2015年11月23日

2015年11月22日(日)は55年体制が終わった日になった

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2015年11月22日(日)は55年体制が終わった日となった

大阪維新の会の大阪ダブル選挙での勝利は、自民党に代わる新たな保守政党の台頭を決定づけたものであり、日本の政治構造の根底からの変革を促すものです。維新の台頭は戦後の基本的な政治構造である保革対立の原型としての55年体制に終止符を打つものだからです。

自民党・民主党という二大政党は、55年体制依頼のの歴史的な経緯による存在意義を全うし、今後解体過程に入る政党となりました。まずは基盤が脆弱な民主党が崩壊した上で、戦後政治を支えた自民党も政治的な岐路に立たされることになるでしょう。

崩れ落ちる自民党の保守政党としてのアイデンティティー

自民党への人々の支持の根幹には社会主義・共産主義と対立してきた55年体制が存在しています。そのため、現代社会においても保革対立の文脈から何も考えずに自民党に投票している支持者数もいまだに多い状況があります。

しかし、自民党自体は元々2つの政党が合併した路線対立が異なる政党同士の野合政党です。一方は元々オーストリア経済学を根幹に据えた軽武装・経済重視の自由党、もう一方は戦前の革新官僚・翼賛会の残党を中心とした日本民主党です。両党の野合は台頭する左派への対応として実行されたに過ぎず、民主党が瓦解して新たな保守政党が誕生する中で、政権欲以外に野合を継続する動機はほぼ無くなります。

大阪ダブル選挙での維新勝利、そして民主党が実質的に無くなった政局状況において、自民党という政党も現在の政権与党であるということ以外にアイデンティティーは無くなってしまったのです。

戦前の保守二大政党政治への回帰、歴史は何度でも繰り返すということ

戦前には政友会と民政党の保守二大政党の時代がありました。今後の日本政治は日本は戦前の二大保守政党の時代模様に回帰していくものと思います。55年体制のような保革対立はソ連の影響で左派の力が強まった一時的な現象であり、本来は保守二大政党政治が日本の政党政治の原型と言えます。

政友会の特徴は、原則として官僚と近い立場を取りながら、政府と一体化をして権力を侵食しようとする政党でした。つまり、自民党の基本的なスタンスと極めて近いものとなります。今後、自民党では戦前の政友会に近い性格を強めることになり、中央官僚、癒着系の大企業、農村部などの地主層などを中心とした支持基盤が形成されていくことになるでしょう。

民政党は、原則として議会主義に近い立場を取りながら、比較的自由主義的な政策をかかげていた政党でした。今後、大阪維新が求めるロールモデルになる政党となることが想定されます。今後の維新は、都市の資本家・中間層を中心とした支持基盤が形成されていくことになるでしょう。

民政党は都市政党の改進党をルーツとする政党でありそれらも都市知識層に支えられた政党でもあります。現在もマッキンゼーなどの知識層が支える大阪の行政改革などは維新の会の性質に近いものと言えます。

それ以外は戦前の社会大衆党のような弱小ながらも一定の支持を持つ政党として存続していくでしょう。55年体制の崩壊とはソ連の崩壊であり、日本にもソ連崩壊から遅れて20年、やっと左派系政党が没落する段階が訪れたということになります。

55年体制⇒2014年体制⇒2016年体制へ、日本の政局が本質的に変更するとき

2014年の衆議院選挙後の自民党一党支配(2014年体制)で55年体制の本格的な終わりが始まっていたわけですが、今回の大阪ダブル選挙での維新の勝利によって時計の針は大きく動くことになりました。2016年の参議院議員選挙は日本の針路を決めるものとになると思います。

1993年から始まった55年体制の軋みが2016年になって完全な形で顕在化することは、政治改革には20年程度の時間を要するものであることが証明された形になりました。このプロセスの中で多くのプレーヤーが様々な行動をしてきたわけですが、歴史はもう一度保守二大政党の時代を日本国民に与えてくれました。

このあとに、日本がどのような進路を辿っていくのか、戦前と同じような過ち、すなわち二大政党による憲政を放棄する方向に向かうのかは、21世紀を生きる我々が選んでいくことになります。先達に恥かしくない日本政治を私たちの手で創り出していくことが必要です。

日本近代史 (ちくま新書)
坂野 潤治
筑摩書房
2012-03






 

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産業振興課は「地域買収課」に名称を変更するべきだ

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地方自治体の産業振興の本気度は「VC」に支援された企業数で分かる

地方自治体内での産業政策の成否は、VC(ベンチャーキャピタル)に支援された企業数で判断することができます。設立して数年経っている企業や伝統的な商店街などは自立してビジネスを行うべきであり、そもそも産業政策の対象とするべきではないからです。

そのため、産業政策の成否は、当該地域内の「成長する見込みがある企業」を誕生・育成することができたか、ということになります。これらの企業が生じるネットワークを完成させてエコシステムとして機能させることが産業政策であり、それ以外の既存産業への支援は単なる癒着によるバラマキに過ぎません。

VCに支援された企業数を地方自治体における産業振興政策の成果指標として採用するべきであり、常に新産業の担い手とのリレーションを構築することが望まれます。

大半の産業振興課は「地域買収課」に名称を変更するべきだ

そもそもVCや投資先が存在していないような地方自治体は産業政策がほとんど何も行われていないということです。成長への動機が働くように設計された企業を創造すること以外に必要な産業政策はありません。

たとえば、地域振興券やプレミアム商品券は政権の地盤となっている層へのバラマキ政策でしかなく、断じて産業政策ではありません。それらは政府支出を使った買収以外の何物でもありません。創立して十数年も経ったような企業に政府として支援する合理性はありません。

また、一時的な企業誘致のための優遇政策は、国内外の他地域でも立地代替可能な企業を誘致する政策であり、極めて短期的な発想の政策だと思います。これらの地域との脈絡のない企業はより良い条件を見出せば簡単に移転していくでしょう。

ほとんど全ての地方自治体の産業振興課は「地域買収課」に名前を変えるべきです。その方がすっきりして分かりやすくなると思います。

産業振興担当課を廃止して社会保障のための基金積立に回すべき

VCの投資対象となる起業家を育成できているかどうか、そのための産業政策は従来までの産業政策とは全く異なるものになるはずです。単純な地域の既存経営者らへのバラマキは無意味であり、域内外を超えた知恵のネットワークを構築できるかどうかがカギとなります。

それらをやる気がない大半の地方自治体は産業振興政策及び担当部局を廃止して、中長期的な社会保障財源の不足に備えて基金積立などを行ったほうがマシです。

各地方自治体はそろそろ真面目に自らの地方自治体の将来について模索するべきであり、自分たちの地域の「ためにする」産業政策の在り方を見直すべきです。





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大阪ダブル選挙勝利後、「橋下・維新」全国制覇戦略を予測

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大阪ダブル選挙は、おおさか維新の会が解消、全国制覇への始動開始へ

大阪ダブル選挙は、おおさか維新の党の圧勝、民主と対決する形での全国擁立へ、という流れになりました。ここまでは完全に予想した通りの結果であり、それほど驚いてはいません。非維新の全野党が敗北したことで時代の大きな流れが動き始めたことを確信しています。

ちなみに、過去の分析記事は下記の通り(全部当たっています)であり、維新が全国に躍進できる根拠はそちらをご覧ください。今回はそれらを前提として、今後の更なる維新の戦略を予測していきます。

大阪W選挙は野党第一党を実質的に決定する選挙(11月6日)
大阪W選挙、おおさか維新の会圧勝予測!新たな局面へ(11月16日)

民主党、最大の支持母体・連合の分裂不可避、民主党の壊滅カウントダウン

おおさか維新の会の戦略の主要な焦点は、民主党を壊滅させて野党第一党の座を確立し、自民党と政権交代可能な保守政党の地位を確立することです。その過程において、最初に邪魔になるのは民主党ということになります。(その他の弱小政党は全て自民・維新に吸収されていくでしょう。)

民主党を壊滅させる方法は一つであり、それは最大の支持母体である連合を分裂させることです。民主党という政党が存在している唯一の理由は、選挙の支持母体である連合の支援を受けられる、という一点のみであり、逆に連合からの統一的な支持が無くなれば民主党は一瞬で瓦解します。

連合は、旧同盟系は維新へ、旧総評系は民主党に残留(中道左派の三極化へ)

そのため、維新は連合を分裂させるためにアプローチを開始するでしょう。

具体的には、旧同盟系と旧総評系の労働組合の分裂を狙うものと思います。旧同盟系労働組合は、繊維、自動車、金属、重厚長大系などによって構成されており、日本共産党と対立する右派路線の組合によって構成されています。そのため、共産党との協調路線を進める現在の民主党執行部とは潜在的な路線対立の可能性を孕んでおり、政治的な刺激が与えられることで連合は内部分裂することが予想されます。

維新は総評系の自治労・日教組などの公務員系労組とは対立していますが、旧同盟系と対立関係にあるわけではなく、旧同盟系は十分に取り込むことができるでしょう。労組の強い影響下にある愛知県の河村市長が秋波を維新に送れる理由もここにあります。労働組合側も一度政権の味を知った以上、もはや政権に返り咲く可能性が限りなく0%の民主党と運命をともにする理由はありません。

連合が分裂した場合、民主党議員は雲散霧消化した上で、旧総評系は新左翼系とともに新・民主党として残ることになるでしょう。総評の組織規模から考えると、新・民主党は中道左派の第三極に転落することになります。衆参ダブル選挙の可能性がチラつく中で民主党の打ち手はほぼ無くなりつつあります。

自民党・おおさか維新の会の「毒を食らわば皿まで」のチキンレース

一方、自民党と維新は一旦は協調関係を取る形になるでしょう。民主党を野党第一党から引きずり降ろし、憲法改正に向けた保守勢力による大同団結を演出する必要があるからです。そのプロセスで橋下氏の入閣も協調関係を演出する上で有力な選択肢となります。

しかし、その結果として、両者は「毒を食らわば皿まで」というチキンレースに突入することになるでしょう。維新は以前から得票数においては近畿だけでなく東京・南北関東においても民主党に肉薄するだけの比例票を獲得する力があります。上記のように民主党が壊滅することを併せて考えると、自民党都市部の議席は相当数維新によって奪われることになります。

維新との協調を進める官邸の菅官房長官のお膝元である神奈川もその例外ではなく、国政全体のマターでは自民・維新は方向が一致するものの、具体的な選挙区のレベルでは「民主党打倒後」にかなり軋轢が生じるはずです。

ここからは全くの根拠もない予測となりますが、菅官房長官が将来的に維新に移籍して東日本側の顔となって首相を狙うということも十分にあり得る選択肢だと思います。都市部選出の国会議員にとっては、同じ保守政党ならば、地方中心の議員によって構成される自民党よりも都市部中心で構成される維新のほうが魅力的だからです。菅官房長官なら東日本側の代表として「格」と「実力」を十分に満たしています。

主要都市部の「維新化」という解放区の局地的な出現

橋下氏は今年12月からメディア露出を自由にできるようになるため、維新の支持率はうなぎ上りに上昇していくことは容易に想像できます。そして、来年の参議院議員選挙までに予定されている地方選挙で維新の連勝が続くことになるでしょう。(勝てる選挙で立てることで連勝をイメージさせて、衆参の選挙区候補者をリクルートするはずです。)

具体的には、大阪府内の首長・議会議員選挙においては維新の躍進はほぼ確定的であり、京都・滋賀・兵庫などの近畿圏の主要都市部にまで影響力が拡大することになるでしょう。それほど非維新全党を破った政治的なインパクトは大きいものと思います。

更に、西は福岡市で影響力が強まることが予測されるとともに、東については東京・神奈川・千葉・埼玉・栃木、中部で静岡・愛知では影響力が拡大することが見込まれます。これらの地域で大規模な変動が起きる梃はや連合の分裂と旧みんなの党残存戦力の吸収ということになります。

一部の都市では首長も取れる可能性があるため、それらの地域は維新による解放区として、国家戦略特区の実験地となって発展の芽が蒔かれることが予想されます。選挙が行われないエリアにおいても、維新との距離を縮めようという動きも活発化するため、全国の都市で維新の風が吹くでしょう。

「自民の存在意義」と「維新の外交戦略」に課題、保守二大政党政治の時代へ

現代は自民党と維新による二大政党政治に突入することはほぼ確定した状況ですが、新たな政治的な課題が出現することも予測されます。

まず、自民党については完全なアイデンティティー危機に陥るということです。自民党の存在意義は55年体制における社会党、そしてその実質的な後継政党である民主党との対決にありました。

そのため、自民党は現実的な政策の方向などは二の次となっており、諸外国における保守政党のような政策の立ち位置を取らずに、地方重視の理念なきバラマキ政党となってしまっています。

そのため、民主党が実質的に消滅することで、巨大な保守の都市型政党と向き合うことになり、自民党は存在意義を失ってしまうことになるでしょう。保守系の政権与党として絶対的な存在で無くなる以上、公明党との関係も見直しが迫られる状況となります。

一方の維新も政権を取り得る段階になると、「安全保障・外交政策の欠落」という課題に向き合う必要があります。特に、維新が拠点としている大阪は中国との経済的な関係が強いために、従来までの対米追従路線の日本外交とは外交関係に与える変数が異なることが想定されます。

そのため、民主党の左派路線とは異なるであろうアジア重視の安全保障・外交政策がどのような形で形成されていくのか、それらを担うブレーンをどのように揃えていくのかに注目が集まります。

来年
は台湾総統選挙から始まり、米国では大統領選挙が予定されています。いずれも保守系の民進党・共和党の勝利が予想されている中で、維新の政策は地域政党の枠を超えたビジョンが求められます。参議院議員選挙後、政権奪取が具体化したとき、維新の真価が問われることになるでしょう。





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yuyawatase at 08:00|PermalinkComments(0)国内政治 
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