2016年12月03日

ポリコレ馬鹿につける薬、米国の分断の真相とは何か?

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米国の分断を一側面から語り続ける「インテリンチ」の偏向ぶり
 
トランプ勝利から1か月が経とうとしていますが、その間に様々な有識者と報道関係者が「米国の分断は深刻だ!」という発言を繰り返し続けています。

これらの人々は「レイシスト」「格差社会」「反知性主義」「不法移民への差別」などの理由をつけて、トランプ及び共和党が米国の分断の元凶であるかのように語り、トランプと共和党が米国を分断させたがっているかのように見せています。

しかし、その話の大半は民主党側、つまりポリコレ側に立った物言いばかりであり、米国の政治状況を一側面から見たものでしかありません。これでは米国政治の実態がまるで掴めず、「ヒラリー勝利を予測・礼賛し続けた愚かな人々」の意見を鵜呑みにするだけの状態が継続することになってしまいます。

大統領選挙も終わったわけですから、そろそろいい加減に「トランプ」「共和党」の視点から米国政治を語ることも必要です。そのため、本稿ではトランプ・共和党の視点から米国の分断と統合について語っていきます。

学者やジャーナリストなどの自らが発見した「ポリコレ」で社会を統合しようとする人々

民主党支持のポリコレ識者や報道関係者は、人間を属性に基づいて区別して語る傾向を持っています。つまり、上記の事例を挙げるならば、人種、所得、学歴、などの分かりやすい属性ラベリングによって人間を区別した上で、それらの違いを再否定することによって自らの主張の正当性を得ようとしています。

「トランプ支持者は、白人、低所得、低学歴、不満層だ!」という話は、大統領選挙が終わるまでメディア上の様々な場面で耳タコだったと思います。これがポリコレ・パーソンの人間を見るときの目線です。

そして、ポリコレ・パーソンにとっては「自らの知性が見出した社会の構成員間にある違い」を無くすということが正義です。そして、その差異を無くすという考え方を受け入れるべきだ、という主張を通じて、自らが見出だした社会の分断の再統合を図ろうとします。具体的には、人種平等、格差是正、不法移民容認など、自らが人々の間に見出した違いを政府機能を使って埋めようとするわけです。

半ばマッチポンプみたいなものですが、この手の人は学者やジャーナリストに山ほど存在しており、日々新しいポリコレを発見・生産しては非ポリコレ・パーソンに対する知的マウンティング作業に精を出しています。そして、日本に暮らしていると発信力が強いポリコレ側の意見が世の中の正義であるように見えてしまいます。

しかし、トランプや共和党は人間を属性ラベリングによって区別して再統合しようという発想はそもそも持っていません。そのため、ポリコレパーソンからは「酷い差別主義者だ!」というレッテルが貼られることになります。

「米国人であること≒米国の建国の理念を受け入れること」で社会を統合しようとする人々

トランプや共和党が人々を区別する尺度は「米国の価値観を受け入れているかどうか」です。

つまり、建国の理念である「自由」の概念を共有できる相手か、それとも、それを否定する相手か、ということで人間を区別します。

具体的には、米国はイギリスによる課税などに反対して独立・建国された経緯があります。そのため、政府介入を意味する増税や規制強化に非常に厳しい主張を持っています。

米国の建国の理念の立場に立つならば、「政府の役割は小さい方が良いか?(≒税金は安い方が良いか)?」という問いに対し、極めて単純化して考えると「Yesと答える人は共和党支持」、「Noと答える人は民主党支持」ということになります。

共和党保守派議員などの演説を耳にすると直ぐに気が付きますが、「私たちは米国人である。だから、税金が安くて規制が少ない方が良いのだ」というスピーチの論理構成になっています。また、共和党支持者らの話を聞くと、彼らが合衆国憲法を非常に大切にしており、その読書会などが催されていることも分かります。

共和党にも黒人・ヒスパニックなどの有色人種系の候補者・支持者もいますが、彼らは須らく上記の米国の建国の理念に賛同し、それらを擁護することを誇りに思っています。特に共産主義全盛時代に母国で政治的な弾圧を受けて米国に逃れてきた有色人種は共和党支持の傾向があります。そして、多少粗削りなところもありますが、トランプ支持者も同様の理念には大筋賛成することでしょう。

したがって、共和党は「米国人であること≒米国の建国の理念を受け入れること」で社会を統合しようとしていると言えるでしょう。いわば郷に入れば郷に従えに近い発想ですが、そこではポリコレ勢力が区別した人種、所得、学歴ではなく、「同じ米国の価値観を信じる」という枠組みで人々の統合が図られることになります

共和党が不法移民に対して強く反対する(合法移民に関してはOK)理由は、不法移民は米国の価値観を受け入れる宣言をしていない人々であり、共和党が持つ米国統合の発想と根本的に相容れない存在だからです。

「米国の分断」の根本原因を理解できていない人は米国政治のことを知らない

したがって、主に民主党側の学者やジャーナリストが作り出したポリコレのうち、共和党が主張する「米国人の価値観」とぶつかる部分が社会の分断として表面化しているわけです。(もちろんポリコレと米国の価値観が一致することもあります。)

具体的には、ポリコレ勢力が推進する、アファーマティブアクション、大きな政府による腐敗、学者が作り出す新たな規制、米国の価値観を相容れない不法移民の容認などは、共和党側からは絶対に受け入れることができない要素ということになります。共和党側にとっては「米国を米国で無くす≒米国を分断させる」存在はポリコレ側だということです。

一方、ポリコレ・パーソンから見ると、ポリコレに反対する人を自分の知性が見出だした分断を統合する試みを邪魔する差別主義者として認定することになります。

ちなみに、外国人である日本人が犯しがちな勘違いは、米国の国是が「自由主義」であることを理解できず、「欧州のファシスト右翼」と「米国の保守派」が同じものに見えてしまうというものです。米国の保守派は「自由主義」という合衆国の理念を受け入れる人のことであり、欧州のファシスト右翼とは本質的な部分で真逆の発想を持った人々のことです。米国政治の理解が足りない人は両者を同じ文脈で語っているために注意が必要です。

米国の分断とは「どのような基準で社会を統合するのか」という価値観の違い

共和党・民主党の差は根本的な部分で既に異なっているために埋めようがない分断だと言えるでしょう。

以上のように、米国の分断とは「どのような基準で社会を統合するのか」という価値観の違いによって生じています。したがって、ポリコレ勢力の話を垂れ流しているだけの翻訳家に毛が生えた程度の人々の説明だけでは何も理解することができません。

「米国の分断は深刻であること」を理解すると同時に、「民主党側も共和党側も異なる価値観・方法で社会統合を図ろうとしていること」も明瞭になったと思います。

少なくとも今後4年間はトランプ&共和党政権が継続するわけですから、米国政治に対する一面的な言説だけでなく、共和・民主両サイドの側の主張を理解していく取り組みが必要です。



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。


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yuyawatase at 17:44|PermalinkComments(0)米国政治 | 社会問題

2016年11月29日

なぜ、安倍首相はヒラリーのみと会談したのか?

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<The Japan Times から引用>

逢坂誠二・衆議院議員から提出された「9月に行われた安倍・ヒラリー会談に関する質問主意書」に対する政府からの回答がありました。質問主意書への回答は政府の公式見解ということになりますが、その内容は極めて問題の根が深いものとなっていることが分かります。


衆議院議員逢坂誠二君提出ヒラリー・クリントン候補重視の日本外交の問題意識に関する質問に対する答弁書


<逢坂議員の質問>

一 安倍総理が、九月の訪米時にドナルド・トランプ氏とは面談せず、ヒラリー・クリントン氏とだけ面談した理由は何か。政府の見解を示されたい。
 
四 政府は、ヒラリー・クリントン氏の当選が濃厚だとの見通しを持っていなかったのだとすれば、なぜ首相の九月の訪米時に、ヒラリー・クリントン氏とだけ面談したのか。政府の見解を示されたい。

<政府の回答>

一及び四について

平成二十八年九月十九日(現地時間)に行われた、ヒラリー・クリントン前米国国務長官による安倍内閣総理大臣への表敬は、同前米国国務長官側の発意を受け、調整し、実現したものである。ドナルド・トランプ氏からは安倍内閣総理大臣への表敬に関する提案はなされなかったため、同氏の表敬は実施されなかったところである。

<解説>
政府は安倍・ヒラリー会談はヒラリー側からの申し出があったために調整したとしています。そして、トランプ側からは表敬の申し入れがなかったとしています。つまり、同面談が受動的なものであったことが明示されています。


<逢坂議員の質問の続き>

二 九月の安倍総理の訪米時、ドナルド・トランプ氏と面談することを意図し、政府はトランプ陣営への働
きかけを行った事実はあるか。政府の見解を示されたい。

三 政府は、ヒラリー・クリントン氏の当選が濃厚だとの見通しを持っていたのか。見解を示されたい。

<政府の回答>

二及び三について

御指摘のような事実はない。


<解説>
ヒラリーに会うために米国を訪問するにあたって、バランスを取るためにトランプ陣営に働きかけた事実はない、と回答しています。

しかし、11月11日産経新聞によると「実は日本政府はこのとき、トランプ氏側にも会談を申し入れていた。結果的に本人は出てこなかったが、安倍首相はトランプ氏のアドバイザーの一人で投資家のウィルバー・ロス「ジャパン・ソサエティー」会長と会談している。ロス氏はこのとき、こう話したという。」とされています。

政府答弁が嘘をついているのか、産経新聞が飛ばし記事を書いたのか。両方が正しいとした場合、トランプ氏に元々会うつもりも無かったが、トランプ陣営の一人でジャパン・ソサエティーの会長であるウィルバー・ロス氏には個人的に会っておこうと考えたということだろうか。

<逢坂議員の質問の続き>

五 次期米国大統領にはドナルド・トランプ氏が就任するが、この間のヒラリー・クリントン氏だけを重視した日本外交は誤った見通しに基づいていたのではないか。政府の見解を示されたい。

六 米国大統領選挙の結果が出るまでは、ヒラリー・クリントン氏だけを重視する結果となったことは、情報収集と分析能力に課題があると思われる。米国における在外公館の情報収集活動や分析、さらには日本外交の前提となる政府内での情報収集や分析能力には課題があるのではないか。政府の見解を示されたい。

七 米ソ冷戦期および冷戦終結後という時代のレーガン政権からG・H・W・ブッシュ政権の終わった一九九三年以後、米国では二大政党による政権交代が繰り返され、民主党あるいは共和党の政権が連続して三期以上続いたことはないと承知している。その事実を踏まえれば、民主党のオバマ政権の次には共和党政権が誕生する可能性は低くないということは容易に推測できる。日米外交に携わる専門家であれば、当然踏まえておくべき認識であろう。それにもかかわらず、オバマ政権の次にヒラリー・クリントン政権が誕生すると推測し、ヒラリー・クリントン候補重視の日本外交の基本姿勢には、基本的な問題意識の欠如があるのではないか。政府の見解を示されたい。

<政府の回答>

五から七までについて

政府としては、ドナルド・トランプ陣営及びヒラリー・クリントン陣営双方との関係を早い時期から構築してきたところであり、「ヒラリー・クリントン氏だけを重視」したとの事実及び「オバマ政権の次にヒラリー・クリントン政権が誕生すると推測」したとの事実はなく「情報収集や分析能力には課題がある」及び「日本外交の基本姿勢には、基本的な問題意識の欠如がある」といった御指摘は当たらない。

<解説>
両陣営に人脈も持っており、ヒラリーを重視した事実はなく、情報収集や分析能力に課題はない、基本的な問題意識の欠如もないとの回答。

上記の回答を総合して考察すると「政府としては情報収集と分析能力は万全で、ヒラリーから打診が会ったから会っただけで、トランプ陣営には何も打診せず、元々繋がりがあったウィルバー・ロス氏だけは個人的に面談した。ヒラリーを重視していたわけではない。したがって、日本外交の基本姿勢に問題はない」ということになります。

<同時期に米国を訪問したイスラエルのネタニヤフ首相はヒラリー・トランプ両方に会っている>

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比較事例として米国に安倍首相と同時期に訪問したイスラエルのネタニヤフ首相はヒラリー・トランプ両氏に会っていることも紹介しておきます。

ユダヤ人国家という特殊な条件はあるものと思いますが、大統領選挙期間中に候補者の両方に会うことが当然の対応であることが分かります。

イスラエルはイラン核合意などで米国と関係が冷え込む中で、今年3月にオバマ大統領との面会することを取りやめるとともに、大統領予備選挙に干渉する印象を与えることを避けるため、ネタニヤフ首相の訪米日程を一旦キャンセルしていた経緯があります。

しかし、大統領選挙の最終盤に機を見て敏に共和・民主両候補者に面談する機会を持ったこと、そして両候補者からイスラエル寄りのコメントを引き出したことで、同国の卓越した外交力は示されたことになります。

自らの主張を通すために米国相手に駆け引きを行い、そして見事に果実を得る外交だと言えるでしょう。

<日本政府の問題点は「判断力」の欠如だった>

イスラエル政府が情報収集・分析能力に長けており、ネタニヤフ首相の判断力が極めて優れたものだったことは明らかです。

ウィルバー・ロス氏に個人的に面談したから「手を打っていた」という言い訳のリーク記事を新聞社に書かせて国民世論を誤魔化しつつ、正式な政府答弁で答えられない程度の対応しかしていなかった国とは違います。

逢坂議員の質問主意書に対する日本政府の答弁には大きな問題があります。

仮に政府の答弁通り、トランプ・ヒラリー両陣営との人脈を構築し、ヒラリーを重視した事実もなく、情報収集や分析能力に問題が無かったなら、「まともな対応を行ったイスラエルとの差」はどこから生まれたのでしょうか。

両者の差は「判断力」の差であったということが言えるでしょう。

つまり、この問題は「ヒラリーが会いたいと言ったから会いに行った」という受動的な姿勢、自分で外交的な意思決定を判断できない、という外交姿勢以前の根本的な問題だということです。

そして、米国大統領に就任する可能性がある前国務長官に呼びつけられたら、一国の首相が慌てて訪米するような「判断力の欠如した従属外交に問題が無い」という政府答弁に日本人の誇りはあるのでしょうか。

私は一人の日本人として、今回の政府答弁の内容に驚きを覚えました。同内容を公開すること自体に疑問を持たない現政権は日本人の代表としての誇りを問い直されるべきでしょう。



本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。



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yuyawatase at 15:26|PermalinkComments(0)米国政治 | 国内政治

百田津田論争に見る「ヘイトスピーチ規制」慎重運用の必要性

百田尚樹

津田大介

百田・津田論争の問題の本質とは何か

筆者は百田氏の趣旨に賛同するものではありません。これはゴシップ的な推測みたいなものであり、同氏の発言に品が無いというだけの話だと思います。

ところが、この百田氏の発言に対してジャーナリストの津田氏が上記のような反応を示してTweetしたことで、本件は一気に炎上することになりました。

津田氏の主張はTwitterルール上の「特定の人種、性別、宗教などに対するヘイト行為: 人種、民族、出身地、信仰している宗教、性的指向、性別、性同一性、年齢、障碍、疾患を理由とした他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長を禁じます。また、以上のような属性を理由とした他者への攻撃を扇動することを主な目的として、アカウントを利用することも禁じます。」に抵触するというもの。

百田氏のTwitterがこのヘイト規制に当たるかどうかは議論があるところですが、本件では百田氏の発言を燃やすはずだった津田氏の発言もまとめて炎上するという事態が発生しています。それは何故でしょうか。

ヘイトスピーチ規制派が既に権力・体制側になっているということ

この問題の本質は「ヘイトスピーチ規制派が既に権力・体制側になっている」という自覚が足りないことによって起きています。

2016年6月に自民党すらも賛成する形で「「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」が施行されてました。世論調査でも依然として賛否が分かれる・どこまで「不当」とするか議論が残る法律ではあるものの、民主主義における多数決(議決)によって立法府がヘイトスピーチを許さないという意志を示した形となっています。

しかし、この法案成立によって「ヘイトスピーチ規制派は従来までのように安易にヘイト認定する」ことは慎まなくてはならなくなったことを同時に意味しています。

なぜなら、既に彼らの側には政府がついていることになり、一個人が持つことが出来ない政府の非常に強力な力を陰に陽に利用できる環境が整えられたことになるからです。

そのため、従来までのように軽はずみに他者をヘイト認定することは、逆に権力の濫用行為として国民から厳しい目にさらされることになっていくでしょう。ヘイトスピーチ規制派は法律が成立したことで自らが責任ある批判される側に立ったことを踏まえて発言するべきです。

メディアやコメンテーターのエスタブリッシュメント化への危惧

筆者も少し前にテレ朝系の番組に一つ出演させて頂いたのですが、番組趣旨としてはトランプ氏のTwitter利用を欧州各国の極右政治家(&維新の橋下氏)の利用になぞらえて問題視するものでした。

筆者はメディア出演のペーペーなので適当に呼ばれた形ですが、上記のような偏ったものの見方に合わせなければ大手メディアに出続けられないとするなら非常に残念だと思っています。教条主義的な右寄りの考え方は持っていませんが、保守派とされる人々を無理やり貶める大手メディアの報道の在り方に個人的には引きました。

大手メディアは常に反体制を気取ってきましたが、もはや額面通りにその姿勢を受け止める人は少ないでしょう。

記者クラブや政府リークを通じた御用メディア化は言うに及ばず、コメンテーターのポリコレ化について権力・体制的な既得権(エスタブリッシュメント)だと受け止めている人も多いと思います。

報道・論調として何を流す・流さない、という第四の権力を持った人々への不信が強まるな中で、メディア関係者が政府または類似の規制機関の権力濫用につながる発想を公にすることへの忌避反応が出ることは当然です。

Twitterは一私企業であるため、実際のTwitterルールの適用は同社が判断すれば良いことですが、津田氏の発言の中に、多くの人が「権力の濫用の萌芽を見た」ことが炎上原因ではないかと思います。

権力・体制側は自らの力の行使に慎重であることが求められる

もちろん、津田さんも悪意があってやっているわけではないと思います。そして、百田氏の発言もゴシップ的な要素が強かったかもしれません。

しかし、今回の件では、多くの人にとっては「著名な一個人が何を言うか」ということよりも「メディアに頻繁に登場するジャーナリストが他者の発言について規制権力(Twitter社)に適用案件であることを指摘する」ことに脅威を感じたことは確かでしょう。

上記に指摘した通り、現在の世の中は自民党ですらヘイトスピーチを規制する法を通す世の中であり、言論的な大勢は既に決まっていると言えます。

百田氏の「在日外国人云々」という趣旨に賛同する人は少数であり、大半の人は「メディアの報道内容に対する不信」「ヘイト規制が濫用されることへの違和感」を示しただけのように思われます。

従来までのようにヘイトスピーチに関して敵対者を批判する行為だけでは体制・権力側に立った後は済まないということです。

昔の自民党が野党やメディアに何を言われても鷹揚に構えていたように、ヘイトスピーチ規制派も自らの発言や力の行使に慎重になるべきだと思います。

大半の国民は、主流ではない一個人の意見よりも、政府・メディアを背景とした権力の実質的な行使(及びその示唆)、のほうが自らの自由を制約することを知っています。

体制・権力側は安易に刀を抜かないからこそ権威が付加されるものです。ヘイトスピーチを規制する側も自分たちの置かれた立場の認識の見直しが必要になっていると思います。




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