2018年02月07日

アイオワ州の地方公務員給与全公開を日本も導入すべき

アイオワ州実名入り地方公務員給与公開データベース

地方議会議員は「議員報酬及び費用弁償等に関する条例」によって幾らの月額報酬や期末手当等を受け取っているかは凡そ明らかになっています。これは税金から給与を受け取っている以上当然の情報公開と言えます。どの議員が幾らの金額を受け取っているかを納税者は知る権利があります。


一方、地方公務員は人事委員会勧告を踏まえて各地方自治体は給与改定を行って俸給表に従って給与が払われるものの、その実態は一般の納税者からは極めて分かりづらい状況です。そのため、各地方自治体の職員給与が、個人住民税総額と同じであったり、更には地方税収自体を上回っていたりする、実質上の人件費破綻を起こしている地方自治体の状況が長年放置された状況となっています。


たとえば、内閣府などで地方創生の成功事例と持て囃されている島根県海士町では、平成27年度決算カードを見る限り、地方税収は約2億、人件費が約5億円、一般会計歳出が約50億円であり、地方交付税や地方債が無ければ収支が全くバランスしない他人任せの財政状況となっています。筆者は地方交付税が地方固有の財源であるという詭弁は相手にしていないため、同町が身の丈に合わない自治体運営を実施していることは一目瞭然だと思います。


そして、海士町に限らず地方自治体が非現実な人件費を地方公務員に払い続けている状況は我が国に普遍的な現象であり、地方自治に関する基本的な倫理観が崩壊している証拠といっても過言ではありません。これらの悲惨な状況は納税者の地方自治体の財政運営に対するリアリティーの欠如から生まれており、そして地方公務員人件費に限って言えば公僕としての責任感の欠如そのものだと言えます。


一方、米国アイオワ州では地方公務員の年間給与が実名入りで全公開されています。つまり、公務員は公僕として働く限り、その給与は全て納税者の目にさらされていることになります。そのため、公務員給与が高い・安いは納税者にとって明らかであり、公務員側は財政状況に見合わない給与を受け取ることに対して自ら律するインセンティブが働くことになります。


最近、東京都が全ての公金支出について逐次公開する大規模な情報公開を実施しましたが、それであればアイオワ州のように公務員の実名での給与公開を行うことも「公金の支出」であることから検討するべきです。給与公開は恥ずかしいことや隠すべきことでもなく、公金で働くという名誉に伴うものであるから公開しても差し支えないと思います。


我が国の財政制度は完全に無責任の連鎖によって成り立っており、その根幹は税金の支出に関する分かりやすい情報公開が存在しないことにあります。まずは地方公務員の人件費の実名入り情報公開という極めてベーシックなところから始めることも一考に値するのではないでしょうか。

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トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体





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yuyawatase at 18:00|PermalinkComments(0)米国政治 | 小さな政府
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2018年01月23日

米国は一体いつ北朝鮮と戦争するのか?(笑)

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(The Korean Times引用)

米国と北朝鮮の戦争が日本国内で喧伝されて久しい状況となっています。しかし、ご案内の通り、実際には米国と北朝鮮の間の戦争は昨年中には発生しませんでしたし、年明けからは平昌五輪もあって両国の間は一時的に緊張が緩和しつつある状況となっています。


昨年から国内では北朝鮮との戦争を喧伝するほうが世間の耳目を引くため、多くの有識者とされる人々が北朝鮮有事を煽ってきました。「〇月開戦説」「クリスマス開戦」など、様々な開戦時期が宣伝されてきたものです。日本政府関係者も北朝鮮有事を煽ったほうが支持率向上に繋がるからなのか、それらと繋がりがある方々は関係者の話を真に受けて「〇月が怪しい、なぜなら・・・」という話をされることが多々あります。


筆者はヘッジファンドなどのアドバイザーを務めており、昨年中お客様から北朝鮮有事の可能性を質問される度に「全否定」してきました。たしかに、北朝鮮に対する緊張の度合いは高まっていますが、米国には開戦に至るまでのインセンティブは存在せず、東アジア地域で戦争を実行するだけの戦力が揃っていかなかったからです。


米軍の朝鮮半島周辺に常駐している空母数は横須賀港に寄港している1隻のみとなっています。イラク戦争当時に動員された空母数は6隻であり、イラクよりも軍事的リスクが高い北朝鮮との有事を想定した場合、米国は対イラク並みまたはそれ以上の戦力を投下する必要があります。したがって、最低でも3~4隻の空母は必要であり、または病院船も含めた戦闘態勢の準備が欠かせません。しかし、昨年はトランプの東アジア歴訪時以外にそれだけの戦力が十分な形で揃うことはありませんでした。


また、米国内では大枠としての北朝鮮への軍事行動への支持は高まりつつあるものの、米軍単独での軍事行使への支持は必ずしも高くありません。したがって、米国が実際に軍事行使を行う前提として周辺国との協力関係を構築することが重要となります。しかし、韓国の文大統領は親北朝鮮姿勢を鮮明としており、そして戦争の一歩手前の措置となる海上封鎖による臨検についても日本は現行の安保法制では協力できません。まして、中ロについては米国の意図通りの行動を行う可能性は極めて低いものと思われます。米国は徐々に歩を進めつつありますが、軍事行使には超えなくてならないハードルがまだまだ残っています。


米軍の戦力投射能力に話を戻すと、米国が軍事的正面を構えることができる地域は、現行ではおそらく世界で一地域のみであり、その上で東アジアよりも中東や南米のほうが米国にとっては緊急度が高い地域となっています。特に一旦は判断が見送られた形となっていますが、イランとの核合意の見直しが5月以降に本格化した場合、彼らの外交・安全保障上の関心は中東地域に集中し、東アジア地域は後手に回ることは明らかです。したがって、平昌五輪明けの外交・安全保障上の焦点が北朝鮮に集中するかどうかも現段階では断言できません。


米国の外交・安全保障戦略は世界戦略であるため、日本人のように日米関係、米朝関係、米中関係のように二か国間関係でモノを考えることはほぼありません。全世界を相手にしている米国は、地球全体での各地域のバランスを見ながら、その地域内での勢力バランスに配慮し、その上で各国での対応を決めるという思考プロセスに基づいて対応を決定します。


したがって、米朝関係は、中東・南米・東欧・その他の地域も含めた全体戦略の一部に過ぎず、米国の対北朝鮮に関する発言や日本政府に対する発言のみを切り取って物事を理解する従来の日本人の感覚では彼らの思考枠組みについて行くことは困難です。米朝関係は世界全体の外交・安全保障の全体感に基づいて決定されるものであり、独立した変数として決定されるものではないのです。


少なくとも昨年「〇月が危ない」という話をしていた方々は「米国の思考枠組みについていけていないか」、または「北朝鮮有事を商売にしている」に過ぎず、現実にシビアな判断が求められるヘッジファンドなどのアドバイザーとしては通用しないレベルであることは明らかでしょう。

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2018年01月22日

政治家の「家業化」を禁止するTerm Limits(任期制限)

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(Term Limitsに署名した候補者署名)

最近の首長選挙では多選自粛条例や多選否定の公約を掲げながら平然とそれらを破って出馬する事例が存在しています。米国において多選は腐敗の温床と考えられており、多選を重ねる首長・議員を落選させるべく「Term Limits」(任期制限)をさせる活動が広く普及しています。


どのような人間であったとしても「権力は必ず腐敗する」という原則から逃れることは困難です。人間の通常の心理として長期政権の長に対しては、誰もが首を垂れるのは必然的なことと言えるでしょう。そして、権力者の指示に意見する人がいなくなるだけでなく、様々な忖度が自然と行われていくことになります。その結果として、政府が肥大化していくことになり、人々の監視が行き届く小さな政府から腐敗と隠ぺいが伴う大きな政府に変質していくのです。したがって、多選は民主主義を国民の手から手放す結果を実質的に生み出すことに繋がります。


日本の多くの多選自粛違反の「言うだけ番長」を生み出してしまう理由は、「首長や議員が自ら多選自粛を宣言するだけ」であり、「有権者が自ら候補者に対して課した約束」ではないからです。


米国には「The Term Limits(任期制限運動)」というものが普及しており、国民による政治家の多選自粛を求める運動が展開されています。地元に利益誘導を行って自らの富を蓄積する「政治屋」を排除するため、予め任期制限を自ら約束する候補者を応援するための署名運動です。政治家の任期を、下院3期(6年)、上院2期(12年)を基準とし、それ以上を多選と看做すという内容です。そして、州レベルでも同様の活動が実行されています。


議員たちは自らの選挙区に多選禁止を求める有権者がどの程度存在しているのかを知ることができるため、自らの政治行動に関する強烈なプレッシャーを感じることになります。そのため、自らTerm Limitsの趣旨に賛同して署名を公表する、更には任期制限を憲法に盛り込むために議員連盟を発足させる人々も存在しています。普通は苦労して権力を得た議員がこのような活動に積極的に賛同することはないため、主に利益誘導政治に反対する共和党保守派の小さな政府を求める議員が中心となって活動しています。


国会議員の家業化は日本では常態化していますが、それ以上に地方の首長・議会の多選状況は深刻なものとなっています。国会でも地方議会でも期数を重ねた人々、または親から地盤を引き継いだ人々が権力確立または容易に権力を手にしています。もしかしたら、当該選挙区の多選候補者の割合は政治腐敗の指数として見ることも妥当かもしれません。来年は統一地方選挙ですが、日本でも有権者が自ら政治を変えるための運動が起きてくることに期待します。

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yuyawatase at 18:24|PermalinkComments(0)米国政治 | 小さな政府
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