2017年04月18日

100冊以上の米国政治・トランプ本から選んだ読むべき7冊

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Newsweekが「70冊以上の「トランプ本」から選んだ読むべき3冊」という偏見に満ち溢れた読んではいけない本の紹介をしていたので、本ブログでも「100冊以上の米国政治・トランプ本から選んだ読むべき7冊」というタイトルで書籍を紹介したいと思います。

<1冊目>





トランプ政権を支えるシンクタンクであるヘリテージ財団のリー・エドワーズがまとめた、米国共和党内での保守派の勢力形成の歴史に関する著作。時系列で非常に整理された内容となっており、トランプ政権内における共和党内部における勢力争いを理解するために必読の書。

<2冊目>




日本の外務省職員がまとめた米国議会に関する入門書。日本とシステムがかなり異なる米国議会の動向を知るための基礎知識を提供してくれる一冊。

<3冊目>





近年の米国における選挙スタイルの変遷について良くまとまった一冊。米国における分断が何故発生するのか、政党のマーケティング戦略の違いから同内容を理解できる良書。

<4冊目>


トランプ自伝、普通に読み物として面白い。特に友人から選挙で応援する陣営をどうやって決めるかを相談されたとき、「勝てるほうに決まっている」と即応したくだりなどは最高にトランプ。

<5冊目>


トランプ現象について思想的な側面からまとまった良書。筆者とやや見解が異なるところもあるが、普段触れることがない米国の政治思想について触れる入門書としては良い。

<6冊目>

 
拙著。日本国内で通用している大統領選挙に関する様々な言説をデータから却下し、大統領選挙で本当時に起きていたこと、そして新しい日米関係がどこに向かうべきかをまとめている。

<7冊目>
プーチンの世界
フィオナ ヒル
新潮社
2016-12-12


トランプ政権におけるNSC欧州・ロシア担当にノミネートされているフィオナ・ヒルのプーチン分析本。同女史は北方領土問題にも長く関わってきた人物であり注目の一冊。

本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。 

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今、北朝鮮を巡って本当に起きていることは何か

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(北朝鮮利権を持つ江沢民派、序列3位・張徳江)

朝鮮半島情勢を巡る米中関係の多面的な考察が必要

北朝鮮のミサイル実験が失敗し、朝鮮半島情勢に関する過熱報道がやや沈静化しつつあります。

元々安全保障筋では北朝鮮を攻撃する際の戦力は最低でも空母三隻と目されており、ロナルド・レーガンは横須賀で整備中、ニミッツは太平洋の何処、カール・ビンソンが向かっているのみ(実際にはダラダラと航海中)という状況なので、4月中旬にトランプ側から仕掛ける可能性は極めて低いものと判断できました。米空母の場所は公開情報からある程度得られるため、一部報道は朝鮮半島近海に存在すらしていない空母による攻撃を散々煽り立てていたに過ぎなかったことになります。

在日米海軍司令部が「激おこ」の件について

今後、北朝鮮が核実験とミサイル再発射した上で米軍が十分に北朝鮮を攻撃できる体制が整備された場合はトランプ政権による攻撃の可能性がありますが、現状ではその見方もあまり有力ではないものと思われます。

北朝鮮情勢の緊迫は中国国内での政争の影響を受けたもの

北朝鮮情勢の緊迫は中国国内での政争を受けたものです。中国では秋の党大会に向けて権力集約に邁進する習近平派とそれに対立する江沢民派の政治闘争が苛烈化しています。

北朝鮮に関する利権は中国共産党序列第3位・張徳江が有しています。同氏は江沢民派に属する人物であり、既得権を守るために金正恩体制の事実上の擁護者となっています。

習近平は共産党内の高位のポストに江沢民派を残すことは避けたいため、反腐敗闘争の名目で次々と江沢民派から利権をはく奪して粛清を行っています。ただし、張徳江が掌握する北部軍区に関しては、現在まではむしろ焼け太りさせただけで手を付けることができていませんでした。

そのため、トランプが習近平に求める北朝鮮と中国の取引に関する規制の強化は、習近平にとっても政敵にダメージを当たる願ったりかなったりのものと言えます。トランプは北朝鮮への対応強化を習近平に求めることで、習近平の国内闘争を間接的に支援している状況となっています。

米国側が実施している北朝鮮に対する圧力をかける作業は、中国国内における政争で習近平を優位に立たせるものであり、習近平もそれが分かっているので米国からの無理難題を受け入れているものと推測されます。

一方、金正恩側は現在の緊張状態が高まる以前から、自らの中国側のパイプが政治的危機に瀕していることは理解しており、習近平側のカードとなる金正男暗殺などを含めて自らの地位を脅かす可能性がある要素を排除し、周辺国に対する存在感を示すデモンストレーションを継続しています。

北朝鮮に関する中国側の利権の切り替えがスムーズに進むのか
 
今後の北朝鮮情勢は、習近平と張徳江の闘争の軍配がどちらに上がるか、という点に注目する必要があります。

習近平が勝利した場合、習近平‐金正恩間に新しい利権関係が形成されるのか、それとも習近平が金正恩体制を自らの都合が良い体制に転換させるのか、その後の状況は流動的なものになるのではないかと想定されます。また、張徳江が勝利した場合、既存の金正恩と中国側の利権が温存される形となり、金正恩体制は温存される、現状の維持の状況がそのまま継続することが想定されます。

トランプは今のところ北朝鮮を巡るゲームについては、習近平側が勝つと見込んで勝負を張った状況となっています。

トランプ政権は北朝鮮情勢に対して様々なメッセ―ジを発していますが、それは上記の環境を前提とした上で判断していくことが重要です。米中間では様々なディールが行わていくことになるでしょうが、トランプ・習近平の関係は厳しい注文を付け合いながらも、実際には今後更に接近していくことが予想されます。

蚊帳の外に置かれた日本外交、根本的な外交戦略の見直しが必要

上記のような米中間でのディールが事実上行われている中で、日本は北朝鮮情勢に関して完全に受け身の状況となっています。北朝鮮が暴発する可能性はゼロではなく、その際に危機に瀕するのは日本と韓国であり、米中の大国間外交の後塵を黙って拝していることはリスクしかありません。

また、筆者が以前から指摘している通り、トランプ政権は東アジアについては中国を中心とした二重外交を仕掛ける可能性が高く、現実に、トランプ・習近平は急接近しながら、同盟国にはペンス副大統領が訪問してお茶を濁す対応が行われています。

トランプの対中国政策(1)「揺さぶり」と「妥協」
トランプの対中国政策(2)対中政策人事の二面性

たしかに、北朝鮮問題は安全保障上のリスクであり、日米が共同して対応することは当然のことです。しかし、日本にとっては北朝鮮のリスクは以前から顕在化していたものでしかありません。日本にとっての真のリスクは北朝鮮の事実上の後ろ盾になり、東アジアにおける軍事的脅威である中国の存在です。

トランプ政権は中国とのバランス関係を取る中で、日本、韓国、台湾などを変数として扱う傾向があります。このような受動的な状況から抜け出して、米国の日本へのコミットメントを厳格化していくために、米国内でのロビーイングを含めた根本的な戦略の見直しが必要です。そのためには、今東アジアで何が起きているのか、という認識を持つことは大前提となることでしょう。



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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2017年04月16日

トランプの再選準備は既にスタートしている

トランプ

トランプは「再選」を狙って既に行動を始めている
 
筆者によく寄せられる質問として、「トランプは再選を狙っているのか?」というものがあります。

この問いについてトランプ本人ではないので回答が難しいのですが、トランプ自身は既に再選に向けたキャンペーン準備を開始していることは事実です。

連邦選挙委員会によると、トランプは、Donald J. Trump for President, Trump Victory, and Trump Make America Great Again Committeeという3つの組織を有しており、最初の四半期で13.2百万ドルの資金を調達して20人程度の職員を雇用しています。

DONALD J. TRUMP FOR PRESIDENT
TRUMP VICTORY
TRUMP MAKE AMERICA GREAT AGAIN COMMITTEE
 
主な支出先は選挙期間中からトランプのデジタル・マーケティングを担ってきた企業への支出であり、同企業の経営者であるブラッド・パースケルはペンス副大統領のスタッフであった共和党有力者のニック・エイヤーズとトランプ政権の政策実現に向けた新しいグループを作っています。

トランプの「再選」に向けた取り組みが功を奏するかは未知数

現職大統領が再選を目指すポーズを見せることは政治的な定石だと思います。再選を目指さない大統領は早期にレイムダック化してしまい、政治的な影響力を失ってしまうことでしょう。

トランプは元々支持率に応じて言動を変更する傾向を持っており、世論動向について常時把握するシステムを転がし続けることは極めてトランプらしい取り組みだと言えます。

ただし、現職大統領になった後も世論全体の動向は重要ではあるものの、ワシントンにおける議会とのやり取りなどはそれだけでは乗り越えられないものでしょう。その都度人気が取れる発言で自らのポジションを形成し続けるやり方は、政治的なログが明らかに取られてしまう大統領職の手法として正しいかどうかは未知数です。

オバマは無意味な文言を修辞的に重ねる天才であり、彼は退任まで自ら失政についてヌラヌラとうまく誤魔化し切ったものと言えます。トランプは逆に発言が明確な点に特徴があり、その都度発言の矛盾が決定的に目立ってしまう傾向があります。したがって、トランプの再選に向けた取り組みが功を奏すかどうかはいまだ不透明な状況です。

トランプ政権には再選に向けた取り組みよりも世界経済の先行きにも影響する選挙時の経済政策などの公約を粛々と実行してほしいものです。



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。
 


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yuyawatase at 13:18|PermalinkComments(0)米国政治 
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