2015年11月26日

銀行強盗・休眠口座の没収法案に強く反対する


1_08

銀行強盗と何が違うのか?「休眠口座」没収 法案の内容

来年早々に提出が予定されている、休眠口座の没収法案に当ブログは激しく反対します。なぜなら、この法案は単なる「銀行泥棒だから」です。

10年間預入引き出しが無かった場合に口座に入っている資金が預金保険機構に回したあとにバラマキ用の財団法人に移し、NPO法人などに配られるという本法案は他人の財産の政府による没収を法制化するものです。

私自身もNPO法人などを運用してきましたが、このような財産権を著しく侵害する法案は莫大な資金を手に入れるNPO関係者には良くとも、社会全体のシステムから見れば最低最悪のものだということです。

お金を預け入れた人は「銀行に預けて運用させる契約をした」のであって、「NPO法人などにお金をばらまくことを契約した」わけではありません。本人が契約していない内容で強制的に資金が使用されることは間違っています。

他人が銀行に預けたお金を自分たちのために強制的に使用することは「銀行強盗」と何が違うのでしょうか。その裏付けは強盗犯の拳銃によるものか、政府の権力によるものか、という手法の違いしかありません。

銀行は預けられた資金を運用することが責務だ

銀行は預かったお金を増やすように運用することが責務であり、預金者と連絡が付くか付かないかなどは、「預かった側の勝手な理屈」でしかありません。お金を預かっている以上、そこから利益が上がるように運用することが銀行の責務です。

また、法案では銀行が請求を受けた場合は払い戻すとしていますが、既にバラマいた後に払い戻すとしたら、銀行に余分な負担を生じさせることになります。

仮に銀行が資金を勝手にNPO法人などにバラまくとしたら、それは「銀行の方針」として示した上で利用者からの資金調達を行うべきだと考えます。本法案は法案成立後の全ての銀行口座に適用するようですが、銀行がどのように資金を運用するかは、預金者・銀行の間の契約で取り決めるべきものであり、そこに政府が介入することは経済の大原則を侵害するものです。

このような財産権の侵害や私人同士の契約行為への介入を一度許せば次々と似たような類似法令ができることを許すことになるでしょう。法律は先例ができることで増殖を繰り返すため、アリの一穴のような法案であっても許すべきではありません。

銀行がNPO法人などの支援を必要と感じるのであれば、低利のマクロファイナンスなどを自ら実施すれば良いのであって、国が実質的に認定したNPO法人などだけが資金を受け取るスキームは単なる私的財産の収奪でしかありません。

教育・福祉に使用するという曖昧な規定はもう聞き飽きた手口

増税のときも然りなのですが、今回の休眠口座の資金も「教育・福祉に使用する」としていますが、もういい加減に「その手口は聞き飽きた」とはっきりと述べさせていただきます。

かつてグリンピアなどの無駄な施設を作り続けた年金関連施設も全部公共の福祉のために使って作り上げてきたものです。消費税を増税したら随分と地方へのバラマキ財政出動を強化したものですね。国民が「教育・福祉」と聞いたら何も考えずに賛成すると思ったら大間違いです。

今回、問題となっている休眠口座は毎年500億円程度になるとのことですが、毎年それだけのお金を運用するにはそれなりの組織が必要になるため、その人件費・施設費なども全てそこから出ることになります。それで誰をどのように雇うのでしょうか。タックスイーターならぬ完全な「他人の財産」にたかるだけの話です。

韓国では似たような休眠口座の問題が最高裁まで裁判になっており、政権幹部などが自分たちの縁故の人々に情実で金を配っていたことがスキャンダルとなり一部運用が停止したことがあります。

自分は政府が「教育・福祉」関連に支出するための資金を集める(増税・没収する)ということは全て眉唾ものだと疑ってみるべきだと思っています。

どうせ銀行が休眠口座を解散するなら「利子」または「配当金」に回すべき

銀行が誰のものか分からない休眠口座を運用していることがどうしても問題であるとするなら、勝手にNPO法人などに資金を回す仕組みを作るのではなく、銀行と私人の契約として休眠化した場合は、亡くなっていて法定相続人もいない場合は、利子や配当金に回す旨を預金者に対して明示して運用するべきです。

明確に申し上げて、NPO法人と銀行及び預金者は何の関係もない赤の他人です。銀行及び預金者がNPO法人を支援しなくてはならない理由は一ミリもありません。

敢えて言うなら、銀行は10年経った段階でこの理由がないスキームで無関係のNPO法人に資金が流れる前に、休眠口座を解散して「ほぼ0%の利子」を増やすことに当てたらどうでしょうか。そこから利子を受け取った個人がNPO法人に寄付するなり好きにすれば良いと思います。

もちろん自分はこのようなスキームにも反対ですが、民間の商売に土足で踏み込んで何とも思わない連中がこれ以上社会に蔓延ることは害悪以外の何物でもありません。

本法案は断固として葬り去られるべきであり、どうしても似たような法案を作りたいのであれば、代わりに休眠口座の資金を銀行が予め処分することができる契約を法律で規定することを入れるべきでしょう。 
 


 

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
スポンサードリンク

大人の教科書(6)最低賃金1000円、首相は労働組合長なのか

マネキン

2015年10月1日から順次全都道府県で改定最低賃金が発効されています。最低賃金が増加したことに喜ぶ声や更に引き上げを求める声などがネット上には多く寄せられました。さらには、安倍政権が毎年3%程度の最低賃金を上げて1000円にすると言っています。

最低賃金1000円、更なる引き上げを求める人々に見えないもの

今年10月17日東京で最低賃金1500円を求めるデモが実施されるなど、政府による最低賃金の更なる引き上げを要望する動きも出ています。また、経営共創基盤CEO冨山和彦氏などのエコノミストは最低賃金1000円まで引き上げて産業の構造転換を図るべきという提言を出しています。

安倍政権は首相が労働組合長になったかのような勘違いで最低賃金1000円の引き上げを企業に要望しています。1億総活躍の意味がまともに働いた経験がほとんどないから分からないのでしょう。

これらの議論を見た場合、最低賃金を引き上げは全ての人々の賃金が引きあがったように見えます。しかし、今後、日本社会の在り方を考えた場合、最低賃金の引き上げ、もしくは最低賃金の存在そのものが大きな問題となる可能性があります。

最低賃金は超高齢化社会における「低スキル高齢者」の仕事を奪うもの

最低賃金の更なる引き上げを求めている人々は、最低賃金があるために就労可能性が奪われている人々のことを忘れています。最低賃金を引き上げた場合も当然に失われる雇用もあると思いますが、それ以上に現在の議論では「既に失われた雇用」がほとんど見えてきません。

日本は高齢化社会に突入しているため、大量の高齢労働力が余っている状況にあります。しかし、元々の社会構造や技術革新の問題から、現在の正規賃金では働けない高齢者の労働力が活用できていません。膨大な社会保障費の更なる増加を防止するため、高齢者の低賃金就労を促進することが重要です。

「最低賃金」は低スキルの高齢者から仕事を奪うため、「一億総活躍社会」どころか「老人総引退社会」を創りだすための政策でしょう。時給1000円も払って技術革新から取り残された高齢者を雇うことはないため、高齢者の就業は進まずに社会保障費がますます増加していくことになります。

政府が賃金を決定することは極めてナンセンスな行為である

そもそも賃金は雇用主と労働者の間で自由に契約して決定すれば良いものであり、自分で事業を行うわけでもない政府のような第三者が決定すること自体がナンセンスなのです。

過酷な労働環境を防ぐために最低賃金があると主張することも同様に意味がないことです。労働者にとって自らの職場環境を保証するものは豊富な労働のための選択肢だからです。仕事が沢山あれば幾らでも良い条件の仕事を選ぶことが出来るからです。





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
スポンサードリンク

村上ファンド・ライブドア事件が「僕らの心」に与えた影響

無題

「もの言う株主」として知られる村上世彰さんのファンド関連先に相場操縦の疑いで家宅捜査が入った、という報道を目にしました。自分は村上世彰さんと面識があるわけではないし、彼がどのようなビジネスをされているのかも知らない。(株主はものを言うのは当たり前だと思うが・・・)しかし、「村上ファンド」という言葉と「捜査」の風景を見て、学生時代に感じた思いが心の中に蘇った感じがしました。 

ライブドア事件というエスタブリッシュメントへの挑戦の頓挫

ホリエモンこと堀江貴文さんがライブドア代表取締役として活躍されていたころ、自分は大学生くらいの頃で、小泉政権下の時代の昂揚感の中で、一つのITベンチャーがフジテレビの買収を実行するという快挙に心が躍ったものです。

しかし、エスタブリッシュメント社会の日本はたたき上げの堀江さんの挑戦を認めず、彼をほとんど罪もないような罪で豚箱に放り込むという結末に至ってしまいました。日本の中におけるエスタブリッシュメントに取り入るための作法のようなものを逸脱していたこと、そして現在の彼のリバタリアン的な思想がファシズム的体質の日本のエスタブリッシュメントには受け入れ難かったのだろうと思います。(対照的に楽天はエスタブリッシュメント社会にうまく入り込んだと思います。)

ライブドア事件が「僕らの心」に与えた影響、守旧派の賢い代弁者の急増

ライブドア事件、そして堀江さんの蹉跌は、僕らの世代の心には相当なインパクトをもたらしたと思います。少なくとも、自分は日本のエスタブリッシュメント社会の硬直性・排他性をマザマザと見せつけられたことは衝撃的でした。あの時期を境に社会的に目立つ動きをした人々は微罪で検挙されることが急増したように感じています。

自分の周囲の比較的社会改革にやる気があった学生たちもライブドア事件を目の当たりにしたことで、エスタブリッシュメント社会にうまく取り入るような活動や言論を心掛けるようになったと思います。一見して改革派のように見えながら、その実は守旧派の代弁者のような賢い人々が増加し、本当の意味で改革に燃えた人々の心の中に暗い影を残す結果となりました。

あの時の感じた同じ思いを共有している人達へのメッセージ

堀江さん自身はそのような影響を社会に与えたことについて「勝手にショック受けるなよ」と思うかもしれませんが、青年の頃の苦い思い出を村上ファンドの再捜査の報道は思い起こさせるものでした。そして、私は今でも心ある人は「あの時の感じた思いを共有しているのではないか」と思っています。

現在、社会改革としてNPO法人などを作って部分改善に取り組んでいる人たちも増えていますが、しかし「あの時の光景」を覚えている人は、それでは埒が明かないことを本当は知っているのではないでしょうか。自分にとっては中国共産党に対する天安門事件のようなものがライブドア事件だったからです。

私と同じように感じている人がどの程度いるかは分かりません。しかし、「自分たちの世代はあの事件をいつまでも覚えているし、まだ諦めてはいない」ということをメモしておきたいと思います。

拝金 青春経済小説
堀江貴文
徳間書店
2013-07-01




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
yuyawatase at 07:00|PermalinkComments(0)社会問題 
スポンサードリンク