2015年11月24日

区議会の話、ただし香港の。

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本日は区議会は区議会でも香港の区議会の話を取り上げたいと思います。中華人民共和国内で唯一選挙が行われている地域である香港の動向は、今後の中国の民主化に対して非常に大きな影響があります。

そもそも香港の政治・選挙はどのような制度になっているのか?

香港の政治構造は、(1)実質上の制限選挙によって中国共産党によって選ばれる行政長官、(2)直接選挙と職能団体による間接選挙による半分づつ選ばれる立法会、(3)小選挙区によって選ばれる区議会選挙、という3層構造で構成されています。

主な構図は建制派という中国共産党寄りの民主建港協進聯盟を中心とした政治勢力と民主派とされる民主党を中心とした政治勢力の間での対立が起きています。元々直接選挙枠で大勝した民主派に対抗する形で建制派の政党が結成されて民主派は徐々に政治的に押されている状況です。

行政長官や立法会の普通直接選挙化を求めて政治的な意見が対立しており、直接枠の大幅な増加は議会の3分の2の同意が必要であることから実現していません。

香港の区議会議員選挙が行われた結果として民主派が少し盛り返した形に

今回の区議会議員選挙では雨傘系の学生が55名出馬して8名が当選するという快挙を成し遂げました。全体としては、建制派が民主派の1.8倍程度の議席を有しており、依然として相対的に有利な議席を確保していますが、投票率向上とともに民主派は議席を微増することになりました。

香港は区議会には実際の権限はほとんどないため、意見を述べる参考機関という形式になってしまいますが、それでも退潮が続いてきた民主派の久しぶりの増加によって潮目が少し変わってきた可能性があります。

香港はアジアの自由の灯台、日本にとっても重要な政治的な場所である

香港はアジア全体にとっての自由の灯台であり、香港から民主派の声を消すことがあってはなりません。香港では、民主派の書物を扱っていた書店員が姿を消す事件が発生しており、言論統制・言論弾圧が進んでいる状況があります。

日本はこれらの中国当局による自由・民主に対する弾圧行為に対して積極的に意見を述べていくべきであり、欧米などを巻き込む形で中国国内の自由化・民主化を進めるべく声を上げていくことが望まれます。

中国大陸にアジアの運命を決める、自由主義・民主主義の灯台が存在することを日本の多くの人々にもっと意識してほしいと思います。






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厚生労働省のHPは何故アノニマスにダウンさせられたのか?


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アノニマスらしき勢力の攻撃によって厚生労働省のHPが11月21~23日までダウンするという大失態を日本政府が演じていたことを知っていたでしょうか?国際ハッカー集団の一部がちょっと怒っただけでダウンさせられてしまう「超脆弱な日本のシステム」について、厚生労働省の汚職ノンキャリ任せのシステム開発を考えてみれば大して驚かないものの、このような状態は心配になりますね。

アノニマスは一体何そんなに怒っていたのか?という疑問

23日の厚生労働省のHPが復帰した後、メディアの皆さんがアノニマスのTwitterアカウントに犯行声明らしきものがあった、という報道をされていました。しかし、犯行声明の内容については「全スルー」するというメディア情報統制ぶりを発揮し、アノニマスらしきアカウントが何を主張していたのかさっぱり分かりませんでした。

そこで、独自に犯行声明の調査を実施してみたところ、どうやらアノニマスは、

「イルカ漁に対して切れていた」(詳しくはこちらhttps://twitter.com/_RektFaggot_)11月21日参照

らしいことが分かってきました。(あくまでもTwitter上の犯行声明が本物とすればの話です)

やはり欧米人は何を考えているのか分かりませんが、とにかくイルカを殺して食べちゃダメだということで厚生労働省のHPをダウンさせた模様です。しかし、内容がイルカ漁だからといって完全に情報をシャットダウンする現行の記者クラブ制度の状況ではアノニマスに殴られても仕方がないかもしれません。

イルカ漁以外ではアノニマスはどんなことで怒るのか?

さて、アノニマスはイルカ漁以外では日本政府のどんなことに怒るのでしょうか?別のアノニマス系らしきアカウントを参照してみたところ、今年8月に「Dear Japan, It's not Godzilla... It's #Anonymous.」というセリフとともに、アノニマスを呼び込んでしまった出来事は、警察がネット上の通信記録を取得できるように業者にログの保管義務を課す法案が参議院で通った、というものでした。

アノニマスのTwitterログを見ている限りではそもそもあまり日本の話が出てこないし、出てくるときは「イルカばかり」なので、それ以外にはせいぜい原発事故の情報開示とかがチラホラあったくらいかなあと思います。そもそも何か日本国内から国際的なアノニマスな皆さんを焚き付けてんじゃないのか?と感じも受けましたが。

アノニマスさんも暇ではないだろうから、もっとまともな要望をお願いするべき?

アノニマスは各国の中で起きている細かいことまで把握できないようなので、基本的には日本国内からのチクリによって行動を決めているように見えます。ということで、アノニマスにお願いすることは真に問題だと思われることにしてあげたほうがお互いのために良いかもしれません。

もっと彼らの活動趣旨に合うような、政府が人々の自由を阻害している案件、についてお話ししてみるのはいかがでしょうか。少なくともイルカじゃないのではないかと・・・。(ちなみに、彼らのやっていることは犯罪行為なので情報提供を推奨している訳ではありません。アノニマスと会話する人は自己責任でお願いします。)

「アノニマスも独裁政府とテロリストの相手で忙しいので、根拠がない陰謀論を告発するのはやめましょう!」

ということを少なくとも声を大にして言いたいと思います。

いずれにしても、このような国際ネットワークが身近に活動する時代になったのだなあと思うと同時に、アノニマスに限らず日本のサイバーセキュリティの脆弱さについて、安全保障上の問題意識が喚起されたのでした。日本政府にはもう少ししっかりしてほしいものですね。





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yuyawatase at 07:00|PermalinkComments(0)社会問題 
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2015年11月23日

2015年11月22日(日)は55年体制が終わった日になった

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2015年11月22日(日)は55年体制が終わった日となった

大阪維新の会の大阪ダブル選挙での勝利は、自民党に代わる新たな保守政党の台頭を決定づけたものであり、日本の政治構造の根底からの変革を促すものです。維新の台頭は戦後の基本的な政治構造である保革対立の原型としての55年体制に終止符を打つものだからです。

自民党・民主党という二大政党は、55年体制依頼のの歴史的な経緯による存在意義を全うし、今後解体過程に入る政党となりました。まずは基盤が脆弱な民主党が崩壊した上で、戦後政治を支えた自民党も政治的な岐路に立たされることになるでしょう。

崩れ落ちる自民党の保守政党としてのアイデンティティー

自民党への人々の支持の根幹には社会主義・共産主義と対立してきた55年体制が存在しています。そのため、現代社会においても保革対立の文脈から何も考えずに自民党に投票している支持者数もいまだに多い状況があります。

しかし、自民党自体は元々2つの政党が合併した路線対立が異なる政党同士の野合政党です。一方は元々オーストリア経済学を根幹に据えた軽武装・経済重視の自由党、もう一方は戦前の革新官僚・翼賛会の残党を中心とした日本民主党です。両党の野合は台頭する左派への対応として実行されたに過ぎず、民主党が瓦解して新たな保守政党が誕生する中で、政権欲以外に野合を継続する動機はほぼ無くなります。

大阪ダブル選挙での維新勝利、そして民主党が実質的に無くなった政局状況において、自民党という政党も現在の政権与党であるということ以外にアイデンティティーは無くなってしまったのです。

戦前の保守二大政党政治への回帰、歴史は何度でも繰り返すということ

戦前には政友会と民政党の保守二大政党の時代がありました。今後の日本政治は日本は戦前の二大保守政党の時代模様に回帰していくものと思います。55年体制のような保革対立はソ連の影響で左派の力が強まった一時的な現象であり、本来は保守二大政党政治が日本の政党政治の原型と言えます。

政友会の特徴は、原則として官僚と近い立場を取りながら、政府と一体化をして権力を侵食しようとする政党でした。つまり、自民党の基本的なスタンスと極めて近いものとなります。今後、自民党では戦前の政友会に近い性格を強めることになり、中央官僚、癒着系の大企業、農村部などの地主層などを中心とした支持基盤が形成されていくことになるでしょう。

民政党は、原則として議会主義に近い立場を取りながら、比較的自由主義的な政策をかかげていた政党でした。今後、大阪維新が求めるロールモデルになる政党となることが想定されます。今後の維新は、都市の資本家・中間層を中心とした支持基盤が形成されていくことになるでしょう。

民政党は都市政党の改進党をルーツとする政党でありそれらも都市知識層に支えられた政党でもあります。現在もマッキンゼーなどの知識層が支える大阪の行政改革などは維新の会の性質に近いものと言えます。

それ以外は戦前の社会大衆党のような弱小ながらも一定の支持を持つ政党として存続していくでしょう。55年体制の崩壊とはソ連の崩壊であり、日本にもソ連崩壊から遅れて20年、やっと左派系政党が没落する段階が訪れたということになります。

55年体制⇒2014年体制⇒2016年体制へ、日本の政局が本質的に変更するとき

2014年の衆議院選挙後の自民党一党支配(2014年体制)で55年体制の本格的な終わりが始まっていたわけですが、今回の大阪ダブル選挙での維新の勝利によって時計の針は大きく動くことになりました。2016年の参議院議員選挙は日本の針路を決めるものとになると思います。

1993年から始まった55年体制の軋みが2016年になって完全な形で顕在化することは、政治改革には20年程度の時間を要するものであることが証明された形になりました。このプロセスの中で多くのプレーヤーが様々な行動をしてきたわけですが、歴史はもう一度保守二大政党の時代を日本国民に与えてくれました。

このあとに、日本がどのような進路を辿っていくのか、戦前と同じような過ち、すなわち二大政党による憲政を放棄する方向に向かうのかは、21世紀を生きる我々が選んでいくことになります。先達に恥かしくない日本政治を私たちの手で創り出していくことが必要です。

日本近代史 (ちくま新書)
坂野 潤治
筑摩書房
2012-03






 

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