2018年01月13日

「加憲」は歴史的使命を終える自民党の延命策

ParadignShift

日本の与党・野党は戦後長らく「改憲か、護憲か」という不毛なイデオロギー対立によって、安全保障政策を含めた日本のビジョンについてまともに議論することなく過ごしてきました。私の世代にとっては既に冗談のような話になっていますが、特に憲法9条の改憲の是非に関しては両者を分けるイデオロギー上のメルクマークとして機能してきた経緯があります。

そのため、常識を持った議論ができる野党が日本に育つことはなく、健全な形の二大政党政治が生まれることもありませんでした。これは非常に残念なことではありますが、過ぎ去った時間を取り戻すことはできないので仕方ありません。


しかし、筆者は既に不毛な改憲論議を行う時代は終了しており、その結果が如実に現代の政局状況に表れているものと思います。


護憲勢力である野党はバラバラになっており、また再集合したところで彼らは改憲を押しとどめるだけの力を持っていません。これは改憲論議が事実上決着しており、改憲論議の片翼である「護憲」が歴史的な使命を終えたことの証左です。


一方、自民党は55年立党年に制定した「党の政綱」には「六、独立体制の整備平和主義、民主主義及び基本的人権尊重の原則を堅持しつつ、現行憲法の自主的改正をはかり、また占領諸法制を再検討し、国情に即してこれが改廃を行う。世界の平和と国家の独立及び国民の自由を保護するため、集団安全保障体制の下、国力と国情に相応した自衛軍備を整え、駐留外国軍隊の撤退に備える。」と記しています。


自民党は改憲を党是としており、その本気度は常に疑わしかったものの、党の根本的な存在意義は「現行憲法の自主的改正」にあったことは明らかです。


そして、現在の安倍・自民一強の状況とは改憲論議が事実上決着し、自民党が粛々と憲法改正を実現するフェーズに入ったことを象徴しています。


したがって、安倍・自民党によって改憲が実現された後、現在の「護憲勢力」と同じように自民党も歴史的存在意義を失って自然と消えていく存在と言えます。


与野党ともに「改憲後」の日本をどのようにするか、というビジョンはほとんどありません。現在の「改憲」「護憲」は明治維新時に「尊王」「佐幕」のキャッチフレーズに似たような政治体制の選択のみを語るだけであって、改憲後どうするのかという議論は明らかに不足しています。各党の憲法改正への見解内容が思い付きレベルの条文追加がメインとなっていることがその証左です。この体たらくでは政治のパラダイム自体が進展し、自民党も首相候補と呼ばれるような人たちも次の時代に生き残るかどうかは疑問です。


そこで、自民党延命のために持ち出された秘策は9条への加憲論です。一般的には、憲法9条に自衛隊を明記して第2項を削除する改憲案を採用することは、連立与党である公明党が難色を示しているために難しいと考えられています。しかし、実際には9条に中途半端な状態で加憲することで、自民党は「憲法9条の再改憲」という名目を維持することによって自らの存在意義を延命することが可能となります。


不完全な改憲論である加憲論を実現することによって、自民党は古くて新しい改憲目標を得ることで延命し、野党も護憲の旗を降ろさずに愚かな議論を繰り返すことができるわけです。こうして日本が次の時代にパラダイムシフトするはずであったところを時計の針を止めることが可能になるわけです。


「加憲論」は日本人を戦後のパラダイムに拘束し続ける要素を含んだ毒饅頭です。


日本の政治を健全な形の二大政党政治や価値がある政策論争という次元に移行させるためには加憲論を断固拒否し、憲法9条の抜本的な改正を実現することで自民党を含む与野党の歴史的使命を終えさせることで、その根本的な解体を迫ることが重要であると考えます。


日本国民は不毛な改憲・護憲の議論の継続を求めておらず、改憲後の新しい日本のビジョンを出せる政治を求めています。

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yuyawatase at 17:26|PermalinkComments(0)国内政治 | 社会問題
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2018年01月12日

入国禁止大統領令に対する訴訟とは何だったのか?

入国禁止

昨年、トランプ大統領による入国禁止の大統領令が話題となって米国では様々な訴訟が起きました。そして、米国のリベラル系のメディアが騒ぎ立てたことで、日本のメディアにもセンセーショナルな形で紹介されたことが記憶に残っている方も多いものと思います。

 

トランプ大統領による入国禁止の大統領令及び布告は昨年3度行われた経緯があります。大統領就任早々の1月に発行されたもの、一部の表現・既定の見直しが加えられて3月に発行されたもの、9月に北朝鮮やベネズエラを対象に加えられたもの、の合計3つです。

 

筆者も1月のトランプ大統領の入国禁止令が発令された際、日本のメディアに呼ばれて同内容について説明しましたが、トランプ大統領=トンデモ、というリベラル系の識者らの無知な論調の中で冷静な議論がほぼ行われなかったものと記憶しています。

 

トランプ大統領の入国禁止令は、当時イスラム国の実質的な消滅が予期されていた中で、テロリストが国際的に拡散してグローバル・ジハード化することを想定した入国手続きに関する見直し措置であることは明らかでした。

 

初期の入国禁止令の対象国は、米国国務省がテロ支援国家またはISISやアルカイーダなどのイスラム過激派が現在進行形で勢力を誇っているテロリスト・セーフ・ヘイブンとして名指していた国々であり、20161月に施行されたテロリスト渡航禁止法によって渡航または滞在歴がある人は米国のビザ免除プログラムが利用できず、ビザ申請をしなければならないという警戒対象国でした。

 

ただし、最初の第1回の入国禁止令の中に少数派の宗教信仰者の優先保護規定が盛り込まれたことが原因となり、本来は法的に無理筋であるはずの差し止め措置を求めて、宗教差別を理由とした違憲訴訟が濫訴されることになりました。

 

そのため、2回目の大統領令には同規定は見直しをされるとともに他の規定についても技術的な修正が加えられたものが再度発令されることになりましたが、1回目・2回目ともにリベラル派の影響が強い下級裁判所で無効判決が出る事態となりました。3回目の布告(大統領令の形式ではない)も現在下級裁判所で裁判の審理が行われている状況です。

 

しかし、既に最高裁においては2回目の大統領令については合憲とした結果が出ており、現在審理中の3つ目の布告について12月頭に最高裁が連邦控訴裁の訴訟審理中の期間の全面的執行を認めると判断する異例の対応を行っています。

 

つまり、最高裁は大統領が入管に関する権限を持っていることを事実上認めており、リベラル派のイデオロギーに侵されて偏向した判断を行う下級裁判所に定められた法律や判例に従うように諫めたことになります。この状況はリベラル側のイデオロギー闘争が行き過ぎたレベルに達しており、社会の分断を殊更強調して煽り立てている良い証左であったと言えるでしょう。

 

筆者は当初から入国禁止の大統領令は法令の一部文言に対する難癖のようなものとして理解しており、最高裁の判決及び行動は米国の良識を反映したものであると思います。そして、リベラル系のメディア・有識者らがバカの一つ覚えのように「社会の分断が・・・云々」と言うだけで、それっぽい識者に見える時代が早く終わってほしいものだと思います。

 

違憲訴訟を行う権利は当然に国民にはあるものの、それらの内容や意味を自ら吟味せずに政治的イデオロギーのみで騒ぎ立てる有識者・メディア(日本を含む)は自らの姿勢を反省するべきでしょう。

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yuyawatase at 12:00|PermalinkComments(0)米国政治 | 社会問題
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2018年01月11日

野党は規制廃止による増税回避を検討するべきだ


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少子高齢化の影響を受けて日本の社会保障費は増大の一途を辿り続けています。安倍首相は消費税10%の利用使途を変更して2020年のPB黒字化は早々に放棄したようですが、バラマキに次ぐバラマキを続けているのですから当然の結果と言えます。

日本の社会保障支出の伸びをこのまま放置した場合、消費税を上げ続けたところで経済も冷え込む結果として、消費税だけでなくあらゆる税収が低下し続けることは間違いありません。そのことは消費増税を実施するたびに不況に突入してきた愚かな歴史を見るまでもなく誰でもわかります。


一方、消費税ではなく所得税・法人税を引き上げろ、という議論もありますが、こちらも経済にマイナスの打撃を与えることは明白であり、企業や富裕層を痛めつければ良いという発想は個人のつまらないルサンチマンを満たすだけで生産的な議論ではありません。


ただし、財政支出を小さくする以外にも増税回避または増税幅を小さくする方法はあります。それは「規制の廃止」です。日本には2017年3月段階で1970年代の約2倍となる1967本の法律を含む合計8307本以上の法令が施行しており、政府によって有り余る規制が国民に押し付けられています。これらの規制の中から不要不急・経済損失が大きいのものから撤廃し、その経済成長の果実によって増税の一部の財源を充てることを意図するべきです。


たとえば、2016年に発表された東京圏(東京都と神奈川県の全域、千葉県成田市)の国家戦略特区の経済波及効果が計2兆4500億円と試算されています。これは都市計画法の特例による再開発による効果が大半だと思いますが、ほんの一部の建設に関する規制緩和の経済効果ですら莫大な経済波及効果を生み出す良い事例だと思います。


日本では一部を除いて規制が与える経済損失の大きさについて検討されたことがありません。各省庁の政策評価表を見ればわかりますが、規制に関しても各政策の費用便益について文章による屁理屈が並んでおり、その経済効果が具体的に算出されていることは稀です。そのため、非効率・非生産的な規制(そして、予算)が多数放置されて手枷足枷がつけられた状況となっており、日本の潜在的な経済成長の機会が奪われています。


規制廃止に伴う経済波及効果はその規制の性質によって異なるものの、経済波及効果の10~30分の1程度だと仮定した場合でも、日本全国で規制を徹底して廃止した場合の累積増収効果は莫大なものになることは容易に想像がつきます。規制廃止はそれに従事する行政機関のコスト削減にもつながり一石二鳥の財政改善効果を生み出すでしょう。


現在、このやり方は新たな打ち出の小槌のような話で現在は机上の空論に過ぎません。しかし、本来、野党陣営はこのような議論を用いて消費税再増税に対して反論していくべきものと考えます。増税のための財源をどこから取るのか、というゼロサムゲームの発想しかできない野党は必要ありません。もちろん規制廃止で増えた税収をバラマキに使用する与党も要りません。


国民は経済成長と財政再建を両立する政策を必要としています。政府は毎年の規制改革による経済波及効果の目標値を設定して規制の見直しと進捗管理を推進するべきであり、また、各政党は受け取っている巨額の政党助成金の一部を規制廃止による経済波及効果と税収増に関する調査・研究に割くべきです。

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yuyawatase at 18:00|PermalinkComments(0)国内政治 | 小さな政府
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