2015年12月04日
女性管理職を爆発的に増やすための唯一の方法
日本の女性の管理職比率は世界標準と比べて低い状態
世界経済フォーラムが発表した2015年の「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は145カ国のうち101位であり、前年よりも順位を3つ下げています。ジェンダー・ギャップ指数は女性の地位を経済、教育、政治、健康の4つのカテゴリーから分析するものです。
女性の低い労働比率や賃金格差、女性議員の少なさ、高等教育への進学率など、諸々の要素が加味された結果として、日本は毎年低いランキングに留まることになっています。安倍政権は女性活躍推進法を制定して同問題を克服を謳っていますが、日本では不毛な努力に終わる可能性が高いです。
超高齢化社会の中で経営者・管理職の男性高齢者が占めている固定化した社会が原因
日本で女性の経済的地位が低い理由は明白です。それは男性高齢者が経営者・管理職をほぼ寡占している状態があるからです。日本は内需のパイが大きいために一度収益モデルが出来上がってしまうと大きくビジネスモデルを変更する必要が低い傾向があります。
そのため、高度経済成長期から引き継がれたビジネスモデルがいまだに温存されており、結果として男性高齢者の経営者・管理職によるヒエラルキーが形成されており、そこに労働市場に新規参入した女性が参画することは容易ではありません。
社会に出た人間の一度付いた慣習が抜けることは難しく、旧態依然としたビジネスモデルが続く限り、新規参入労働者にチャンスが訪れることは極めて希少となるでしょう。
政府の数値目標の設定よりも規制緩和でビジネスモデル自体の変化が必要
政府は女性管理職の数値目標などを設定していますが、そのような不毛な努力を行うよりも産業自体の革新を行うことで、旧態依然とした産業構造から新しい企業を生み出していく方向にシフトしたほうが良いと思います。
新しい産業は能力・アイディアが重視されるため、男女に関係なく能力がある人が出世していく道が開かれています。
むしろ、従来型のビジネスモデルの産業の整理を進めていくことが重要です。それらの古い産業を規制で守って温存しながら無理やり女性管理職比率を高めるように強いることは本末転倒です。また、主要な産業の規制が残されたまま、労働者の派遣法制のみを緩和していくという手法は、自分の任期中の収益改善に繋がる男性高齢者の地位を温存するための典型的な手法です。
男女を含めた働き方がもっと自由になるためには産業を縛っている規制自体の全面的な自由化こそが必要です。女性の管理職比率や男女賃金格差の問題は、「古臭いビジネスを整理して規制緩和を推進することで、新しいビジネスが生まれる中で自然と解決していく」ことです。
女性の活躍についてアファーマティブ・アクションのような間違った対処療法ではなく、社会の根本的な変革に繋がるような取り組みを行うことが大切です。
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2015年12月03日
地方議会(3)杉並区の選管委員への違法支出・決め台詞が面白い
全く働いていない選挙管理委員会委員に報酬を支払い続けた杉並区
杉並区に、重病で全く職務遂行できない状態のまま欠勤となっていた選挙管理委員に約140万円の報酬を支払っていたこと、区長が長く返還請求を怠っていたこと、の両方について、最高裁判所から違法判決が言い渡されました。
しかも、杉並区に違法判決が言い渡された直後に区長自らの給料を引き上げるというトンデモぶりを晒しています。杉並区議会議員の堀部やすしさんのブログが鋭く問題追及しており、区外の人間にも何が起きているかを把握するために良い情報が提供されています。
そもそも〇〇委員がほとんど天下り職化している実態をどうにかしたほうが良いしかも、杉並区に違法判決が言い渡された直後に区長自らの給料を引き上げるというトンデモぶりを晒しています。杉並区議会議員の堀部やすしさんのブログが鋭く問題追及しており、区外の人間にも何が起きているかを把握するために良い情報が提供されています。
私の見解では、そもそも「〇〇委員」というものは、重病であろうが無かろうがろくに仕事をしていない半分名誉職みたいなものに給料を払っている無駄の象徴みたいなものです。選挙管理委員会などは区議会議員OBなどの擬似的な天下り職と化しています。
今回、杉並区は全く働いていない委員に給料を支払っていたわけですが、それは従来から仕事をほとんどしていないので、働いても働いていなくてもほとんど分からなかったからではないでしょうか。このような〇〇委員会の委員に支払う人々の選定プロセスの透明化と報酬引き下げは重要です。、
議会質問の最後の決め台詞のインパクトがあって面白かった
堀部さんのブログの最後の決め台詞がインパクトがあって非常に面白いので紹介します。
「よって、本年は、区長給与及び議員報酬の引き上げを行うことのできる状況にはないというべきです。なお、この議案が、本会議を通ると、私の議員報酬も引き上げとなります。その相当部分は、このような不見識な提案を行って憚らない田中区長に対し、来る杉並区長選において「対抗馬」を擁立するための資金に充当したいと思います。」
なるほど!議員報酬の引き上げに反対するってこういうことだよね、ということで納得しました。
堀部さんのブログは、こちら、から読めます。是非全文読んでみてください。
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Giving Pledge:世界の富豪の財産の50%を寄付する仕組み
世界の富豪の財産の50%を慈善活動に寄付する誓約書
「Giving Pledge」という世界の富豪が存命中または死後に自己の財産の50%以上を慈善活動などに寄付することを約束した誓約書を見ることができる仕組みがあります。
慈善活動が非常にエキサイティングな時代に突入しており、テクノロジーの進化によって様々な手法が開発されていく中で、ビジネスで財産を築いた世界の富豪たちが自らの意志で世界を良い方向に変革する意志を持って臨むことを表現しています。
どのような人たちが誓約書にサインすることができるのか
サインの対象者は「billionaires」であり、元々はウォーレン・バフェットとビル・ゲイツが米国で立ち上げた仕組みで、現在では世界中の富豪に拡がっています。彼らは年次イベントを通じて、どのように今後慈善活動を展開していくかなどについて議論を交わし、その活動を拡大していくことを話し合います。
具体的なメンバーは現在150名弱まで拡大しており、FBのザッカ―バーグさん、オラクルの創業者ラリー・エリソンさん、eBayの創業者ピエール・オミダイアさん、元NY市長のブルームバーグさん、などの富豪が名前を連ねています。
皇室が担い手になった日本版のGiving Pledgeの創設を提案する
日本の社会的な成功者たちは、皇室から栄転を授与されることによって自らの人生の意味を得る風習が残っていますが、それらが極めて個人的な体験に収斂してしまっている現状を非常に残念です。彼らのインセンティブは勲〇等が得られるのか、というレースの中にあり、大衆全体からの支持とは関係ないところにあります。
そこで、皇室が中心となって日本の成功者たちへの寄付を促す仕組みを構築することを創り上げていくことが重要だと思っています。むしろ、皇室以外に日本ではこの役割を果たすことができる存在はなく、その社会的な位置づけが大衆レベルにまで更に高まるものと思います。
所得格差の是正が成功者たちの自然なインセンティブの中で実施されていくことで、税金で運営する公共サービスよりも革新的・効果的なものが実践されていくと思います。日本では日本なりの知恵の出し方が重要です。
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