千代田区を除いて他にはありません。

ソリューション無き政治闘争は新たなドンを作ることに繋がる

ただし、都民ファーストの会と自民党の双方ともに、実はドンを根本から退治するための方策を示していません。なぜなら、都議会のドンは、東京23区制度、という自治の欠陥によって生まれたものだからです。

東京都23区は、通常の地方自治体と変わって多くの権限を東京都に取り上げられた状態となっています。それは東京という大都市経営のために必要なものとされていますが、その結果として東京都庁(≒都議会)に過度な権力が集中する構造が生まれているとともに、23区民には地方自治の意識が育ちにくい状況となっています。

自分の選挙区(地盤)を超えて他地域にまで隠然とした影響力を行使できる理由は、東京都庁によって東京23区がコントロールされて自律性を失っていることに原因があります。

そして、東京出身者が相対的に少ない東京都内において、東京23区制度によって一層の自治の希薄化が促進されて、都政のブラックボックス化や東京都庁からの天下りなどが放置された状況となっています。

現状のままであれば、千代田区で旧ドンの後継候補者が倒れたとしても、いずれ都議会の権限を牛耳る新たなドンが育ってくるだけの状態となることでしょう。

東京都から23区への権限の移譲こそが「ドンを無くす」ための最良の方策

筆者は以前に「都議会の「真の改革派」を見分ける簡単な方法」という記事をアップしました。簡単にいうと、東京都庁から東京23区(特別区)に権限を手放すことができる勢力が改革派だということです。

都民ファースト、自民党が自ら改革派を名乗っていたので、どちらかが「ドンを無くす」ための政策として同案を簡単でも良いので政策集で触れるかなと思っていたら、

橋下徹氏が「都民ファーストの会の公約が今の東京都政の問題点そのもの。彼らの公約のほとんどは23区がやるべきもの。」というTwitterでの投稿を行っており、日本維新の会が「都から区への権限移譲」を謳っていました。東京都民よりも大阪人のほうが東京の課題を分かっている、まさによそ者のほうが正直な意見が言えるものだなと感心しました。東京都は大阪と違って財政的余裕があるとはいえ、都民としては少々情けない話ですね。

恐らくは日本維新は議席を維持することは難しいと思います。しかし、都議会のドンが自民党から都民ファーストになるだけなら選挙をやる意味が無いため、大量に議席を保有する都民ファースト・自民党には選挙後に同政策を引き継いでくれることを願います。



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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yuyawatase at 15:12│Comments(0)国内政治 | 社会問題

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