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2016年01月19日

「地方交付税」「基準財政需要額」という無根拠の固まりへの妄信

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地方交付税という出鱈目のバラマキ制度を廃止することが必要 


平成25年度の数字では、東京都から他都道府県への流出する地方交付税への持ち出しは

・地方交付税 6兆6695億5000万円 (都道府県・市町村含む)

という金額になっています。この巨額の財政流出は東京都・都内自治体以外の「地方自治体が行政サービスを提供するために必要な財源」の補てんとして使用されています。

この「地方自治体が行政サービスを提供するために必要な財源」の「補てん額」は、

基準財政需要額-基準財政収入額=地方交付税の受取額(補てん額)

という計算式で算出されます。つまり、必要な財源=基準財政需要額を大きく計算するほど、東京都からの財源流出は大きくなっていくことになります。

基準財政需要額の計算根拠は極めて不明瞭なものでしかない

では、その基準財政需要額は、どのように計算するかというと、

測定単位(国調人口等)×単位費用(法定)×補正係数(寒冷補正等)

という式に基づいて算出されます。人口などの規模(測定単位)、各行政サービスに必要な単価(単位費用)を掛けて、そこに寒冷地などの味付け(補正係数)をして導き出されます。

しかし、本音で話してしまえば、この計算式の根拠となる単位費用や補正係数などの大半は単なる惰性で決まっていると言っても良いと思います。どちらかというと、地方交付税の財源額に応じて地方に配分するための根拠作りとして使用されているとも言えるでしょう。

私自身もある単位費用の算出根拠について過去に調査に関わったことがありましたが、総務省の交付税課に電話で尋ねた際に「5年以上前の話は分からない」という衝撃の回答をされたことを現在でも思い出します。(ちなみに、継続調査の結果として、同単位費用は遡ると帝国議会時代の名残や自治労との折衝などの影響を受けていたことが分かり、個人的な感想として絶句しました。)

最新の単位費用の中には「地域の元気創造事業費」や「人口減少等特別対策事業費」も含まれており、もはや何のためのお金なのかもさっぱり分かりません。

そして、現在でも毎年のように地方自治体からは単位費用と補正係数に関する意見申出が行われており、「単なる政治的なパワーゲーム」と「財政事情の都合」によって決まっているのではないかとすら思います。(実際に大都市部には著しく不利な昼間人口、地価の割落し、普通態容補正の減額などが存在しています)

一人当たり基準財政需要額で冷遇される東京都、移住促進で財政問題は解決できる?

仮に、基準財政需要額の算定結果が正しいものとした場合、その結果から導き出される施策は「地方へのバラマキ」ではないことは明らかです。下記のグラフは東京都のHPから東京と普通交付税の算定結果についてから抜き出してきたものです。

基準財政需要額(都道府県比較)

上記のように、東京都は人口1人当たりの基準財政需要額(必要なコスト)が低いことが分かります。つまり、財政難の日本の懐事情に鑑み、政策としてそもそも実行していくべきことは、東京都から地方交付税の税金を取り上げることではなく、高コスト地域から低コスト地域への移住促進であることが分かります。

1人当たり基準財政需要額

しかも、東京都大都市部以外の地方交付税の人口1人当たりの基準財政需要額は増加傾向にあります。地方は一人当たりのコストが増加傾向にあり、中長期の財政的な観点からも、基準財政需要額の算定結果を大幅に減額していくか、地方の人口自体の更なる東京都への移動を行うべきことが分かります。

したがって、地方交付税制度の算定結果自体が地方交付税の非効率性を明らかにしており、同制度の廃止・見直しが必要であることを示しています。

基準財政需要額に基づく地方交付税というソ連型の計画経済システムの廃止

そもそも「〇〇の行政サービスには〇〇円かかります」という計算を全国一律に実施するという発想自体が思考停止の産物です。なぜなら、この広い日本で特定のサービスの価格を中央省庁の一部署が正確に算出して配分することなど不可能に決まっているからです。

日本国民はこのようなソ連型の計画経済システムの権化であるような時代遅れの地方交付税制度をいつまで存続させるのでしょうか?

世の中では東京都は「地方からの人口流入で大きくなったのだから地方にお金を払うのは当然」という言論が幅を利かせています。東京都などの都市部が何十年も前に雇用対策を引き受けたことを歪曲した話を信じている人がいるからです。東京都への労働者の自発的な移動を理由に地方への強制送金を正当化する理屈は「慰安婦問題で強制連行を主張する人々と同程度の論理」に過ぎません。

それらの言論は「現在の東京都民に実体的な根拠もなく掴みカネを要求する」タカリ行為を正当化する情けない論理です。もっと言うなら、このような制度が存続することは地方に住む人のまともな労働意欲を削ぐことになります。そして、地方経済に非合理な歪みを作り出して、健全な成長の芽を摘み取ることにもなるでしょう。

東京都民は上記のようなデタラメな地方交付税制度によって一人当たり毎月4万円以上の負担を強いられています。また、東京都以外の日本全体の経済は同システムによって根本から腐ってしまっています。

東京都民は目を覚まして怒りを表明する必要があり、東京都民の怒りが日本の再復活に繋がるものと信じています。

東京一極集中が日本を救う (ディスカヴァー携書)
市川 宏雄
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015-10-22


 

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