2017年04月27日

クリスチャントゥデイで「トランプの黒幕」の書評を頂きました。

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クリスチャントゥデイで「トランプの黒幕」の書評を取り上げて頂きました

神学書を読む(14)渡瀬裕哉著『トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体』

キリスト教系メディアであるクリスチャントゥデイで拙著『トランプの黒幕』の書評を取り上げて頂きました。

自分は洋の東西問わず神学や思想書が好きで結構読むことが多いので、同メディアで書評を頂いたことは新鮮であるとともに素直に嬉しいです。本書がキリスト教者の皆様のトランプ政権理解に少しでもお役立ちできれば著者として幸甚です。

トランプ政権とキリスト教の関係、その協調と緊張関係についての考察

トランプ政権は、共和党支持者が持つ極端なリベラルを排した素朴な倫理観を代表する政権であり、選挙戦の時には「ヒラリーでなければ良い」という敵の敵は味方という理屈もあって、特に共和党保守派が押し上げて作った政権です。その結果として、最高裁判事の人事などでは保守派のゴーサッチ氏が選任されるとともに、中絶を巡るメキシコシティポリシーの問題などでは成果を上げるに至っています。

しかし、トランプ自身は必ずしも敬虔なキリスト教徒ではなく保守派の体現する倫理観を共有している存在とは言えません。トランプは政敵に勝つために自身の思想信条をコントロールするタイプの人物であり、まさに商人スタイルの政治家ということが言えると思います。

したがって、トランプ政権と保守派(≒福音派)の間では政権の裏側では緊張関係が続くとともに、クシュナーなどの元民主党員が政権内で台頭することによる軋轢は高まるものと推測されます。

書評が増えてくると結構嬉しい、ということ

拙著『トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体』最初はどんな辛口の書評が出てくるだろうか、もしくは全く書評もつかないのではないか、と懸念していましたが、意外と様々なところで書評に取り上げて頂けるようになってきました。

相変わらずリベラルな大手メディアは国際政治学者らの「的外れなトランプ本」の書評ばかりを取り上げておススメしていますが、今回キリスト教福音派の研究をされているような「米国の実相に近い方」から評価頂けることは非常に光栄です。感謝いたします。



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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yuyawatase at 06:50|PermalinkComments(0)米国政治 | 社会問題
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2017年04月22日

北朝鮮有事、日本の「勝利」はどこにあるのか

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photo by MATTA odai by マエリベリ・ハーン

米国が北朝鮮に攻撃することは、勝者なきゲームに過ぎない

米国が北朝鮮問題に本腰を入れ始めた背景には習近平と張徳江の中国国内の政争があるものと推測されるわけですが、米国が本気になる大前提は北朝鮮の核を積んだICBMが米本土に届く可能性が出てきたことにあります。

北朝鮮の核やミサイルは日本や韓国などをそもそもターゲットにして久しいわけであり、在日米軍・在韓米軍はあるものの、米国の国内政局的なリアルに影響を与えていたとは思えません。

筆者は現状では米国の北朝鮮攻撃の可能性は極めて薄いと思います。しかし、仮に米国が北朝鮮を攻撃したとしても米本土はほぼ何も傷つかず、主な戦場となるのは韓国・日本です。その際、北朝鮮はミサイルだけでなくインフラテロで確実に都市機能が崩壊しにかかることでしょう。

また、北朝鮮から発生した難民問題に苦慮するのは中国・ロシアということになるでしょう。そして、北朝鮮も体制崩壊は必然であり、金王朝も終わりということになります。

つまり、北朝鮮に対して米国が実際に攻撃するという事態は、米国以外の全ての国々の負けがその場で決定します。そして、実際には米軍にも被害は出ますし、東アジア経済が混乱することで米経済も打撃を受けるという勝者のいない戦争が行われるに過ぎません。

米国はICBMさえ放棄させればOKであり、なおかつ核放棄をさせれば上々ということになります。北朝鮮有事を実際に発生させることは避けたい、ということが関係各国の指導部ほぼ全員の意図が一致している本音ではないかと思われます。

北朝鮮問題の「勝利」はどこにあるのか、日本人はどこを目指すべきなのか

日本は自由と民主主義の価値観を米国と共有する国だと安倍首相は何度も海外に向けて表明していますが、東アジアの理想はどのような状況か、というビジョンは実際には無いように見受けます。

そのため、この緊迫する事態に対して殆ど政治的なメッセージらしいメッセージも出せず、米国の同盟国として危機に慄くばかりの対応となっています。

北朝鮮有事が発生することは上記の観点から日本にとっては負けであり、現状維持またはICBMを放棄させたとしても負けに近い引き分けしかないゲームに参加していることになります。

安全保障上の脅威にさらされている日本人、北朝鮮に拉致された拉致被害者の方々、北朝鮮国内で圧政に苦しむ北朝鮮国民、そして東アジアの自由は、金王朝に脅かされ続けます。

もちろん、核とミサイル、そしてテロへの対抗策を整備していくことで、日本への安全保障上の脅威を緩和できるので大いに進めるべきです。更に難しいとは思いますが、現在議論されている先制攻撃能力の獲得やサイバー能力の拡充も急ぐべきです。

しかし、北朝鮮問題とは日本の安全保障が問われているだけではなく、世界の中、そして日本の隣国に圧政を敷く独裁国が存在していることについて、日本人としてどのように考えるべきなのか、というビジョンが問われている問題だと思います。

現在発生している事態は、北朝鮮という独裁国をコントロールするために米中の接近が生まれており、米国が軍事的・経済的にも大国でありかつ事実上の独裁国家である中国の東アジアにおける影響力を容認する方向に動いています。

日本は、北朝鮮や中国の政治体制を認めるのか、それとも自由主義・民主主義がアジア地域に拡がることを良しとするのか、仮に後者だとするなら米国も含めた国際社会に自国のビジョンを提示するべきではないでしょうか。

トランプ政権は中国政府を動かしましたが、日本は中国政府を動かすこともできず、米国政府を動かすこともほとんどできません。それは軍事力の不足も当然ですが、日本に本当はビジョンがないからに他なりません。

北朝鮮に対して中国が生殺与奪権を持っているのは理解しますが、米中のやり取りを傍観して追認するだけの存在のままで良いのでしょうか。

実際に有事が起きたときの脅威への対処で「負け」の被害を少なくすることは大事ですが、日本の「勝利」とは何か、それに向けて何をするべきか、ということをもう少し議論・準備しても良いのではないかと思います。



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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yuyawatase at 15:19|PermalinkComments(0)米国政治 | 国内政治
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2017年04月18日

100冊以上の米国政治・トランプ本から選んだ読むべき7冊

無題
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Newsweekが「70冊以上の「トランプ本」から選んだ読むべき3冊」という偏見に満ち溢れた読んではいけない本の紹介をしていたので、本ブログでも「100冊以上の米国政治・トランプ本から選んだ読むべき7冊」というタイトルで書籍を紹介したいと思います。

<1冊目>





トランプ政権を支えるシンクタンクであるヘリテージ財団のリー・エドワーズがまとめた、米国共和党内での保守派の勢力形成の歴史に関する著作。時系列で非常に整理された内容となっており、トランプ政権内における共和党内部における勢力争いを理解するために必読の書。

<2冊目>




日本の外務省職員がまとめた米国議会に関する入門書。日本とシステムがかなり異なる米国議会の動向を知るための基礎知識を提供してくれる一冊。

<3冊目>





近年の米国における選挙スタイルの変遷について良くまとまった一冊。米国における分断が何故発生するのか、政党のマーケティング戦略の違いから同内容を理解できる良書。

<4冊目>


トランプ自伝、普通に読み物として面白い。特に友人から選挙で応援する陣営をどうやって決めるかを相談されたとき、「勝てるほうに決まっている」と即応したくだりなどは最高にトランプ。

<5冊目>


トランプ現象について思想的な側面からまとまった良書。筆者とやや見解が異なるところもあるが、普段触れることがない米国の政治思想について触れる入門書としては良い。

<6冊目>

 
拙著。日本国内で通用している大統領選挙に関する様々な言説をデータから却下し、大統領選挙で本当時に起きていたこと、そして新しい日米関係がどこに向かうべきかをまとめている。

<7冊目>
プーチンの世界
フィオナ ヒル
新潮社
2016-12-12


トランプ政権におけるNSC欧州・ロシア担当にノミネートされているフィオナ・ヒルのプーチン分析本。同女史は北方領土問題にも長く関わってきた人物であり注目の一冊。

本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。 

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yuyawatase at 15:07|PermalinkComments(0)
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