2017年07月28日

都議会・利権ファースト、代官と越後屋の情報公開?

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代官・越後屋の情報公開、都民ファーストの会の「各種団体」ヒアリング

都民ファーストの会が「各種団体」ヒアリングを公開の場で行っています。このヒアリングは例年よりも早い段階で行われており、予算策定前にじっくりと話を聞いて質疑を行うことを目的とされているそうです。

彼らはこれをもって「情報公開を行っているので改革だ!」と言っているわけですが、筆者の視点からは「全くの論外」であることは明らかです。各種団体とは、都庁・都議会に税金を集りに来るタックスイーターの団体であり、簡単に言うと従来から都庁・都議会とズブズブの利権団体のことです。

それらの利権団体とのやり取りを「情報公開」したから偉い、という話は、水戸黄門などで代官と越後屋のやり取りをTV放映していたから素晴らしい、と言っているに等しく、納税者を馬鹿にするのも大概にしたら良いと思います。

お上に対して内々で行っていた交渉を誰でも見れるようにしたところで実施される行為(利権の要求→利権の受諾)という点では何も変わりません。腐っているものの蓋をしておけば臭いに気が付きませんが、蓋を開けたところでやはり中身が腐っていることに変わりありません。

むしろ、利権団体に忠誠の切り替えを誓わせる会を公開することに引かざるを得ない

各種団体ヒアリングとは、従来までは自民党や民進党などと組んできたら、それらの利権団体を呼びつけて堂々と忠誠の切り替えを行わせる行為であり、そのような権力行為を都民・納税者に見せつけておかしいと思わないのでしょうか。

むしろ、他党の支持基盤であった各種団体に忠誠を誓わせて、それらの予算要望を都庁の予算に反映させることを通じ、「全く同じ連中と手を携えながらやっていく」ことを公に宣言する行為でしかありません。

従来まではブラックボックスであった各種団体ヒアリングが公開されてワイズスペンディングになる、という理屈は権力者の戯言だと思います。新たな代官に越後屋が要望を出しているだけのことで構図は何も変わっていません。

同じ各種団体をヒアリングに呼んで「古い→新しい」都議会になります、というのは悪い冗談でしょう。各種団体(=都民ファーストの新しい支持母体)が古臭いわけですから、都民ファーストの議員らも当然に利権塗れになっていくでしょう。わざわざ利権塗れになる場を公式に設定・公開する行為は、本当に改革勢力なら集団自殺行為です。

「利権団体の出禁」こそが改革、都民ファーストは利権ファーストでないと証明を

予算策定前に利権団体の意見をいち早く聴取し、それを予算に反映させていくという話は「都民ファースト」ではなく「利権ファースト」です。「利権の要望を少しでも早くヒアリングします」というのだから、その名称で間違いないでしょう(笑)

民主主義体制で選挙を行う意義は「都庁・都議会に出入りする面子が変わる」から意味があります。たとえば、米国であれば共和党・民主党の支持母体は全く異なるため、政権交代が実施されると異なる考え方の人々が政権に出入りすることで、民主主義のダイナミズムが担保されることになります。

都民ファーストの会は、選挙時に連合と早々に政策協定を結んでいましたが、それ以外の利権団体とも代官・越後屋よろしくやっていくのであれば、「利権団体と縁が無かった有権者」や「東京都内のタックスぺイヤー」をやはり無視するということなんでしょうね。自分達に「票」を入れたのは、おたくらがヒアリングしている「利権団体」の皆さんだったんですか?と小一時間問い詰めたいものです。

都民ファーストが実施すべきは「各種団体へのヒアリング」ではなく「利権団体の出禁」です。利権団体とのやり取りを情報公開することを「成果」とする感覚には呆れてモノも言えません。

政権交代は「従来までの利権勢力と手を切る」から意味があるという当たり前の話でした。



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。



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2017年07月26日

茨城県知事秘書はブラック・電通過労自殺を超える激務?

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茨城県知事秘書のちょっと洒落にならないワークライフバランスとは

県議会の動画を見ていたら、県議会議員の一人がトンデモナイことを質問していたので、本ブログでも面白いので紹介してみようと思います。誰でも見られる県議会動画なので是非とも読者諸氏も覗いてみてほしいです。

茨木県議会・平成29年第二回定例会(2017年6月13日)戸井田和之議員の質問動画

戸井田議員は一般質問の冒頭で知事秘書と知事運転手の過酷な労働環境について質問しています。

国レベルでも働き方改革の一環としてワークライフバランスが注目される中で、何と茨木県知事秘書と運転手の労働時間は「電通の過労自殺」事件を上回るレベルとなっているというのです。

時間外勤務時間、知事秘書は1648時間、知事運転手は1214時間、というトンデモ

戸井田議員は、県が2016年に策定した茨城県女性職員活躍推進プランにおいて、男女を問わず1年間の時間外勤務時間の上限目安を360時間としていることを目標としている旨が指摘されています。

また、同議員の質疑において知事部局全体の職員の平均と比べて12倍近く、知事秘書の月平均の時間外勤務時間は140時間にもなるという事態であることが確認されました。

この数字は電通の新入社員の労災事件において認定された時間外勤務である105時間を軽く上回るレベルのものであり、働く職員の身心への負担は極めて大きなものとなっているものと推測されます。

同議員が異常な時間外勤務について公用車を利用しての「公務」を明らかに逸脱していると指摘したことに対し、知事はこれらの時間は全て公務だと強弁していますが、一体これだけの時間の公務とは何であるのか、些か疑問であると言わざるを得ません。

正直言ってなかなかエグイ労働環境であることは間違いなく、同部局の人々のメンタルケアの状況がどうなっているのかも追加で調べてみようと興味がわくところです。

平成15年以降の茨城県庁自殺者数は82人、知事部局・病院局は31人

そこで、茨城県議会平成29年第2回定例会(6月13日(火))村上典夫議員の質問動画、を見てみると、茨城県庁では毎年自殺者が出ていることが分かります。

公務員の自殺者数はそれなりに多い傾向があるものの、地方議会で職員の自殺者数を追及することは珍しいのではないかと思うので、茨城県では問題になっているのだろうと感じます。

働く人が自殺する理由は多々あると思いますが、上記の過酷な労働環境を放置している茨城県の現状に鑑み、職員の職場環境やメンタルケアに対する県庁の関心の無さの表れではないでしょうか。

なお、公務員の鬱や自殺の現状については、地方公務員安全衛生推進協会、のHPが詳しいため、その数字の推移などに興味がある人はこちらを参照されると良いと思います。

県議会のインターネット配信は意外と興味深いことを言っているということ

上述の茨城県議会の定例会の動画の閲覧数は極めて少ないものの、自治体の議会での質疑応答を暇なときにPCで流しっぱなしにしていると、耳を疑うような内容が議論されていることが多々あります。

茨城県知事は上記の過酷な労働環境について秘書らの人数を増やして対応することを検討すると答弁していますが、これだけ長い時間職員と一緒にいて何も気が付かなかったのか、と思うと、茨城県のワークライフバランスの取り組みが掛け声だけで魂入れずであることが明らかになったものと思います。

皆様も自分が住まわれている自治体の動画を見てみると意外と面白いものが見つかることがあるかもしれませんね。



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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yuyawatase at 08:00|PermalinkComments(0)国内政治 
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2017年07月25日

原油価格上昇、産油制限合意とトランプ政権

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OPEC+閣僚監視委員会の会合で一定の合意

サンクトペテルブルクで開かれたOPECと非加盟国の閣僚監視委員会で、特別枠とされてきたリビアとナイジェリアの2か国のうちナイジェリアが産油制限に合意したこと、サウジアラビアが輸出数量を更に制限することを約束したことを受けて、様子見状態であった原油価格が上昇することになりました。

原油価格の上昇は、共和党政権の支持基盤であるシェール関連事業者らの生産に追い風であり、リグの数字は弱かったかモノの、シェールの生産にとってはしばらく追い風が吹くことになります。また、原油価格の下げ止まりは石油関連株の重しが軽くなることを意味しており、株高によって政権への信任が支えられているトランプ政権にとっても一定のプラスに働いていると言えるでしょう。

国内での政策が手詰まりとなっているトランプ政権

一方、先週の米国政治の状況はトランプ政権の見通しを非常に厳しくするものでした。オバマケアの廃止・見直しは、見直し法案だけでなく廃止についても議会で成立させることが困難であることが明らかとなり、トランプ政権の指導力に改めて疑問符が付く形となりました。

連邦議会、特に上院は共和党が辛うじて過半数を制しているものの、共和党内は主流派と保守派に明確に2分されており、どちらかの顔を立てると一方の顔がつぶれるという、完全な手詰まり状態となっています。オバマケアの見直しはミッチー・マコーネル院内総務とペンス副大統領が議会の説得にあたりましたが、その調整は不発に終わることとなりました。

トランプ大統領は24日声明で上院でのオバマケアに関する採決は近いことを強調しましたが、そのためにはトランプ大統領自身がリーダーシップを発揮して泥をかぶる覚悟が必要であり、現状のように他者に議会との調整をほぼ丸投げするスタンスでは成案を得ることは極めて難しいでしょう。

トランプ大統領がリーダーシップを発揮することは、ロシアゲートの問題が収束するまでは困難であることから、国内政策での成果によって支持率が上昇する可能性は高くありません。弾劾の是非が議論されている中で共和党が上下両院で過半数を握っている現状に鑑み、トランプ大統領が共和党議員らの機嫌を損ねる可能性がある行為ができるかは甚だ疑問です。

中東方面での更なる介入に踏み切る可能性が高まっている

一方、トランプ政権内では政権発足当初は影響力を減退させていた反イラン・反ロシアの安保関係者が復帰しつつあります。具体的にはハーバート・マクマスター国家安全保障担当補佐官、ディナ・パウエル副補佐官、フィオナ・ヒル国家安全保障会議欧州・ロシア担当シニアアドバイザーなどです。

当初のトランプ政権は海外への干渉を控える傾向を示していましたが、マイケル・フリン氏やマクファーランド氏らが失脚・転出させられる中で、外交・安保のタカ派の影響力が再び強まっています。また、大統領令によって大統領から現場への指揮権が移譲されたことから、現地での軍事展開なども行いやすい環境となっています。

トランプ大統領は、自身の命綱である株高と共和党員からの支持を繋ぎ止めるため、原油高の状態を必要としているため、OPECらの行動を黙認すると同時に、中東方面での主に対イランの関係で緊張を高めていくことが予測されます。

5月に実施されたイランの大統領選挙では穏健派が勝利したため、米国側はイランに対して難癖をつけるタイミングを一旦見失った形となってはいるものの、今後も折を見てイランとの対立を煽ることによって再制裁への糸口を掴もうとするものと思われます。

トランプ政権が点数を稼ぐことが可能な領域は国内ではなく国外政策にあるわけで、今後のトランプ政権の外交・安全保障政策の展開には一層注目していく必要があるでしょう。



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yuyawatase at 07:24|PermalinkComments(0)米国政治 
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