2017年02月09日

なぜトランプの入国禁止措置に違憲訴訟が起きているのか?

トランプ

<トランプ政権は入国禁止を行う入管に関する権限を持っている>

本日はトランプのイラン・シリアなどの7か国からの一時的な入国禁止措置に関する違憲訴訟の狙いについて考えていきたいと思います。

メディア上では入国できなかった人々のお涙頂戴的な内容が流れ続けてきており、難民の入国などをいきなり制限するとは何事だ!きっと違憲に違いないと思った人もいるかもしれませんが、実はそのようなことは裁判の主要な争点になってはいません。

そもそも多くの日本人の多くは、トランプに一時的な入国禁止措置を講じる権限が無い、と思っているかもしれませんが、司法省法律顧問室で同措置が形式的には合法であると確認しており、同措置がただちに違憲になるということはありません。

<極めて米国的な事情に基づく違憲訴訟の観点とは>

では、米国では違憲訴訟で一体何が主に争点になっているのでしょうか。

本件では私たち日本人には馴染みが無い論点が違憲訴訟の対象になっています。

合衆国憲法修正第1条には「合衆国議会は、国教を制定する法律もしくは自由な宗教活動を禁止する法律、または言論・出版の自由もしくは人民が平穏に集会して不満の解消を求めて政府に請願する権利を奪う法律を制定してはならない。」と書いてあります。

本件で問題となっている争点は、今回の入国禁止措置が修正第1条で禁止している宗教差別、つまりイスラム教徒に対する宗教的な差別にあたるのではないかというものです。

単純な入国禁止措置だけでは過去にオバマやカーターが行った入国禁止措置もあり、司法省法律顧問室の形式的なリーガルチェックも経ているために大統領令を制止することが難しいものと思います。そこで、トランプ政権に反対する勢力は「修正第1条」を使った違憲訴訟に持ち込んでいる状況です。

特に政権反対勢力は「トランプ陣営の過去の発言」(イスラム教徒入国禁止など)を例示し、これがテロ対策ではなく宗教差別の意図で行われていることを立証するやり方を取っています。つまり、トランプ政権側としては大統領令自体の形式性よりも選挙期間中などの発言に基づく立法趣旨を問われる展開となっており、おそらくこの状況は多少想定外だったのではないかと推測します。

そして、何よりも本件では大統領令の違法性を単純な違法性ではなく憲法違反に持ち込んでいるところが最大の肝になってくるのです。

<目的は違憲判決から連邦議会における弾劾のコンビネーション>

今回の政権に反対する勢力の訴訟目的は、大統領令を単純に撤回させることだけではありません。むしろ、この大統領令に難癖をつけて違憲判決を得ることによって、トランプ政権を一気に瓦解させることが真の目的であるように推測されます。

合衆国憲法第2章第1条8項では、大統領は合衆国大統領の職務を忠実に執行し、全力を尽して合衆国憲法を維持し、保護し、擁護する ことを宣誓することが求められています。

仮にトランプの大統領令が違憲だということになった場合、現職大統領の行為は憲法を維持・保護・擁護する存在ではないと司法が認めることになります。そのため、トランプに反対する政治勢力は違憲判決後に一気に議会における大統領弾劾に持ち込んでトランプ大統領の首を殺る計画を仕込んでいるわけです。

そして、この強引なトランプ殺しの方法は、最高裁判事でトランプが指名した9人目の保守派の判事が任命される前に進めるしかチャンスはありません。数か月後に最高裁で保守派判事が任命されるまで司法の見通しは極めて不透明であり、民主党側は連邦議会で同判事の就任を徹底的に妨害しつつしつつ、米国各地で同党系の司法関係者によって違憲訴訟が乱発する戦略を取っているわけです。

そして、それに民主党系に与するメディアは国務省が指定している「テロ支援国やテロリスト・セーフ・ヘイブン」ではなく、あえて「イスラム教徒が多数派を占める国」という表現を使って「これはテロ対策ではなく差別なんですよ」というメッセージを流布し続けています。これらは裁判を有利に行うための世論誘導による支援と言えるでしょう。

つまり、これは入国禁止で理不尽な思いをした人がいる、という表面上の話ではなく、もはやトランプ政権と反対勢力による単なる政争の延長線上のものでしかなくなってしまっているわけです。

<党派的な政争目的で犠牲になる米国のセキュリティ>

ジョージ・ワシントン大学のジョナサン・タリー教授が言うように「あからさまなイスラム教禁止ではなく、7か国からの入国を一時的に制限しても世界の大多数のイスラム教徒は影響を受けない」という見解に従って、筆者も同大統領令を軽はずみに違憲とすることは難しいのではないかと思っています。

そして、筆者がそれ以上に問題であると感じていることは、既にトランプ政権は同禁止措置の大統領令を発布した翌日にシリア・イラクのISISを掃討する計画の立案を国防総省らに求める大統領覚書を出してしまっていることです。

つまり、トランプ政権は入国禁止の大統領令を即時適用することによってISIS掃討計画の立案命令を出す前に、彼らが逃げられないor米国に入国できないようにしていたわけです。ところが、連邦地裁の判決によって大統領令が停止したことで、ISISがシリア・イラクから脱出して米国に侵入する千載一遇のチャンスが生まれてしまっています。

上記の状況に鑑み、筆者には同大統領令の立法趣旨はこれから実施するISIS掃討に伴うテロ対策にしか見せませんし、米国内の政治的な党派対立によってテロリストを利する結果となっている状況については疑問を感じざるを得ません。

また、このことを分かった上で違憲訴訟を行う政権反対勢力に倫理観の無さには憤りを覚えます。実際に筆者も月末に仕事で米国に行く必要があるのですが、このような温い対応状況では一抹の不安を覚えざるを得ません。米国民には無暗な反トランプ騒動はいい加減にしてもらって冷静さを取り戻してほしいと思います。

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イスラム国 テロリストが国家をつくる時
ロレッタ ナポリオーニ
文藝春秋
2015-01-07


本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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2017年02月08日

安倍首相・トランプ会談の狙いに関する考察

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 <安倍・トランプ会談で日本が提案する内容とは>

安倍政権は2月10日のトランプ大統領との会談に先立ち、「日米日米成長雇用イニシアチブ」という包括的なプログラムを準備し、約51兆円のインフラ投資と70万人の雇用創出を提案することが報道されています。

同イニシアティブは5項目で構成されているとされており、米国でのインフラ投資、世界でのインフラ投資に関する連携、ロボットや人工知能での連携、サイバー分野での協力、雇用を守る分野での連携が含まれているとのことです。その上で、トヨタをはじめとした自動車関連産業が米国で150万人の雇用を作っていることを強調するものと思われます。

トランプ政権は安倍首相を歓待した上で、フロリダのリゾートで安倍・トランプのゴルフを設定し、個人的な関係を築く用意を準備していると報道されています。

<元々トランプ政権発足直後に外務省の有識者会議で提言されていたこと>

米国へのインフラ投資推進は日本政府としては規定路線であり、外務省が設置していた民間有識者の「日米経済研究会2016」が昨年11月段階で対米政策の方向性について提言書を提出しています。

その内容はトランプ大統領が推進する米国のインフラ整備について、高速鉄道・再生エネルギー・水関連インフラなどで協力する旨が記載されており、日本政府が力を入れているインフラの輸出が謳われているものでした。

そのため、トランプ政権に対する処方策として予め準備していたカードを切ったということが言えそうです。安倍政権や自民党の支持基盤を見ても高速鉄道の輸出などは悲願とも言えるものかと思います。

また、私見では、安倍政権は第三国への共同投資などにロシアのプロジェクト(ヤマルなど)を含めることで、対中包囲網にロシアを加えることへの米国のコミットを得にいくのではないかと推測します。

<日本が提案する内容が持つトランプ政権に対するインパクト>
 
筆者は安倍政権の外交・安全保障政策は終局的に失敗すると思っているので評価していません。ただし、今回の対米外交の「お土産」についてはトランプ政権に対しては極めて有効だと思います。

トランプ大統領にとってはインフラ投資による雇用創出は願ったり叶ったりのものです。トランプ政権は100兆円のインフラ投資を主張しているためにその財源が問題となってきました。しかし、日本政府が約51兆円の投資を宣言したために数字の上では目標の半分を解決したことになります。(*日本側の投資期間が不明なのでざっくり数字のみ。)

トランプ政権の経済政策の政策効果が出始めるには数年かかると想定されるため、トランプ政権としてはそれまでに象徴的な成功事例が幾つか必要になっています。そのため、日本からの多額の投資が決まったニュースは大きな意味を持っています。(トランプ氏が当初Twitterで指先介入をしたのもセンセーショナルな効果を狙った意味合いもあるものと理解すべきです。)

<インフラ投資が持つ米国外交上の多面的な効果>

また、インフラ投資は米国においては運輸省が所管する領域となります。運輸省はエレーン・チャオ運輸長官が所管していますが、彼女の夫は連邦上院の共和党院内総務のミッチー・マコーネル氏です。同氏はトランプ氏と実質的に対立している共和党主流派のボスです。

つまり、インフラ投資への協力は上記の通りトランプ氏に対して恩を売れるとともに、共和党が支配する議会に対しても友好的なメッセージを送ることになります。米国では連邦上院が外交政策に持つインパクトは大きいため、日本政府の対応は米国の共和党内の分裂にも配慮した賢いやり方だと思われます。また、インフラ投資については米国民主党も積極的であるため、米国の議会野党対策としても機能することが予想されます。

今後、インフラ投資でプラスの経済効果を受ける地域の連邦議員らに対してしっかりと影響力を拡大していくことを通じ、トランプ大統領とその周辺だけでなく連邦議会にも橋頭保から影響力を拡大していくことが望まれます。

<金で解決する外交が持つ限界点も認識すべきだ>

ただし、安倍政権の対米外交のスタンスにも問題はあります。

筆者は金で解決する外交のやり方には必ずしも肯定的ではありません。なぜなら、金で結びついた関係は、自分よりも金を持っているライバルパートナーが現れたときに終わるからです。

この場合にライバルとして登場する存在は中国です。中国は経済成長が鈍化しつつあるものの、世界第二位の経済大国となり、現在でも新常態の中で中速度の経済成長を続けています。

米中の貿易高こそが非常に大きなものがありますが、中国は米国本土にほとんど投資を行っていません。したがって、米国は民主主義国なので中国からの輸出品が選挙区の「雇用」に与える影響が無視できず、米中の距離は現状では比較的遠いものとなっています。

逆説的には、トランプ政権の圧力に屈する形で中国政府や中国企業が米国に直接投資を開始すると、日中の米国に対する影響力のバランスは崩れることになり、日中の今後の経済力の逆転が進展する中で、米国への貢ぎ物競争では最終的に日本は中国に敗北する可能性があります。したがって、日米間の問題を金だけで解決しようという日本の現在の姿勢は好ましいものとは言えない部分もあります。

そのため、筆者が以前から指摘している通り、本来は「金」ではない「価値観」を通じた日米同盟、を目指すべきであり、金はそのための下支え的なものだと認識する必要があります。

<米国から得られるものが皆無の会談になる可能性も>

日本側は米国側に貢物を用意して訪米することになるのですが、米国側が日本に与えるものが何になるのか、ということがイマイチ判然としません。たしかに、安倍・トランプ、日米関係が良好なものになるものと思います。しかし、筆者はそれだけのことに米国のATMとして約51兆円もの資金を拠出するカードを切ることの意味が分かりません。

米国の閣僚人事を見る限りでは、表面的な部分では反中派(ただし、習近平との繋がりは重視)を揃えており、トランプ政権は少なくとも数年は反中姿勢を崩さないものと思います。マティスもティラーソンも正式任命前の上院公聴会の段階から東アジアへの安全保障にコミットする発言をしています。また、日本が固執するTPPについてはトランプが既に撤退を宣言し、二国間協定に対しては日米ともに前向きな姿勢を示しています。

そのため、現段階で「インフラ投資」という日本最大の切り札を使ってトランプ政権から引き出す対価があるとは思えません。

そのため、筆者の見立てでは、安倍政権の狙いは「憲法改正に対するトランプ政権の了解を得ること」にあるものと見ています。安倍政権の悲願は憲法改正であり、その最大の障害は米国です。

国内では左派だけでなく保守にも米国が反対している・懸念していることを理由に、憲法改正や靖国参拝への自制を求める声が少なからず存在しています。それらを抑えるためのトランプとの取引ということであれば同取引を行うことも政権の理屈としては成り立つものと思います。直接的なコメントは無くとも「日本の地域における更に積極的な役割を望む」などの婉曲的な表現は出る可能性があります。

昨年、ヒラリー勝利⇒北方領土進展⇒解散総選挙という一部でささやかれたシナリオがトランプ勝利でご破算になったように、年内と想定されている総選挙にも安倍政権とトランプ政権との関係は影響を与えていきそうです。

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米中もし戦わば 戦争の地政学 (文春e-book)
ピーター・ナヴァロ
文藝春秋
2016-12-02

本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。
 

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2017年02月06日

なぜトランプ大統領は豪州首相に電話会談でブチ切れたのか

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<写真はThe Gurardianから引用>

豪州首相との電話会談ブチ切れ事件の真相とは何か

トランプ大統領の豪州首相との電話会談でのブチ切れ事件、毎日事件が起きるので既に過去のものとなりつつありますが、一応本ブログでも内容についてフォローしておきたいと思います。

結論から申し上げると、筆者は「電話会談でブチ切れるのもどうか」と思いますが、トランプ大統領が怒っても仕方がない内容だと感じています。

なぜなら、原因となった「米国と豪州の難民交換の取引」は明らかに不当な内容であり、オバマ前大統領がトランプ大統領を困らせるためだけに実施したものだからです。前大統領が行った国際的な取り決めだからそれを引継げ、という主張はまともな取引なら成立する話ですが、単なる嫌がらせまでその類に入れるのはあまりに理不尽です。

難民交換が行われるきっかけは豪州の難民への虐待が暴露されたことだった

そもそも豪州から米国に引き渡されるはずの難民はどのような人々なのでしょうか。

豪州の難民制度は極めて劣悪であり、豪州に海を渡って入国しようとする難民は海上で拿捕された上に、豪州本土ではなくパプアニューギニアやナウルの収容所送りになります。

これはインドネシアなどの密航業者が手引きして豪州に船で難民(≒不法移民)を送り込むビジネスが発達し、それらへの対応に苦慮した豪州政府が編み出した苦肉の対応策でした。豪州本土で難民を受け入れる代わりに、資金難の周辺の島国に援助金を払って収容所の管理をさせるというご都合主義のモデルです。

ところが、昨年8月10日、豪州政府は同収容所の超絶劣悪な環境を英国のガーディアン紙に暴露されてしまう事態に陥りました。収容者への性的虐待、人権侵害、自傷行為などの数々が記録された凄まじい内容であり、豪州の人権侵害ぶりが白日の下にさらされることになったのです。

豪州は自らを頼って辿り着いた入国希望者への責任を放棄し、事実上の迫害をそれらの人々に加え続けていたため、世界中の人権団体からの厳しい非難にさらされることになりました。

ここで人権侵害国家である豪州に手を差し伸べたのが、米国のオバマ大統領でした。

オバマ大統領はトランプ勝利直後に取引を決定、連邦議会から激烈な反発を受けていた

11月9日のトランプ大統領の大統領選挙勝利の直後、オバマ大統領は豪州政府との間で難民の受入れを成立させました。

オバマ大統領が豪州政府からの難民受け入れを実施することを決めたとき、米国連邦議会は何の相談もされていませんでした。当然ですが、既に退任が決まったオバマ大統領が議会に何の断りもなく唐突に難民の受け入れを決定したことは連邦議員からの強い反発を招きました。

同11月チャック・グラスリー上院司法委員会委員長はオバマ政権に対して豪州政府との間で行われた「秘密取引」について公開の場で説明するように正式な要求を行っています。

要約すると、連邦議会に無断で数か月の交渉を行ってきたこと、合意内容の詳細が不明であること、国務省が指定したテロ支援国家の人々が含まれていること、豪州の責任であるはずの難民を引き受ける正当性がないこと、などの疑念が激烈に表現されています。

つまり、メディアの影響で多くの人が錯覚しているように、トランプ大統領が突然「酷い取引だ!」と言ったわけではなく、オバマ大統領が自分の任期中に完了しないことを承知で強引に進めた劣悪な取り決めに対して、連邦議会で当初から問題となっており、議会の難民政策の責任者である司法委員会のトップが強い反発の意志を示していたことになります。

難民を受け入れる・受け入れない、どちらを選んでも罰ゲームに追い込まれたトランプ

トランプ大統領は選挙期間中から不法移民に対して強い姿勢を示してきており、イスラム教徒への入国禁止などの物議を醸す内容の発言を行ってきました。

そのため、オバマ前大統領は豪州からイスラム教徒を受け入れる代わりに、米国から中南米からの難民を豪州に渡すという意味不明な取引を無理やり成立させることで、トランプ政権の出鼻を挫く仕掛けを準備することにしたのでしょう。

結果として、トランプ大統領は難民を受け入れなければ国際的な取り決め違反、そして難民を受け入れれば公約違反という、どちらにしても負ける罰ゲームを強いられることになりました。

上記の通り、本来は豪州から難民を受けれ入れる必要は全くなかったので、この取り決めはオバマ大統領が豪州政府と結託して行った完全な嫌がらせ行為だと言えるでしょう。

豪州首相に一度はブチ切れるスタンスを示したトランプ、直後に国際的な取り決めを受け入れる対応

トランプ大統領としてはオバマ前大統領と豪州首相に「はめられた」形になっているため、豪州首相との電話会談でわざとブチ切れて見せたものと思われます。

つまり、どっちに転んでも罰ゲームであれば自分の支持者の満足を取ったということです。しかし、当然に国際的な取り決めを反故にするわけにもいかないので、その後難民の受け入れを正式に発表しています。

豪州首相にとってはなかなか良い取引であり、自国の劣悪な難民受け入れ制度についてトランプ大統領が言及しない代わりに、トランプ大統領の政治的なパフォーマンスを受け入れた上で、トランプの入国禁止措置についてもほとんど発言していない状況となっています。

豪州は米国の政争に付け込むことで、自国からテロ懸念国の難民を米国に引き取らせた上に、自国の劣悪な人権状況についてオバマ前大統領やトランプ大統領に指摘されないように話をもっていくことができたわけです。まさに、豪州にとっては最高、米国にとっては最低の取引だったと言えるでしょう。

以上のように、オバマ前大統領が残したマッチポンプ的な嫌がらせに焼かれ続けるトランプ大統領ですが、メディアはオバマ大統領の陰湿な行為に全く触れようとしないどころか、トランプ大統領を責め続けるばかりで流石に気の毒になってきました。

少なくとも本件については豪州との難民交換での米国側には何のメリットもなく、また筋論として豪州自体が自らの難民問題への責任を果たすべきものであり、メディアもこの程度のことくらいはまともに報道してほしいものだと思います。







本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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