2017年04月16日
トランプの再選準備は既にスタートしている
トランプは「再選」を狙って既に行動を始めている
筆者によく寄せられる質問として、「トランプは再選を狙っているのか?」というものがあります。
この問いについてトランプ本人ではないので回答が難しいのですが、トランプ自身は既に再選に向けたキャンペーン準備を開始していることは事実です。
連邦選挙委員会によると、トランプは、Donald J. Trump for President, Trump Victory, and Trump Make America Great Again Committeeという3つの組織を有しており、最初の四半期で13.2百万ドルの資金を調達して20人程度の職員を雇用しています。
DONALD J. TRUMP FOR PRESIDENT
TRUMP VICTORY
TRUMP MAKE AMERICA GREAT AGAIN COMMITTEE
主な支出先は選挙期間中からトランプのデジタル・マーケティングを担ってきた企業への支出であり、同企業の経営者であるブラッド・パースケルはペンス副大統領のスタッフであった共和党有力者のニック・エイヤーズとトランプ政権の政策実現に向けた新しいグループを作っています。
トランプの「再選」に向けた取り組みが功を奏するかは未知数
現職大統領が再選を目指すポーズを見せることは政治的な定石だと思います。再選を目指さない大統領は早期にレイムダック化してしまい、政治的な影響力を失ってしまうことでしょう。
トランプは元々支持率に応じて言動を変更する傾向を持っており、世論動向について常時把握するシステムを転がし続けることは極めてトランプらしい取り組みだと言えます。
ただし、現職大統領になった後も世論全体の動向は重要ではあるものの、ワシントンにおける議会とのやり取りなどはそれだけでは乗り越えられないものでしょう。その都度人気が取れる発言で自らのポジションを形成し続けるやり方は、政治的なログが明らかに取られてしまう大統領職の手法として正しいかどうかは未知数です。
オバマは無意味な文言を修辞的に重ねる天才であり、彼は退任まで自ら失政についてヌラヌラとうまく誤魔化し切ったものと言えます。トランプは逆に発言が明確な点に特徴があり、その都度発言の矛盾が決定的に目立ってしまう傾向があります。したがって、トランプの再選に向けた取り組みが功を奏すかどうかはいまだ不透明な状況です。
トランプ政権には再選に向けた取り組みよりも世界経済の先行きにも影響する選挙時の経済政策などの公約を粛々と実行してほしいものです。
本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。
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yuyawatase at 13:18│Comments(0)│米国政治
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