2018年10月21日

消費増税が必要なくなる簡単な方法

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安倍首相が来年10月に消費税を10%に引き上げることを決めたとのこと。

一方、日銀の試算によると、同時に実行する様々な歪なバラマキとの差し引きで事実上の税収効果は2兆円とされている。

壊れた蛇口である日本の官僚機構にとって僅か2兆円程度の追加増税が何の意味もないことは明らかであり、前回の増税時と同様に「本来の使用目的」に後々転用されていくことは想像に難くない。

筆者は2兆円の増税を行う必要性がないと断言できる。そのための財源の筆頭は「地方公務員の人件費」だ。

平成30年度公務員人件費

地方公務員給与総額は20.3兆円である。これを10%カットするだけで消費増税分の税効果がある。

財政難を訴えておきながら自分たちの給与がほとんど横ばいのままいけると思うことがおかしい。地方公務員の給与水準は同地域の大企業の給与に合わせているため、同地域の平均的な所得水準よりも高い状況だ。あまり知られていないが、多くの地方自治体で職員給与総額が住民税総額と同等または上回っているデタラメぶりだ。

たとえば、平成28年度決算カードを見る限り、内閣府が地方創生の成功事例として喧伝している島根県海士町の地方税総額は2億円、人件費は5億円となっている。

平成28年度決算カード島根県(17ページが海士町)

これのどこが地方創生の成功事例なのか。親会社からの財政援助を食いつぶす典型的な子会社の放漫経営そのものだ。

真の地域活性化には「地方公務員という経済成長にほとんど貢献しない部門に地域の優秀な人材を集中させる給与構造」が問題であり、地方公務員給与を引き下げて、民間就職と比べて相対的に魅力的でない仕事にしていくことが大事だと思う。

地域が誇る人材を民間部門に投入し、役所ではなく民間から給与を上げていく仕組みがあることで初めて地域は元気が出ることになる。それ以外はソ連が作るようなマヤカシの豊かさがそこにあるだけだからだ。

おそらく国が「地方公務員給与10%カットされたくないなら無駄な事業を地方側からも出してほしい」と伝えた場合、

「まち・ひと・しごと創生事業費」(1兆円)

という総額約1兆円の役人の玩具のような経費がそっくり返ってくることになるだろう。これだけで増税効果の半分の合理化が見込まれる。筆者の所感では、地方自治体の事務事業評価票を見た上で「要らないと思うものを他にも出してください」と言うだけで更に1兆円分くらいの事業費削減はできると思う。

国がやったふりをする事業に付き合うだけなら地方側もやるだろうが、それが地方公務員の懐を痛める可能性があるとなった場合、多くの地方自治体が「要らない」という回答が来ると思う。どうしても地方創生予算が必要だという地域は自ら地方税を造成してもやってみたいかを聞いてほしい。

筆者は地方公務員が嫌いなわけではなくて、入と出が完全に破綻した仕組みを維持しながら、更に国民から税金を搾り取って投入しようとすることに納得性がないということを申し上げたいだけだ。

役所は自分が住んでいる地域の住民に決算カードを見せながら「地方税の大半は自分たちの給与になっているんですが、財政が苦しいので増税しても良いですか?」と言えるものなら言ってみてほしい。国民が財政に無知であることを良いことに「自分たちが創り出した財政難」を危機であるかのように煽ることは罪だろう。

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yuyawatase at 19:29|PermalinkComments(0)社会問題 | 国内政治
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2018年10月20日

RCEP妥結、日本政府のトランプ政権への事実上の宣戦布告となる可能性を考慮したのか

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出典www.postwesternworld.com

日本政府は本気でRCEPについて年内に妥結するつもりのようだ。

上記の画像を見てほしいが、①米国抜きでTPPが発効されるとともに、②非RCEP国である米国・カナダ・メキシコがUSMCAを新たに締結、という状況がインド太平洋圏においてトランプ政権によって新たに作り出された環境である。

トランプ政権の貿易政策は事実上対中国圧力をベースとした側面が強い。

USMCAはNAFTAを改組したものであるが、その狙いは米国と他二国の貿易環境の再構築だけでなく、カナダ・メキシコが中国との間で貿易協定を独自で結ぶことを防止することを狙った内容となっている。また、トランプ政権は7月末の米欧首脳会談でも両国の貿易問題では直接関係ない知財侵害などについて事実上中国を批判する声明を行うことに成功している。直近ではペンス副大統領やポンペオ国務長官がインド太平洋地域への巨額の投資・支援を表明したばかりである。

このような環境下で、日本はインド太平洋圏における経済大国として、中国を実質的に中心に据えたRCEPを発効させるために非常に前向きな姿勢を示している。もちろん、日本がRCEPから抜けることは非現実的であり望ましくないことも確かであるが、①日米の貿易交渉が本格的に開始される、②米中の貿易戦争が最低半年程度は激化する、ことが予想されるタイミングで、日本政府が中国に助け船をわざわざ出す行為には疑問を抱かざるを得ない。

もちろんEUも米国を無視して中国との間で巨額の取引を進めることを今年の夏に新たに約束しているが、地理的環境も含めた政治リスクが全く異なる日本がこのタイミングで親中的な対応を行うことは率直に言って悪手だろう。中国政府は「トランプ政権に対抗して自由貿易を守る」ことを公言しているが、まさか日本政府はそんなお題目を本当に真に受けているのかとビックリする状況だ。

これで日本が米国と中国の間でバランスを取った外交をしていると能天気なことを考えているならお笑い種だと思う。

日本の国益は巨大な貿易パートナーである中国の貿易慣行を是正することに決まっている。

トランプ政権はRCEPに加盟する見込みの国々との貿易関係を見直し、幾つかのFTA非締結国についてはFTA交渉を求める方針を打ち出しているが、その目的は中国に有利な国際環境を構築しないようにすることにあるだろう。米国が貿易相手国に対して「国際的なルールを守れない国とは貿易協定を結んではならない」という方向に持っていこうとしていることは明らかだ。

日本が米国の同盟国として行うべき行動は、RCEPに加盟しようとしている国に対して「米国とともに中国に圧力を実質的にかけるため」に日本との貿易ルールの見直しを迫ることだろう。トランプ政権の存在は中国の貿易慣行を是正するための圧力をかける最大のチャンスであり、このタイミングに中国の顔色を窺ってRCEPを推し進めるなど愚策の極みである。

むしろ、米国側は日本がRCEPを推進している姿を「敵対的」と看做して、本来はかかるはずもない自動車関税などを事実上の報復としてかけてくる可能性がある。万が一の事態が起きた時、まさか日本側は中国側に立って米国に対抗するとでも言うのだろうか。今、この政治リスクを取ることの意味が理解できない。

日本政府は前身となる構想も含めて10年以上RCEPを検討してきて既に惰性に陥っているために、この最悪の瞬間に交渉が妥結することの意味を理解しているとは思えない。他の貿易協定のように交渉にあたってきた官僚機構の惰性で進めて良い問題ではなく、政治家は目の前に生じつつある世界の対立構造を見極めた判断を行うべきだろう。

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yuyawatase at 15:08|PermalinkComments(0)
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2018年10月19日

カバノー最高裁判事誕生が「トランプ再選」に直結する理由

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(写真はAP通信から引用)

ブレット・カバノー氏の最高裁判事承認手続きが米国上院で50対48で通過した。

本件を巡って同氏の高校時代の性的暴行疑惑が浮上したことで、9月末の承認が10月頭にまで延期される事態となっていた。そのため、今回の採決はFBIによる追加調査結果を待つ形で10月7日に連邦上院で行われたものである。

カバノー最高裁判事誕生は2020年の「トランプ再選」に直結している重要な出来事である。今回の承認人事は中道派のケネディ判事の退任に伴うものであり、保守派と看做されるカバノーが選ばれることで最高裁判事構成は保守派5対リベラル派4と大きく保守寄りに傾く。その結果は民主党側は自らの支持母体である公務員労組を弱体化させる「ある判決」を覆すことが事実上不可能になったことを意味する。

昨年スカリア判事の死去に伴うポストにニール・ゴーサッチ判事が補充されたことで、最高裁の構成は保守派5(中道派1)対リベラル派4という状況に既になっていた。この最高裁判事の構成が露骨に影響した同判決が2018年6月末に出ている。

その判決とは「公務員労組に入っていない公務員から組合費を徴収することを違憲とする」判決である。これはカリフォルニア州の教員が「非加盟員から組合費を徴収すること」に疑義を呈した訴えに対する判決であり、1977年の最高裁判決から認められてきた組合費の徴収方式をひっくり返すものであった。非加盟員から徴収した組合費は政治目的に使用できないことになっていたが、実質的に政治目的に使用されていることを問題視したものである。

米国においては公務員労組の組織率が民間労組の組織率を遥かに上回っており、民主党の選挙運動の支持母体として公務員労組は中心的役割を担っている。したがって、公務員労組の資金力が弱体化することは中長期的な民主党の党勢衰退に直結することになる。2018年の中間選挙に同判決が影響を与えるためには時間が不足しているが、2年後の大統領選挙までには公務員労組の衰退は決定的な状況になることが想定される。

民主党がなりふり構わずカバノー最高裁判事の承認に抵抗した理由は、最高裁判事の構成が保守派に一層傾くことで民主党側が同判決を覆すチャンスがゼロになることが背景にあった。米国の最高裁人事は日本と比べて政治的要素が極めて強く、表面的なイザコザだけでなくもう一段深いところまで踏み込んで分析する必要がある。

今回のカバノー判事誕生は米国の歴史に残るものになるだろう。

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yuyawatase at 08:00|PermalinkComments(0)米国政治 
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