2015年11月12日

イケダハヤトVS水谷翔太、~地方消滅論を客観的に考察

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「地方創生を止めて地方消滅でいこう!」水谷翔太さん・大阪市天王寺区長
http://agora-web.jp/archives/1660138.html

「「地方消滅でいこう」という論調に対する強烈な違和感 」(イケダハヤトさん)
http://agora-web.jp/archives/1660587.html

の二つの文章を読み比べて「現実」と「未来」が見えていないのは明らかにイケダハヤト氏であり、彼のド田舎万歳のポジショントークもほどほどにしたほうが良いよね、と思いました。

イケダハヤト氏が住んでいる町は都市部からの仕送りが無ければ一瞬で潰れる

イケダハヤト氏が居住している高知県は県内GDPにおける公的支出の割合は40%を超えているお役所大国の県です。そして、高知県の平成27年度一般会計のうち、地方交付税・臨時財政対策債41.3%、国庫支出金14.3%、で合計55.6%が国の予算に頼りきりです。

(*公的支出割合は、名目政府最終消費支出及び名目公的固定資本形成の合計値を名目総生産で除して算出。平成24年度県民経済計算)

更にいうと、彼が居住している基礎自治体(高知県本山町)の財政状況は、平成25年度普通会計決算ベースで歳入全体における地方税の比率は僅か「7.9%」であり、都市部からの地方交付税と国庫支出金がないと成り立たないことが分かります。(ちなみに本山町の歳入総額は約38億円なので、年収2000万円のイケダハヤトさんがもっと年収を増やして住民税を払ってほしいものです。)

域内で生産されている付加価値では町民生活を支えることは不可能であり、イケダハヤト氏が名指しした明るい未来が描けない東京都からの強制的な税移転が無ければ、高知県も本山町も明るい電気を物理的に灯すことすら既に困難なのです。

まずは、イケダハヤト氏は、過去や未来の話ではなく、現実の高知県と本山町役場の経済・社会の有り様を良く見てみろ、と思います。高知県で暮らすためのインフラや福祉のかなりの部分は、東京都を中心とした他地域の人々からの同胞意識に基づく仕送りで成り立っているのです。

政府支出を拡大し続けている地方自治体に「未来」など存在しない

以上のように、イケダハヤト氏が暮らしている本山町が実は都市部のお金で大半の公的支出を賄っている地方自治体であることを確認しました。イケダハヤト氏が述べている地方がこれから伸びてくる論が過去どころか現在すら見ていない、ただの夢想であることが明らかになったと思います。

イケダハヤト氏がどのような理由で現在の場所を居住地として選択したかは存じ上げませんが、一つだけ断言しても良いことは域内GDPの大半を公的支出が占めているようなところはロクな場所ではないということです。

半社会主義圏みたいな経済構造の場所で暮らすことを推奨するなど、戦後の社会主義圏ユートピア論を喧伝したような似非有識者らとほぼ変わらない存在だと言えます。

役所を頂点としたピラミッド構造の経済・社会が出来上がっていることは数字が証明しており、一部の外貨を稼げる人だけがそれらの「しがらみ」から逃れて特権階級として暮らしているに過ぎません。

少なくとも自分はそのような息も詰まる経済構造の場所で精神を消耗しようとは全く思いません。都市部の人口が増え続けている現象はボロボロの社会主義国から豊かな資本主義国に人口が移るようなものです。

そこに住む人の「質」の総量によって大多数の人の暮らしは決まっていく

また、大半の人々の所得は同一地域で暮らしている知識階層の高所得者の賃金につられる形で上昇していくことが予想されます。そして、知識階層は豊富な刺激と豊かな生活を求めて、特定都市に集住して住む傾向がますます増していくでしょう。

まして、世界的な傾向を見れば、更に大規模な都市化が進んでいくことは間違いない状況であり、人口移動の未来予測としても地方分散などは全く正しくないものです。イケダハヤト氏の主張はノストラダムスの大予言みたいなものだと思います。

人口減少が確実視される日本において、仮に地方自治体が息を吹き返すとしたら、それは海外から大量に移民を入れたときということになるでしょう。それは一つの道ではありますが、少なくとも日本人が地方に移住するという構想の現実性はほぼありません。

最初の2人の議論に戻ると、水谷翔太・大阪市天王寺区長の主張はイケダハヤト氏の主張よりも遥かに具体的であり、現実を直視した真摯な意見だと言えます。

今後、日本の財政が著しく悪化していく中で、都市から地方への税移転の縮小は既定路線であり、地方消滅の未来は避けることが出来ない事実です。

イケダハヤト氏が本稿の指摘程度のことはまさか認識していないわけがないので、自分が住んでいる地方自治体の自立経営に向けて頑張ってほしいと思います。





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香港の言論の自由が弾圧されている話

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中国政府が禁書として指定している書籍を扱う本屋の店長と株主が突然行方不明になりました。明らかに当局によって拘束された状態と言えます。

日本の共産党や左派系の人々は中国政府が危険でないと述べていますが、言論の自由を明確に侵害する政府を見て、お前らは目が付いているのか、と思います。おそらくSEALsあたりは中国政府に同じことをやったら既に蒸発しているに違いありません。

日本はアジア最大級の自由主義国家として香港を含めたアジアの自由を守る責任があります。断固たる意志を持って中国政府と対峙していくべきです。

「中國伸手香港言論自由 禁書店老闆等4人「被失蹤」」
http://m.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/1505038(自由時報・中国語)

以下、全文翻訳。(多少、意訳しています。大体合ってるはず。)

過去、香港は出版の自由を持っていましたが、近頃続けざまに中国政府による打撃を受けています。

最近、香港で中国で禁書の専門店である銅鑼湾本屋」の店主と株主の合計4名が前後して「行方不明」となり、現在も依然として行方不明です。

香港《端傳媒》は11月6日、銅鑼湾本屋の店内で60歳の李先生(株主)を取材しました。李先生は10月末の段階で配達員の知らせで店に人がいないことを知り、店長と業務のマネージャーの4人に連絡できないことに気が付きました。李先生は「私は彼らが全員拘留させられるのを疑います。4人は同時に行方不明になったからです。」と述べました。

李先生と《端傳媒》の調査によって、「人間蒸発」4名は下記の通り。

本屋の経営者は深センで行方不明になった店長の林栄基、東莞で逮捕された張志平、深センで逮捕された呂波、タイで行方不明になった桂民海であることが疑われる。
 
調査によると、今回の4人の行方不明は、桂民海出版の1つの禁書《雙規》と関係がある可能性が高いです。李先生は述べています。「私は中国の官吏に書物の内容が既に伝わっていたと予想しており、だから彼らは捕まったのです。」

香港の個人旅行の中国の観光客が「禁書」を持ち帰ってきましたが、しかし、ここ数年来中国政府はすでに香港の出版業に出向いています。去年、香港出版会社の姚文田が密輸の罪で、大陸で10年の刑が言い渡されています。彼は作家の余傑の亡命を計画しており、新作《中国の教父の習近平》を出版しようとしたからです。



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2015年11月11日

真の世代間格差の解消方法は「所得税0%」である

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世代間格差の問題がクローズアップされて久しくなります。しかし、超高齢化社会という現実を踏まえて、政府の財政政策の偏向ぶりを若者の特定のイシューだけに振り向けて是正することは極めて困難だと思います。

ガチガチに構築されてきた世代間格差

世代間格差の代表的な事例としての年金制度が挙げられます。現状の年金制度は賦課方式という形で現役世代が現在の高齢世代を支える仕組みであり積立式の年金とは異なります。

そして、最近では年金推計が明確に公表されることで若者からの収奪の仕組みであることが露呈しています。

年金の世代間格差はこんなに 年代別、支払う額ともらえる額(一覧)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/09/28/annual-pension_n_8210934.html

「厚生労働省は9月28日、納めた年金の保険料に対して、どれだけ年金の給付が受けられるかを世代ごとに試算した結果を公表した。厚生年金に加入するサラリーマンの夫と専業主婦の場合、2015年に70歳になる世代は、負担した保険料の5.2倍の年金を受け取れる見込みなのに対し、30歳になる世代以降では2.3倍にとどまった。」

ということです。早く生まれたか否か、というだけのことで、生涯年収に大きな差が生まれるわけです。ちなみに、巨額の日本国債残高を見れば分かるように、戦後世代が日本の繁栄を築いてきたから高齢者福祉は当然という話も誇張があり、実際には国債を返済していく現役世代・若者世代もお金を負担している、の間違いです。

そもそも「政府」が世代間格差を作り出している

年金制度のような世代間格差の仕組みは「政府が作り出している」という当たり前のことに気が付くべきです。

超高齢化社会における政府の政策へのインプットは、主に「高齢者の投票」によって行われます。その投票によって構築されてきた政策の成れの果てが「政府が高齢者向けに有利に構築された世代間格差」なのです。

また、社会に存在している規制は前世代にとって有利に働きます。規制は社会構造を固定化するための装置であり、社会に新しい動きが発生することを防止します。

若者よりも能力的に劣る年配社員が高い給料を受け取れる理由は正社員として労働法制に守られているからです。また、若者が日本市場で活躍するためには、規制の管理人である前世代の人々にショバ代を払う必要があります。

「若者にもっと予算を」は有効なアプローチなのか

世代間格差の是正を声高に叫ぶ人々は、若者に対する子育てや教育などに政府予算をもっと配分しろ!という主張を行う人が多い傾向があります。

しかし、政府の仕組みは「高齢者の投票」によって作られている以上、無駄とは言わないまでも有効なやり方であるかというと疑問を感じます。

たとえば、「保育園への補助金をもっと寄こせ」「児童手当をもっと寄こせ」というようなアプローチを大きな声を上げて行っていくことは有効でしょうか?

残念ながら若者向けのシングルイシューの予算増額要望は、適当な餌を貰って満足させられた気分になるだけであり、日々の生活はますます苦しくなっていくでしょう。

有権者の人口構造が日を追うごとに高齢者に有利になっていく環境の中で、若者イシューの僅かな関係者が個別テーマを掲げて高齢者と政府予算の分捕り合いを行うことは「分が悪い戦い」です。

若者は政府歳出の増加を断固拒否する「本気」を見せるべき

私は「若者が政府予算の分捕り合いに参加することは愚策だ」と思います。

このやり方では高齢者への配分のオコボレを若者が貰うことで溜飲を下げることに終始するからです。むしろ、俯瞰してみた場合、政府による所得移転や規制管理を肯定することで世代間格差を作りしている装置を更に強化していくことにすらなります。

従って、若者が「政府による世代間格差」に対抗するために必要なことは、政府の高齢者向けの予算支出に徹底してNoを突きつけることです。

現在の環境下で自分たちへの給付の増額を主張することは、FXでの損切りが出来ないプレーヤーのようなもので、まずは政府歳出の増加を拒否するムードを創るべきです。

そのためには、若者の名前を騙って社会保障拡充や労働法制強化を訴えている左翼から手を切る必要があります。大多数の若者は日々真面目に就労している人々であり、左派系の活動家は一部の若者の声を代弁しているに過ぎません。

彼らと組んでいる限りは若者は永遠に貧困のままです。

所得税0%こそが若者世代にとっての有効な世代間格差の是正手段

最も有効な世代間格差是正政策は「所得税0%」です。

所得税は働く現役世代に対する課税であり、所得税0%は若者世代を含んだ現役世代全般に恩恵を与えます。所得税総額は約15兆円であり、所得税を全廃することを通じて現役世代の負担を大幅に軽減することになり、景気の浮揚効果も極めて大きいものと思います。

所得税分の各個人の手取りが増えるとともに、景気改善による給与上昇や採用増加も期待できるため、若者にとって生活を向上させる最上の政策です。

単年度の財源は、外為特会の20兆円の含み益と労働特会の5兆円の差益で十分賄うことができます。同政策は消費性向が高い現役世代層の支出増につながり、法人税収や消費税収の増加も見込まれるため、数年間に渡って実施することが可能です。その上で、所得税0%の継続を守るために徹底的に歳出削減を求めるのです。

所得税の大規模減税であれば全生産年齢人口にとってメリットがあり、シルバーデモクラシーに対抗するための有権者の頭数を揃えることができるでしょう。生産年齢の人口総数は約7800万人であり、シルバーデモクラシーに十分に対抗できる数字です。

民主主義は過半数を取るための闘いであり、シルバーデモクラシーよりも有利な現役世代全体の声をまとめあげる政治イシューの設定が重要です。

超高齢化社会に突入する中で、若者が求めるべきことは政府歳出増加の拒否と所得税0%の実施です。これらによって日本の経済構造・社会構造は一変します。





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yuyawatase at 12:00|PermalinkComments(0)社会問題 | 国内政治
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