2015年11月22日

移住クーポンよりも都市の税金を安くするべき

a1180_017127

既に地方社会が維持不能になっていることのコンセンサスは形成されている

人口減少がますます深刻化していく中で、地方社会を維持ししていくことは極めて困難になっていきます。現状においても多額の財政移転が都市部から地方に流れている現状があり、自らの力で自分の地域を維持できない地域が日本の大半です。

そのため、コンパクトシティ―などの都市集約を進める計画が実行されつつあり、一部地域にインフラ投資などを集中する形で、様々なコストを節約する取り組みが開始されています。

現実を見据えた正しい取り組みであり、今後地域の中核都市への集中、そして大都市への更なる人口移転が進むことは明白であり、それらの流れをどうやって促進するかが政治の役割と言えます。

移住クーポンによる都市移住促進という間違った発想からの転換

人口を都市に集約させていくためには、地方に住んでいる人を都市に移していくことが必要になります。その際に検討される方法は移住クーポンです。つまり、都市部に引っ越しする人に対して引っ越し費用+aの現金を給付する方式です。

このやり方は一見合理的に見えます。地方に住まれることを継続されると都市住民が負担する維持コストがかかるため、お金を払ってでも一人でも多くの人を都市に移住させたいという発想。

しかし、このような手法は恒常的に都市集約が進むことを保証したやり方ではなく、移住クーポンがもらえる一瞬だけの出来事になる可能性が高く、また地方在住者の移住を促進するために新たなバラマキを設定するなど、国民を甘やかしすぎる施策だと思います。

都市の減税によって現役世代を都市に呼び込むことを優先する

最も効率的な都市への移住促進策は「都市の大減税」です。住民税や固定資産税などを大幅に減税することを通じて、働く世代に有利な税制度を整えることが重要です。

さらに、容積率などの建築関連の基準を緩和し、住宅の供給を実施することで住宅コストも引き下げることも行うべきでしょう。その他新規ビジネスに関する規制は積極的に緩和して雇用を創り出していくことが望まれます。

まず、地方から現役世代の若者を都市に呼び込むために「都市に住む人全員」に恩恵がある施策を実行し、水が高いところから低いところに流れるような恒常的な環境形成を行うことが大事です。

高齢者に関しては、現役世代の都市部移転が進む中で、資産がある人から移住を実行していく形になるでしょう。高齢の資産を保有しない人に関しては最後に財政支援を行って都市部への移民を完了するべきです。

財政的なバラマキではなく税率をコントロールすることが政治

財政的なバラマキは一見して派手で論理的に見えますが、社会の自然な流れを阻害する極めて不合理な手法です。その効果は一時的であり、政策効果としては極めて稚拙なものとなります。このような発想は人間行動が見えていない短期的な発想の典型です。

政治にとっては重要なことは税率をコントコールすることです。増減税は人間社会全体に目に見えないインパクトを与えて、自然な流れを創り出すことが出来ます。なぜなら、税率は資本全体の流れに影響を与えるため、そこで暮らす人間も資本の流れと一緒に動いていくからです。

財政ではなく税制を語ることができる政治家が出てくることが望まれます。税制こそが政治の本丸であって、財政は刺身のツマみたいなものであるという認識が重要です。





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
yuyawatase at 18:00|PermalinkComments(0)国内政治 | 社会問題
スポンサードリンク

大人の教科書(5)政治屋、政治家、慈善家の違い

a0006_001002

「あいつは政治屋だ」とか、「彼は政治家を目指している」とか、「彼女は立派な慈善家だ」とか、色々な言葉が使われることが多い議員の人物評価ですが、政治家・政治屋・慈善家の見分け方について基準のようなものが必要だと思っています。

そこで、今回は身近な「もっと保育園が必要だ」という社会問題に対する態度で三者の違いを説明したいと思います。

(1)政治屋の場合

政治屋の基本的な発想は「税金を使って保育園を建てる」というものです。保育園を全額税金で建てるのか、補助金を使って建てるのか、様々な方法はありますが、人々から集めた税金を自分の特定目的のために支出します。

そして、「私がこの保育園を建てました!」や「私がこの保育園の補助金をつけました!」みたいな話を人々に向かって主張します。そして、補助金の利用者などを制限して保育園の供給量を意図的に減少させることで自分への求心力を維持し続けます。

念のため確認しておきますが、彼が保育園を建てるために使ったお金は皆から集めたお金であって彼の私物ではないことは言うまでもありません。

(2)政治家の場合

政治家の基本的な発想は「その地域に自然と保育園が建つように誘導する」というものです。たとえば、現役世代向けの減税を実施すれば、同世代の可処分所得が増加して子育てのための費用へ割く金額も増加します。

増加した子育て用費用が地域に循環することによって、自然と保育園が建っていくように誘導するのです。この場合、政治家は「私がやりました!」というのではなく、「人々が自然と行ったこと」を追認するということになります。

他人が与えるのではなく自らが創り上げていく苦労と喜びを人々にもたらします。基本的には目立つ存在ではありませんが、人々の生活を陰ながら支えていく存在です。

(3)慈善家の場合

慈善家は所得の有無に関係なく保育のための税金による手当を地域の人々にばら撒きます。このお金を狙って地域には保育園が建てられていき、保育園同士の一定の競争が発生することで質も担保されます。

このとき、慈善家は「私は誰もが保育園に通える環境を作りました!」と述べるでしょう。しかし、そのための多額の費用は税金から支出されることに変わりはなく、全ての政策に同様のことが実行されれば財政は破綻するでしょう。

以上が、政治屋、政治家、慈善家の違いです。あなたの地域にはどのような議員が多いでしょうか。

政治屋はお涙話が非常に巧みであり、慈善家は聡明な感じがするものです。しかし、私は「政治家」が世の中に増えると良いなと思っていますが、政治家の実績は分かりづらいために有権者の目が肥えることが重要です。





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
スポンサードリンク

2015年11月21日

TPPと移民、どうして必要なの?という疑問に答える

経済自由度ランキング

人口減少下で経済衰退の道に向かう日本の未来

安倍首相が出生率の目標を「1.8」に設定しましたが、その出生率目標では人口が減少していくことに何ら変わりがなく、なおかつ現状の政策の延長線上では目標にも到達しないことは明白となっています。

日本のGDPの減少を継続し続けることになり、内需に支えられてきた日本経済は根幹から揺らぐことになるでしょう。経済力の衰退は、資源を持たない日本にとっては死活問題であるとともに、国民の豊かな生活の継続が可能であるかどうかも疑わしくなってきます。

日本の人口問題を抜本的に解消するための解決策が求められており、TPPと移民という二つの選択肢が私たちの前に提示されています。

活路は「外に打って出るか」または「内を栄えさせるか」という2択

日本の活路は、成長する新興国市場での成功を目指すのか、それとも日本国内に移民を入れて経済成長を目指すのか、という2つに1つということになります。ところが、このような選択も簡単に実行できるわけではありあせん。

上の地図はThe Heritage Foundationが毎年発表している経済自由度ランキングです。経済自由度とは簡単に言うと、まともな商売がどこの国の人でも自由にできるか、というランキングだと考えてもらっても良いです。
緑が正常なところ、赤が困難なところ、黒くなっているところはマッドマックスの世界だと考えてください。

日本人は黄緑レベルの環境で普段暮らしています。私たちが暮らしている世界の商慣行は世界の中では少数派であり、日本と同じ感覚で海外で商売すれば身ぐるみ剥がされることは間違いありません。

特に戦後復興期も終えた後に生まれたような生ぬるい人々では大半生きていけないことは間違いなく、新興国で自分探しをしたい人は、自分を探すどころか路頭に迷うことは必然と言えるでしょう。

TPPは新興国に先進国と同じルールを守ることを求める方法

日本人が「成長する新興市場で成功を目指す」ためには、日本と同程度の商売上のルールが守られる環境を新興国に求めていくというやり方があります。これが「TPP」などの貿易・投資のためのルールづくりです。

国外に市場を求める前提として、既に生ぬるくなってしまった先進国民が生きていける環境を整備する必要があります。治安上の問題などの根本的な部分も当然ありますが、最低限商慣行の部分を是正することが重要です。

ちなみに、TPPに対して過剰に反応している人々は世界の現状(上の地図)を知らない人々であり、緑の地域のルールを新興国に適用するということを理解できていない人か、日本国内で赤い色の国の人のようにまともにビジネスをせずに腐敗した商慣行の環境にいる人です。

移民は新興国民に日本で同じルールを守ることを求める方法

一方、「日本国内に移民を入れて経済成長を目指す」という手法を選択することもできます。これは日本国内というある程度ルールが出来上がった環境の中で、新興国を含めた外国からの移民に仕事を行ってもらうというやり方です。

日本で既に構築された商慣行を移民にも守らせること、既存の日本国民の慣れ親しんだ環境でのビジネスを行うことができることなど、国外に進出するよりも比較的容易に成長への道を選ぶことが可能です。また、自分たちよりも優秀な移住者も多く訪れることになりますが、彼らに仕事を作ってもらって財政負担をお願いすることも重要です。

海外からの移住者を招き入れていく中で、様々な文化軋轢が生じるでしょうが、それは経済成長と引き換えとして得られる代償であり、それらの十字架を背負う覚悟も必要です。

TPPと移民の両方を推進するべきであるという結論

世界の環境は既に日本人にとっては生きていくには過酷な状況となっており、現状のままでは火星に移住する状態と大差ないものと思います。既に海外で活躍している日本の倭僑の皆さまの生命力に感服するばかりです。

そのため、人口減少社会の中で日本人が現状の暮らしを維持・向上しようと思うなら、TPPまたは移民、できれば両方を推進していくことが望ましいでしょう。世界の日本化こそがTPPと移民の本質だからです。

日本の同胞にはTPPと移民についての理解を深めて頂き、日本人の生存戦略・成長戦略を実行に移してほしいものです。

米国の研究者が書いたTPPがよくわかる本
ジェフリー・J・ショット
日本経済新聞出版社
2013-10-26




このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr
yuyawatase at 22:00|PermalinkComments(0)社会問題 
スポンサードリンク